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ジョーカー隊の最後の一撃

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 地団駄を踏んで怒ったニアラが腕を交差させると太陽のように光り輝いた。

「いかん。全員、防御魔法展開じゃ!」

 ゴのとっさの指示にダンジョンマスターたちは近くの者と防御魔法を多重発動させた。
 直後、ニアラから幾筋もの光線が放たれ、辺りを蹂躙する。

 三人以上で多重発動させたダンジョンマスターたちは何とか助かったが、一人や二人で防御魔法を発動させた者は魔法の障壁を破られ、即死した。

「びっくりした。ゲームのマップ兵器みたいな魔法ね」

「あれ、溜めの動作をすれば連射できるので注意してください」

「だったらさっさと退け。生き返らない者は邪魔だ」

「……じゃあ最後に」

 ジョーカーは持っていた大鎌をニアラに投げつけて大部屋から出ていった。
 丁度、別のダンジョンマスターと剣を切り結んでいたニアラに大鎌が迫る。

「くっ」

 ジョーカーの大鎌の方がより大きな驚異と判断したのか、ニアラは光の魔法で作っている剣をそっちの防御の為に向けた。
 その結果、彼女は大鎌は防ぐことができたが、切り合っていたダンジョンマスターからの一撃をもろに食らってしまった。

「よっしゃぁ初ヒットォ!ソラン様、俺ノルマ達成したし、人形が後三つなので撤退しまーす!」

 ニアラを切ったダンジョンマスターは、サッカー選手がゴールを決めたかのように喜びながら、他の人形が少なくなったジョーカー隊のダンジョンマスターたちと大部屋から撤退した。

「どうしてあの隊はあんなに緊張感がないのかしら?」

「それが彼らの良さということでしょうか。まあ、今の一撃はニアラを怒らせただけなので悪さとも言えますが」

 ソランの言う通り、ニアラは一瞬で傷を治して鬼の形相でソランたちを睨んでいた。

「あの真っ赤な顔を見てると高血圧で殺せそうな気がしてきたわ」

「ははは。冗談はさておき我々も戦いましょう」
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