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しおりを挟むミヨちゃんはホラー系もわりとイケる口だ。
テレビで心霊特番とか恐怖のほにゃらら映像、怪談ドラマなどを放送していたら、必ずチェックしている。
だからその手の番組が増える夏場は、けっこううれしい。
でも、だからとてこれを真に受けているのかとうと、そんなことはない。
こわいを楽しんではいるけれども、九対一ぐらいの割合で信じてはいない。
幼女いわく。
「いや、本当にいたらシャレにならないし」
である。
あくまで娯楽のひとつ、ゾクゾク背筋が凍るのを、フィクションとして楽しんでいるわけだ。
世の中の大半の人がそうであろう。
影響を受けすぎて、ヘンテコな宗教に走ったら、当人のみならず周囲も迷惑しちゃうから。
そんなミヨちゃんだが、だからとてなんでもかんでも未知のモノをウエルカムというわけではない。
未確認飛行物体やら、未確認生物とかはいい。
ロマンがある。
さすがに山やジャングルや湖にはいなさそうだけれども、まだまだ手つかずにてナゾ多き深海ならば、あるいは……とか考えている。
だからたとえ明らかに合成チックなインチキくさい映像やら画像でも、笑って受け入れる。
が、一転して「ふーん」と淡泊な対応になるのが、占い系。
占いは今も昔も大人気。
古代では国をも動かし、現代でも信奉者は数多。生活に熱心に取り入れている者もいれば、会社の経営やら、政治判断を委ねている者もいるとかいないとか。
朝の情報番組には必ず星座占いのコーナーがあるし、散々に根拠がないと揶揄されている血液型占いも、いまだにマイナーチェンジをくり返してはちゃっかり生き残っている。
その一方では新たな占いが続々と生まれては、消費されて、消えていく。
他方では古くからあるタロット占いとかや、占星術なんかが脈々と受け継がれている。
そりゃあ、ミヨちゃんだって小学二年生の女の子だから、歳相応に占いは気になるしチェックもする。
いいことを言われたらうれしいし、結果がいまいちだったらちょっとへこむ。
でもそれだけだ。
なのに、たまに占い師がえらそうに説教を垂れている姿が、テレビに登場する。
カウンセラーでもなんでもないのに、もっともらしいことを口にしては、居丈高。
それを受ける側も、なぜだかヘコヘコしてみっともない。
そしてそんな占い師が世間から妙に持ちあげられて、ありがたがられているのも、気にくわない。
「わたしにしたら、そんな社会の方が、よっぽどホラーで怖いよ。いい歳した大人たちが何やってんのって、なるよ」
下校中のミヨちゃん。昨今の、というか昔から定期的に沸いてくる、その手のブームに物申す。
これを受けて、おもむろにヒニクちゃんが口を開いた。
「占いは悪魔の証明」
見える人には視える。わかる人には理解できる。
感じる人には感じられる。アンテナの感度の問題などなど。
どうでもいいことばかり言い当てて、宝くじとかはさっぱり。
どちらかといえば、みんなそこが知りたいっていうのに。
……なんぞと、コヒニクミコは考えている。
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