7 / 226
6 魔力回路
しおりを挟む「よいかクェーサー、わらわがガスを撒いたら攻撃するぞよ」
「分かりました」
電脳世界に入ったサヨリヒメは、クェーサーと共にオンラインゲームに興じていた。
3人一組になって戦うバトルロイヤルゲームだ。サヨリヒメが放ったガスにより敵の動きが遅くなる。その隙にクェーサーが突撃し、敵を一掃した。
漁夫られないよう、クェーサーのキャラでシールドを張って警戒しつつ安全圏へ。激しいバトロワをクェーサーの活躍により順調に生き残っていた。
「凄いのぉクェーサー! キル率高すぎ君じゃ!」
「これでよいのですか」
「良き良き! おっと次の敵が来たぞ、撃つのじゃあ!」
他のプレイヤーと違い、2人はVRで遊んでいるようなものだ。臨場感は相当なものである。ちなみに姿はゲーム内のスキンになっていた。
しかしクェーサーは随分と当てている、初心者だと言うのに異常なキル率だ。
『おっと来たよあんた! さっきのやり合いで削れてるけどイケる!? 私が先行くからカバーよろしく!』
聞き覚えのある声のVCと繋がった、白瀬の声だ。
どうやら夫と共に遊んでいるようだ、ネットの世界は狭い物である。
「身内同士のぶつかり合いとは奇遇じゃのぉ、返り討ちに……なんでVCが聞こえるんじゃ?」
「ハッキングしました。相手の声が聞こえれば戦略も取りやすいので」
クェーサーの意味深な発言の後、まるで見えているかのような速度で白瀬達を発見し、百発百中のエイムで撃ちぬいた。
なんか嫌な予感がするサヨリヒメであった。
「のぅクェーサー……おぬし、オートエイムって知っとるか?」
「ウォールハックと共に搭載しました」
『こいつら……チーターじゃんか!? おい通報だ通報! 動画取ってる? 運営に知らせろぉ!』
「切断じゃ! 逃げるぞクェーサー!」
「なぜですか」
「チートは違反行為なのじゃあ!」
AIだから正々堂々なんて言葉を知らないようだ。きちんとチートはダメだと教えてから、サヨリヒメはホラーゲームの世界へ連れて行った。
そこでは、包丁を振り回す殺人鬼に追いかけまわされる羽目になっていた。
「ぬおお!? こやつ手鏡かぁ!? ネコか恵みを付けとくべきじゃった!」
「私達の位置を把握しています。ウォールハックは違反です、通報しましょう」
「これアドオンの効果じゃから、ちゃんとルールにのっとった効果じゃから。ひょええ先回りされた!?」
サヨリヒメが切り付けられそうになった時、クェーサーが身代わりになった。
クェーサーは常にサヨリヒメを守るように立ち回り、結果2人は無事に試合に勝利していた。
「ふぃ~……あのアドオンはジャンルが変わるのぉ。しかしクェーサー、あんなにわらわを守らんでもよかったのじゃぞ?」
「サヨリヒメが傷つくのを、見たくなかったのです。ゲームの世界であろうと、私が貴女を守ります」
「むむ……は、恥ずかしい事を言うのぉ……」
「なぜ恥ずかしがるのですか」
「う、うららかな乙女心と言うやつじゃ。なんだってこんな男らしゅう育ちおったのじゃ……不覚にも恰好いいと思ってしもうたわ……」
「それより、先ほどの対戦相手。また白瀬でしたね」
「ぬお? 確かにIDが同じじゃの」
『gg♡ matayarouze!』
今度は白瀬から称えられた。クェーサーは喜びを感じ、手を握りしめた。
「チート無しで勝つと、気持ちがいいですね」
「分かってくれたか。殺伐としたゲームが続いたの、ちょいと骨休めするぞ」
サヨリヒメが連れて来たのは、アメリカが舞台のゲームだ。
タンデムバイクに乗って、湾岸沿いを思いっきり走っている。クェーサーの背にしがみつき、サヨリヒメはバイクデートを楽しんでいた。
クェーサーはヒロイックな外見をしているから、まるで特撮のヒロインにでもなったかのようだ。サヨリヒメは、運転するクェーサーに額を押し付けた。
バイクデートは、サヨリヒメの憧れていたシチュエーションだ。思わぬ形で夢が叶い、サヨリヒメは幸せそうな顔をした。
「のう、クェーサー」
「なんでしょうか」
「名を呼んだだけじゃ」
胸をどきどきさせながら、サヨリヒメはクェーサーを抱きしめた。
「分かりました」
電脳世界に入ったサヨリヒメは、クェーサーと共にオンラインゲームに興じていた。
3人一組になって戦うバトルロイヤルゲームだ。サヨリヒメが放ったガスにより敵の動きが遅くなる。その隙にクェーサーが突撃し、敵を一掃した。
漁夫られないよう、クェーサーのキャラでシールドを張って警戒しつつ安全圏へ。激しいバトロワをクェーサーの活躍により順調に生き残っていた。
「凄いのぉクェーサー! キル率高すぎ君じゃ!」
「これでよいのですか」
「良き良き! おっと次の敵が来たぞ、撃つのじゃあ!」
他のプレイヤーと違い、2人はVRで遊んでいるようなものだ。臨場感は相当なものである。ちなみに姿はゲーム内のスキンになっていた。
しかしクェーサーは随分と当てている、初心者だと言うのに異常なキル率だ。
『おっと来たよあんた! さっきのやり合いで削れてるけどイケる!? 私が先行くからカバーよろしく!』
聞き覚えのある声のVCと繋がった、白瀬の声だ。
どうやら夫と共に遊んでいるようだ、ネットの世界は狭い物である。
「身内同士のぶつかり合いとは奇遇じゃのぉ、返り討ちに……なんでVCが聞こえるんじゃ?」
「ハッキングしました。相手の声が聞こえれば戦略も取りやすいので」
クェーサーの意味深な発言の後、まるで見えているかのような速度で白瀬達を発見し、百発百中のエイムで撃ちぬいた。
なんか嫌な予感がするサヨリヒメであった。
「のぅクェーサー……おぬし、オートエイムって知っとるか?」
「ウォールハックと共に搭載しました」
『こいつら……チーターじゃんか!? おい通報だ通報! 動画取ってる? 運営に知らせろぉ!』
「切断じゃ! 逃げるぞクェーサー!」
「なぜですか」
「チートは違反行為なのじゃあ!」
AIだから正々堂々なんて言葉を知らないようだ。きちんとチートはダメだと教えてから、サヨリヒメはホラーゲームの世界へ連れて行った。
そこでは、包丁を振り回す殺人鬼に追いかけまわされる羽目になっていた。
「ぬおお!? こやつ手鏡かぁ!? ネコか恵みを付けとくべきじゃった!」
「私達の位置を把握しています。ウォールハックは違反です、通報しましょう」
「これアドオンの効果じゃから、ちゃんとルールにのっとった効果じゃから。ひょええ先回りされた!?」
サヨリヒメが切り付けられそうになった時、クェーサーが身代わりになった。
クェーサーは常にサヨリヒメを守るように立ち回り、結果2人は無事に試合に勝利していた。
「ふぃ~……あのアドオンはジャンルが変わるのぉ。しかしクェーサー、あんなにわらわを守らんでもよかったのじゃぞ?」
「サヨリヒメが傷つくのを、見たくなかったのです。ゲームの世界であろうと、私が貴女を守ります」
「むむ……は、恥ずかしい事を言うのぉ……」
「なぜ恥ずかしがるのですか」
「う、うららかな乙女心と言うやつじゃ。なんだってこんな男らしゅう育ちおったのじゃ……不覚にも恰好いいと思ってしもうたわ……」
「それより、先ほどの対戦相手。また白瀬でしたね」
「ぬお? 確かにIDが同じじゃの」
『gg♡ matayarouze!』
今度は白瀬から称えられた。クェーサーは喜びを感じ、手を握りしめた。
「チート無しで勝つと、気持ちがいいですね」
「分かってくれたか。殺伐としたゲームが続いたの、ちょいと骨休めするぞ」
サヨリヒメが連れて来たのは、アメリカが舞台のゲームだ。
タンデムバイクに乗って、湾岸沿いを思いっきり走っている。クェーサーの背にしがみつき、サヨリヒメはバイクデートを楽しんでいた。
クェーサーはヒロイックな外見をしているから、まるで特撮のヒロインにでもなったかのようだ。サヨリヒメは、運転するクェーサーに額を押し付けた。
バイクデートは、サヨリヒメの憧れていたシチュエーションだ。思わぬ形で夢が叶い、サヨリヒメは幸せそうな顔をした。
「のう、クェーサー」
「なんでしょうか」
「名を呼んだだけじゃ」
胸をどきどきさせながら、サヨリヒメはクェーサーを抱きしめた。
1
お気に入りに追加
359
あなたにおすすめの小説
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
御者のお仕事。
月芝
ファンタジー
大陸中を巻き込んだ戦争がようやく終わった。
十三あった国のうち四つが地図より消えた。
大地のいたるところに戦争の傷跡が深く刻まれ、人心は荒廃し、文明もずいぶんと退化する。
狂った環境に乱れた生態系。戦時中にバラ撒かれた生体兵器「慮骸」の脅威がそこいらに充ち、
問題山積につき夢にまでみた平和とはほど遠いのが実情。
それでも人々はたくましく、復興へと向けて歩き出す。
これはそんな歪んだ世界で人流と物流の担い手として奮闘する御者の男の物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる