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162 災厄の魔女編 魔女の気配
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卒業記念パーティーも無事に終了。
モニスの婚約破棄に協力してくれた同士たちへのお礼行脚も済ませ、寮の自室へと戻ってきたときには、すでに日付が変わろうとしていた。
ルーシーさんが淹れてくれた紅茶を飲みながら、クロアとメーサもソファーに腰を降ろしてだらりとなっている。なんだかんだで、ずっと気を張っていたのだから、この脱力具合もしょうがあるまい。
「やっと終わったぁー」
自分の肩をポンポンと叩くクロア。
「ええ、終わったわね。おかげで少しバタバタしちゃったけど、これはこれで悪くはなかったかな」
なんだかんだで楽しかったとの感想を零したのはメーサ。この度の婚約破棄の件では裏で一番働いていたのは、きっと彼女だ。
「お二人ともお疲れさまでした。もちろん、ムーさんも」
オレたちを労わってくれるルーシーさん。同士らとの連絡のやり取りに奔走してくれた彼女。メイドである身分ゆえにパーティーには参加できなかったので、最大に盛り上がる場面を直接目撃出来ないことを、非常に残念がっていた。
《しかしあれほど化けるとはねぇ。男が女で変わるってのは、本当だったみたいだ》
あの時の王子の姿を思い出し、オレが褒めるとクロアも同意する。
「あー、アレには私も驚いた。堂々としていたわよねぇ。ほんのちょっびっとだけど、見直してあげてもいいかな」
「モニスもカリナも最後まで俯かなかったのは大したものよ。あの二人の毅然とした態度のおかげで、今回の醜聞の印象が随分と変わっちゃったから。おかげで情報操作が楽で助かったわ」
「あーん、私もやっぱり見たかったですー。王子はどうでもいいんですけど、モニスさまの一世一代の演技は、この目に焼き付けたかった」
《でもまさか、最後の最後にあんな展開が待っていたとはな》
「えっ、何ですか? まだ何かあったんですか?」
《実はな……》
婚約破棄騒動の直後に咲いた、モニスと講師の恋の花について教えてやると、ルーシーさんのテンションが凄いことになってしまう。
おかげでクロア、メーサ、オレ、二人と一体のスーラはなかなか開放してもらえず、明け方近くまで根堀り葉堀りと質問責めを受け、彼女の話に付き合うことになってしまった。
こうしてクロアたちの学園生活は幕と閉じる……、かに思われたのだが最後にとんでもない出来事が待ち受けていた。それを招き寄せたのはメーサの何気ない一言。
三年間、お世話になった寮の部屋を、みなで片づけていた時のことだ。思い出話なんかに盛り上がりつつも手を動かしていると、ポツリとメーサが零した。
「結局、あの少女って、誰だったのかしら」
なんとも意味深な呟きにクロアが喰いつく。オレやルーシーさんも自然と耳を傾けることになる。
「破軍の時に話に出た少女の正体が、ついに分からなかったのよね。ウチの連中にもかなり長いこと潜らせたんだけど、駄目だった。学園生活を思い返せば、アレが唯一の心残りかしら」
破軍に纏わる騒動を思い出して、みなが複雑そうな顔を浮かべた。
なんでもオレが後で聞いたところによると、変態が出たらしい。あまりの変態ぶりに激怒したエメラさんにボコボコにされたという。そんな記憶があれば、彼女たちのこんな表情も頷けるというもの。
そんな中でルーシーさんが、「あっ」という声を上げた。
顔を見ると、何かを思いついたといった感じだ。
メーサに促されてルーシーさんが自身の思いつきを口にする。
「あのー、もしかしてクロアさまのダウジングで、相手の居場所がわかっちゃったりして……なんて」
これを受けて、ダメ元で試してみるかということになり、クロアはせっかく片づけた荷物をガサゴソと漁って、宝石のついたネックレスを探し、メーサは手持ちの地図を何枚か吟味して持ってきた。
彼女が用意したのは王都近郊と、王国全土を記した地図。明らかに一般用とは違って、軍用かと疑いたくなるほどの詳細な記載の地図。これにオレはあえて気がつかないフリをした。どこで仕入れたとか、どうやって情報を集めたとか、触れると面倒事に巻き込まれる予感がプンプンしたからである。
ルーシーさんが手早く掃除の道具などを片づけているうちに、準備も整った。
「……でも、なんて問いかけてダウジングをすればいいの? 謎の少女だけじゃ、いくらなんでも絞り込めないと思うけど」
「とりあえず『自分の敵』とかでやってみれば」
メーサの言う通りにやってみると王国全土の地図の上、それも王都付近で、ぐりんぐりんと鎖の先にぶら下がった宝石が回る。
「なんだか王都周りで反応が激しいですね」
《何気にあちこちで喧嘩しているからな、クロア》
「クロアちゃん、一体何をしたの?」
メーサとルーシーさんとオレにジト目を向けらえれて、クロアが慌てて「そんなことしてない」と否定していたが、たぶんオレたちが知らないところで、かなりぶっ飛ばしていたのだろう。名が売れればちょっかいをかけてくる馬鹿も増えるから。クロアの性格からして、売られた喧嘩は買うタイプだ。これは近いうちにアンケルの爺さんに相談して、説教をしてもらう必要があるかもな。
「まぁ、いいでしょう。だったら今度はこっちの地図で試してみて」
メーサが王都の地図をテーブルの上に広げる。
端から順にダウジングを行っていくクロア。
じゃんじゃん円を描いて回る宝石。これにはさすがにオレも呆れる。
どうやら王都のそこかしこに、クロアを敵認定している輩が溢れているらしい。
想像していたよりずっと酷い有様に、クロア自身が驚いているぐらいだ。
うん。やはり帰ったら爺に説教してもらおう。ついでにエメラさんとクリプトさんにもご助力願おう。これから次期当主としての教育も本格的に始まるというのに、これでは流石にあんまりだ。クロアには一度、こってりと絞られてもらうことにしよう。
「これじゃあ、さすがに埒が明かないわね……、そうだ、クロアちゃん。今度はただの敵じゃなくて『宿敵』って感じで試してもらえるかな?」
宿敵、たしか以前からの敵という意味だったか、どうしてメーサがこの言葉を選んだのかはわからない。たぶん彼女自身にも深い考えはないのであろう。たまたま思いついた言葉を使ったはずだ。だがその言葉を用いた途端に、クロアの手の中にあるネックレスの動きが明らかに変わった。
王城近くの上位貴族たちが住む区画、その一点にて激しく回る宝石。
その反応にみなが固唾を呑む。
地図上では学園からも、それほど離れてはいない場所であった。
「まさか、念のためにと思っただけのに……、こんな目と鼻の先にいたなんて」
どうやらメーサは敵が側に潜んでいないか用心のために、この二枚の地図を用意しただけで、本気で敵がこんなすぐ近くにいるだなんて、考えてはいなかったようだ。
いや、誰がこんなことになるなんて考えらえるだろうか。オレだって驚きを隠せない。
灯台下暗しだなんて、悪い冗談にもほどがある。
「待って下さい。まだそこにいるのが、話に出てくる少女とは限りませんよ。とりあえずその地図の場所にある家が誰のモノなのか、そこにいる人物についても調べてみないと」
そう言って浮足立つクロアとメーサを止めたのはルーシーさん。
意外だがこの中では一番の年長さん、なんだかんだで彼女もこの三年で、随分とメイドとして成長しているのだ。けしからんお胸が、更にけしからんようになっただけじゃない。
そして調査の結果、発覚した事実はあまりにも重く、オレたちは否応なしにアンケル・ランドクレーズに話を持って行くことになった。
モニスの婚約破棄に協力してくれた同士たちへのお礼行脚も済ませ、寮の自室へと戻ってきたときには、すでに日付が変わろうとしていた。
ルーシーさんが淹れてくれた紅茶を飲みながら、クロアとメーサもソファーに腰を降ろしてだらりとなっている。なんだかんだで、ずっと気を張っていたのだから、この脱力具合もしょうがあるまい。
「やっと終わったぁー」
自分の肩をポンポンと叩くクロア。
「ええ、終わったわね。おかげで少しバタバタしちゃったけど、これはこれで悪くはなかったかな」
なんだかんだで楽しかったとの感想を零したのはメーサ。この度の婚約破棄の件では裏で一番働いていたのは、きっと彼女だ。
「お二人ともお疲れさまでした。もちろん、ムーさんも」
オレたちを労わってくれるルーシーさん。同士らとの連絡のやり取りに奔走してくれた彼女。メイドである身分ゆえにパーティーには参加できなかったので、最大に盛り上がる場面を直接目撃出来ないことを、非常に残念がっていた。
《しかしあれほど化けるとはねぇ。男が女で変わるってのは、本当だったみたいだ》
あの時の王子の姿を思い出し、オレが褒めるとクロアも同意する。
「あー、アレには私も驚いた。堂々としていたわよねぇ。ほんのちょっびっとだけど、見直してあげてもいいかな」
「モニスもカリナも最後まで俯かなかったのは大したものよ。あの二人の毅然とした態度のおかげで、今回の醜聞の印象が随分と変わっちゃったから。おかげで情報操作が楽で助かったわ」
「あーん、私もやっぱり見たかったですー。王子はどうでもいいんですけど、モニスさまの一世一代の演技は、この目に焼き付けたかった」
《でもまさか、最後の最後にあんな展開が待っていたとはな》
「えっ、何ですか? まだ何かあったんですか?」
《実はな……》
婚約破棄騒動の直後に咲いた、モニスと講師の恋の花について教えてやると、ルーシーさんのテンションが凄いことになってしまう。
おかげでクロア、メーサ、オレ、二人と一体のスーラはなかなか開放してもらえず、明け方近くまで根堀り葉堀りと質問責めを受け、彼女の話に付き合うことになってしまった。
こうしてクロアたちの学園生活は幕と閉じる……、かに思われたのだが最後にとんでもない出来事が待ち受けていた。それを招き寄せたのはメーサの何気ない一言。
三年間、お世話になった寮の部屋を、みなで片づけていた時のことだ。思い出話なんかに盛り上がりつつも手を動かしていると、ポツリとメーサが零した。
「結局、あの少女って、誰だったのかしら」
なんとも意味深な呟きにクロアが喰いつく。オレやルーシーさんも自然と耳を傾けることになる。
「破軍の時に話に出た少女の正体が、ついに分からなかったのよね。ウチの連中にもかなり長いこと潜らせたんだけど、駄目だった。学園生活を思い返せば、アレが唯一の心残りかしら」
破軍に纏わる騒動を思い出して、みなが複雑そうな顔を浮かべた。
なんでもオレが後で聞いたところによると、変態が出たらしい。あまりの変態ぶりに激怒したエメラさんにボコボコにされたという。そんな記憶があれば、彼女たちのこんな表情も頷けるというもの。
そんな中でルーシーさんが、「あっ」という声を上げた。
顔を見ると、何かを思いついたといった感じだ。
メーサに促されてルーシーさんが自身の思いつきを口にする。
「あのー、もしかしてクロアさまのダウジングで、相手の居場所がわかっちゃったりして……なんて」
これを受けて、ダメ元で試してみるかということになり、クロアはせっかく片づけた荷物をガサゴソと漁って、宝石のついたネックレスを探し、メーサは手持ちの地図を何枚か吟味して持ってきた。
彼女が用意したのは王都近郊と、王国全土を記した地図。明らかに一般用とは違って、軍用かと疑いたくなるほどの詳細な記載の地図。これにオレはあえて気がつかないフリをした。どこで仕入れたとか、どうやって情報を集めたとか、触れると面倒事に巻き込まれる予感がプンプンしたからである。
ルーシーさんが手早く掃除の道具などを片づけているうちに、準備も整った。
「……でも、なんて問いかけてダウジングをすればいいの? 謎の少女だけじゃ、いくらなんでも絞り込めないと思うけど」
「とりあえず『自分の敵』とかでやってみれば」
メーサの言う通りにやってみると王国全土の地図の上、それも王都付近で、ぐりんぐりんと鎖の先にぶら下がった宝石が回る。
「なんだか王都周りで反応が激しいですね」
《何気にあちこちで喧嘩しているからな、クロア》
「クロアちゃん、一体何をしたの?」
メーサとルーシーさんとオレにジト目を向けらえれて、クロアが慌てて「そんなことしてない」と否定していたが、たぶんオレたちが知らないところで、かなりぶっ飛ばしていたのだろう。名が売れればちょっかいをかけてくる馬鹿も増えるから。クロアの性格からして、売られた喧嘩は買うタイプだ。これは近いうちにアンケルの爺さんに相談して、説教をしてもらう必要があるかもな。
「まぁ、いいでしょう。だったら今度はこっちの地図で試してみて」
メーサが王都の地図をテーブルの上に広げる。
端から順にダウジングを行っていくクロア。
じゃんじゃん円を描いて回る宝石。これにはさすがにオレも呆れる。
どうやら王都のそこかしこに、クロアを敵認定している輩が溢れているらしい。
想像していたよりずっと酷い有様に、クロア自身が驚いているぐらいだ。
うん。やはり帰ったら爺に説教してもらおう。ついでにエメラさんとクリプトさんにもご助力願おう。これから次期当主としての教育も本格的に始まるというのに、これでは流石にあんまりだ。クロアには一度、こってりと絞られてもらうことにしよう。
「これじゃあ、さすがに埒が明かないわね……、そうだ、クロアちゃん。今度はただの敵じゃなくて『宿敵』って感じで試してもらえるかな?」
宿敵、たしか以前からの敵という意味だったか、どうしてメーサがこの言葉を選んだのかはわからない。たぶん彼女自身にも深い考えはないのであろう。たまたま思いついた言葉を使ったはずだ。だがその言葉を用いた途端に、クロアの手の中にあるネックレスの動きが明らかに変わった。
王城近くの上位貴族たちが住む区画、その一点にて激しく回る宝石。
その反応にみなが固唾を呑む。
地図上では学園からも、それほど離れてはいない場所であった。
「まさか、念のためにと思っただけのに……、こんな目と鼻の先にいたなんて」
どうやらメーサは敵が側に潜んでいないか用心のために、この二枚の地図を用意しただけで、本気で敵がこんなすぐ近くにいるだなんて、考えてはいなかったようだ。
いや、誰がこんなことになるなんて考えらえるだろうか。オレだって驚きを隠せない。
灯台下暗しだなんて、悪い冗談にもほどがある。
「待って下さい。まだそこにいるのが、話に出てくる少女とは限りませんよ。とりあえずその地図の場所にある家が誰のモノなのか、そこにいる人物についても調べてみないと」
そう言って浮足立つクロアとメーサを止めたのはルーシーさん。
意外だがこの中では一番の年長さん、なんだかんだで彼女もこの三年で、随分とメイドとして成長しているのだ。けしからんお胸が、更にけしからんようになっただけじゃない。
そして調査の結果、発覚した事実はあまりにも重く、オレたちは否応なしにアンケル・ランドクレーズに話を持って行くことになった。
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追記(2021/10/7)
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