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130 学園編 ダンジョンの主
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マグマの湖の畔に佇む、青いスーラ。
熱気が凄い。ぐつぐつ煮立っている。側にいるだけで茹で上がりそうだ。
あまりに高温過ぎるせいか、周囲にモンスターの気配はない。
試しにその辺に落ちている溶岩の欠片を、湖へと投げ入れてみる。
ドポンという鈍い音の後にゆっくりと沈んでいく。半分ぐらい沈んだところで、残りの部分がどろりと溶けてしまった。
《これをオレにどうしろと?》
おっさんは頭を抱えた。
ダンジョン探索もどうやらここまでのようだ。
すでにここに潜ってから丸二日ぐらいは経っている。そろそろ帰る頃合いかもしれない。
うん。そうしよう。
お土産にその辺に落ちてる、穴あきだらけの石ころでも拾って帰ろう。珍しいからクロアたちに見せてやったら、きっと驚くに違いあるまい。
そう思って適当に石を物色していたら、湖面にて大きな泡がパチンと弾けた。真っ赤な滴が周囲に飛び散る。オレの下へも飛んできて、モロに当った。
《うわっ! ……って、熱くないぞ?》
あぁーっ! そういえばスーラには痛覚がなかった。
ついつい前世のおっさんの記憶に引きずられて、人間の頃の感覚が抜けないから、物の考え方がソッチ寄りになってしまう。人間のフリをして反応してしまう。
マグマの雫が当たった箇所を確認してみるも、特に異常はなし。滑らか透明肌が、ぷるぷるしている。
そういえば以前に、辺境の城塞都市キャラトスの冒険者ギルドで拝見した、モンスター図鑑にも書いてあったな。昔の凄い魔法使いの最大級の炎の魔法の直撃を喰らっても、スーラは平然としていたとかなんとか。あの時は、単純に魔法への耐性が強いのかと思っていたけれど、もしかしてそうじゃないのか?
オレは触手を伸ばし、恐る恐るマグマに触れてみる。
初めのうちはチョンチョンと、しかし熱さも平気だし体が燃え出す様子もないので、次第に大胆にベタベタと触ってみる。
……まったくもって問題なかった。
凄いな、スーラボディ! マグマの中でもへっちゃらとか、一体どれだけ高性能なんだよ。惜しむらくはそれを活かせる知能が、決定的に足りないこと。オレ以外の同胞たちは、自分の体がどれほど優れているのかなんて、どうでもいい。なにせ知りたいと思う知能すらもないのだから。
進めるとわかった以上は、引き返すという話はナシだ。
オレはホバークラフト形態になると、そろそろと赤い湖へと入って行った。
丁度、真ん中辺りまで進んだところで、足下に蠢く巨大な影。
ざっぱんと勢いよくマグマの中から飛び出したのは、バカでかい魚のようなモンスター。
波打つ湖面に翻弄される青いスーラ。
全身を黒い岩の鎧で包まれた、クジラのようなソイツの目が、チラリとオレの方を見たような気がした。しかし興味が無いらしくて、そのまま空中で弧を描き、再びマグマの湖へと飛び込んで消えてしまった。
この時ほど自分がスーラで良かったと思ったことはない。無視されて本当に良かった。
あんなのと戦うなんて絶対に無理、質量が違い過ぎる。どんなに強い蟻でも象には勝てっこない。オレは一寸法師の鬼退治を実演する気は毛頭ない。
しかも恐ろしいことに、湖中を覗いてみると先ほどの巨大魚と同類らしき影が、ウヨウヨしていやがるときたもんだ。
せっかくお目こぼしされたんだ。ここはそそくさと退散することにしよう。
オレは急いで湖面を横断することにした。
対岸へと辿り着くと、その先の洞窟にて階下へと続く階段を発見。
次の階も同じようなマグマだらけの景色、更にその次も。それは進むほどに酷くなっていき八十五階層目にして、ついには一面がマグマの海となる。これまでは微かに見えていたはずの、向こう岸がまったく見えない。
最早、魔素濃度云々の話じゃねーな。
端から攻略させる気がないだろう、このダンジョン。
意地になったオレは、マグマの海を猛スピードにて突き進む。
途中であの巨大魚と、同じぐらいの大きさのウナギみたいなのが、闘っているところに遭遇する。ウナギの奴、てっきりその長い体を活かした、巻き付き攻撃でもするのかと思って見ていたら、口からレーザービームみたいなのを乱射してやがった。マグマの海を割きながら飛んでくる流れ弾に、危うく巻き込まれそうになったオレは慌てて先を急いだ。
九十九階層まできたら、ダンジョン内の景色がまたもやガラリと様変わり。
白亜の神殿風の装いになり、モンスターの姿がピタリとなくなった。
これはいよいよゴールが近いのかと、オレは気合を入れる。
百階層についに到達。
またもや世界が切り替わる。
今度は見渡す限りの草原。爽やかな風が吹き抜けては、柔らかな草を揺らしている。
見上げたら青い空に白い雲。
あまりの変化に、幻覚でも見せられているのかと、目を凝らして視てみるも、異常はどこにも見られない。ここは間違いなく草原の世界であった。
周囲の気配を探るもモンスターの反応はなし。
用心しつつも、しばらく進むと、山小屋風の小さなコテージが姿を現した。
すぐ脇には家庭菜園があり、瑞々しい野菜が実っている。
何者かがきちんと手入れをしていることは明白。
さて、ナニが飛び出すことやら……。
ドアに付いた呼び鈴を鳴らす。
しばらく待つが反応がない。
とりあえずもう一度、ちりんと鳴らしてみる。
すると小屋の中から「ハーイ」という女の声が聞こえてきた。
ドアを開けて顔を出したのは、ほっそりとした黒髪を結わえた女の人。古風な色白の瓜実美人で、割烹着姿がとっても似合いそう。
「ハーイ、お待たせしました……、あら、スーラちゃんがお客様? これはまた珍しいこともあるもんねぇ。まぁ、いいわ。どうぞお上がりなさい」
黒髪の女性はオレの姿を認めると、室内へと誘う。
おっさんは言われるがままにお邪魔する。
リビングのソファーを勧められたところで、とりあえず手土産を渡すことにした。
いきなり押しかけたわけだし、ここは少しでも心象を良くしておきたい。そこでオレが選んだのは、エメラさん厳選の紅茶の茶葉三種盛りと、料理長の特製クッキーにパウンドケーキ(名酒をたっぷり染み込ませた大人風味バージョン)の最強セット。それらの品を触手にて、うやうやしく差し出す。
「これは結構なお品を、ありがとうございます」
すんなりとお土産を受け取ってくれた黒髪の女性。
「すぐにお茶を淹れてきますね」
彼女はいそいそと席を立つ。
一人残されたオレはとりあえずほっとした。
なんとなく歓迎してくれているみたいだし、これでいきなり喰い殺されるようなことだけはないだろう。
小股の切れ上がった良い女っぷりに騙されてはいけない。
なにせ彼女の正体は……。
熱気が凄い。ぐつぐつ煮立っている。側にいるだけで茹で上がりそうだ。
あまりに高温過ぎるせいか、周囲にモンスターの気配はない。
試しにその辺に落ちている溶岩の欠片を、湖へと投げ入れてみる。
ドポンという鈍い音の後にゆっくりと沈んでいく。半分ぐらい沈んだところで、残りの部分がどろりと溶けてしまった。
《これをオレにどうしろと?》
おっさんは頭を抱えた。
ダンジョン探索もどうやらここまでのようだ。
すでにここに潜ってから丸二日ぐらいは経っている。そろそろ帰る頃合いかもしれない。
うん。そうしよう。
お土産にその辺に落ちてる、穴あきだらけの石ころでも拾って帰ろう。珍しいからクロアたちに見せてやったら、きっと驚くに違いあるまい。
そう思って適当に石を物色していたら、湖面にて大きな泡がパチンと弾けた。真っ赤な滴が周囲に飛び散る。オレの下へも飛んできて、モロに当った。
《うわっ! ……って、熱くないぞ?》
あぁーっ! そういえばスーラには痛覚がなかった。
ついつい前世のおっさんの記憶に引きずられて、人間の頃の感覚が抜けないから、物の考え方がソッチ寄りになってしまう。人間のフリをして反応してしまう。
マグマの雫が当たった箇所を確認してみるも、特に異常はなし。滑らか透明肌が、ぷるぷるしている。
そういえば以前に、辺境の城塞都市キャラトスの冒険者ギルドで拝見した、モンスター図鑑にも書いてあったな。昔の凄い魔法使いの最大級の炎の魔法の直撃を喰らっても、スーラは平然としていたとかなんとか。あの時は、単純に魔法への耐性が強いのかと思っていたけれど、もしかしてそうじゃないのか?
オレは触手を伸ばし、恐る恐るマグマに触れてみる。
初めのうちはチョンチョンと、しかし熱さも平気だし体が燃え出す様子もないので、次第に大胆にベタベタと触ってみる。
……まったくもって問題なかった。
凄いな、スーラボディ! マグマの中でもへっちゃらとか、一体どれだけ高性能なんだよ。惜しむらくはそれを活かせる知能が、決定的に足りないこと。オレ以外の同胞たちは、自分の体がどれほど優れているのかなんて、どうでもいい。なにせ知りたいと思う知能すらもないのだから。
進めるとわかった以上は、引き返すという話はナシだ。
オレはホバークラフト形態になると、そろそろと赤い湖へと入って行った。
丁度、真ん中辺りまで進んだところで、足下に蠢く巨大な影。
ざっぱんと勢いよくマグマの中から飛び出したのは、バカでかい魚のようなモンスター。
波打つ湖面に翻弄される青いスーラ。
全身を黒い岩の鎧で包まれた、クジラのようなソイツの目が、チラリとオレの方を見たような気がした。しかし興味が無いらしくて、そのまま空中で弧を描き、再びマグマの湖へと飛び込んで消えてしまった。
この時ほど自分がスーラで良かったと思ったことはない。無視されて本当に良かった。
あんなのと戦うなんて絶対に無理、質量が違い過ぎる。どんなに強い蟻でも象には勝てっこない。オレは一寸法師の鬼退治を実演する気は毛頭ない。
しかも恐ろしいことに、湖中を覗いてみると先ほどの巨大魚と同類らしき影が、ウヨウヨしていやがるときたもんだ。
せっかくお目こぼしされたんだ。ここはそそくさと退散することにしよう。
オレは急いで湖面を横断することにした。
対岸へと辿り着くと、その先の洞窟にて階下へと続く階段を発見。
次の階も同じようなマグマだらけの景色、更にその次も。それは進むほどに酷くなっていき八十五階層目にして、ついには一面がマグマの海となる。これまでは微かに見えていたはずの、向こう岸がまったく見えない。
最早、魔素濃度云々の話じゃねーな。
端から攻略させる気がないだろう、このダンジョン。
意地になったオレは、マグマの海を猛スピードにて突き進む。
途中であの巨大魚と、同じぐらいの大きさのウナギみたいなのが、闘っているところに遭遇する。ウナギの奴、てっきりその長い体を活かした、巻き付き攻撃でもするのかと思って見ていたら、口からレーザービームみたいなのを乱射してやがった。マグマの海を割きながら飛んでくる流れ弾に、危うく巻き込まれそうになったオレは慌てて先を急いだ。
九十九階層まできたら、ダンジョン内の景色がまたもやガラリと様変わり。
白亜の神殿風の装いになり、モンスターの姿がピタリとなくなった。
これはいよいよゴールが近いのかと、オレは気合を入れる。
百階層についに到達。
またもや世界が切り替わる。
今度は見渡す限りの草原。爽やかな風が吹き抜けては、柔らかな草を揺らしている。
見上げたら青い空に白い雲。
あまりの変化に、幻覚でも見せられているのかと、目を凝らして視てみるも、異常はどこにも見られない。ここは間違いなく草原の世界であった。
周囲の気配を探るもモンスターの反応はなし。
用心しつつも、しばらく進むと、山小屋風の小さなコテージが姿を現した。
すぐ脇には家庭菜園があり、瑞々しい野菜が実っている。
何者かがきちんと手入れをしていることは明白。
さて、ナニが飛び出すことやら……。
ドアに付いた呼び鈴を鳴らす。
しばらく待つが反応がない。
とりあえずもう一度、ちりんと鳴らしてみる。
すると小屋の中から「ハーイ」という女の声が聞こえてきた。
ドアを開けて顔を出したのは、ほっそりとした黒髪を結わえた女の人。古風な色白の瓜実美人で、割烹着姿がとっても似合いそう。
「ハーイ、お待たせしました……、あら、スーラちゃんがお客様? これはまた珍しいこともあるもんねぇ。まぁ、いいわ。どうぞお上がりなさい」
黒髪の女性はオレの姿を認めると、室内へと誘う。
おっさんは言われるがままにお邪魔する。
リビングのソファーを勧められたところで、とりあえず手土産を渡すことにした。
いきなり押しかけたわけだし、ここは少しでも心象を良くしておきたい。そこでオレが選んだのは、エメラさん厳選の紅茶の茶葉三種盛りと、料理長の特製クッキーにパウンドケーキ(名酒をたっぷり染み込ませた大人風味バージョン)の最強セット。それらの品を触手にて、うやうやしく差し出す。
「これは結構なお品を、ありがとうございます」
すんなりとお土産を受け取ってくれた黒髪の女性。
「すぐにお茶を淹れてきますね」
彼女はいそいそと席を立つ。
一人残されたオレはとりあえずほっとした。
なんとなく歓迎してくれているみたいだし、これでいきなり喰い殺されるようなことだけはないだろう。
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