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70 王都編 侵入者?
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予定外の出来事があったものの、明け方近くに別宅にオレは戻った。
すっかり戦闘の後処理も済んで、邸内は平穏を取り戻している。
庭に面した軒先にてアラクネさんたちが集まり、なにやらしているようだが、問題なさそうなので放置。
王女の滞在している部屋へと向かう。
部屋の扉の前には仁王立ちする黒騎士の姿があった。
アリオスくん、すっかり王女の騎士気取りか……若いっていいねぇ。まぁ、がんばれ。
部屋の中ではクロアにメーサにファチナが仲良く就寝。
無粋な輩に夜中に叩き起こされたから、たぶん昼前ぐらいまで寝ているかもね。
今夜はオレもちょっと働き過ぎた。とりあえず朝までのんびりするとしよう。
夜が明けきる頃になると、邸内にてそこかしこで人が動き出す気配が起こる。
また一日が始まる。
そのタイミングでロンゴー商会に張り付かせていた、分体のメンバーから連絡が入った。どうやら近衛の一隊が踏み込んだらしい。思ったよりも行動が早い。どうやらザビアはちゃんとお使いをしてくれたようだな。囚われていた奴隷たちも無事でなにより。おかげでオレの手間が一つ減った。
一晩で正妃と第二側妃の関連団体が二つ壊滅。悪くないペースだ。もっとも今日から加速度的に増えていくがな。
すっかり夜も明けて、朝食の時間になったので食堂へ。
なんだか今朝は甘いものが摂りたい気分。……なのに誰も来ていない。お嬢様方はまだ寝ている。でも他の人たちはどうした? とりあえずオレはアンケル爺が執務室として利用している部屋へと赴く。
椅子に腰かけ難しい顔をしているアンケル爺。
視線は机を挟んだ先にいる相手に向けられている。
そのすぐ側にはメイド長のエメラさんが立っている。
表情は平常運転だが、それがかえって見る者を怯えさせるから不思議。
彼女の視線もまた同じ相手に向けられていた。
アラクネのシーラさんもいた。ヒヨコ色の蜘蛛の部分が、相変わらずの柔らかそうなうぶ毛具合。モフりたいという衝動に駆られて困る。
床の上にじかに正座させられている二人の女性。
膝の上には分厚い本が重し代わりに載せられている。
一人はクロア専従メイドのルーシーさん。
肩をぷるぷる震わせて涙目。相当足にきている模様。
もう一人はまるで見覚えがない黒髪の女。
まだ若い、せいぜい二十歳に届くかどうかといったところ。革の胸当てを着けているものの全体的に身軽な格好。おそらくは斥候職かな。
こちらもルーシーさん同様の処置がなされており、すっかり涙目どころかエグエグ泣いている。
《昨日の連中の仲間……ってことは、さすがにないな》
アレらは人殺しぐらい平気で行う。ゆえに独特の不穏な空気を身に纏っていたが、この子にはそれがまるでない。とてもあんな連中と一緒になって行動するようなタイプじゃない。なのにどうしてこんなところにいるんだろう?
部屋に入ってきたオレをちらりと見ただけで、咎めることもない爺とエメラさん。スーラがどこからともなくふらりと現れるのは、いつものことなのだ。
彼らはすぐに目の前の二人に視線を戻す。
しばらく一緒にいて、ようやく事情が呑み込めた。
どうやらルーシーさんは昨夜の騒ぎにも関わらず、ずっと寝入っていたらしい。そのことに対してメイド長よりキツーイお仕置きを受けている。
もう一人の方は昨夜の騒ぎのドサクサに紛れて、邸内に侵入した賊ということのようだ。
オレはこの話を聞いて認識を改める。
ぱっと見、頼りなさそうな子だが、どうしてどうして……。
昨夜の邸内は襲撃者らのせいで厳戒態勢に移行していた。そこかしこで戦闘が行われていた。オレだってかなり気をつけていた。それこそ腕に覚えのあるスパイどもが身を隠せないほどに。……なのに、だ。この子はそんな中を屋敷の奥まで侵入を果たしたという。たぶん殺気や露骨な害意がなかったので、オレの探知にも引っかからなかったのだろう。それを差し引いても大した能力である。しかもわざわざそんな危険を冒してまで、ここにやってきた理由というのが「病弱な妹のためにアラクネの布を手に入れるため」「それを使ってハンカチを作ってやるため」というのだから恐れ入る。挙句に自分は盗賊は盗賊でもただの盗賊じゃない。そこそこ王都でも名の売れた義賊であるとのたまう。もう感心するやら呆れるやら。
アラクネの作る糸や布は超高級品。庶民には憧れの高嶺の花だ。下手をしたら一生触れることもなく過ごす奴もいる。アラクネの存在自体も少ない。王都にだっていない時のほうが多い。そんな存在が一か所に集まっている、それも五人も。この噂をどこからか聞きつけた彼女は行動を起こしたようだ。目標がいるのは貴族の別宅。金持ち相手ならば遠慮はいらぬ。なにせ自分は貧乏人と庶民の味方、義賊なのだから。そして襲撃者らと行動が被った。本当にたまたまだ。運がいいのか悪いのかどうにも判断に困る。
「うううっ、もう許してくださぁい。メイド長ぅ、あぁ、足が、足がモゲちゃいますぅ」
「えっぐ、ごめんなざい。もうじませんから許してぐださぁい」
「二人とも駄目です。我慢なさい」
ルーシーさんと自称義賊の懇願は、バッサリ斬り捨てられた。
メイドの涙腺は決壊寸前。隣の黒髪の子は、とっくに決壊している。鼻もずるずるだ。
そんな様子に心優しいシーラさんがオロオロしている。
爺は何やら思案顔。たぶんこの義賊の子の処遇を考えているのだろう。普通ならば貴族の家に押し入ったら、問答無用で斬られても文句はいえない。警備隊に突き出されても厳しい処罰が待っている。それをしないということは、おそらく……。
「義賊のお前さん。お主、名はなんという?」
「うっぐ、ひっぐ、パメラ、です」
「うむ。話を聞けば心根もさほど卑しくないし、腕も悪くない。頭はちとアレじゃが。まぁ、それはソレで扱いようもあるか。そこで物は相談なのじゃが、ウチで雇われるつもりはないかの」
「ほへっ?」
「今回のことは不問にする。給金は保証しよう。働きによっては特別手当も出す。妹の病気の面倒もみてやろう。どうじゃな?」
やっぱり……爺がこんな有能な人材をむざむざ放出するわけがない。これ幸いとばかりに確保に動きやがった。
アンケル爺のこの提案を受けてパメラに否があろうはずもない。
実にいい声で「はい! 喜んで!」と答えていた。ちなみに病弱な妹さんの名前はポメラちゃんというんだとか。クロアと同い年で五歳、この辺も爺の琴線に触れたのかな。
爺の寛大な処置に感動してシーラさんが、ポメラちゃんの名前入りのハンカチをプレゼントすると言って、パメラ大感激。室内は良かった良かったという雰囲気に包まれる。
「目出度くお話もまとまったことですし、メイド長ぅ……そろそろ」
「駄目です。ソレはソレ、コレはコレです」
流れに乗って開放を目論んだルーシーさんの願いは、またもやバッサリと斬り捨てられる。
メイド長のエメラさんが場の空気に流されることはなかった。
なお彼女たちが開放されたのは一時間後のことである。
この一事をもってパメラの中に、明確な上下関係が刻まれたことは言うまでもない。
すっかり戦闘の後処理も済んで、邸内は平穏を取り戻している。
庭に面した軒先にてアラクネさんたちが集まり、なにやらしているようだが、問題なさそうなので放置。
王女の滞在している部屋へと向かう。
部屋の扉の前には仁王立ちする黒騎士の姿があった。
アリオスくん、すっかり王女の騎士気取りか……若いっていいねぇ。まぁ、がんばれ。
部屋の中ではクロアにメーサにファチナが仲良く就寝。
無粋な輩に夜中に叩き起こされたから、たぶん昼前ぐらいまで寝ているかもね。
今夜はオレもちょっと働き過ぎた。とりあえず朝までのんびりするとしよう。
夜が明けきる頃になると、邸内にてそこかしこで人が動き出す気配が起こる。
また一日が始まる。
そのタイミングでロンゴー商会に張り付かせていた、分体のメンバーから連絡が入った。どうやら近衛の一隊が踏み込んだらしい。思ったよりも行動が早い。どうやらザビアはちゃんとお使いをしてくれたようだな。囚われていた奴隷たちも無事でなにより。おかげでオレの手間が一つ減った。
一晩で正妃と第二側妃の関連団体が二つ壊滅。悪くないペースだ。もっとも今日から加速度的に増えていくがな。
すっかり夜も明けて、朝食の時間になったので食堂へ。
なんだか今朝は甘いものが摂りたい気分。……なのに誰も来ていない。お嬢様方はまだ寝ている。でも他の人たちはどうした? とりあえずオレはアンケル爺が執務室として利用している部屋へと赴く。
椅子に腰かけ難しい顔をしているアンケル爺。
視線は机を挟んだ先にいる相手に向けられている。
そのすぐ側にはメイド長のエメラさんが立っている。
表情は平常運転だが、それがかえって見る者を怯えさせるから不思議。
彼女の視線もまた同じ相手に向けられていた。
アラクネのシーラさんもいた。ヒヨコ色の蜘蛛の部分が、相変わらずの柔らかそうなうぶ毛具合。モフりたいという衝動に駆られて困る。
床の上にじかに正座させられている二人の女性。
膝の上には分厚い本が重し代わりに載せられている。
一人はクロア専従メイドのルーシーさん。
肩をぷるぷる震わせて涙目。相当足にきている模様。
もう一人はまるで見覚えがない黒髪の女。
まだ若い、せいぜい二十歳に届くかどうかといったところ。革の胸当てを着けているものの全体的に身軽な格好。おそらくは斥候職かな。
こちらもルーシーさん同様の処置がなされており、すっかり涙目どころかエグエグ泣いている。
《昨日の連中の仲間……ってことは、さすがにないな》
アレらは人殺しぐらい平気で行う。ゆえに独特の不穏な空気を身に纏っていたが、この子にはそれがまるでない。とてもあんな連中と一緒になって行動するようなタイプじゃない。なのにどうしてこんなところにいるんだろう?
部屋に入ってきたオレをちらりと見ただけで、咎めることもない爺とエメラさん。スーラがどこからともなくふらりと現れるのは、いつものことなのだ。
彼らはすぐに目の前の二人に視線を戻す。
しばらく一緒にいて、ようやく事情が呑み込めた。
どうやらルーシーさんは昨夜の騒ぎにも関わらず、ずっと寝入っていたらしい。そのことに対してメイド長よりキツーイお仕置きを受けている。
もう一人の方は昨夜の騒ぎのドサクサに紛れて、邸内に侵入した賊ということのようだ。
オレはこの話を聞いて認識を改める。
ぱっと見、頼りなさそうな子だが、どうしてどうして……。
昨夜の邸内は襲撃者らのせいで厳戒態勢に移行していた。そこかしこで戦闘が行われていた。オレだってかなり気をつけていた。それこそ腕に覚えのあるスパイどもが身を隠せないほどに。……なのに、だ。この子はそんな中を屋敷の奥まで侵入を果たしたという。たぶん殺気や露骨な害意がなかったので、オレの探知にも引っかからなかったのだろう。それを差し引いても大した能力である。しかもわざわざそんな危険を冒してまで、ここにやってきた理由というのが「病弱な妹のためにアラクネの布を手に入れるため」「それを使ってハンカチを作ってやるため」というのだから恐れ入る。挙句に自分は盗賊は盗賊でもただの盗賊じゃない。そこそこ王都でも名の売れた義賊であるとのたまう。もう感心するやら呆れるやら。
アラクネの作る糸や布は超高級品。庶民には憧れの高嶺の花だ。下手をしたら一生触れることもなく過ごす奴もいる。アラクネの存在自体も少ない。王都にだっていない時のほうが多い。そんな存在が一か所に集まっている、それも五人も。この噂をどこからか聞きつけた彼女は行動を起こしたようだ。目標がいるのは貴族の別宅。金持ち相手ならば遠慮はいらぬ。なにせ自分は貧乏人と庶民の味方、義賊なのだから。そして襲撃者らと行動が被った。本当にたまたまだ。運がいいのか悪いのかどうにも判断に困る。
「うううっ、もう許してくださぁい。メイド長ぅ、あぁ、足が、足がモゲちゃいますぅ」
「えっぐ、ごめんなざい。もうじませんから許してぐださぁい」
「二人とも駄目です。我慢なさい」
ルーシーさんと自称義賊の懇願は、バッサリ斬り捨てられた。
メイドの涙腺は決壊寸前。隣の黒髪の子は、とっくに決壊している。鼻もずるずるだ。
そんな様子に心優しいシーラさんがオロオロしている。
爺は何やら思案顔。たぶんこの義賊の子の処遇を考えているのだろう。普通ならば貴族の家に押し入ったら、問答無用で斬られても文句はいえない。警備隊に突き出されても厳しい処罰が待っている。それをしないということは、おそらく……。
「義賊のお前さん。お主、名はなんという?」
「うっぐ、ひっぐ、パメラ、です」
「うむ。話を聞けば心根もさほど卑しくないし、腕も悪くない。頭はちとアレじゃが。まぁ、それはソレで扱いようもあるか。そこで物は相談なのじゃが、ウチで雇われるつもりはないかの」
「ほへっ?」
「今回のことは不問にする。給金は保証しよう。働きによっては特別手当も出す。妹の病気の面倒もみてやろう。どうじゃな?」
やっぱり……爺がこんな有能な人材をむざむざ放出するわけがない。これ幸いとばかりに確保に動きやがった。
アンケル爺のこの提案を受けてパメラに否があろうはずもない。
実にいい声で「はい! 喜んで!」と答えていた。ちなみに病弱な妹さんの名前はポメラちゃんというんだとか。クロアと同い年で五歳、この辺も爺の琴線に触れたのかな。
爺の寛大な処置に感動してシーラさんが、ポメラちゃんの名前入りのハンカチをプレゼントすると言って、パメラ大感激。室内は良かった良かったという雰囲気に包まれる。
「目出度くお話もまとまったことですし、メイド長ぅ……そろそろ」
「駄目です。ソレはソレ、コレはコレです」
流れに乗って開放を目論んだルーシーさんの願いは、またもやバッサリと斬り捨てられる。
メイド長のエメラさんが場の空気に流されることはなかった。
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