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147 破軍編 第二ラウンド
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灰色に変色した破軍。色以外は特に見た目に変化はないが……。
周囲には奴が発した闇に呑まれて、動かなくなった乱入者たちが倒れている。
気配はすでにない。みんな死んでいる。
この世界の住人たちは多かれ少なかれ魔力を宿し、その恩恵を受けている。
これを失くすということは、生物としての死に直結する。
おそらくは横やりを入れた連中の魔力を根こそぎ奪ったのだろう。
吸収することで、エネルギーを補給しやがった。
《クソッ! 一晩かけて与えたダメージが、すべて帳消しにされた》
オレは苛立ちが隠し切れない。
死んだ連中には同情よりも憤りを感じる。功を焦った挙句に、敵に塩を送るだなんて、余計な真似をしてくれた。
闇のドームが崩れ去り姿を現した破軍。
立ち上がった後、しばらく背を向けて、ぼんやりと朝日を浴びてる。
やがて巨大マネキンがゆっくりとコチラを振り返った。
うなじから肩にかけての線が、本当に艶めかしい。
まさに見返り美人もかくやといった風情。だが生憎と顔はのっぺらぼう。
そういえばそんな怪談話があったな。ムジナだったか、狸に化かされる話だったっけ。もっともあのお話の中の奴らは、相手を驚かすだけの可愛い奴らだったが。
アイテム収納より取り出した料理長お手製のクッキーを、モグモグ頬張り英気を養う。
この分だと今日も長い一日になりそうだ。
駆けて来てから振り降ろされる拳の一撃。
破軍の動作自体は変わらない。速度は少し早くなったか。
避けたと同時に奴の体を触手にて攻撃。全開の「超振動」を乗せても、ピシリと小さなヒビが入る程度の、微々たるダメージしか通らないのも同じ。
奴の攻撃が地面に到達した瞬間に、小さなクレーターを作り上げて、周囲に衝撃波が発生する。
空中にいたオレはもろに喰らって、スーラボディがころころと土の上を転がった。
《やっぱり色が変わっただけじゃなかったか……、攻撃の威力が増してやがる》
せっかく鈍くなっていた動きもすっかり元に戻っていた。
だがこちらの基本方針は変わらない。ひたすら粘ってガス欠を狙うしか方法がない。
問題はさっきの連中みたいに事情を知らずに、迂闊に近寄ってくる奴らが、他にもいるかもしれないということ。オレがいくらここで頑張っても、向こうから勝手に燃料がやってくるのでは意味がない。
そちらはオレと破軍との闘いをずっと見張っていた治安維持部隊の隊員らが、なんとかしてくれるのに期待するしかないか。
昨夜から何度も繰り返している乱打戦。
ガンガンと激しい衝突音が荒地に鳴り響く。
しかしこちらの触手が、徐々に競り負けつつある。
破軍は一撃の重さが増した分だけ、威力が増している。
ついに真正面からガッツリと相打った打撃が弾かれた。
弾かれたせいで万歳の格好にて少しだけ体が浮く。
そこに地を這うように迫る奴の蹴りが襲いかかる。形状変化をして逃れている暇もない。完全に破軍の蹴りが決まった。ズシンと腹の底に響く重たい攻撃。体も意識も、オレの中の何もかもが衝撃に持っていかれる。
あっという間にオレの体は、遥か遠くに吹き飛ばされていた。
なんどもバウンドした後に、突き出した岩にぶつかり、ベチャリとスーラボディが地面に落ちた。
視界が揺れてている。スーラに痛覚はないはずなのに、激しい攻撃を受けたせいか、痛みらしきものを脳が勝手にイメージしてしまう。もちろんそんなものは幻痛だ。だというのに認識した途端に、どっと倦怠感に体が襲われた。
意識が混濁して体が上手く動かせない。
地面に伸びたままの青い体。
灰色の女が止めを刺そうと向かってくる。
勢いをつけて飛び上がった破軍。
そのままオレに蹴りを放つ態勢のまま突っ込んできた。
《これは……、さすがに駄目かも》
死に瀕したとき、景色がゆっくりと流れるという。俗に云うところの走馬灯という奴だな。それがいまオレの前で展開されている。親しい人々の顔が次々と現れては消えていく。
なんか前にもこんな事があったな。さすがに二度目だと少し余裕がある。
深呼吸をして、腹の底に力を込める。
気合を入れて強く念じる。
動け! 動け! 動け! 動け!
ここで手前ぇが諦めたら、あの攻撃が今度はクロアたちに向かうんだぞ。あんなの人に使っちゃダメだろうがっ。だから動け! 自慢のスーラボディさんよっ!
ぐぐぐっと、体が立ち上がろうとする。
しかし破軍の迫る勢いの方が速い。
これじゃあ間に合わない。
もはやこれまでか、そう諦めかけたとき、一条の光が空を走り空中にいた破軍に当る。
顔に攻撃を受けたせいで、破軍の態勢がわずかに崩れた。おかげで奴の飛び蹴りはオレの頭上を越えて、すぐ後ろの地面へと激突する。
その一撃にて直径五メートルほどのクレーターが出現。爆風が起こり、至近距離にいたオレを吹き飛ばす。だがこの攻撃を経て、再び体のコントロールを取り戻したオレは、なんとか窮地を脱出した。
何者の仕業かと光が飛んできた方を見てみれば、慌てて遠ざかっていく治安維持部隊の見張りの姿があった。
どうやら見るに見かねて、己の危険も顧みずに援護射撃をしてくれたらしい。
《あの野郎、無茶しやがって……、でも助かった。ありがとうよ》
与えたダメージは皆無だろう。だが値千金の一撃だった。
この心意気に応えなくちゃ男じゃねぇぜ!
オレは触手の数を四本に減らす。手数よりも威力重視の戦闘形態に移行。
それぞれにアイテム収納から取り出したレアメタルのインゴットを握る。
こいつの固さと重さは折り紙付き。なにせウチの屋敷の工房責任者、天下の名工である親っさんも納得の逸品だからな。
触手の先端を薄っすらと伸ばし、インゴットを丸っと覆う。
そうして発動される「超振動改」、通常の振動攻撃に超重量を加えた即席改良版。
《まずは一発、喰らっておけやっ!》
思いっきり振りかぶって叩きつけた一撃が、地面に片足を突っ込んで身動きのとれない奴の背を襲う。
その一撃を受けた破軍の体が、大きく前のめりとなる。背中一面に細かなヒビが走った。
だがまだ足は抜けない。
好機と見たオレは何発も殴打する。
右へ左へとインゴットをぶつけられて揺れる巨体。
首筋への一撃が決まったはずみで、ついに奴の体が地面より解き放たれる。
埋まっていた足以外のすべての部位が破損している。
首から顔にかけてもヒビが入り、のっぺらぼうにも顔らしき模様が出来ていた。
だがこちらも無傷とはいかない。
手にしていたインゴットがすでにひん曲がっており、あちこちに亀裂が生じている。
《いったいどれだけ頑丈なんだよ。殴った側がボロボロって……》
ボヤキながら手にしていたインゴットを放り捨てると、オレは新たなインゴットを取り出し装備し直す。
いつの間にやらお日様は真上辺りに来ている。
動く古代の巨人兵、青いスーラ、登場人物たちはとってもファンタジーだというのに、その戦いぶりときたら、なんとも原始的で、華やかさの欠片もない。
まだまだ続きそうな闘いの最中に、オレはそんなことをぼんやりと考えていた。
周囲には奴が発した闇に呑まれて、動かなくなった乱入者たちが倒れている。
気配はすでにない。みんな死んでいる。
この世界の住人たちは多かれ少なかれ魔力を宿し、その恩恵を受けている。
これを失くすということは、生物としての死に直結する。
おそらくは横やりを入れた連中の魔力を根こそぎ奪ったのだろう。
吸収することで、エネルギーを補給しやがった。
《クソッ! 一晩かけて与えたダメージが、すべて帳消しにされた》
オレは苛立ちが隠し切れない。
死んだ連中には同情よりも憤りを感じる。功を焦った挙句に、敵に塩を送るだなんて、余計な真似をしてくれた。
闇のドームが崩れ去り姿を現した破軍。
立ち上がった後、しばらく背を向けて、ぼんやりと朝日を浴びてる。
やがて巨大マネキンがゆっくりとコチラを振り返った。
うなじから肩にかけての線が、本当に艶めかしい。
まさに見返り美人もかくやといった風情。だが生憎と顔はのっぺらぼう。
そういえばそんな怪談話があったな。ムジナだったか、狸に化かされる話だったっけ。もっともあのお話の中の奴らは、相手を驚かすだけの可愛い奴らだったが。
アイテム収納より取り出した料理長お手製のクッキーを、モグモグ頬張り英気を養う。
この分だと今日も長い一日になりそうだ。
駆けて来てから振り降ろされる拳の一撃。
破軍の動作自体は変わらない。速度は少し早くなったか。
避けたと同時に奴の体を触手にて攻撃。全開の「超振動」を乗せても、ピシリと小さなヒビが入る程度の、微々たるダメージしか通らないのも同じ。
奴の攻撃が地面に到達した瞬間に、小さなクレーターを作り上げて、周囲に衝撃波が発生する。
空中にいたオレはもろに喰らって、スーラボディがころころと土の上を転がった。
《やっぱり色が変わっただけじゃなかったか……、攻撃の威力が増してやがる》
せっかく鈍くなっていた動きもすっかり元に戻っていた。
だがこちらの基本方針は変わらない。ひたすら粘ってガス欠を狙うしか方法がない。
問題はさっきの連中みたいに事情を知らずに、迂闊に近寄ってくる奴らが、他にもいるかもしれないということ。オレがいくらここで頑張っても、向こうから勝手に燃料がやってくるのでは意味がない。
そちらはオレと破軍との闘いをずっと見張っていた治安維持部隊の隊員らが、なんとかしてくれるのに期待するしかないか。
昨夜から何度も繰り返している乱打戦。
ガンガンと激しい衝突音が荒地に鳴り響く。
しかしこちらの触手が、徐々に競り負けつつある。
破軍は一撃の重さが増した分だけ、威力が増している。
ついに真正面からガッツリと相打った打撃が弾かれた。
弾かれたせいで万歳の格好にて少しだけ体が浮く。
そこに地を這うように迫る奴の蹴りが襲いかかる。形状変化をして逃れている暇もない。完全に破軍の蹴りが決まった。ズシンと腹の底に響く重たい攻撃。体も意識も、オレの中の何もかもが衝撃に持っていかれる。
あっという間にオレの体は、遥か遠くに吹き飛ばされていた。
なんどもバウンドした後に、突き出した岩にぶつかり、ベチャリとスーラボディが地面に落ちた。
視界が揺れてている。スーラに痛覚はないはずなのに、激しい攻撃を受けたせいか、痛みらしきものを脳が勝手にイメージしてしまう。もちろんそんなものは幻痛だ。だというのに認識した途端に、どっと倦怠感に体が襲われた。
意識が混濁して体が上手く動かせない。
地面に伸びたままの青い体。
灰色の女が止めを刺そうと向かってくる。
勢いをつけて飛び上がった破軍。
そのままオレに蹴りを放つ態勢のまま突っ込んできた。
《これは……、さすがに駄目かも》
死に瀕したとき、景色がゆっくりと流れるという。俗に云うところの走馬灯という奴だな。それがいまオレの前で展開されている。親しい人々の顔が次々と現れては消えていく。
なんか前にもこんな事があったな。さすがに二度目だと少し余裕がある。
深呼吸をして、腹の底に力を込める。
気合を入れて強く念じる。
動け! 動け! 動け! 動け!
ここで手前ぇが諦めたら、あの攻撃が今度はクロアたちに向かうんだぞ。あんなの人に使っちゃダメだろうがっ。だから動け! 自慢のスーラボディさんよっ!
ぐぐぐっと、体が立ち上がろうとする。
しかし破軍の迫る勢いの方が速い。
これじゃあ間に合わない。
もはやこれまでか、そう諦めかけたとき、一条の光が空を走り空中にいた破軍に当る。
顔に攻撃を受けたせいで、破軍の態勢がわずかに崩れた。おかげで奴の飛び蹴りはオレの頭上を越えて、すぐ後ろの地面へと激突する。
その一撃にて直径五メートルほどのクレーターが出現。爆風が起こり、至近距離にいたオレを吹き飛ばす。だがこの攻撃を経て、再び体のコントロールを取り戻したオレは、なんとか窮地を脱出した。
何者の仕業かと光が飛んできた方を見てみれば、慌てて遠ざかっていく治安維持部隊の見張りの姿があった。
どうやら見るに見かねて、己の危険も顧みずに援護射撃をしてくれたらしい。
《あの野郎、無茶しやがって……、でも助かった。ありがとうよ》
与えたダメージは皆無だろう。だが値千金の一撃だった。
この心意気に応えなくちゃ男じゃねぇぜ!
オレは触手の数を四本に減らす。手数よりも威力重視の戦闘形態に移行。
それぞれにアイテム収納から取り出したレアメタルのインゴットを握る。
こいつの固さと重さは折り紙付き。なにせウチの屋敷の工房責任者、天下の名工である親っさんも納得の逸品だからな。
触手の先端を薄っすらと伸ばし、インゴットを丸っと覆う。
そうして発動される「超振動改」、通常の振動攻撃に超重量を加えた即席改良版。
《まずは一発、喰らっておけやっ!》
思いっきり振りかぶって叩きつけた一撃が、地面に片足を突っ込んで身動きのとれない奴の背を襲う。
その一撃を受けた破軍の体が、大きく前のめりとなる。背中一面に細かなヒビが走った。
だがまだ足は抜けない。
好機と見たオレは何発も殴打する。
右へ左へとインゴットをぶつけられて揺れる巨体。
首筋への一撃が決まったはずみで、ついに奴の体が地面より解き放たれる。
埋まっていた足以外のすべての部位が破損している。
首から顔にかけてもヒビが入り、のっぺらぼうにも顔らしき模様が出来ていた。
だがこちらも無傷とはいかない。
手にしていたインゴットがすでにひん曲がっており、あちこちに亀裂が生じている。
《いったいどれだけ頑丈なんだよ。殴った側がボロボロって……》
ボヤキながら手にしていたインゴットを放り捨てると、オレは新たなインゴットを取り出し装備し直す。
いつの間にやらお日様は真上辺りに来ている。
動く古代の巨人兵、青いスーラ、登場人物たちはとってもファンタジーだというのに、その戦いぶりときたら、なんとも原始的で、華やかさの欠片もない。
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