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外の人?
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『光に集る虫みたいにホイホイ行って大丈夫すか?』
「なんだかこの歌声は敵じゃない気がするんだ」
日本語として訳されて聞こえないのは元々意味のない歌詞なのだろうか?鼻歌みたいな?
「てかその言い方棘があるな」
『いやー、さっき俺は丁寧に帰り道案内したのに、帰れなかったら秒で疑ってきた人と同一人物とは思えなくて』
あ、やっぱり怒ってた?そういや俺、盾に謝ってなかったな。
「盾、さっきはゴメンな」
『謝ってくれるんならいいですよ。俺もこの歌声には邪念は感じられないすしね』
しばらく歩くと湖が見えてきた。対岸がギリギリ見渡せる程の巨大な湖だ。
その畔で中性的な見た目の妖精族が佇んで歌っている。
上半身は裸だ。どうしよう目をつむるべきか?
女だった場合やばいから目を瞑っておこう。
「盾、あの子のところまで俺を誘導してくれ」
『は?あー、えーっと、とりあえず前進』
手を目に当ててこけないようにゆっくり歩く。ここまで配慮して、きゃー変態!と悲鳴をあげられたらどうしょうもない。
いや、目を手で覆いながらゆっくり歩いて近づいていくほうが変態っぽいか?
『そこ、窪みがあります』
「ぶへっ」
盾の忠告を耳が受け取り、それを脳が処理して足へ指令を出すという作業は間に合わず、俺は転倒した。
俺の神経、もう少し仕事してくれ。
「大丈夫?」
俺の潰れた声でようやくこちらの存在に気付き彼、彼女?は俺に近づき声をかけてきた。
「大丈夫。それより君、上を着なさい」
『この子整った顔してますね~』
「僕の部族の男は上半身裸が基本だよ」
男だったか。なら目隠しは不要だな。
「お兄ちゃん、外から来たの?」
「ん?ああ」
『外?』
外という意味がわからないが、人族の大陸から来たのだから多分彼の想定の範囲の外だろう。
「すげぇ!僕、外の人初めて見たよ!よかったら外の世界の話を聞かせておくれよ」
話すのは吝かではないが、なにか面倒そうなことに足を突っ込みかけてる気がして仕方がない。
こういう時の勘は割と当たるのだ。
「なんだかこの歌声は敵じゃない気がするんだ」
日本語として訳されて聞こえないのは元々意味のない歌詞なのだろうか?鼻歌みたいな?
「てかその言い方棘があるな」
『いやー、さっき俺は丁寧に帰り道案内したのに、帰れなかったら秒で疑ってきた人と同一人物とは思えなくて』
あ、やっぱり怒ってた?そういや俺、盾に謝ってなかったな。
「盾、さっきはゴメンな」
『謝ってくれるんならいいですよ。俺もこの歌声には邪念は感じられないすしね』
しばらく歩くと湖が見えてきた。対岸がギリギリ見渡せる程の巨大な湖だ。
その畔で中性的な見た目の妖精族が佇んで歌っている。
上半身は裸だ。どうしよう目をつむるべきか?
女だった場合やばいから目を瞑っておこう。
「盾、あの子のところまで俺を誘導してくれ」
『は?あー、えーっと、とりあえず前進』
手を目に当ててこけないようにゆっくり歩く。ここまで配慮して、きゃー変態!と悲鳴をあげられたらどうしょうもない。
いや、目を手で覆いながらゆっくり歩いて近づいていくほうが変態っぽいか?
『そこ、窪みがあります』
「ぶへっ」
盾の忠告を耳が受け取り、それを脳が処理して足へ指令を出すという作業は間に合わず、俺は転倒した。
俺の神経、もう少し仕事してくれ。
「大丈夫?」
俺の潰れた声でようやくこちらの存在に気付き彼、彼女?は俺に近づき声をかけてきた。
「大丈夫。それより君、上を着なさい」
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男だったか。なら目隠しは不要だな。
「お兄ちゃん、外から来たの?」
「ん?ああ」
『外?』
外という意味がわからないが、人族の大陸から来たのだから多分彼の想定の範囲の外だろう。
「すげぇ!僕、外の人初めて見たよ!よかったら外の世界の話を聞かせておくれよ」
話すのは吝かではないが、なにか面倒そうなことに足を突っ込みかけてる気がして仕方がない。
こういう時の勘は割と当たるのだ。
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