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俺と俺の違和感

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 式典の準備をしていると、ヴァイオレットが旅から帰ってきた。

「ただいまー。ずいぶん人が増えたわね」

「凄いだろー。ところでヴァイオレットはなんの用事で帰ってきたんだ?」

「ダンジョンの近くまで来たから様子を見てこいってユースケに言われたのよ。ところでその子たちはあなたの子?」

「お前らが送ってきたんだろ!」

「うー」

「ああごめんねー。大きな声出しちゃったねー、ほーら変な顔ー」

 俺の声のせいで泣きそうになった子を慌ててあやす。
 要望さえ満たせばこの子たちはピタリと泣き止むので子育て初心者の俺、コアちゃん、均、ギランは助かっている。

 それにしても、大きな音にはびっくりしてなくくせにギランの顔は見ても泣かないんだから不思議だよなあ。
 海賊時代にあやしてたのか?

 そんなこと考えながら赤ちゃんをあやしてヴァイオレットを見ると俺を不思議そうに見ていた。

「どうっ、した?」

「…………少し変なのよね。こっちのあなたとあっちのあなたで違和感があるの」

「違和感?」

「あっちのあなたは乱ぼ……大雑把で、あなたは面倒見がいいわ。足して割ったら元のあなたみたいな不完全な感じ」

 あっちの俺は子供たちや海賊をこっちに送った理由が面倒だからって適当だからな。
 分身の副作用だろうか。それともこの少しの期間で性格にずれが生じたか……。

「どういう事ですか先輩?」

「あれ、気づいてた?」

 俺の後ろに立っていた先輩だが、建物の窓に反射してはっきりと姿が見えていた。
 突然パッと現れたのは驚いたけど。

「この現象に先輩は心当たりは無いんですか?」
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