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変なスライム

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「君はテイマーなのかい?僕もそうなんだ。よかったら君の言ってた、いろんなスライムを見せてくれないかな」

 テイマーであり、モンスターオタクのナニカが少年が話したスライムに食いついた。

「いいですよ。まずはこれ、キャンディーです」

「キャンディー?」

 少年は俺に小さな玉を渡してきた。

「口に含んでみてください」

「あ、ああ……リンゴの味がする」

 甘くていつまでも舐めていられる。

「それスライムなんですよ」

「ブフッ!」

 思わず吐き出したら、キャンディーはひとりでにポンポンと跳ねながら少年のもとに戻っていった。

「なんてもんを食わしてくれたんだ!」

 驚き過ぎて後ろにコケた俺をダレカが起こしてくれる。

「面白いでしょ。俺はこいつをキャンディースライムと呼んでいます。他にも味が違う種類がいるんですよ」

「へえ、なかなか変わったスライムだね。他には?」

 二人は俺を無視して話を続けた。

「ここからはただじゃあ教えられないなー」

 ちゃっかりしているガキだ。
 まあ、ダンジョンの情報は冒険者の生命線だ。最低銀貨十枚くらいは取られるだろうな。

「千円……じゃなくて銅貨一枚でダンジョンの情報を教えますよ」

 安!オンボロの安宿ですら倍は取られるぞ。
 このガキはこんな金銭感覚でこれから店なんてできるのか?

「や、安いね。これでいいかな?」

 ナニカが懐から銅貨を取り出して渡した。

「ここにはスライムか、スライムの進化種しか出てきません。一層は普通のスライムだけで二層から進化種が出てきます。二層は森林地帯で植物系と昆虫系のスライムが出てきます。三層は湿地帯、カエルのようなスライムを見かけました。四層はマグマだらけでこの層のスライムが一番攻撃的です。五層からは石壁の通路で所々落とし穴や回転する床がありました。巨大迷路って印象がありましたね。そこには、今まで見たスライムに加えて他にも多種類のスライムがいました。この剣を見つけたのもその層です」

 ……どうしてこれだけの情報が銅貨一枚なんだ?ギルドに報告したら金貨一枚は確実にもらえるぞ。
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