【THE TRANSCEND-MEN】 ー超越せし者達ー

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 「第三次世界大戦」によって全ての国家が滅び、人口は10億人にまで減少した。
 時は「地球暦」0017年、世界を掌握する「地球管理組織」と、管理体制や非人道的な政策に反抗する「反乱軍」が対立する時代、戦争の鍵は一部の「トランセンド・マン」と呼ばれる超能力者達が握っていた。
 そんな中、一人の記憶を失った少年が現れ……

「超越」せよ――進化の先に何が待っているのか。




【組織】

■地球管理組織(Earth Management Organization、略称EMO)
最主要拠点:スイス、ジュネーブ
人口規模:1億人(内、最高管理下は500万人)
・「第三次世界大戦」後、滅びた全ての国家に代わり、人類の管理を行う組織。「地球暦」前は西暦2000年代から「世界救済組織」(World Salvaging Organization)として世界各国の研究者や企業や政治家を集めたコミュニティを形成し、世界を裏で支配していた。
・21世紀に起きた情報化社会化や経済革命、食糧問題の解決や再生可能エネルギーの発達、原子力宇宙利用といったベンチャー的成功を引き起こしたのもこの組織であり、超能力研究や科学基礎理論の研究も秘密裏に行っていた。
・「トランセンド・マン」や「エネリオン」も発見し、兵器利用するだけでなく、国家の対立関係を利用して「第三次世界大戦」を引き起こしたと言われる。
・世界中の情報ネットワークを制御し、高度な情報統制や経済調整を行っている。特に芸術といった創作物は人類に悪影響を与える「不要物」と見なされ、情報社会内からは完全に根絶された。
・西側ヨーロッパを中心に大都市を築いており、世界各地に科学技術が進んで管理化された都市を持ち、人口規模は世界人口10億人に対して約1億人にも及ぶ。支配下だが管理化や科学技術の導入が遅れている中層~低層の人口規模は7億人とされている。残り2億は政策に反抗しており、各地で市規模の自治をしている。



■反乱軍(Rebel)
最主要拠点:オーストラリア、シドニー
人口規模:5000万人
・「地球暦」0010年頃から、「地球管理組織」の管理体制に疑問や不満を持った者達が集まって出来た一つの大規模なコミュニティであり、「反乱軍(Rebel)」という名称は侮蔑を込めて「地球管理組織」から付けられた。
・管理社会化による人間の精神活動が消える事を懸念し、反対活動を行っている。基本的なスタンスは思想の伝達だが、「不要物」と見なされ、やむなく戦争が勃発。
・管理化の遅れている地域や反抗する勢力へアプローチを行い、世界各国で地道に勢力を増やしている。特に東・東南アジア、北アメリカ大陸、中東、アフリカ北部で「地球管理組織」との対立が続き、緊張状態となっている。
・一般人の生活水準は情報化社会の破綻によって西暦2020年代頃と同程度だが、特に不自由は無いとされる。軍事・産業・情報技術の一部は「第三次世界大戦」前と同程度。





【人物】

◎「反乱軍」の人物

■アダム・アンダーソン(16)
身長:168cm
生年月日:不明
目:濃い青
髪:青が僅かにかった黒
出身地:不明
民族:ギリシャ系(推測)
・「地球管理組織」の研究施設で発見された少年。「反乱軍」に保護された「トランセンド・マン」。
・「地球管理組織」に追われており、逃れる為に戦う。記憶を失っており、記憶を取り戻す為にも「反乱軍」として戦う事を決意する。
・自分の過去に対する記憶は無いものの、戦闘やサバイバルや科学技術といった様々な知識を見せる。
・感情が無く合理的、常に冷静で時に冷酷な面も見せる。
・料理は味にうるさく、独特の拘りを持っている。好物は中華料理で、特にラーメンがお気に入り。音楽はロックやテクノが好きで、特にマリリン・マンソンがお気に入り。
・戦闘スタイルは詠春拳やジークンドーを基礎としたマーシャルアーツ風の格闘術やナイフ術、二丁拳銃を使う。索敵や隠密行動も得意。特殊能力は不明。



■アンジュリーナ・フジタ(17)
身長:162cm
生年月日:西暦2100年4月1日
目:灰
髪:灰色のロングヘアー
出身地:ロシア、サンクトペテルブルグ
民族:日系ロシア人
・「反乱軍」で懸命に頑張る「トランセンド・マン」の少女。真面目で仲間の為に尽くそうと日々邁進する。
・優しく献身的だが、ドジな面もあり時々失敗するが、周囲からは愛嬌のある人物だと評判が良い。
・料理や家事全般が得意で、故郷のロシア料理を良く仲間にふるまう。自慢は祖母から教えてもらったボルシチ。
・読書が好きで、暇な時は大抵小説を読んでいる。音楽はインストゥルメンタルが好きでクラシック系の楽器を好む。
・人が傷つくのが嫌いで、敵味方関わらず自らを犠牲にしようとしても誰でも助けようとする。誰も傷付かない平和な世界を目指して戦う。
・「中和」を特殊能力に持ち、戦闘では広範囲の防御やバックアップを得意とする。柔術も得意。



■リョウ・フロイト・エドワーズ(28)
身長:187cm
生年月日:西暦2089年8月13日
目:茶
髪:赤がかった長くボサボサな茶髪
出身地:カナダ、バンクーバー
民族:日系アメリカ人
・荒っぽい「トランセンド・マン」で「反乱軍」の青年。普段は飄々としているが、やる時にはやる。ボサボサな顎鬚も蓄えている。
・からかいやジョークが好きで、女たらしでデリカシーが無かったり、口調が荒く多少怒りっぽいが、仲間思いな面もある。
・楽しみの無い世界が嫌いで、人生の楽しみの為に戦う。
・趣味はカーレースで、好きなメーカーは日産とホンダとスバル。西暦1990年代風のクーペが好きで、それにデザインを似せた車を乗り回し、無茶な運転も見せる。
・一世紀以上も昔のアクション映画も好きで、色々な人物を誘ったり語ったりする。音楽は大抵ロックンロールを聴き、カラオケも熱唱する。好きなアーティストはプリンス。
・「熱操作」を能力に持ち、パワーや特殊能力を生かした豪快な中華剣術が得意。陽動を主に務め、戦闘中にもジョークを決める好戦的な一面を見せる。



■ハン・ヤンテイ/班楊徳(26)
身長:175cm
生年月日:西暦2091年5月20日
目:黒
髪:黒い短髪
出身地:中国、沸山
民族:広東系中国人と韓国人のハーフ
・穏やかで温厚な性格の「反乱軍」で「トランセンド・マン」の青年。
・カンフーが趣味で他人への指導以外にも、北派南派問わず様々な武術を探求している。
・若くして戦闘指揮官を務めるが、割と気さくで他人への敬意も大事にし、仲間のフォローも忘れない。人間として生きる事を大事に思っており、文明に人間らしさを取り戻す為の調和を目指して戦う。
・辛い料理や濃い料理が好きで、辛さが足りないと唐辛子を入れたがる。コーヒーも基本的にイタリアンで、淹れ方にも拘る。
・特殊能力は「電子操作」。戦闘では格闘戦が得意な他、指揮や電子・情報支援まで行い、電子に対する知覚を利用して研究者としても活躍する。



■レックス・フィッシュバーン(24)
身長:184cm
生年月日:西暦2093年9月15日
目:濃い緑
髪:少し長めの黒
出身地:イタリア、ローマ
民族:ラテン系
・「反乱軍」に所属する「トランセンド・マン」の青年で、明るくフレンドリーでノリが良い。
・気さくでジョークが好きだが、礼儀正しく爽やかさを見せる。女性からもモテる。
・趣味はバイクで、カワサキとBMWが好き。スピードタイプのバイクを操ってレースをする。
・甘い物が好きで、カフェに良く行く。コーヒーには砂糖を大量に入れ、サツマイモチップスの袋を買い溜めしている。
・音楽はテクノやトランス系が好きで、地元のクラブで良く踊り、時にDJも務める。
・特殊能力は「空気操作」で、気流を操って自身が飛ぶ事も出来る。中距離の銃撃とカリをベースにした短剣二刀術を得意とする。飛行能力を持つこともあり、陽動や偵察も得意。ジョークを交えるのも好き。



■トレバー=マホメット=イマーム(31)
身長:191cm
生年月日:西暦2086年8月16日
目:黒
髪:短い黒髪
出身地:パレスチナ、イスラエル
民族:アラブ系
・元は「地球管理組織」の軍人だったが、今は「反乱軍」に所属する「トランセンド・マン」の男性。
・寡黙で必要以上に喋らず、話す内容も周囲からは難しいと言われる。一方で周囲からの信頼は厚く評判もある。
・守秘義務的で、自らの事を話そうとしない。他人と接する時も重要な事を端的に教える。若者への指導は結構熱心。
・アラブ圏出身だがイスラム教徒ではない。独自の哲学を持ち、それを若者に伝えている。
・戦闘技術に非常に長け、軍隊格闘術を基にした暗殺術から、遠距離精密狙撃までこなす。特殊能力「幻術」を利用しての攻撃や行動術も得意。



■チャック・ストーン(40)
身長:171cm
生年月日:2077年1月12日
目:茶
髪:茶
出身地:アイルランド、コーク
民族:アイルランド系
・「反乱軍」で医者として務める小太りで髭を生やした「トランセンド・マン」の男性。
・楽観的で、落ち込む若者をなだめる事もある。一方で年下の仲間に良く引っ張られ、自身が苦労人気質であるという事を気にしている。
・医者である一方研究者でもあり、興味深い事には子供の様に熱中する。
・戦闘能力は無いが、「有機物合成」という特殊能力を駆使して現場で負傷者の治療・復帰を行う。いざという時には銃撃もやるが、腕は悪い。



■クラウディア・リンドホルム(25)
身長:175cm
生年月日:西暦2092年7月23日
目:明るい青
髪:銀色のロングヘアー
出身地:スウェーデン、ストックホルム
民族:スウェーデン系
・一見貴族風で凛とした「反乱軍」に属する「トランセンド・マン」の女性。真面目で厳格で軍人気質。
・見た目とは違って生まれは平凡な家庭だが、俗なものをあまり好まない。
・体形はグラマラスでスタイルが良く、男から良く見られたり声を掛けられたりナンパされるが、鋭い視線を送り返して撃退する。
・音楽はクラシック系統や電子音楽が結構好き。貴族的な見た目があってか、ピアノや他楽器もある程度弾ける。昔の映画や小説も好き。エレガントなドレスを好む。
・事ある毎に男性陣と良く喧嘩し、特に自分をからかう事には容赦しない。口調は中性的。
・特殊能力は「結合力操作」で、それを利用したフェンシングが得意。



◎「地球管理組織」の人物

■ポール・アレクソン(推定30代)
身長:185cm
生年月日:不明
目:暗い青
髪:暗い茶
出身地:不明
民族:ノルウェー系(推定)
・冷酷で命令に忠実な「地球管理組織」の「トランセンド・マン」にして指揮官。
・戦闘を楽しみ、必ず目的を果たそうとする。
・格闘や近距離銃撃戦が得意。特殊能力は不明。



■ディック中佐(推定40代前半、フルネームは不明)
身長:173cm
生年月日:不明
目:明るい赤
髪:明るい赤
出身地:不明
民族:ゲルマン系(推定)
・「地球管理組織」の研究者。時には将校級の待遇を受ける時もある。
・特に「トランセンド・マン」に関する研究で周囲から認められているが、研究内容の詳細は不明。
・他人とあまり関わらず、時に意味不明な行動をする。



◎その他

■研究者(プロフィール不明、推定50代)
・20世紀、とある一国の軍事研究機関で超能力研究を行っていた人物。
・軍事目的よりも自分の興味によって研究を進ませ、特に宇宙や生物の起源や未来を求めていた。
・研究中、突如起きた事故により死亡。研究施設も施設内の意図的な自爆によって研究内容は秘密裏にされたまま消えた。



■被験者(プロフィール不明、推定20代)
・20世紀、とある一国の軍事研究機関で超能力研究の被験者にされた。
・死刑囚だったが研究の為に引き取られ、常人に服用させると死ぬような薬剤を投与されたり脳に直接電気的な刺激を与えられた。
・最終的には常人を遙かに超える身体能力や、テレパシー、念動力、電気操作、発火、といった幾つかの超能力が発現したが、脱走。最終的には研究施設の爆発に巻き込まれ死亡したとされているが、詳細は不明。



■宇宙飛行士(プロフィール不明、推定30代)
・西暦2026年、有人火星探査のメンバーとして火星に着陸した一人。
・火星に不時着した地球外の宇宙船を発見したが、8人のメンバーの内5人を任務で失い、地球に帰還後、死亡したと言われている。
・実際にどうなったのかは不明。彼が所属する宇宙開発企業のみが詳細を知っていると言われている。



■軍人(推定30代)
・西暦2070年、フランス、ノルマンディー地方で起きた謎武装勢力の鎮圧に派遣された兵士。
・既婚者で2人の子供を持つ。あらゆる戦闘に精通し、戦いでは冷静さを保つ。
・持ち前の知識を生かし、出現した「トランセンド・マン」を倒そうと試みるが、失敗し死亡。





【世界情勢】

■日常生活
・西暦2030年代半ばからAIやAR・VRの発達により自動化・情報化社会が進み、世界的な貨幣の統一化や実物貨幣の撤廃、経済格差の解消や貿易における関税撤廃を起こした。
・西暦2040年代からは家庭用スーパーコンピューターが普及し、家庭内の自動化も進歩した。
・再生可能エネルギーの発展やプラント化食料栽培によってエネルギー問題も解決され、また温室効果ガスの効率的回収法等によって地球温暖化が抑制された。
・しかし「第三次世界大戦」により全体的な生活水準は大幅に低下、「地球暦」が始まった頃には西暦21世紀初頭の頃と同じ生活水準になり、物価も同等に暴落した。また、「地球管理組織」が世界中の情報統制を制御する内に仮想通貨が消え、実物貨幣の必要性が生まれた。



■軍事
・歩兵装備やその他火器は使用負担を考慮され、基本的にスペック自体は一世紀以上あまり上がっていない。高効率化や負担軽減による銃砲撃の飛距離はある程度伸びたが、飛躍的な程でもなかった。
・ただし兵員への負担を軽減するというコンセプトの開発を行う事が多くなり、パワードスーツや搭乗型ロボット等の兵器が登場した。
・他にもAIを利用した自立型兵器の開発も進み、特に地形走破性や特殊部隊向けを考慮した人型戦闘ロボットが使われるようになった。
・尚、兵器開発は「地球管理組織」が必要度は低いと考え、「第三次世界大戦」以来から止まっている。



■宇宙開発
・西暦2020年代から原子力の宇宙利用によって宇宙技術は飛躍的な進歩を遂げ、有人火星探査や月・火星地質調査が発展した。
・しかし「第三次世界大戦」によって宇宙開発は打ち止めとなり、西暦2060年代からは少し退化している。





【兵器】

■トランセンド・マン(こちらに関しては【特殊用語】の「トランセンド・マン」の項も参照)
※以下データは標準的なトランセンド・マンで体重60kgと仮定した時のものとする
出力:3468kW
走行速度:340m/秒(1224km/時間)
持ち上げ可能重量:20.4t
耐久加重:340G
耐久エネルギー:3468kJ/秒
反射速度:0.003秒以下
・トランセンド・マンの標準的な出力は体格に比例する。(上記の数字は体重60kgの場合の標準であり、これらの数値が「戦闘値」の5に相当する)
・エネルギー活用効率も非常に優れ、特に破壊や熱や運動といったエネルギー変換の割合を調整可能。
・耐久能力に関してのイメージは「体表をエネリオンの障壁で覆って中和している」というもので、局所的な圧力・エネルギーにも対応が可能。ガスやウイルスからの保護も可能で、直接的な免疫や有害物質に関する耐性もある。
・また、エネリオンによる耐久能力を利用し、空気抵抗の軽減や摩擦の調節まで行える。
・トランセンド・マン個人それぞれが固有に持っているものとして「特殊能力」があり、主に物理現象の基礎的な部分の操作を行う。個人によってその内容は様々。遺伝的要因もあるとされている。また、トランセンド・マンの内半分以上は特殊能力を持たない。
・特殊能力は偏りがある為、「専用武器」を利用する事が多い。主に対人・対物用としてエネリオンを銃弾として飛ばす銃器型と、主に対トランセンド・マン用として近距離で威力を発揮する近接型があり、形状は使いやすさを考慮し普通の人間が扱う物に似ている。また、特殊能力を利用した個人それぞれの専用武器も存在する。



■完全装甲型強化パワードスーツ、FEA-7A(西暦2065年、アメリカ合衆国製)
重量:120kg
出力:20kW
最大走行速度:50km/時間
稼働時間:6時間
外壁:チタン炭素複合鋼
バッテリー:アルカリ金属複合キャパシタ
標準武装:3銃身ガトリング銃1丁、グレネード連射砲1丁、ワイヤーガン2丁、視線・自動照準式軽機関銃2丁、セラミック複合炭素鋼製コンバットブレイド1本
・歩兵に対する強化と負担の軽減を目的に設計・製造された。搭乗の際には温度調節機能や疲労軽減機能を持った伸縮性アンダースーツを着用する。
・特に長時間労働による疲労は非常に減少された。また、装甲は大抵の小銃弾を防ぐ性能を持つ。
・オプションは、従来まで歩兵には負担が強過ぎて使えなかった対物ライフル、レールガン、ロケット砲、ミサイルランチャー、といった武器や、各種装甲や機動ローラー等非常に多彩。
・赤外線式距離認識システムや味方からの情報による敵味方位置判別システム、といったセンサー類も充実。スーツが体格に合わせる機能や自動脱出機能も付いている。



■二足歩行戦車(搭乗型歩行式戦闘車両)、BMT-5(西暦2061年、アメリカ合衆国製)
肩高:4.5m
重量:9t
出力:1200kW
最大走行速度:57.6km/時間
稼働時間:12時間
外壁:チタン炭素複合鋼
エンジン:人工ヘキサン燃料式ガスタービンエンジン2基
標準武装:20mmサブマシンガン2丁、視線・自動照準式80mm3×5発ロケット連装砲2基、ワイヤーガン2丁、セラミック複合炭素鋼製コンバットナイフ2本
・元は土木建設機械だったが、市街地・森林戦や戦闘車両における人員削減、操作性の簡略化を目的として設計・製造された。
・形状は「箱型の胴体に手足が生えている」というイメージ。装甲は車輪式主力戦車よりは比較的薄いが、瞬発的機動力を生かした回避力の向上で補われている。
・長距離移動時には輸送車両を使用する。軽量で、輸送が容易な利点もある。
・武装や装甲は他にも多数存在し、自動脱出機能も搭載。赤外線式距離認識システムや味方からの情報による敵味方位置判別システム、といったセンサー類も充実。自律戦闘も可能とされている。



■歩兵用主力アサルトライフル、A4000(西暦2085年、「ペルセウス」社(Perseus Industry)製)
全長:850mm/625mm(ストック展開時/ストック折り畳み時)
銃身長:385mm
口径:4.98mm
重量:2440g
装弾数:30発/45発
ライフリング:6.5条右転
作動方式:ガス圧利用(ロータリーボルト式)
銃口初速:1020m/秒
発射速度:750~1200発/分
最大有効射程:800m
・次世代のアサルトライフルとして「地球管理組織」が主に採用した。
・ストックは体格に合わせて種類や大きさが調整可能。銃身も状況に応じて長さを変更可能。スコープや消炎・制動・消音器といったオプションや、銃身下部にグレネードランチャー、ショットガン、小型パルス砲、圧搾空気砲、といったサブアームも取り付け可能。
・作動方式はロータリーボルト式を採用しているが、かつて弱点であった泥や汚れの付着を部品の単純化によって克服し、過酷な環境にも対応可能。弾の高速化や連射速度上昇も可能にした。また、発射速度も調節可能。
・銃身内側はセラミックコーティングがなされ、熱や摩耗や変形に非常に強い。炭素軽量合成樹脂等も多数利用し、軽量化や短銃身化も図られた。
・弾はボディアーマーに対する貫通力を重視する為に更なる小口径化と高強度化が進んだ4.98×45mm弾(重量は約5g)を利用。タンブリング(弾の重心を後ろにする事によって弾が肉体を抉るような軌道になる現象)による高威力化も実現。



■人型汎用戦闘ロボット、BH-850(西暦2085年、「ペルセウス」社製)
全高:180cm
重量:120kg
出力:9000W
バッテリー:アルカリ金属複合キャパシタ
稼働時間:12時間
外壁:軽量炭素合成繊維
・多種類の戦闘に万能な戦闘ロボットとして「地球管理組織」が主に採用した。流線形の板を幾つも組み合わせたような形状で、頭部は多数のセンサーを黒いバイザーで覆っている。
・人型ならではの長距離移動性、荷物運搬性、悪路走行性が優れており、市街地、森林といった戦闘に向いている。
・特に屋内に対する制圧作戦に非常に適し、人間を越える運動性能も発揮する。人型なので従来の人間用に設計された武器なら基本的に扱える。
・兵士の負担を少々度外視した武器でも扱い、負傷に対する耐性も高い。





【科学用語】

■エネリオン(Enerion)
・物質を構成するフェルミオン粒子や素粒子間の相互作用を伝えるボゾン粒子よりも遥かに小さい素粒子の一種。
・素粒子実験によって西暦2050年頃に発見されたと言われている。
・フェルミオン、ボゾンの両者に属せず、質量を持たない。宇宙空間のどこにでも存在する。通常の生物や観測装置では感知は不可能。
・熱、運動、電気、といったあらゆる種類のエネルギーをプログラム的に構成しており、エネリオンを変換して各種エネルギーへの変換が可能。逆に各種エネルギーからエネリオンへの変換も可能。名前の由来はこれらの現象による。
・通常の状態ではエネリオン同士を含むあらゆる物質に全く干渉しないが、構造を変換された際のみあらゆる物質に反応し、また干渉する対象の変更も可能。
・エネリオンは質量を持たず、光速を超える事も可能だが、エネリオンを「発射」する際には通常の力学的エネルギーの法則が成り立ち、ある速度に達するにはエネリオン自体で「加速」する必要があるが、その量は発射させるエネリオン量に比例し、速度の2乗に比例する。(「疑似質量」という性質とも呼ばれている)
・エネリオンの感知や変換は、生物では「トランセンド・マン」と呼ばれる超能力者だけが可能で、特殊な神経細胞によってエネリオンの構造が変換される。
・エネリオンを変換・観測する人工的な装置も一概に「トランセンド・マン」の脳神経を模した特殊な電子回路を利用している。また、エネリオンによるエネルギー変換効率は非常に優れており、変換する割合も調節出来る。



■インフォーミオン(Informion)
・エネリオン同様、フェルミオンやボゾンにも属せず、エネリオンよりも遥かに小さな質量を持たない、空間中にありふれた素粒子の一種。
・素粒子研究によって西暦2070年ごろに発見されたと言われている。
・効果は不明だが、生物の思考においてこの素粒子が観測された事から名付けられた。エネリオンを知覚出来る「トランセンド・マン」もインフォーミオンは知覚出来ない。
・微小過ぎて観測が難しく、詳細の大部分は判明していないが、フェルミオンやボゾンやエネリオンを構成しているとも言われている。



■ユニバーシウム(Universium)
・物質にも反物質にも属さない特殊な物質。構造は通常の陽子・電子・中性子やエネリオンが観測されたが、それぞれがどのように効果を及ぼし合っているのかは一切不明。核反応を起こさない。
・地核研究によって西暦2060年頃に発見されたといわれている。
・外見は黒く、光を反射させない。非常に微小だが地球にも存在し、主に地球のコアやマントルやマグマに存在する。
・空間中のエネリオンを吸着させる効果があり、ユニバーシウム内でエネリオンを変換させる機構を作れば、エネリオンが永久的に吸着するため、事実上の永久機関が出来るといわれている。



■トランセンド・マン(Transcend-Man)
・一般に言う超能力者で、西暦2050年頃には超能力研究によって存在が明らかにされた。
・標準的には、意識的な知覚処理には通常の人間の34倍もの速度を持ち、無意識的な知覚処理には通常の人間の1156倍もの速度を持つ。
・感覚神経によってエネリオンを体外から吸収し、伝達神経から脳に伝わり特殊な神経細胞によってエネリオンの構造を変換、それを手足等の末端神経によって体外に「発射」する事で特殊能力を使う事が出来る。
・特殊能力は個人によって種類が変わるが、何故決まるのかは分かってない。また、血縁関係が近い者は似た能力を持つ傾向にある。
・また、エネリオン変換によって自身の加速や防御も可能で、標準的なトランセンド・マンは最高で秒速340mでの走行が可能、耐久力に関しては重力の340倍もの負荷にも耐えられる。エネリオンによって局所的な耐久も可能で、銃弾や刃物にも対応出来る。
・また、エネリオンは毒物や病原菌への耐性も持ち、動作による熱や摩擦の制御も可能。
・トランセンド・マンはエネルギー量によって基準化され、体格を考慮して秒速340mで走るエネルギーを基準とし、この数値を5として各種の技能(速筋力増大、遅筋力増大、身体耐久力増大、神経速度増大、特殊能力)において点数評価を行うものを「能力値」という。
・実用的(戦闘に十分使える、あるいは各種能力値が5以上)なトランセンド・マン人口50万人に対し1人の割合で存在すると言われ、実用範囲外のトランセンド・マン(一般に「予備軍」と言われている)はその10倍もの数量が存在すると言われている。
・特殊能力以外にも戦闘手段として専用の武器があり、主に近接戦闘型と銃器型のものが存在し、トランセンド・マンの神経細胞を模した電子回路を組み込む事でエネリオンの変換・発射・蓄積がある程度可能になる。
・知覚処理は五感の他にエネリオンに対する知覚も持ち、エネリオンの空間分布を知る事で透視や立体的位置把握も可能。これも個人それぞれの適性がある。
・近年では進化論的な立ち位置から研究が行われており、特に生物の進化の理由の一つを探る目的が見られる。





【地域都市】

■ロサンゼルス市
人口:約80万人
・「第三次世界大戦」時、世界各地から様々な経済的・宗教的理由によって敵対視され続けていたアメリカ合衆国はあらゆる国家からの攻撃を受け、特にアジア・ヒスパニック系との交流が多かったロサンゼルスは侵攻を受け早く陥落したものの、復興も早く市レベルの自治・経済圏を有している。
・人種は、白人は勿論、前世紀からのアジアやラテンアメリカからの移民が多く、下町はアジア料理やメキシコ料理で賑わっている。海産物でも有名。
・現在では「反乱軍」の拠点の一つとなっており、軍備も整っている。周辺住民からの評判も良い。市街北方に広がる高地を利用した拠点防御が可能。
・前世紀では世界有数だった映画産業は「地球管理組織」によって人類統制の為に「不要物」と判断され、廃れている。
・崩壊した旧市街は農地になっている他、地元の若者が廃墟を改装したりアマチュアスポーツチームを作ったりして日夜遊んでいる。特にモーターレースやクラブが有名。





【歴史】

■西暦2000年
世界中の研究者や企業や政治家を集めたコミュニティ「世界救済組織」が結成され、当事者達以外からは一切秘密裏にされ、国際社会の裏で暗躍し始めた。



■西暦2026年
世界でも有数の某科学技術開発企業が宇宙船を飛ばし、見事有人火星探査計画に成功した。
到着から地球帰還まで起こった出来事はその企業の上層部によって一般に秘匿された。
唯一分かった情報は、乗組員の内2名が火星で死亡、内3名が地球帰還までに死亡、内3名が帰還後2年後に死亡、計8名の乗組員全員が死亡したとの事。つまり、火星で起こった出来事を知る当事者は一切居なくなった。
また、計画に携わった企業は、それから僅か五年で世界中でも圧倒的な経済力を有するまでに至った。火星から持ち帰った成果によるものだと思われているが、真相は不明。



■西暦2060年
某日、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市マンハッタン島にて、突如にして謎の大爆発が起き、当時ニューヨーク市の人口1500万人に対し、800万人が死亡した。
何者の仕業かは不明。核反応による放射線や、対消滅によるニュートリノも検出されず、質量のエネルギー転換によるものだと結論付けられたが、結局どのようにして現象が生じたのか原因すら分からないままだった。



■西暦2070年
某日、フランス国ノルマンディー地方にて米仏連合軍が謎の勢力によって壊滅され、最終的に戦域核が使用され勢力は壊滅されたものと思われた。
またアジア・中東での発展途上国同士での小規模な戦争が行われていた事も重なり、この事件によって間接的ではあるが世界中に波乱が呼び起こされ、後の「第三次世界大戦」が勃発した。



■西暦2100年
「第三次世界大戦」で滅びた全ての諸国家に代わって「世界救済組織」から「地球管理組織」へと名前変更された組織が人類の統制を行いはじめた。当時の人口は最盛期の90億人から10億人にまで減少していた。また翌年から西暦を廃止し、「地球暦」を開始した。
その統制法は基本的人権を無視し安全性や安定性を第一に考えられるもので、多くの反対者が出た。



■地球暦0010年
管理体制の統治に反対する者は弾圧されるが数は減らず、「反乱軍」と呼ばれる軍事的組織が結成された。
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