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ピクリナと街を歩く

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「それじゃあ他の皆は受付のとこに行って登録してきてこい。目立つな、とは言わないがトラブルは避けろよ」

「了解」

 ヴァイオレットたちは、がやがやと下に降りていった。大丈夫か?

「よし、ソフィアは地図の入手、フィーは周辺の街道や村の情報収集に行ってくれ」

「………………私は?」

「ピクリナは俺と一緒にこの街を見たあとで出発の準備だ」

「……快諾」

 この三人の中ではピクリナと一緒にいるのが落ち着く。
 無口だからそれほど会話に困らない。

 ギルドを出て街の大通りを歩く。
 大通りの左右には屋台が出ていて色々なものが売られている。
 あれは……スライム専門店。もう出てるのか?商人はやはり動くのが早い。

 一番高い値段のスライムはドクタースライムとメディスンスライムのセットで、オリハルコン貨三枚だ。
 貴族とかじゃないと手が出ないな。

 アダマンタイトスライムはそもそも店に出てなかった。
 もしもアダマンタイト製の武器が多く流通して俺に向けられたときが面倒だから、ほとんど外に出してないからな。

 街にはそれなりの数のスライムがいる。
 人間十につき一って割合か。こいつらはテイムされた訳じゃなくて、俺の命令によってテイムされたふりをしてるから、俺がその気になればこの街の人口を半分は減らせられるだろう。
 そんなことしても、なんの利益も得られないからやらないけどな。

「いい感じにスライムは人間社会に馴染んでるようだな」

「…………慧眼」

 クレイスライムと遊ぶ小さな子供を見ながらそんなことを話す。
 いい匂いがするので匂いの元へ行くと、肉の串焼き屋台があった。

「おっちゃん、これなんの肉?」

「ミートスライムの肉だよ。デートしながらでも食えるよ。買っていくかい?」

 ミートスライム、そういや作ってたな。
 肉を生み出すけど怖くて食ってない。
 よくこんなの売ってるな。

「そうだな。それじゃ2本もらうよ。あと俺たちは恋人じゃないから」

「……本望」
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