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72 森ガール
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城外で暗躍する人類連合の手先を始末するために、王様は大胆な策に打って出ました。
なんと! 大狩猟会を開催し、我が子を囮にして、連中をおびき寄せて一網打尽にしようと考えたのです。
いくらなんでも五歳児には酷な話なのでは? と思ったのですが当人も了承済み。「王族として、ここで立たねば」とやる気に満ちています。やる気は結構なのですが、付き合わされる周囲はわりと迷惑です。護衛である私も当然のごとく矢面に立つ羽目に。露骨に嫌な顔をしたら、王様が特別手当を出すと言ったので、渋々引き受けることにしました。
サクサクと手順を踏んで、やってきました狩猟会当日、お天気はあいにく曇り空。
これは昼過ぎには降り出しそうですね。
国内の主要貴族らはこぞって参加、場所は王城の西側に広がる森にて行われます。騎士やら兵やらが追い立てたモンスターや動物らを、高貴な方々が仕留めるというお遊戯。実は森に放たれている獲物らも、事前に準備されたものです。活きが良すぎるモノには薬を嗅がせてある念の入れよう。これが大人の本気接待という奴なのですね。
王子がわずかな手勢のみを連れて、獲物を追って森の奥へ。
本日は森ガールの私もトテトテついて行きますよ。
もちろんわざとです。そもそも五歳児に満足な狩りなんて出来ませんから。
ですが敵もそれは承知のようで、あえてこちらの誘いに応じてきました。
王子たち一行を取り囲むように、ゾロゾロと大量のモンスターたちが姿を現します。どうやら敵の中にテイマーと呼ばれる職種の方がおられたようです。テイマーとはモンスターらを使役できる能力を持つ人たちのこと、とはいえ何でもというわけではありません。あんまり強い個体を服従させるのは無理みたい。だから数を揃えるのです。一体一体が弱くとも、それが数十、数百ともなれば十分に驚異となりえますから。
私たちの前に姿を現したモンスターの数は、ざっと百ほど。これはなかなかの数ですね。
群れを率いるリーダらしき、大きな狼が吼えたのを合図に、一斉に襲いかかってきました。
だから容赦なく返り討ちにしてやりました。
森の中に響き渡る銃声。
真っ先にリーダーの大狼へと詰め寄ると、その脳天を銃で撃ち抜き、残りは両手に構えたマシンガンで薙ぎ倒していきます。シュタシュタと群れの中を駆け抜けて、確実に仕留めていきました。
人間領にいるモンスターって、魔族領では生きていけなかった弱い連中なんです。だから私の創世魔法で生み出した武器でも掃討が可能、あっちだと追い払うのがやっとだというのに。
バタバタと倒れていくモンスターたち。
その様子を唖然と見守るだけの王子とお付きの面々。どうやら彼らにはいささか刺激が強かったようです。
やれやれ、私も随分と魔族領に染まったようですね。
さて、私が群がる敵を倒している間、セラーさんには密かに別行動をお願いしておきました。それは今回のことを主導しているであろう人物の確保です。きっと近くに潜んでいるはずだから、しばき倒して連れてくるようにお願いしておきました。
ひと仕事を終えて、食べれらるのとそうでないのを選別していると、出かけていたセラーさんが数名の男女を引っ立てて戻ってきました。どうやら彼らが人類連合が差し向けた工作員のようですね。捕まえる際に、うっかり数名ほど殺っちゃたのは誤差の範囲でしょう。
よほど心胆を寒からしめたのか、みな顔面蒼白にて従順です。
「えっ? セラーさんにじゃなくて私を怖がってるですって、なにをご冗談を。歩く市松人形ごときに、そんなワケあるはずがないでしょう」
ねぇ? と王子様に笑顔を向けると、必死に小さい顔を横に振られてしまいました。
うーん。
なんと! 大狩猟会を開催し、我が子を囮にして、連中をおびき寄せて一網打尽にしようと考えたのです。
いくらなんでも五歳児には酷な話なのでは? と思ったのですが当人も了承済み。「王族として、ここで立たねば」とやる気に満ちています。やる気は結構なのですが、付き合わされる周囲はわりと迷惑です。護衛である私も当然のごとく矢面に立つ羽目に。露骨に嫌な顔をしたら、王様が特別手当を出すと言ったので、渋々引き受けることにしました。
サクサクと手順を踏んで、やってきました狩猟会当日、お天気はあいにく曇り空。
これは昼過ぎには降り出しそうですね。
国内の主要貴族らはこぞって参加、場所は王城の西側に広がる森にて行われます。騎士やら兵やらが追い立てたモンスターや動物らを、高貴な方々が仕留めるというお遊戯。実は森に放たれている獲物らも、事前に準備されたものです。活きが良すぎるモノには薬を嗅がせてある念の入れよう。これが大人の本気接待という奴なのですね。
王子がわずかな手勢のみを連れて、獲物を追って森の奥へ。
本日は森ガールの私もトテトテついて行きますよ。
もちろんわざとです。そもそも五歳児に満足な狩りなんて出来ませんから。
ですが敵もそれは承知のようで、あえてこちらの誘いに応じてきました。
王子たち一行を取り囲むように、ゾロゾロと大量のモンスターたちが姿を現します。どうやら敵の中にテイマーと呼ばれる職種の方がおられたようです。テイマーとはモンスターらを使役できる能力を持つ人たちのこと、とはいえ何でもというわけではありません。あんまり強い個体を服従させるのは無理みたい。だから数を揃えるのです。一体一体が弱くとも、それが数十、数百ともなれば十分に驚異となりえますから。
私たちの前に姿を現したモンスターの数は、ざっと百ほど。これはなかなかの数ですね。
群れを率いるリーダらしき、大きな狼が吼えたのを合図に、一斉に襲いかかってきました。
だから容赦なく返り討ちにしてやりました。
森の中に響き渡る銃声。
真っ先にリーダーの大狼へと詰め寄ると、その脳天を銃で撃ち抜き、残りは両手に構えたマシンガンで薙ぎ倒していきます。シュタシュタと群れの中を駆け抜けて、確実に仕留めていきました。
人間領にいるモンスターって、魔族領では生きていけなかった弱い連中なんです。だから私の創世魔法で生み出した武器でも掃討が可能、あっちだと追い払うのがやっとだというのに。
バタバタと倒れていくモンスターたち。
その様子を唖然と見守るだけの王子とお付きの面々。どうやら彼らにはいささか刺激が強かったようです。
やれやれ、私も随分と魔族領に染まったようですね。
さて、私が群がる敵を倒している間、セラーさんには密かに別行動をお願いしておきました。それは今回のことを主導しているであろう人物の確保です。きっと近くに潜んでいるはずだから、しばき倒して連れてくるようにお願いしておきました。
ひと仕事を終えて、食べれらるのとそうでないのを選別していると、出かけていたセラーさんが数名の男女を引っ立てて戻ってきました。どうやら彼らが人類連合が差し向けた工作員のようですね。捕まえる際に、うっかり数名ほど殺っちゃたのは誤差の範囲でしょう。
よほど心胆を寒からしめたのか、みな顔面蒼白にて従順です。
「えっ? セラーさんにじゃなくて私を怖がってるですって、なにをご冗談を。歩く市松人形ごときに、そんなワケあるはずがないでしょう」
ねぇ? と王子様に笑顔を向けると、必死に小さい顔を横に振られてしまいました。
うーん。
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