上 下
210 / 378

戦勝の報

しおりを挟む
 Side旅雄亮

 温泉につかってのんびりしたりして旅の疲れを落として続報を待っていると、一日も経たないうちにスライムからエスリメの勝利の報がきた。

「エスリメ勝利。被害は軽微だってよ」

「おお!」

「やったわね!それにしても一日も経たないうちに決着がつくなんて、一体どんな戦い方をしたのかしら?」

 俺はどのようにしてエスリメが勝ったのかをマスターたちに伝えると、なるほどと言って納得していた。

「裏切りを誘うなんて、ダンジョンバトルしか経験の無い我等では思いつくのは難しいですね」

 ダンジョンバトルは互いの駒がマスターをどうやっても裏切れないからな。

「勇者を味方にしたら人間に敵はいませんね!」

「いや、世界には隠れた強者はいくらでもいる。第一セランの暴走姫が居るだろう。それに勇者の中で一番若いやつは人質救出のために手を組んだだけみたいだしな」

 人を殺すのダメゼッタイ!って性分らしい。
 そりゃダンジョンマスターとは合わないな。

「何はともあれ勝ったんだ。祝勝会するぞー!」

「え、我々は今回何もしてませんが」

「自分の国が勝ったんだ。祝っても構いやしないだろ」

 もう一人の俺の手柄即ち俺の手柄。
 エスリメの俺の勝利=俺の勝利だと言っても過言ではないと言って真面目な連中を言いくるめてその日は翌朝まで飲んで祝った。


 ■□■


 更に温泉を楽しみ十分に落とした俺たちは旅を再開した。
 ソフィアたちの村にも寄ったことだし、妖精族の大陸は後は適当に色んな種族の生活や文化を見て回ろうと思う。

「ジェイ、この剣以外でチート性能の武器や防具ってこの大陸には無いのか?」

 もちろん旅の途中で追加された他人に取られるとやばい装備探しも継続するぞ。

「そうですね……言い伝えでは、妖精の剣にはセットの盾と鎧があるとされています」

「私はこの大陸のどこかにあると噂で聞いたことがあります」

 妖精シリーズってところか。全部着けたらセットボーナスでもあるのだろうか?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。 その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。 代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。 それを見た柊茜は 「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」 【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。 追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん….... 主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します

聖女の秘密

水田 みる
恋愛
舞台は魔王ツバキが滅んだ200年後の世界。 亡きバカバッカ王国の元王子、アール・デ・バカバッカは最愛の人を亡くし失意の中で生きていた。 そんな時 「アタシは創造神ルールーから啓示を受けた聖女ですっ!」 と言う少女に出会う。 果たして彼女の秘密とは…? ※前作『魔王の秘密』の続編です。 そちらからでないと話が分からないと思いますので、興味のある方はぜひどうぞ! 表紙はAIイラストです。

羊の皮を被っただけで

mios
恋愛
姉の婚約者と恋に落ち、結婚した妹のフレア。侯爵夫人となり、後継の息子を産んで幸せな日々を送っている。 隣国の王太子が妃を披露する夜会で、王太子妃を見たフレアは、その衝撃で前世を思い出し、自分が欲しがりの妹で姉がヒロインである小説の中に転生したことを知る。 幸せが薄氷の上にあることに気付かされたフレアはどうにか姉の復讐の手を封じようとする。

離縁された妻ですが、旦那様は本当の力を知らなかったようですね? 魔道具師として自立を目指します!

椿蛍
ファンタジー
【1章】 転生し、目覚めたら、旦那様から離縁されていた。   ――そんなことってある? 私が転生したのは、落ちこぼれ魔道具師のサーラ。 彼女は結婚式当日、何者かの罠によって、氷の中に閉じ込められてしまった。 時を止めて眠ること十年。 彼女の魂は消滅し、肉体だけが残っていた。 「どうやって生活していくつもりかな?」 「ご心配なく。手に職を持ち、自立します」 「落ちこぼれの君が手に職? 無理だよ、無理! 現実を見つめたほうがいいよ?」 ――後悔するのは、旦那様たちですよ? 【2章】 「もう一度、君を妃に迎えたい」 今まで私が魔道具師として働くのに反対で、散々嫌がらせをしてからの再プロポーズ。 再プロポーズ前にやるのは、信頼関係の再構築、まずは浮気の謝罪からでは……?  ――まさか、うまくいくなんて、思ってませんよね? 【3章】 『サーラちゃん、婚約おめでとう!』 私がリアムの婚約者!? リアムの妃の座を狙う四大公爵家の令嬢が現れ、突然の略奪宣言! ライバル認定された私。 妃候補ふたたび――十年前と同じような状況になったけれど、犯人はもう一度現れるの? リアムを貶めるための公爵の罠が、ヴィフレア王国の危機を招いて―― 【その他】 ※12月25日から3章スタート。初日2話、1日1話更新です。 ※イラストは作成者様より、お借りして使用しております。

転生したアラサーオタク女子はチートなPCと通販で異世界でもオタ活します!

ねこ専
ファンタジー
【序盤は説明が多いので進みがゆっくりです】 ※プロローグを読むのがめんどくさい人は飛ばしてもらっても大丈夫です。 テンプレ展開でチートをもらって異世界に転生したアラサーオタクOLのリリー。 現代日本と全然違う環境の異世界だからオタ活なんて出来ないと思いきや、神様にもらったチートな「異世界PC」のおかげでオタ活し放題! 日本の商品は通販で買えるし、インターネットでアニメも漫画も見られる…! 彼女は異世界で金髪青目の美少女に生まれ変わり、最高なオタ活を満喫するのであった。 そんなリリーの布教?のかいあって、異世界には日本の商品とオタク文化が広まっていくとかいかないとか…。 ※初投稿なので優しい目で見て下さい。 ※序盤は説明多めなのでオタ活は後からです。 ※誤字脱字の報告大歓迎です。 まったり更新していけたらと思います!

異世界TS転生で新たな人生「俺が聖女になるなんて聞いてないよ!」

マロエ
ファンタジー
普通のサラリーマンだった三十歳の男性が、いつも通り残業をこなし帰宅途中に、異世界に転生してしまう。 目を覚ますと、何故か森の中に立っていて、身体も何か違うことに気づく。 近くの水面で姿を確認すると、男性の姿が20代前半~10代後半の美しい女性へと変わっていた。 さらに、異世界の住人たちから「聖女」と呼ばれる存在になってしまい、大混乱。 新たな人生に期待と不安が入り混じりながら、男性は女性として、しかも聖女として異世界を歩み始める。 ※表紙、挿絵はAIで作成したイラストを使用しています。 ※R15の章には☆マークを入れてます。

ダンジョン都市を作ろう! 〜異世界で弱小領主になった俺、領地にあったダンジョンを強化していたら、最強領地が出来てた〜

未来人A
ファンタジー
高校生、新谷誠司は異世界召喚に巻き込まれた。 巻き込んだお詫びに国王から領地を貰い、領主になった。 領地にはダンジョンが封印されていた。誠司はその封印を解く。 ダンジョンは階層が分かれていた。 各階層にいるボスを倒すと、その階層を管理することが出来るになる。 一階層の管理を出来るようになった誠司は、習得した『生産魔法』の力も使い、ダンジョンで得た珍しい素材をクラフトしアイテムを作りまくった。 アイテムを売ったりすることで資金が増え、領地はどんどん発展した。 集まって来た冒険者たちの力を借りて、誠司はダンジョン攻略を進めていく。 誠司の領地は、『ダンジョン都市』と呼ばれる大都市へと変貌を遂げていった――――

《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。

友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」 貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。 「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」 耳を疑いそう聞き返すも、 「君も、その方が良いのだろう?」 苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。 全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。 絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。 だったのですが。

処理中です...