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62 王都編 王城内潜入捜査 1
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王城内各所に無事に侵入を果たした分隊の小型スーラたち。
城側の厳重な警備も彼らの敵ではなかった。
百二十体は散開して潜入調査を開始。
本体より、とにかく情報を集めろと命令されている。
三人の妃と王子の周辺を探るグループ、メイドさんや従者などから噂を仕入れるグループ、騎士の動きを追うグループ、貴族の集まりに注目するグループ、怪しい人物の出入りに目を光らせるグループの、五つに分かれて行動開始。
物陰に隠れて様子を伺うモノ。天井に張り付き観察するモノ。スカートの陰から聞き耳をたてるモノ。あるモノは擬態をし、あるモノは変形をし難所を突破する。そうしてターゲットに忍び寄る。
分体ナンバー68はメイドさんらの休憩室に潜入成功。
テーブルの上は持ち寄った食べ物や包み紙などが散乱。なかなかの散らかり具合である。そこでは複数のメイドさんらが丁度休憩中。ちょうど昨夜の事件を噂していたので、早速情報収集を開始。
「どう思う。やっぱり姫さまが……」
「あの方が? ないない」
「もしもそうだったら私は人間不信になるわ」
「お優しいもんねぇ、ファチナさま。お茶を入れる度に、キチンとお礼を言ってくれるんだよ」
「あー、アレって嬉しいよね。わたしも言われたことある」
「でもでも王子が全員亡くなれば……」
「あんた学園で何習ったのよ。ここでは女はトップに立てないわ」
「そんなの知ってるわよ。だからそうじゃなくて」
急に声のトーンを引き下げる同僚。何事かとみなが注視する中で、そのメイドが口にしたのは。
「実は姫さまには意中の殿方がいて、愛しい彼に玉座を」
「えーっ! まっさかー!」
「それで王位と一緒にアタシも貰って、てか? バカバカしい」
「でもそれはそれでちょっと燃える展開かも」
「いやぁ、ちょっと無理じゃない? そもそも誰よ。そんな良い男いたっけ?」
「そういえばルーサイト家の三男坊と付き合ってるって話、なかったかな」
「あれはガセよガセ。付き合ってるんじゃなくて、つきまとっているの間違い」
「うげぇ、あの勘違い野郎だろ。アイツ自意識過剰でマジ気持ち悪いんだけど」
「そういえば、ソイツについての最新情報があるんだけど……」
メイドさんらのとりとめのない話はまだまだ続く。
分体ナンバー68は中々この場所を離れられない。
なにせ入れ替わり立ち代わりメイドさんらがサボリにやって来るので。
分体ナンバー54は貴族用のサロンの一つに潜入。
広い室内に着飾った貴族の男たちが屯して、そこかしこでグループにて集まっては話をしている。グループごとの位置や離れ具合が、各集団の関係性を如実に現している模様。
ナンバー54はひと際大きな輪を作っている集団に注目。
こちらでも先日の毒殺未遂事件についての憶測が飛び交っている。
「いったい城の警備体制はどうなっておるのか」
「ええ。昼間にも変質者が出たとも聞きましたよ」
「どこから入り込んだのやら」
「昨夜の事件も外部の人間の犯行でしょうか……」
「どうかな。内部に協力者がいたのは間違いないだろう」
「そういえば行方をくらましたメイドがいるとか」
「おや、私が聞いたのは従者だったような。いや、たしか下働きだったか」
「どこぞの尻尾であろう。じきに骸で発見されるであろうの」
「おぉ、なんと恐ろしい」
「で、誰の犯行だと思われますか?」
「うむ。第一王子か第二王子が狙われるのならば話はわかるのだが、アレまで狙ったのがよくわからん」
「今後の影響力を考えれば邪魔になりそうなのは、むしろ姉のほうですが」
「いやいや。ワシはそこまで言っておらんよ。貴公、いささか口が過ぎるぞ」
言葉を発した若い者を窘めたのは、輪の中心にいた老齢の貴人。ほんの一瞬だが場の空気が凍る。ギョロリと睨まれて、慌てた彼は先の発言を撤回し頭を下げてみせた。
「まぁ、よい。気をつけることだ。今は微妙な時期じゃしな」
老齢の貴人の言葉で再び場が息を吹き返す。
「どうしてあの場所だったのでしょうか? それに三人一緒というのもわかりません」
「それよ。わざわざあんな危険を冒す意味がわからぬわ」
「他国派、親国派、中立派、もしくは……」
「近頃、中立派の中には王女個人のシンパも少なくないとか」
「実際、アレがよく彼の姫を産んだものです。唯一の功績ですな」
「……となると、いよいよ第四の派閥の誕生ですか」
「それならば親国派が、こぞってそちらに移動するのでは?」
「そこはそれ。ほれ、担ぐ相手は軽いほうが扱いが楽だからな」
「なるほど。それもそうですね」
「たしかに」
「どちらにしろ今後、城内はしばらく荒れる。よくよく見極めることだな」
適宜に話に加わりつつも思案している様子の男たち。どこに付くのか、誰を支持するのか、どう動くか、己の去就に直結する話題だけにみな真剣であった。
そんな彼らの姿を天井に張り付き、じっと注視し続ける分体ナンバー54。
老齢の貴人が周囲の誰にも聞こえない声で、「寝た子を起こさねばよいが」と呟いたのを聞き逃さない。
分体ナンバー33は騎士団に同行。
慌てている様子の一団を発見し後をついて行く。
向かった先は、裏庭の奥まった場所にある物置小屋。庭の手入れ道具が収まった小さな建物。
その中に男の死体が転がっていた。
胸から血を流してうつ伏せに倒れている。正面から心臓をひと突き。背中にまで傷が達していないことから、使用された凶器は短刀の類か。凶器は現場のどこにも見当たらない、持ち去られたのだろう。周囲に争った形跡もなく、おそらくは室内での犯行。被害者に一切の抵抗もさせることなく犯行に及んでいることから、犯人は手練れと推察される。
今朝、庭の手入れをしようと、この場所を訪れた庭師が遺体を発見した。
昨日、夕方に立ち寄ったときには異常はなかったという。
すっかり乾いている床の血からも、犯行は昨夜から未明にかけてと考えられる。
被害者の身元はすぐに判明。
王子毒殺未遂事件の直後に姿を消していたうちの一人であった。
ナンバー33は引き続きこの一団に同行し、情報を収集する。
分体ナンバー101は廊下に張ってメイドさんらの動きに注目していた。
目ぼしい相手が通りかかると、すかさず近づく。
気配を殺し、影から影に紛れての接近に気づく者はいない。
サッと潜り込んでは、サッと抜け出すをひたすら繰り返す。
白、白、白、黒、赤、白、黄、青、白、黒、黒、黒、白、白、ナシ、白……。
ひたすら何らかのデータを収集するナンバー101。
第一王子はすでに起き上がれるまでに快復していることを、分体ナンバー18が確認。養生してしばらくは自室で療養するらしいので引き続き監視。
第二王子はまだ臥せっている。意識はすでに戻り、症状は安定しているものの、回復には数日かかるとのことを、分体ナンバー26が確認。ベッド下より見張を継続。
第三王子の元にはまだ宮廷医師らがつめている。もう危機は去っているらしいが、念のため、あと母親がうるさいから。診察している患者の枕元で喚いては邪魔をしていることを、分体ナンバー11が目撃。
分体ナンバー08は正妃の姿を求め後宮へ。
するとそこで何やらきな臭い場面に遭遇することに……。
城側の厳重な警備も彼らの敵ではなかった。
百二十体は散開して潜入調査を開始。
本体より、とにかく情報を集めろと命令されている。
三人の妃と王子の周辺を探るグループ、メイドさんや従者などから噂を仕入れるグループ、騎士の動きを追うグループ、貴族の集まりに注目するグループ、怪しい人物の出入りに目を光らせるグループの、五つに分かれて行動開始。
物陰に隠れて様子を伺うモノ。天井に張り付き観察するモノ。スカートの陰から聞き耳をたてるモノ。あるモノは擬態をし、あるモノは変形をし難所を突破する。そうしてターゲットに忍び寄る。
分体ナンバー68はメイドさんらの休憩室に潜入成功。
テーブルの上は持ち寄った食べ物や包み紙などが散乱。なかなかの散らかり具合である。そこでは複数のメイドさんらが丁度休憩中。ちょうど昨夜の事件を噂していたので、早速情報収集を開始。
「どう思う。やっぱり姫さまが……」
「あの方が? ないない」
「もしもそうだったら私は人間不信になるわ」
「お優しいもんねぇ、ファチナさま。お茶を入れる度に、キチンとお礼を言ってくれるんだよ」
「あー、アレって嬉しいよね。わたしも言われたことある」
「でもでも王子が全員亡くなれば……」
「あんた学園で何習ったのよ。ここでは女はトップに立てないわ」
「そんなの知ってるわよ。だからそうじゃなくて」
急に声のトーンを引き下げる同僚。何事かとみなが注視する中で、そのメイドが口にしたのは。
「実は姫さまには意中の殿方がいて、愛しい彼に玉座を」
「えーっ! まっさかー!」
「それで王位と一緒にアタシも貰って、てか? バカバカしい」
「でもそれはそれでちょっと燃える展開かも」
「いやぁ、ちょっと無理じゃない? そもそも誰よ。そんな良い男いたっけ?」
「そういえばルーサイト家の三男坊と付き合ってるって話、なかったかな」
「あれはガセよガセ。付き合ってるんじゃなくて、つきまとっているの間違い」
「うげぇ、あの勘違い野郎だろ。アイツ自意識過剰でマジ気持ち悪いんだけど」
「そういえば、ソイツについての最新情報があるんだけど……」
メイドさんらのとりとめのない話はまだまだ続く。
分体ナンバー68は中々この場所を離れられない。
なにせ入れ替わり立ち代わりメイドさんらがサボリにやって来るので。
分体ナンバー54は貴族用のサロンの一つに潜入。
広い室内に着飾った貴族の男たちが屯して、そこかしこでグループにて集まっては話をしている。グループごとの位置や離れ具合が、各集団の関係性を如実に現している模様。
ナンバー54はひと際大きな輪を作っている集団に注目。
こちらでも先日の毒殺未遂事件についての憶測が飛び交っている。
「いったい城の警備体制はどうなっておるのか」
「ええ。昼間にも変質者が出たとも聞きましたよ」
「どこから入り込んだのやら」
「昨夜の事件も外部の人間の犯行でしょうか……」
「どうかな。内部に協力者がいたのは間違いないだろう」
「そういえば行方をくらましたメイドがいるとか」
「おや、私が聞いたのは従者だったような。いや、たしか下働きだったか」
「どこぞの尻尾であろう。じきに骸で発見されるであろうの」
「おぉ、なんと恐ろしい」
「で、誰の犯行だと思われますか?」
「うむ。第一王子か第二王子が狙われるのならば話はわかるのだが、アレまで狙ったのがよくわからん」
「今後の影響力を考えれば邪魔になりそうなのは、むしろ姉のほうですが」
「いやいや。ワシはそこまで言っておらんよ。貴公、いささか口が過ぎるぞ」
言葉を発した若い者を窘めたのは、輪の中心にいた老齢の貴人。ほんの一瞬だが場の空気が凍る。ギョロリと睨まれて、慌てた彼は先の発言を撤回し頭を下げてみせた。
「まぁ、よい。気をつけることだ。今は微妙な時期じゃしな」
老齢の貴人の言葉で再び場が息を吹き返す。
「どうしてあの場所だったのでしょうか? それに三人一緒というのもわかりません」
「それよ。わざわざあんな危険を冒す意味がわからぬわ」
「他国派、親国派、中立派、もしくは……」
「近頃、中立派の中には王女個人のシンパも少なくないとか」
「実際、アレがよく彼の姫を産んだものです。唯一の功績ですな」
「……となると、いよいよ第四の派閥の誕生ですか」
「それならば親国派が、こぞってそちらに移動するのでは?」
「そこはそれ。ほれ、担ぐ相手は軽いほうが扱いが楽だからな」
「なるほど。それもそうですね」
「たしかに」
「どちらにしろ今後、城内はしばらく荒れる。よくよく見極めることだな」
適宜に話に加わりつつも思案している様子の男たち。どこに付くのか、誰を支持するのか、どう動くか、己の去就に直結する話題だけにみな真剣であった。
そんな彼らの姿を天井に張り付き、じっと注視し続ける分体ナンバー54。
老齢の貴人が周囲の誰にも聞こえない声で、「寝た子を起こさねばよいが」と呟いたのを聞き逃さない。
分体ナンバー33は騎士団に同行。
慌てている様子の一団を発見し後をついて行く。
向かった先は、裏庭の奥まった場所にある物置小屋。庭の手入れ道具が収まった小さな建物。
その中に男の死体が転がっていた。
胸から血を流してうつ伏せに倒れている。正面から心臓をひと突き。背中にまで傷が達していないことから、使用された凶器は短刀の類か。凶器は現場のどこにも見当たらない、持ち去られたのだろう。周囲に争った形跡もなく、おそらくは室内での犯行。被害者に一切の抵抗もさせることなく犯行に及んでいることから、犯人は手練れと推察される。
今朝、庭の手入れをしようと、この場所を訪れた庭師が遺体を発見した。
昨日、夕方に立ち寄ったときには異常はなかったという。
すっかり乾いている床の血からも、犯行は昨夜から未明にかけてと考えられる。
被害者の身元はすぐに判明。
王子毒殺未遂事件の直後に姿を消していたうちの一人であった。
ナンバー33は引き続きこの一団に同行し、情報を収集する。
分体ナンバー101は廊下に張ってメイドさんらの動きに注目していた。
目ぼしい相手が通りかかると、すかさず近づく。
気配を殺し、影から影に紛れての接近に気づく者はいない。
サッと潜り込んでは、サッと抜け出すをひたすら繰り返す。
白、白、白、黒、赤、白、黄、青、白、黒、黒、黒、白、白、ナシ、白……。
ひたすら何らかのデータを収集するナンバー101。
第一王子はすでに起き上がれるまでに快復していることを、分体ナンバー18が確認。養生してしばらくは自室で療養するらしいので引き続き監視。
第二王子はまだ臥せっている。意識はすでに戻り、症状は安定しているものの、回復には数日かかるとのことを、分体ナンバー26が確認。ベッド下より見張を継続。
第三王子の元にはまだ宮廷医師らがつめている。もう危機は去っているらしいが、念のため、あと母親がうるさいから。診察している患者の枕元で喚いては邪魔をしていることを、分体ナンバー11が目撃。
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