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888 かさん

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 カラダは元気……、だと思う。
 特に病気とかもない。朝もいつも通り。だされた食事はふつうにたいらげた。
 朝食後に家をでて小学校に向かう。
 途中で顔見知りやら友だちに挨拶なんかをしながら、教室へ。
 で、授業を受けて、給食食べて、昼休憩にみんなと遊んで、また授業を受けて。
 気づけば放課後にて、これまたいつものごとく仲良しのヒニクちゃんと下校する。

 その道すがら、「なんだかヘンなんだぁ」とつぶやいたミヨちゃん。
 何がヘンなのかというと、どうにも調子があがらない。
 動けないわけじゃない。やれないわけじゃない。
 でもどこか心そこにあらずというか、いまいち身が入らないというか、どうにも集中しきれないというか。
 授業が上の空なのはいつものことながらも、休憩時間にみんなと遊んでいても楽しいのに楽しくない。いや、正しくは湧き上がる衝動というか、夢中になれきれない。
 何をやっても満たされない。
 ふと、気を抜くと、ぼんやりしちゃっている。
 思考が停止して、まるで抜け殻みたいになっている。

「うーん、つかれているのかなぁ」

 コテンと首をかしげるミヨちゃん。
 けれどもその原因にまるで心当たりがないのである。
 この一週間というもの、特にかわったことは何もなかった。
 いつも通りに生活していただけである。
 緊張を強いられることや、プレッシャーを感じること、身体がヘロヘロになるようなこともしていない。本当にごく普通の日常を送っただけ。
 なのにこの気だるさはいったい……。

「自覚がないだけでカゼでもひいてるのかなぁ」

 カゼや花粉などで鼻の奥がつーんとすると、意識もぼんやりしてくる。
 症状的にはそれに近いような気もする。だからミヨちゃんはそう考えたのだけれども、それもちょっと疑わしい。
 なぜならここのところ気候は温暖にて、湿度もカラっとしており、天気も晴れ続きにて、むしろ過ごしやすいくらいだったから。
 なのにちっとも意気があがらないからこそ、ますますミヨちゃんは「あれれ?」となる。
 とにもかくにもテンションがあがらない。
 大好きな少女マンガを読んでも、仲良しの友だちといっしょに遊んでも、おいしいゴハンやオヤツを食べても、面白いテレビを見ても、ずっと心の片隅にて「なんだかなぁ」という想いがくすぶっている。これがどうにもわずらわしい。
 けれども原因がわからないから、どうしようもない。

「うー、どうにもウツウツしてしようがない」

 不満をこぼすミヨちゃんではあったが、その表情すらもがどこかダルそうであった。
 そんな親友の姿を前にして、おもむろにヒニクちゃんが口を開いた。

「たぶん脳が疲弊しているせい」

 いまいち頭がよく回らないことがある。
 ふだんならば何てことのない作業に手間取ったり。
 つかれは足し算方式にて、ちくちく加算されていく。
 あらゆるところに潜むつかれの素は、部屋にたまった
 ホコリのようなもの。定期的に掃除してあげるしかない。
 ……なんぞと、コヒニクミコは考えている。


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