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51 小さな賢人
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今日は小さな賢人こと、トア先生について語ろう。
あんまりにも個性が強すぎる同僚の仮面女のせいで、すっかり影が薄くなっている印象の彼女。彼女は小っちゃい。だがその役割はとてつもなくデカい。
トア先生という存在はいわば最後の砦。クロアのまともな成長にはなくてはならない超重要人物。もしも彼女がいなかったら、きっとクロアはアイツの影響で早々に野生化していたに違いあるまい、もしくは狂暴化か。
トア先生は云わばクロアの良心、良識、心のブレーキを司る。のみならず彼女はとっても頑張り屋さん。本日はそれを少しばかり披露しよう。
彼女が就任した直後、クロアは前任者のクソ虫のせいで勉強が遅れていた。
それどころか軽い洗脳状態で「自分は出来ない」みたいに少し思い込み始めていた。
そんな教え子の心を解きほぐし、自信を付けさせるために、それはもう骨を折ってくれた。
散漫になりがちな幼児の集中力を切らさないように、環境に工夫をした。
文字や単語を覚えさせるためにカルタみたいな札を作った。
数字への苦手意識を消すために、数字を用いたパズルやカードゲームを考案した。
学びの中に遊びを取り入れたことで、夢中になったクロアはアッというまに遅れを取り戻す。
大人が聞いても欠伸が止まらない難解な神話や歴史の話を、わかりやすくまとめた紙芝居を授業ごとに準備してくれた。迫真の読誦にオレもクロアも釘付けだった。しっかり次回予告まであり、引きの強さに続きが気になって仕方がない。
話を一方的に聞かされているばかりだと退屈するので、人形劇を生徒と一緒に演じて体感させたりもした。小っちゃい体をダイナミックに使った全力の演技は熱く、クロアやオレをも巻き込んで千秋楽を迎える。
お金の使い方を学ぶために、お店屋さんごっこをした。充実した小道具の数々。その完成度、芸の細かさに職人魂を見た。
どれもこれもが彼女のお手製。毎夜毎晩、夜なべしていたのをオレは知っている。
いっつも遅くまで、彼女があてがわれている部屋の灯りが付いていたから。
資料集めのせいか図書室で寝落ちなんてしょっちゅう。
大切な人へのお手紙を推奨し、文字を書く練習をさせた。おかげで今ではクロアはすっかり筆マメ。母方の祖母であるアロ婆と文通を愉しんでいる。
社会科見学として邸内のあちこちにクロアを連れ出しては、いろんな仕事に触れさせたりもする。
メイドの手伝いとして掃除をやらせたこともあった。
調理実習に料理長と一緒にクッキーを焼いたこともある。あとで仕上がったクッキーをお裾分けしてもらったアンケル爺が号泣した。
情操教育にいいと、馬の世話を手伝わせたこともあった。
小さい体で一生懸命に頑張る幼児と小っちゃい先生。その姿にみながほっこりした。
特に生徒と一緒になって窓ガラスを拭こうと背伸びする姿に、かなりの人が悶えた。
爪先立ちしてぷるぷる震える。アレは反則だろう。
そんなトア先生だが時間があれば周辺の町に通っている。せっせと孤児院や私塾に足を運んでいるのだ。
孤児院では子供たちについての話を聞き、私塾ではどういった授業を行っているのかという情報交換をする。先にトア先生が考案した道具や勉強方法はこちらでも大好評。
これに目をつけた商業ギルドが商品化を打診する。
彼女はこれに対して、一切の権利を放棄するかわりに売り上げの一部と製品を孤児院などに寄付すること。出来るかぎり価格を抑えることを条件として了承した。
絵本、紙芝居、カルタ、パズル、ままごとグッズ各種の製品化が着々と進行中。近日にも売りに出されることだろう。なお商業ギルドは彼女に敬意を表し、由来の製品にはトアシリーズと銘打つことを決定している。
なんとも忙しいトア先生ではあるが、たまに広場のお洒落なカフェで過ごしたりもする。いっつも大きいジョッキに入ったミルクを飲んでいる。彼女はまだ自身の可能性を諦めてはいない。
ただしこの時間もまた、ただの休憩ではない。
噴水のある広場には地域の子供たちが集まる。そのはしゃぐ姿をじっくりと観察しているのだ。子供のモノの見方、考え方、行動、そのすべてを見逃すまいと。没頭するあまり周囲に不信がられて、見回りの衛兵に職務質問を受けたことは彼女の秘密だ。
いや、正しくは彼女以外のみながすでに知っているが、本人が隠したがっているので知らないフリをするという意味での公然の秘密。
日頃の感謝を込めて、大人の優しさである。
どうしてトア・バーチン女史は、ここまで仕事に情熱を傾けられるのか?
その理由の一端は彼女の幼少期にまで遡る。
彼女の両親は共に学者。古代史の専門家でフィールドワークを第一としていた。それこそ赤子を放り出しては何か月、下手をすると年単位で家に帰って来ない。
我が子への愛情が薄いわけではない。その証拠にたまに戻ってきては、それはもうベタベタに甘やかす、かまい倒す。子供の方がイヤがって逃げ出すほどに。しかし研究対象の遺跡が発見されたとの報が入るや否や、そちらに突っ走る。愛情が薄いのではない。学問への情熱が強すぎるのだ。
では、こんな両親の子供であったトアがどうであったのかというと、周囲が呆れるほどに平静だった。彼女にはずっと乳母がついていてくれたためである。
優しく愛情深く理知的、母の親戚筋だという乳母は、とても出来た人だった。
親の愛なんてなくとも充分に子は育つ。ちゃんと代わりに愛情を注いでくれる人がいれば。
これを実体験にて学んだトアは成長し、やがて学問の道を志す。
トアが研究に選んだテーマは子供の教育について。
教育の重要性、それも幼少期のソレが大切なのは誰もが承知している。
なのに研究者や学者や学院の上位教師には、みな敬意と充分な報酬を払うというのに、最も初期に子どもに関わる先生たちや、面倒をみる人たちの社会的地位が数段低く扱われている。これをオカシイとトアは唱えた。
彼女の根幹には、かつて自分に惜しみない愛情を注いでくれた乳母の姿があった。彼女のような人たちこそ、キチンと評価されるべきである。ゆえに幼児教育の重要性を訴え続けた。
いくつものレポートを書き、論文をまとめ、学会で発表する。
みな口を揃えて素晴らしいと称賛する。もっともだと賛同の意を示す。
でもそれだけだった。
誰もが本当はわかっている。なのに変われない。変わりたくない。
ろくな成果も出ない研究に莫大な予算を割くくせに、学校の新設は渋る。
それだけのお金があったら一体、どれだけの未来が紡がれることだろう。
まったく変わらない世界に、トアの心は次第に擦り減っていった。
そんな時にである。
「うちの孫を任せたい」とアンケル・ランドクレースから打診を受けた。
初めは断るつもりだった。自分に出来ることは何もないと。だが講師の交代劇に関する事情を聞かされて考えを改めた。
目の前に救いを求めている小さな魂がいるというのに、己はソレに背を向けるのか。
かつて自分が慕い憧れ追いかけたあの人の背中。
少しでもそれに近づくために、再びトアは歩きだす。新たな決意を胸に。
「見てなさいよ。石頭ども! 上が駄目なら、下から思いっ切り突き上げてやるわ!」
……といった経緯にてトアはクロアの先生になった。なおこれらの彼女の過去については、アンケル爺が保管している身辺調査の報告書からオレは情報を得た。
どうだい? 凄い人だろう。
だからこそ、みなは敬意を込めて彼女を『小さな賢人』と称える。
ただし当人は嫌がっているがな。
「小っちゃい言うなー」ってよく叫んでいる。
そんな姿すらにも生暖かい目を向けられていることに、彼女はまだ気がついていない。
あんまりにも個性が強すぎる同僚の仮面女のせいで、すっかり影が薄くなっている印象の彼女。彼女は小っちゃい。だがその役割はとてつもなくデカい。
トア先生という存在はいわば最後の砦。クロアのまともな成長にはなくてはならない超重要人物。もしも彼女がいなかったら、きっとクロアはアイツの影響で早々に野生化していたに違いあるまい、もしくは狂暴化か。
トア先生は云わばクロアの良心、良識、心のブレーキを司る。のみならず彼女はとっても頑張り屋さん。本日はそれを少しばかり披露しよう。
彼女が就任した直後、クロアは前任者のクソ虫のせいで勉強が遅れていた。
それどころか軽い洗脳状態で「自分は出来ない」みたいに少し思い込み始めていた。
そんな教え子の心を解きほぐし、自信を付けさせるために、それはもう骨を折ってくれた。
散漫になりがちな幼児の集中力を切らさないように、環境に工夫をした。
文字や単語を覚えさせるためにカルタみたいな札を作った。
数字への苦手意識を消すために、数字を用いたパズルやカードゲームを考案した。
学びの中に遊びを取り入れたことで、夢中になったクロアはアッというまに遅れを取り戻す。
大人が聞いても欠伸が止まらない難解な神話や歴史の話を、わかりやすくまとめた紙芝居を授業ごとに準備してくれた。迫真の読誦にオレもクロアも釘付けだった。しっかり次回予告まであり、引きの強さに続きが気になって仕方がない。
話を一方的に聞かされているばかりだと退屈するので、人形劇を生徒と一緒に演じて体感させたりもした。小っちゃい体をダイナミックに使った全力の演技は熱く、クロアやオレをも巻き込んで千秋楽を迎える。
お金の使い方を学ぶために、お店屋さんごっこをした。充実した小道具の数々。その完成度、芸の細かさに職人魂を見た。
どれもこれもが彼女のお手製。毎夜毎晩、夜なべしていたのをオレは知っている。
いっつも遅くまで、彼女があてがわれている部屋の灯りが付いていたから。
資料集めのせいか図書室で寝落ちなんてしょっちゅう。
大切な人へのお手紙を推奨し、文字を書く練習をさせた。おかげで今ではクロアはすっかり筆マメ。母方の祖母であるアロ婆と文通を愉しんでいる。
社会科見学として邸内のあちこちにクロアを連れ出しては、いろんな仕事に触れさせたりもする。
メイドの手伝いとして掃除をやらせたこともあった。
調理実習に料理長と一緒にクッキーを焼いたこともある。あとで仕上がったクッキーをお裾分けしてもらったアンケル爺が号泣した。
情操教育にいいと、馬の世話を手伝わせたこともあった。
小さい体で一生懸命に頑張る幼児と小っちゃい先生。その姿にみながほっこりした。
特に生徒と一緒になって窓ガラスを拭こうと背伸びする姿に、かなりの人が悶えた。
爪先立ちしてぷるぷる震える。アレは反則だろう。
そんなトア先生だが時間があれば周辺の町に通っている。せっせと孤児院や私塾に足を運んでいるのだ。
孤児院では子供たちについての話を聞き、私塾ではどういった授業を行っているのかという情報交換をする。先にトア先生が考案した道具や勉強方法はこちらでも大好評。
これに目をつけた商業ギルドが商品化を打診する。
彼女はこれに対して、一切の権利を放棄するかわりに売り上げの一部と製品を孤児院などに寄付すること。出来るかぎり価格を抑えることを条件として了承した。
絵本、紙芝居、カルタ、パズル、ままごとグッズ各種の製品化が着々と進行中。近日にも売りに出されることだろう。なお商業ギルドは彼女に敬意を表し、由来の製品にはトアシリーズと銘打つことを決定している。
なんとも忙しいトア先生ではあるが、たまに広場のお洒落なカフェで過ごしたりもする。いっつも大きいジョッキに入ったミルクを飲んでいる。彼女はまだ自身の可能性を諦めてはいない。
ただしこの時間もまた、ただの休憩ではない。
噴水のある広場には地域の子供たちが集まる。そのはしゃぐ姿をじっくりと観察しているのだ。子供のモノの見方、考え方、行動、そのすべてを見逃すまいと。没頭するあまり周囲に不信がられて、見回りの衛兵に職務質問を受けたことは彼女の秘密だ。
いや、正しくは彼女以外のみながすでに知っているが、本人が隠したがっているので知らないフリをするという意味での公然の秘密。
日頃の感謝を込めて、大人の優しさである。
どうしてトア・バーチン女史は、ここまで仕事に情熱を傾けられるのか?
その理由の一端は彼女の幼少期にまで遡る。
彼女の両親は共に学者。古代史の専門家でフィールドワークを第一としていた。それこそ赤子を放り出しては何か月、下手をすると年単位で家に帰って来ない。
我が子への愛情が薄いわけではない。その証拠にたまに戻ってきては、それはもうベタベタに甘やかす、かまい倒す。子供の方がイヤがって逃げ出すほどに。しかし研究対象の遺跡が発見されたとの報が入るや否や、そちらに突っ走る。愛情が薄いのではない。学問への情熱が強すぎるのだ。
では、こんな両親の子供であったトアがどうであったのかというと、周囲が呆れるほどに平静だった。彼女にはずっと乳母がついていてくれたためである。
優しく愛情深く理知的、母の親戚筋だという乳母は、とても出来た人だった。
親の愛なんてなくとも充分に子は育つ。ちゃんと代わりに愛情を注いでくれる人がいれば。
これを実体験にて学んだトアは成長し、やがて学問の道を志す。
トアが研究に選んだテーマは子供の教育について。
教育の重要性、それも幼少期のソレが大切なのは誰もが承知している。
なのに研究者や学者や学院の上位教師には、みな敬意と充分な報酬を払うというのに、最も初期に子どもに関わる先生たちや、面倒をみる人たちの社会的地位が数段低く扱われている。これをオカシイとトアは唱えた。
彼女の根幹には、かつて自分に惜しみない愛情を注いでくれた乳母の姿があった。彼女のような人たちこそ、キチンと評価されるべきである。ゆえに幼児教育の重要性を訴え続けた。
いくつものレポートを書き、論文をまとめ、学会で発表する。
みな口を揃えて素晴らしいと称賛する。もっともだと賛同の意を示す。
でもそれだけだった。
誰もが本当はわかっている。なのに変われない。変わりたくない。
ろくな成果も出ない研究に莫大な予算を割くくせに、学校の新設は渋る。
それだけのお金があったら一体、どれだけの未来が紡がれることだろう。
まったく変わらない世界に、トアの心は次第に擦り減っていった。
そんな時にである。
「うちの孫を任せたい」とアンケル・ランドクレースから打診を受けた。
初めは断るつもりだった。自分に出来ることは何もないと。だが講師の交代劇に関する事情を聞かされて考えを改めた。
目の前に救いを求めている小さな魂がいるというのに、己はソレに背を向けるのか。
かつて自分が慕い憧れ追いかけたあの人の背中。
少しでもそれに近づくために、再びトアは歩きだす。新たな決意を胸に。
「見てなさいよ。石頭ども! 上が駄目なら、下から思いっ切り突き上げてやるわ!」
……といった経緯にてトアはクロアの先生になった。なおこれらの彼女の過去については、アンケル爺が保管している身辺調査の報告書からオレは情報を得た。
どうだい? 凄い人だろう。
だからこそ、みなは敬意を込めて彼女を『小さな賢人』と称える。
ただし当人は嫌がっているがな。
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