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167 災厄の魔女編 魔女の誘い
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「どう? 面白かった。これがあの夜の真実……、なんちゃって。でもこれでわかったでしょう。二人が死んじゃったのって、実はクロアお姉ちゃんのせいなんだよー。我が子の身を案じたがゆえに、自ら進んで死地へと赴いたの。アランてば本当に隙がなかったから、助かっちゃった。ありがとうね、お姉ちゃん」
かつてランドクレーズ家を襲った悲劇の真相を語り終えたルイン。
少女の皮を被った魔女が、腐った性根を晒け出し、クロアに牙を剥く。
「私の……、せい、なの? お父さま……お母さまが……、死んだのは……」
消え入りそうな呟きに、ハッとしたオレが見たのは、両親の死の真相を知り激しく動揺するクロア。その青い瞳が次第に光を失い、虚ろへと変わっていく。
そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、魔女が言葉を紡ぐ。
「そうだよ。全部、ぜーんぶ、お姉ちゃんのせい。あの二人は本当に手強かったの。でもお姉ちゃんが産まれてくれたおかげで隙が出来た。本当にありがとう。ワ・タ・シのために産まれて来てくれて。おかげで邪魔者が排除できて、楽園計画は大きく前進したわ」
災厄の魔女の顔にあるはずの二つの目が、暗い洞になっている。
二つの深淵がクロアを見ていた。
まるで見つめる相手の瞳に微かに残る、その光の粒までをも吸い付くすかのように。
透き通るような空の青さを誇った瞳の色は褪せ、次第に焦点を失っていく。
グラリとその体が傾いだ。
ニヤリと魔女が笑う。
その時になって、オレはようやくこいつが「何か」を仕掛けていたことに気が付く。だがオレよりも先に動いた人物がいた。
メーサが立ち上がったのと同時に、クロアの胸倉を掴む。
力なくされるがままになっている親友の頬を、メーサの平手が打った。
「しっかりしろ! クロア・ランドクレーズ。こんな女の言葉に惑わされるな。貴女が産まれたのは、こんな奴のためなんかじゃない。貴女はご両親に望まれて、周りのみんなに祝福されて、今ここにいるの。もちろん私だってそうよ! むしろ私のために、みんなのために産まれて来てくれて、ありがとうって言いたいぐらいだわ。だからしっかりしなさい。こんな女に負けちゃダメっ!!」
メーサの必死の叫び、激しいビンタが一発、二発と続く。そして三発目が振るわれようとした、まさにその時、クロアは復活した。
振り下ろされたメーサの手を受けとめて、「ごめん、心配かけた。もう大丈夫だから」と答えた。
その目には再び精気が宿り、輝きが戻っている。
いつものクロアの目だ。
「あーあ、やっぱり駄目かー。あわよくばって考えてたんだけど、さすがはあの二人の娘よね。こんだけ動揺させたから、魔眼でイケるかと思ったんだけど。お友達の一発で目が覚めてる時点で、効果はたいして期待できなかったわね」
二人のやり取りを黙って見ていた魔女が、そんなことを言った。
どうやら彼女は魔眼の持ち主だったようだ、それもたぶん精神操作系の。
オレがそんなことを考えていると、冷静さを取り戻したクロアが口を開く。
「ちょっと聞いてもいいかしら?」
「なぁに、クロアお姉さんには意地悪しちゃったから、その分ぐらいなら応えてあげるよ」
ソファーに深く腰かけ、足をぶらぶらしながら、無邪気に少女が笑みを浮かべる。そこには先ほどまでの底意地の悪さは微塵も見られない。
「どうして私のお父さんとお母さんが、貴女に狙われたのかしら。それから貴女の目的も知りたい。楽園計画って何?」
矢次早やに繰り出されるクロアの質問に、いちいちウンウンと頷いて見せるルイン。
質問が出揃ったところで魔女が答え始める。
「まずアランとエレクトラを狙ったのは、彼らが私たちの障害となりうる存在だから。あのまま放置したら、王国はかつてないほどの繁栄を得ることになる。それこそ向こう千年ぐらい揺るがないほどの。だから殺した」
「ちょっと、どうしてそんな事がわかるのよ。いくら夫妻が優秀だったからって」
千年の繁栄をもたらすという表現に、思わず口を挟んでしまったメーサ。彼女の疑問はもっともだ。その言い草では、まるで未来が分かっているかのようではないか。
「あー、そこからかー。まぁ、いいでしょう。せっかくだからお姉ちゃんたちには、特別に私の秘密を教えてあげる。感謝してよね」
オレたちの見ている目の前で、災厄の魔女が己の左手に魔力を集約させる。
すると手の中に古ぼけた一冊の書が姿を現した。
「これは予言の書、私に未来を教えてくれるの。そこでさっきのクロアお姉ちゃんの質問に繋がるんだけど、私たちはこれを使って、望んだ未来を得るために活動をしている。これが目的で、そのための計画が最後の問いの答えというわけ。ちなみに楽園計画とは醜く歪んだ世界を正し、子供たちが笑って過ごせる世界を創り出すことよ。どう、スゴイでしょう? なんだったらお姉ちゃんたちも仲間に入る? 二人なら喜んで歓迎するわよ。一緒に女神の手から零れ落ちた哀れな存在を救わない?」
楽しそうに話していたかと思えば、一転して真剣な表情になって、ふざけた事を口にするルイン。
もちろん二人がこんな誘いに応じることはない。
……それにしてもルインは、何を言っているんだ? 言ってることとやっていることが無茶苦茶だ。助けると言いつつ、多くの人々を傷つけ、人生を狂わしている。そのくせ悪びれる様子もない。無邪気に自分が正しい事を成していると信じ切っている。言動や表情もコロコロ変わって、どうにも捉えどころがない。
不正確で不誠実で矛盾の塊、違和感だらけの彼女を、オレはまったく理解できない。
「そう……、それは残念。もっともあんまり期待してなかったけどね。じゃあ、そろそろ次のお話に移ろうか。どちらかというと今日のお茶会は、コッチが本命だったから」
席を立ったルインが、壁に立てかけてあるゴテゴテした絵の一枚に近づいていく。
彼女が額縁の角を弄ると、ゴトンという音がした。
微かな振動が室内に伝わる。そして絵が飾られていた壁の一部が動いて、そこに地下への階段が姿を現した。
その階段は屋敷の地下にある古代遺跡の逆さ塔へと通じていると、ルインは説明した。
塔といってもせいぜい五階分くらいの深さしかないので、のんびり階段を降りても、最深部へと到達するのに、三十分とかからないとのこと。
階段の前に立つ少女がこちらを振り返る。
「ねぇ、クロアお姉ちゃん。私のこと……、殺したくない?」
クロアを真っ直ぐに見つめる魔女。
しばし睨み合った後に「そうね。とりあえず思いっきり、ぶん殴ってはやりたいかな」とクロアは言った。
「そう、だったらこの先で待っているから、降りて来て頂戴。そこに聖女様もいるから。別に心配しなくても罠なんて仕掛けてないよ。ただ途中でお姉ちゃんの両親の仇がいるだけ、どうするかはそっちで決めてね。戦うもよし、無視するもよし、あの子には自分からは襲わないように言い含めてあるから、手を出さなければ大丈夫。じゃあ、待っているね」
言いたいだけ言うと、災厄の魔女の姿は暗い階段の奥へと消えていった。
《クロア……》
完全に魔女の気配が消えたところでオレは話しかける。だがあまりの事態の連続に、何と言葉をかけていいのかがわからない。
「大丈夫だよ、ムーちゃん。突然過ぎてちょっと驚いちゃったけど、もう平気。メーサのビンタが効いた。あれで活が入ったから、二度とあんな醜態は晒さない」
「そうよ、あんな見え見えな手に引っかかるだなんて。本当にクロアちゃんは、私がいないとダメダメなんだから」
「メーサちゃんもゴメンね。心配かけちゃったね。でも、もう大丈夫だから。それよりも早くカリナちゃんを助けないと」
《そうだな。ところで牛頭の方はどうする?》
「もちろん、ぶっ飛ばす。落とし前は、キチンとつけさせないと」
「そうよね。フィメール先生もよく仰っていたもの。『貴族は舐められたら終わりだ』って。ここはしっかり倍返しでいきましょう」
「倍どころか倍々返しで思い知らせてやる!」
クロアが気合を入れたところで、オレたちは地下へと続く階段を降りていく。
螺旋状に続く階段、灯りが燈されてあるので内部は暗くない。
途中でクロアがこっそりとオレに話しかけてきた。
「次の相手だけは、私の手でケリをつけなくちゃダメだと思う。だからムーちゃんには手を出して欲しくないの。我儘言っちゃうけど、いいかな?」
《そんなのは我儘っていわねぇよ。気にすんな、思いっきりやってやれ。しっかり見届けてやるから》
「うん。ありがとう」
オレとクロアがそんなやり取りをしていると、そこに「ちょっと待った」と、メーサが割り込んできた。
「ムーちゃんはともかく私は参戦するからね。大切な人が目の前で戦っているのを、黙って見ていられるほど大人じゃないから」
「でも……」
「どうしても駄目って言うのなら、逆に私一人で倒しちゃうんだから。それでもいいの?」
一見すると行動派のクロアと慎重派のメーサでは性格がまるで違うように思えて、その実、二人はとても似た者同士。言い出したらきかない頑固な性分なんかが特にそっくり。互いにそのことをよく知っている。
しばしの言い合いの後、ついには根負けしたクロアが折れた。メーサの篤い友情の勝利である。
そうこうしているうちに階段が途切れて、広いホールへと辿り着く。
進んだ距離を考慮すると、どうやら中間地点に差し掛かったらしい。
ちょうど反対側に、更に地下へと続く階段が見られる。
ただし、その入り口の前には、漆黒の巨躯が立ち塞がるかのように佇んでいた。
かつてランドクレーズ家を襲った悲劇の真相を語り終えたルイン。
少女の皮を被った魔女が、腐った性根を晒け出し、クロアに牙を剥く。
「私の……、せい、なの? お父さま……お母さまが……、死んだのは……」
消え入りそうな呟きに、ハッとしたオレが見たのは、両親の死の真相を知り激しく動揺するクロア。その青い瞳が次第に光を失い、虚ろへと変わっていく。
そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、魔女が言葉を紡ぐ。
「そうだよ。全部、ぜーんぶ、お姉ちゃんのせい。あの二人は本当に手強かったの。でもお姉ちゃんが産まれてくれたおかげで隙が出来た。本当にありがとう。ワ・タ・シのために産まれて来てくれて。おかげで邪魔者が排除できて、楽園計画は大きく前進したわ」
災厄の魔女の顔にあるはずの二つの目が、暗い洞になっている。
二つの深淵がクロアを見ていた。
まるで見つめる相手の瞳に微かに残る、その光の粒までをも吸い付くすかのように。
透き通るような空の青さを誇った瞳の色は褪せ、次第に焦点を失っていく。
グラリとその体が傾いだ。
ニヤリと魔女が笑う。
その時になって、オレはようやくこいつが「何か」を仕掛けていたことに気が付く。だがオレよりも先に動いた人物がいた。
メーサが立ち上がったのと同時に、クロアの胸倉を掴む。
力なくされるがままになっている親友の頬を、メーサの平手が打った。
「しっかりしろ! クロア・ランドクレーズ。こんな女の言葉に惑わされるな。貴女が産まれたのは、こんな奴のためなんかじゃない。貴女はご両親に望まれて、周りのみんなに祝福されて、今ここにいるの。もちろん私だってそうよ! むしろ私のために、みんなのために産まれて来てくれて、ありがとうって言いたいぐらいだわ。だからしっかりしなさい。こんな女に負けちゃダメっ!!」
メーサの必死の叫び、激しいビンタが一発、二発と続く。そして三発目が振るわれようとした、まさにその時、クロアは復活した。
振り下ろされたメーサの手を受けとめて、「ごめん、心配かけた。もう大丈夫だから」と答えた。
その目には再び精気が宿り、輝きが戻っている。
いつものクロアの目だ。
「あーあ、やっぱり駄目かー。あわよくばって考えてたんだけど、さすがはあの二人の娘よね。こんだけ動揺させたから、魔眼でイケるかと思ったんだけど。お友達の一発で目が覚めてる時点で、効果はたいして期待できなかったわね」
二人のやり取りを黙って見ていた魔女が、そんなことを言った。
どうやら彼女は魔眼の持ち主だったようだ、それもたぶん精神操作系の。
オレがそんなことを考えていると、冷静さを取り戻したクロアが口を開く。
「ちょっと聞いてもいいかしら?」
「なぁに、クロアお姉さんには意地悪しちゃったから、その分ぐらいなら応えてあげるよ」
ソファーに深く腰かけ、足をぶらぶらしながら、無邪気に少女が笑みを浮かべる。そこには先ほどまでの底意地の悪さは微塵も見られない。
「どうして私のお父さんとお母さんが、貴女に狙われたのかしら。それから貴女の目的も知りたい。楽園計画って何?」
矢次早やに繰り出されるクロアの質問に、いちいちウンウンと頷いて見せるルイン。
質問が出揃ったところで魔女が答え始める。
「まずアランとエレクトラを狙ったのは、彼らが私たちの障害となりうる存在だから。あのまま放置したら、王国はかつてないほどの繁栄を得ることになる。それこそ向こう千年ぐらい揺るがないほどの。だから殺した」
「ちょっと、どうしてそんな事がわかるのよ。いくら夫妻が優秀だったからって」
千年の繁栄をもたらすという表現に、思わず口を挟んでしまったメーサ。彼女の疑問はもっともだ。その言い草では、まるで未来が分かっているかのようではないか。
「あー、そこからかー。まぁ、いいでしょう。せっかくだからお姉ちゃんたちには、特別に私の秘密を教えてあげる。感謝してよね」
オレたちの見ている目の前で、災厄の魔女が己の左手に魔力を集約させる。
すると手の中に古ぼけた一冊の書が姿を現した。
「これは予言の書、私に未来を教えてくれるの。そこでさっきのクロアお姉ちゃんの質問に繋がるんだけど、私たちはこれを使って、望んだ未来を得るために活動をしている。これが目的で、そのための計画が最後の問いの答えというわけ。ちなみに楽園計画とは醜く歪んだ世界を正し、子供たちが笑って過ごせる世界を創り出すことよ。どう、スゴイでしょう? なんだったらお姉ちゃんたちも仲間に入る? 二人なら喜んで歓迎するわよ。一緒に女神の手から零れ落ちた哀れな存在を救わない?」
楽しそうに話していたかと思えば、一転して真剣な表情になって、ふざけた事を口にするルイン。
もちろん二人がこんな誘いに応じることはない。
……それにしてもルインは、何を言っているんだ? 言ってることとやっていることが無茶苦茶だ。助けると言いつつ、多くの人々を傷つけ、人生を狂わしている。そのくせ悪びれる様子もない。無邪気に自分が正しい事を成していると信じ切っている。言動や表情もコロコロ変わって、どうにも捉えどころがない。
不正確で不誠実で矛盾の塊、違和感だらけの彼女を、オレはまったく理解できない。
「そう……、それは残念。もっともあんまり期待してなかったけどね。じゃあ、そろそろ次のお話に移ろうか。どちらかというと今日のお茶会は、コッチが本命だったから」
席を立ったルインが、壁に立てかけてあるゴテゴテした絵の一枚に近づいていく。
彼女が額縁の角を弄ると、ゴトンという音がした。
微かな振動が室内に伝わる。そして絵が飾られていた壁の一部が動いて、そこに地下への階段が姿を現した。
その階段は屋敷の地下にある古代遺跡の逆さ塔へと通じていると、ルインは説明した。
塔といってもせいぜい五階分くらいの深さしかないので、のんびり階段を降りても、最深部へと到達するのに、三十分とかからないとのこと。
階段の前に立つ少女がこちらを振り返る。
「ねぇ、クロアお姉ちゃん。私のこと……、殺したくない?」
クロアを真っ直ぐに見つめる魔女。
しばし睨み合った後に「そうね。とりあえず思いっきり、ぶん殴ってはやりたいかな」とクロアは言った。
「そう、だったらこの先で待っているから、降りて来て頂戴。そこに聖女様もいるから。別に心配しなくても罠なんて仕掛けてないよ。ただ途中でお姉ちゃんの両親の仇がいるだけ、どうするかはそっちで決めてね。戦うもよし、無視するもよし、あの子には自分からは襲わないように言い含めてあるから、手を出さなければ大丈夫。じゃあ、待っているね」
言いたいだけ言うと、災厄の魔女の姿は暗い階段の奥へと消えていった。
《クロア……》
完全に魔女の気配が消えたところでオレは話しかける。だがあまりの事態の連続に、何と言葉をかけていいのかがわからない。
「大丈夫だよ、ムーちゃん。突然過ぎてちょっと驚いちゃったけど、もう平気。メーサのビンタが効いた。あれで活が入ったから、二度とあんな醜態は晒さない」
「そうよ、あんな見え見えな手に引っかかるだなんて。本当にクロアちゃんは、私がいないとダメダメなんだから」
「メーサちゃんもゴメンね。心配かけちゃったね。でも、もう大丈夫だから。それよりも早くカリナちゃんを助けないと」
《そうだな。ところで牛頭の方はどうする?》
「もちろん、ぶっ飛ばす。落とし前は、キチンとつけさせないと」
「そうよね。フィメール先生もよく仰っていたもの。『貴族は舐められたら終わりだ』って。ここはしっかり倍返しでいきましょう」
「倍どころか倍々返しで思い知らせてやる!」
クロアが気合を入れたところで、オレたちは地下へと続く階段を降りていく。
螺旋状に続く階段、灯りが燈されてあるので内部は暗くない。
途中でクロアがこっそりとオレに話しかけてきた。
「次の相手だけは、私の手でケリをつけなくちゃダメだと思う。だからムーちゃんには手を出して欲しくないの。我儘言っちゃうけど、いいかな?」
《そんなのは我儘っていわねぇよ。気にすんな、思いっきりやってやれ。しっかり見届けてやるから》
「うん。ありがとう」
オレとクロアがそんなやり取りをしていると、そこに「ちょっと待った」と、メーサが割り込んできた。
「ムーちゃんはともかく私は参戦するからね。大切な人が目の前で戦っているのを、黙って見ていられるほど大人じゃないから」
「でも……」
「どうしても駄目って言うのなら、逆に私一人で倒しちゃうんだから。それでもいいの?」
一見すると行動派のクロアと慎重派のメーサでは性格がまるで違うように思えて、その実、二人はとても似た者同士。言い出したらきかない頑固な性分なんかが特にそっくり。互いにそのことをよく知っている。
しばしの言い合いの後、ついには根負けしたクロアが折れた。メーサの篤い友情の勝利である。
そうこうしているうちに階段が途切れて、広いホールへと辿り着く。
進んだ距離を考慮すると、どうやら中間地点に差し掛かったらしい。
ちょうど反対側に、更に地下へと続く階段が見られる。
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