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144 破軍編 青いスーラ参戦
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治安維持部隊と女型の巨人との均衡が崩れるまで、二時間とかからなかった。
途中から巨人の動きが急に良くなったのだ。
直線的な動きが、円の動きを取り入れるようになり、単発だった攻撃が二度、三度と続く連撃となる。あまつさえ地面を抉った手刀にて、土砂を掬い投げてくる。
それまでは近寄れていたのが、途端に防戦一方となった隊員たち。
少し離れたところから指示を出していた隊長は、その変化に目を見張る。
「……まさか! 奴は学習してやがるのか?」
隊長がそう考えたのには理由がある。
足運びや体捌き、連撃などは隊員たちが攻撃の際に見せたモノ。
落ちていた石を風魔法で射出する攻撃も見せた。
その後に巨人の動きが明らかに変わったのだから。
動きの鈍い巨人と素早い小人の鬼ごっこは、様相を一変させる。
もはや躱すことに集中していないと殺られてしまうという、違う遊戯に替わってしまった。数の利を活かして、蜘蛛の子のように散ることで、敵を翻弄していたが、それすらも通用しなくなりつつある。逃げる隊員の進路上に、拾った岩を投げつけ動きを牽制、もしくは一足飛びに間合いを潰して、接近してくる。
反撃なんて考えている余裕はない。それどころか、この場から撤退出来る気がまるでしない。
しかも時間を費やせば費やすほどに、巨人の動きは良くなり、こちらの動きは疲労により鈍くなる。
こうなったら最悪、殿を犠牲にして残りの隊員らを逃がすことも、視野にいれなければならない。
そんな事を考えているうちに、隊員の一人が、ついに巨人の指先に捉まってしまう。手刀の連撃の三回目が背に届く。瞬間的に体を捻って、盾で身を庇ったようだが、わずかに掠っただけで吹き飛んでいく肉体。地面に落ちて二度ほど跳ねたところで、ようやく止まる。起き上がろうとしているところを見ると、なんとか生きてはいるようだが。そこに巨人が止めを刺そうと迫る。
隊長の男は咄嗟に動いていた。
勢いよく駆けつけ巨人の膝裏に、鞘ごと大剣を思いっきり振り抜く。ダメージを与えるためじゃない。関節を攻撃することで態勢を崩させるのが目的の一撃。目論みは当たり、巨人の腰が、わずかだがガクンと下がった。その隙に他の隊員らが、倒れた仲間を拾い上げて距離をとる。
ユラリと立ち上がった巨人が、ゆっくりと隊長の方を振り返る。
のっぺりとした女の顔からは、なんら表情を窺い知ることは出来ない。
剣を構えつつ、ジリジリと距離をとる隊長。
「おい! そっちは大丈夫か!」
安否を尋ねたところ「とりあえず生きてます」との返事。
すでにみな疲労困憊。ついに負傷者も出た。そろそろ引き時なのだが、問題はこの女が逃がしてくれそうにないということ。そしてのんびりと考えてる時間も与えてはくれない。
巨人の手が届かない距離にまで離れていた隊長。
突然、ゾクリと悪寒を感じる。
彼は反射的に後方へと、思いっきり飛びのいていた。
すると先ほどまで彼の居た場所の地面が抉られ、天へと向かって烈風が突き抜ける。
「なっ!」
思わず声が出る隊長。彼の眼前には高く振り上げられた巨人の右足。
まるで一本の巨大な柱ようなそれが、今度は頭上より振り下ろされる。
蹴り上げからのカカト落とし、まさかの攻撃に隊長の反応が一瞬遅れた。
躱せないっ!
それでも両手で剣をかざして、防御の態勢をとったのは、闘いに生きてきた騎士の矜持か。
自分の名を呼ぶ隊員たちの悲鳴にも似た声が耳に遠い。
容赦なく巨人の踵が迫ってくる。
隊長は死を覚悟した。
だが次の瞬間、ズドンという激突音と共に、巨人の体が仰向けに大地に倒れていた。
粉塵が巻き起こり、とても目を開けていられない。
やがて視界が開けたとき、そこには一体の青いスーラの姿があった。
目標の街まで二時間ほどの空の旅。
すでに視界の先に目的地を捉えている。
あとは適当なところに落ちるだけ。
なのに順調に進んでいたので、油断した。
結構な高い空域を移動していたというのに、何故だか、そこにヒラリと飛んできた紫の布切れ一枚。
進路上に重なったそいつが、バサリとオレに被さる。
何かと思って確認してみたら、なんと女物のパンツではないか! しかも薄いレースのスケスケなやつ。どうしてこんなところに!?
手にしたオレは不覚にも動揺した。
これまで散々、屋敷のメイドさんたちの下着を洗ってきたというのに。
気づいたときには街を通り過ぎていた。それどころか制御が怪しい。
とりあえず空の上から見た限りでは、まだ破軍は到達していないみたいで一安心。
スーラミサイルの状態って、一度体がブレ始めると、どんどんブレが大きくなって、最終的には制御不能になって墜落するしかない。
いっそ無理をしてでも強引に落下するべきか……、そんなことを考えていたら、すぐ先で戦闘の気配が。
荒地にて、大きな黒いマネキンと騎士たちが闘っている。
《あれが破軍か、ということは相手をしているのが、ザビアの仲間だな。しかも結構ピンチっぽい。なんか知らんが丁度良かった。まさかパンツに誘われるとはな》
とりあえず功労者である紫のスケスケは、アイテム収納に大切にしまっておこう。
風魔法と体を調整して照準を黒いマネキンに合わせる。
スーラボディをガッチガチに固めて弾丸と化したオレは、破軍目掛けて一路突っ込んでいく。
かなり威力のある攻撃を加えたというのに、女のマネキンは胸の辺りが、弱冠ひび割れてへこんでいるだけ。
あわよくばあの一撃にて致命傷を与えられるかもと、期待していたのというに、とんでもなく頑丈だぞ、コイツ。
しかも完全な不意打ちにも関わらず反応しやがった。
片足立ちという不安定な態勢ながら、オレがブチかます瞬間に、後方へと自ら倒れ込んで衝撃を逃がしやがった。
挙句に倒れているところに、追い打ちで魔法を何発か放ったというのに、全部無効化された。
コイツを倒すには物理同士で殴り合うしかない。
そのくせ相手は極めてタフときたもんだ。とんだハンディマッチだぜ。
と、その前にオレは懐より取り出した一枚の手紙を、すぐそこで惚けている男に差し出した。
「これは……、ザビアからか? なになに『隊長へ。頼りになる助っ人を送ります。くれぐれも彼の足を引っ張らないように』だと。彼って、もしかしてコイツのことか? スーラが応援って、マジかよ」
《おうおう。混乱してる混乱してる。まぁ、無理もあるまい。しかしのんびりと説明している暇はなさそうだ》
オレはとりあえず、怪我人用にポーションを男に渡すと、すぐに破軍と向き合う。
ゆっくりと起き上がる女の巨人。
完璧に近い健康美を具現化した体。
あまりにも整った姿形が、かえってこちらの嫌悪感を煽る。
オレは触手を六本ばかし伸ばして、攻撃の構えを取った。
途中から巨人の動きが急に良くなったのだ。
直線的な動きが、円の動きを取り入れるようになり、単発だった攻撃が二度、三度と続く連撃となる。あまつさえ地面を抉った手刀にて、土砂を掬い投げてくる。
それまでは近寄れていたのが、途端に防戦一方となった隊員たち。
少し離れたところから指示を出していた隊長は、その変化に目を見張る。
「……まさか! 奴は学習してやがるのか?」
隊長がそう考えたのには理由がある。
足運びや体捌き、連撃などは隊員たちが攻撃の際に見せたモノ。
落ちていた石を風魔法で射出する攻撃も見せた。
その後に巨人の動きが明らかに変わったのだから。
動きの鈍い巨人と素早い小人の鬼ごっこは、様相を一変させる。
もはや躱すことに集中していないと殺られてしまうという、違う遊戯に替わってしまった。数の利を活かして、蜘蛛の子のように散ることで、敵を翻弄していたが、それすらも通用しなくなりつつある。逃げる隊員の進路上に、拾った岩を投げつけ動きを牽制、もしくは一足飛びに間合いを潰して、接近してくる。
反撃なんて考えている余裕はない。それどころか、この場から撤退出来る気がまるでしない。
しかも時間を費やせば費やすほどに、巨人の動きは良くなり、こちらの動きは疲労により鈍くなる。
こうなったら最悪、殿を犠牲にして残りの隊員らを逃がすことも、視野にいれなければならない。
そんな事を考えているうちに、隊員の一人が、ついに巨人の指先に捉まってしまう。手刀の連撃の三回目が背に届く。瞬間的に体を捻って、盾で身を庇ったようだが、わずかに掠っただけで吹き飛んでいく肉体。地面に落ちて二度ほど跳ねたところで、ようやく止まる。起き上がろうとしているところを見ると、なんとか生きてはいるようだが。そこに巨人が止めを刺そうと迫る。
隊長の男は咄嗟に動いていた。
勢いよく駆けつけ巨人の膝裏に、鞘ごと大剣を思いっきり振り抜く。ダメージを与えるためじゃない。関節を攻撃することで態勢を崩させるのが目的の一撃。目論みは当たり、巨人の腰が、わずかだがガクンと下がった。その隙に他の隊員らが、倒れた仲間を拾い上げて距離をとる。
ユラリと立ち上がった巨人が、ゆっくりと隊長の方を振り返る。
のっぺりとした女の顔からは、なんら表情を窺い知ることは出来ない。
剣を構えつつ、ジリジリと距離をとる隊長。
「おい! そっちは大丈夫か!」
安否を尋ねたところ「とりあえず生きてます」との返事。
すでにみな疲労困憊。ついに負傷者も出た。そろそろ引き時なのだが、問題はこの女が逃がしてくれそうにないということ。そしてのんびりと考えてる時間も与えてはくれない。
巨人の手が届かない距離にまで離れていた隊長。
突然、ゾクリと悪寒を感じる。
彼は反射的に後方へと、思いっきり飛びのいていた。
すると先ほどまで彼の居た場所の地面が抉られ、天へと向かって烈風が突き抜ける。
「なっ!」
思わず声が出る隊長。彼の眼前には高く振り上げられた巨人の右足。
まるで一本の巨大な柱ようなそれが、今度は頭上より振り下ろされる。
蹴り上げからのカカト落とし、まさかの攻撃に隊長の反応が一瞬遅れた。
躱せないっ!
それでも両手で剣をかざして、防御の態勢をとったのは、闘いに生きてきた騎士の矜持か。
自分の名を呼ぶ隊員たちの悲鳴にも似た声が耳に遠い。
容赦なく巨人の踵が迫ってくる。
隊長は死を覚悟した。
だが次の瞬間、ズドンという激突音と共に、巨人の体が仰向けに大地に倒れていた。
粉塵が巻き起こり、とても目を開けていられない。
やがて視界が開けたとき、そこには一体の青いスーラの姿があった。
目標の街まで二時間ほどの空の旅。
すでに視界の先に目的地を捉えている。
あとは適当なところに落ちるだけ。
なのに順調に進んでいたので、油断した。
結構な高い空域を移動していたというのに、何故だか、そこにヒラリと飛んできた紫の布切れ一枚。
進路上に重なったそいつが、バサリとオレに被さる。
何かと思って確認してみたら、なんと女物のパンツではないか! しかも薄いレースのスケスケなやつ。どうしてこんなところに!?
手にしたオレは不覚にも動揺した。
これまで散々、屋敷のメイドさんたちの下着を洗ってきたというのに。
気づいたときには街を通り過ぎていた。それどころか制御が怪しい。
とりあえず空の上から見た限りでは、まだ破軍は到達していないみたいで一安心。
スーラミサイルの状態って、一度体がブレ始めると、どんどんブレが大きくなって、最終的には制御不能になって墜落するしかない。
いっそ無理をしてでも強引に落下するべきか……、そんなことを考えていたら、すぐ先で戦闘の気配が。
荒地にて、大きな黒いマネキンと騎士たちが闘っている。
《あれが破軍か、ということは相手をしているのが、ザビアの仲間だな。しかも結構ピンチっぽい。なんか知らんが丁度良かった。まさかパンツに誘われるとはな》
とりあえず功労者である紫のスケスケは、アイテム収納に大切にしまっておこう。
風魔法と体を調整して照準を黒いマネキンに合わせる。
スーラボディをガッチガチに固めて弾丸と化したオレは、破軍目掛けて一路突っ込んでいく。
かなり威力のある攻撃を加えたというのに、女のマネキンは胸の辺りが、弱冠ひび割れてへこんでいるだけ。
あわよくばあの一撃にて致命傷を与えられるかもと、期待していたのというに、とんでもなく頑丈だぞ、コイツ。
しかも完全な不意打ちにも関わらず反応しやがった。
片足立ちという不安定な態勢ながら、オレがブチかます瞬間に、後方へと自ら倒れ込んで衝撃を逃がしやがった。
挙句に倒れているところに、追い打ちで魔法を何発か放ったというのに、全部無効化された。
コイツを倒すには物理同士で殴り合うしかない。
そのくせ相手は極めてタフときたもんだ。とんだハンディマッチだぜ。
と、その前にオレは懐より取り出した一枚の手紙を、すぐそこで惚けている男に差し出した。
「これは……、ザビアからか? なになに『隊長へ。頼りになる助っ人を送ります。くれぐれも彼の足を引っ張らないように』だと。彼って、もしかしてコイツのことか? スーラが応援って、マジかよ」
《おうおう。混乱してる混乱してる。まぁ、無理もあるまい。しかしのんびりと説明している暇はなさそうだ》
オレはとりあえず、怪我人用にポーションを男に渡すと、すぐに破軍と向き合う。
ゆっくりと起き上がる女の巨人。
完璧に近い健康美を具現化した体。
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