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『寄り道』
深層
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「……」
少女は周りを見渡して誰もいない事を確認した。
ユウラビさんからくすねた鍵を暗闇の中何度か入れ違えた後鍵を開け、ガチャリと音がして扉を開けると真っ暗な部屋の中の隅の方に置いているベッドの上に寝ている人物に目を向けた。
どうやら起きていないらしい。
今日はこの少女が当番でこの人を起こす番なのだが、今回の目的はそれだけじゃあない。
そっと寝ている男の頭に手を当てて深呼吸すると、意識を置いている手に集中させた。
その瞬間体に空気を切り裂く感触が貫いた。
目を開けると空に爆発しながら飛んでいる羽虫の様な音を出す鳥、白く大きな飛んでいる鯨、地面には人が蟻の様に泥と血と汗に塗れながら駆け回っていた。
あまりの出来事に訳がわからない私は掴むものを求めて手を宙に振り回した。
すると、偶然にも何かを掴んだがそれは凄まじいスピードで肩が外れそうな痛みが襲った。
「うっっっっ!!」
何とか捕まっているものの正体を見た。
人が操縦している……これは『ヒコウキ』と言うものだろうか。
人はこちらを二度見すると、何かを言っていたが機体が激しく揺れ出して地面に炎を上げながら墜落し始めた。
「きゃぁぁぁっ!」
操縦している男?は急いで抱き抱えると、『ヒコウキ』から飛び降りた。
男がクッションになり私はほぼ無傷だったが、男は呻き声をあげていた。
「だ、大丈夫でしょうか……」
恐る恐る顔を覆っているマスクを取り外すと、男の息がある事を確かめた。
「……生きてる……良かった……」
と、一息ついたのも束の間、すぐ隣を空気が切り裂く音がしたかと思うと、私目掛けて銃弾が飛んできた。
「ひぃぃぃぃ!!」
頭を抱えて蹲ることしか出来ない少女を嘲笑う様に地面が震え、獣の叫び声が聞こえた。
否、それは獣の叫び声では無く機械の駆動音だった。
私の隣を鉄の塊が音を立てながら進んでいった。
その鉄の塊、もとい機械には血がこべりつき上の部分には臓物や人だったものが残っていた。
あまりの光景と匂いに口元を押さえた。
「うっっっ」
そして胃から込み上げてくるものが無い事に気が付き、ここが『先生』と呼ばれる男の脳内である事を思い出した。
「どうなってるの……?」
何とか口から絞り出せた言葉で考えようとしたが、唐突に視界が薄暗い空に向けられた。
すると急に先程の男がこちらに馬乗りになって、
「なんでお前がここにいる!?」
と言い出した。
「……は?」
男は私を庇いながら立ち上がった。
「帰してやる……、もうここには来るな!」
男は手を引きながら私を銃弾が飛んでいく方向へと連れ出そうとした。
「な、何ですか!?どう考えたってあっちの方が危ないじゃ……」
「うるさい!黙ってついて来い!」
男の目は血走っており、明らかにまともでは無かった。
すると、身体が宙に舞う感覚を味わうと、耳鳴りとともに地面に倒れ込んだ。
「………逃げなきゃ!」
急いで頭を振っておぼつかない足取りで手を振りながら、銃弾が飛んで来る方向に歩いて行った。
「………!…………!」
背後で男が何かを言ってこちらに迫って来ている。
振り返らずに急いで泥と血と臓物の地面を走って亀裂を飛び越えようとジャンプした瞬間、亀裂が円状に広がり底が見えない暗い穴になった。
「えっ?」
穴に吸い込まれる様に落ちて行った私は、暫くの間自由落下を感じると暗い水に着水した。
その水は冷たく、浮く事が出来ない水だった。
徐々に遠ざかる水面に何故か感動を覚えた私は涙を水面に残しながら底へと沈んで……。
背中に硬い感触があった。
溺れている筈なのに苦しく無い。
目を開けて周りを見渡すとどうやら沈没船の甲板の上に落ちたらしい。
上を見上げると遥か彼方に海面が揺らぐ光が見えた。
それを見ていると何故だかおちつき、目を閉じて……。
「閉じない方が良いですよ」
そう声がして目を開けて声の方を振り向くと、長い白色の髪をしたお淑やかな女性が立っていた。
「……誰ですか?」
喋っているにも関わらず口から泡が出る事はなく、音が出た。
「……私はここに居るだけの者です、名前は……とうの昔に意味など無くなってしまいました……そうですね、強いて言うならウィーと言わせて頂きましょう」
女性はお淑やかにスカートの端を掴んで一礼すると、顔は上げずに目線を少女に向けた。
「……ここは……貴方は一体何なのですか!?」
少女はそう叫びながら後ろに下がった。
「ここは彼の頭の中、私達は彼の中に住む化け物ですよ」
そう言う女性の背後の深海の暗闇の中から少女が見たこともない様な怪物達が姿を表した。
「~~~~~~~~!!!!」
少女はそれらの姿を目撃すると発狂して、ひっくり返ってしまった。
「………っ?…………っ??」
しかし意識を失いたくとも失う自身の肉体が無い為少女は暗闇に浮かぶ怪物達の姿を体が動かない中目に焼き付かんばかりに見る羽目となった。
「あら……まぁ、仕方ない事ですね……」
そんな事は気にもとめないかの様に、女性は沈没船の甲板の手すりに肘を置いて遥か下で光る球体の上を船に鎖で縛られながら、それを気にも留めずに歩く巨人を覗き込んだ。
「やはり貴方は怪物ですって……」
そう言う彼女の表情は薄らと笑っていたが、目はどこか寂しそうだった。
すると少女はダイオウイカの様な生物に触手で捕らえられると猛スピードで海面を上昇して、穴を登り雲を突き抜けて幾つもの風景を見ながら、与一から弾かれる様に現実世界に戻って来た。
「っ……………!!!!!」
暫く喉を掻きむしり胸を掴んでのたうち回っていたが、
「げほっ!!!がほっ!!お、オエエエエエ!!」
と、寝起きの為胃の中に何も無く吐く事が出来ない苦しさを少し味わった後、少し涎を地面に落として息を思い出したかの様にし始めた。
「はぁ………!はぁ………!」
少女はふらふらと立ち上がろうとしたが目眩が襲ってそのたびに怪物達の姿を思い浮かべてしまい、足がもつれてしまい倒れそうになったが、私を抱き抱える細い手がそこにはあった。
「……今日は休め、与一には私から言っておくから」
「……はい」
ロキが少女を抱くと同時に少女の部屋のベッドに寝かせた。
「眠れないかも知れないから、暫くの間はセツをここに来る様に言っておく」
と言うと、少女の目の前からロキは消えた。
「ありがとうございます……」
そう消え入りそうな声で少女はそう言うと、泣き出してしまった。
ロキが与一の部屋に戻ると与一はベッドの縁に座っていた。
「……涎舐めとるなよ」
「そこまで変態ちゃうわ」
ロキは胸の隙間からハンカチを取り出すと、魔法で湿らせてそこをハンカチを操作して拭き取った。
「いつから起きてたんだ?少女の泣き顔を見る趣味の悪い男なこって」
「……んーな事……あの子が地面でバタバタしてる時からやけど、そこで俺が起きとったらそれまた問題になるやろ」
「はぁ……今回はユウラビにキツく言っておく必要がありそうだな」
「何かごめんなぁ?」
「やめろ、お前が謝ったらこのやり場のないストレスはどこで発散しろって言うんだ」
「謝らへんだら俺で発散するつもりやったん!?」
ロキは無言で与一の前から消え去った。
その日以降しばらくの間、ユウラビはロキから何か呪いを掛けられたらしいが、それを聞いたものは残らず叩きのめされた為、何の呪いが掛けられたかは結局分からずじまいなのであった。
そして、その後以降与一はある一定の集団から距離を置かれる様になってしまい、それが元で与一が少年少女達と全力で戦うことになるのだが、それはまだ先のお話なのであった。
少女は周りを見渡して誰もいない事を確認した。
ユウラビさんからくすねた鍵を暗闇の中何度か入れ違えた後鍵を開け、ガチャリと音がして扉を開けると真っ暗な部屋の中の隅の方に置いているベッドの上に寝ている人物に目を向けた。
どうやら起きていないらしい。
今日はこの少女が当番でこの人を起こす番なのだが、今回の目的はそれだけじゃあない。
そっと寝ている男の頭に手を当てて深呼吸すると、意識を置いている手に集中させた。
その瞬間体に空気を切り裂く感触が貫いた。
目を開けると空に爆発しながら飛んでいる羽虫の様な音を出す鳥、白く大きな飛んでいる鯨、地面には人が蟻の様に泥と血と汗に塗れながら駆け回っていた。
あまりの出来事に訳がわからない私は掴むものを求めて手を宙に振り回した。
すると、偶然にも何かを掴んだがそれは凄まじいスピードで肩が外れそうな痛みが襲った。
「うっっっっ!!」
何とか捕まっているものの正体を見た。
人が操縦している……これは『ヒコウキ』と言うものだろうか。
人はこちらを二度見すると、何かを言っていたが機体が激しく揺れ出して地面に炎を上げながら墜落し始めた。
「きゃぁぁぁっ!」
操縦している男?は急いで抱き抱えると、『ヒコウキ』から飛び降りた。
男がクッションになり私はほぼ無傷だったが、男は呻き声をあげていた。
「だ、大丈夫でしょうか……」
恐る恐る顔を覆っているマスクを取り外すと、男の息がある事を確かめた。
「……生きてる……良かった……」
と、一息ついたのも束の間、すぐ隣を空気が切り裂く音がしたかと思うと、私目掛けて銃弾が飛んできた。
「ひぃぃぃぃ!!」
頭を抱えて蹲ることしか出来ない少女を嘲笑う様に地面が震え、獣の叫び声が聞こえた。
否、それは獣の叫び声では無く機械の駆動音だった。
私の隣を鉄の塊が音を立てながら進んでいった。
その鉄の塊、もとい機械には血がこべりつき上の部分には臓物や人だったものが残っていた。
あまりの光景と匂いに口元を押さえた。
「うっっっ」
そして胃から込み上げてくるものが無い事に気が付き、ここが『先生』と呼ばれる男の脳内である事を思い出した。
「どうなってるの……?」
何とか口から絞り出せた言葉で考えようとしたが、唐突に視界が薄暗い空に向けられた。
すると急に先程の男がこちらに馬乗りになって、
「なんでお前がここにいる!?」
と言い出した。
「……は?」
男は私を庇いながら立ち上がった。
「帰してやる……、もうここには来るな!」
男は手を引きながら私を銃弾が飛んでいく方向へと連れ出そうとした。
「な、何ですか!?どう考えたってあっちの方が危ないじゃ……」
「うるさい!黙ってついて来い!」
男の目は血走っており、明らかにまともでは無かった。
すると、身体が宙に舞う感覚を味わうと、耳鳴りとともに地面に倒れ込んだ。
「………逃げなきゃ!」
急いで頭を振っておぼつかない足取りで手を振りながら、銃弾が飛んで来る方向に歩いて行った。
「………!…………!」
背後で男が何かを言ってこちらに迫って来ている。
振り返らずに急いで泥と血と臓物の地面を走って亀裂を飛び越えようとジャンプした瞬間、亀裂が円状に広がり底が見えない暗い穴になった。
「えっ?」
穴に吸い込まれる様に落ちて行った私は、暫くの間自由落下を感じると暗い水に着水した。
その水は冷たく、浮く事が出来ない水だった。
徐々に遠ざかる水面に何故か感動を覚えた私は涙を水面に残しながら底へと沈んで……。
背中に硬い感触があった。
溺れている筈なのに苦しく無い。
目を開けて周りを見渡すとどうやら沈没船の甲板の上に落ちたらしい。
上を見上げると遥か彼方に海面が揺らぐ光が見えた。
それを見ていると何故だかおちつき、目を閉じて……。
「閉じない方が良いですよ」
そう声がして目を開けて声の方を振り向くと、長い白色の髪をしたお淑やかな女性が立っていた。
「……誰ですか?」
喋っているにも関わらず口から泡が出る事はなく、音が出た。
「……私はここに居るだけの者です、名前は……とうの昔に意味など無くなってしまいました……そうですね、強いて言うならウィーと言わせて頂きましょう」
女性はお淑やかにスカートの端を掴んで一礼すると、顔は上げずに目線を少女に向けた。
「……ここは……貴方は一体何なのですか!?」
少女はそう叫びながら後ろに下がった。
「ここは彼の頭の中、私達は彼の中に住む化け物ですよ」
そう言う女性の背後の深海の暗闇の中から少女が見たこともない様な怪物達が姿を表した。
「~~~~~~~~!!!!」
少女はそれらの姿を目撃すると発狂して、ひっくり返ってしまった。
「………っ?…………っ??」
しかし意識を失いたくとも失う自身の肉体が無い為少女は暗闇に浮かぶ怪物達の姿を体が動かない中目に焼き付かんばかりに見る羽目となった。
「あら……まぁ、仕方ない事ですね……」
そんな事は気にもとめないかの様に、女性は沈没船の甲板の手すりに肘を置いて遥か下で光る球体の上を船に鎖で縛られながら、それを気にも留めずに歩く巨人を覗き込んだ。
「やはり貴方は怪物ですって……」
そう言う彼女の表情は薄らと笑っていたが、目はどこか寂しそうだった。
すると少女はダイオウイカの様な生物に触手で捕らえられると猛スピードで海面を上昇して、穴を登り雲を突き抜けて幾つもの風景を見ながら、与一から弾かれる様に現実世界に戻って来た。
「っ……………!!!!!」
暫く喉を掻きむしり胸を掴んでのたうち回っていたが、
「げほっ!!!がほっ!!お、オエエエエエ!!」
と、寝起きの為胃の中に何も無く吐く事が出来ない苦しさを少し味わった後、少し涎を地面に落として息を思い出したかの様にし始めた。
「はぁ………!はぁ………!」
少女はふらふらと立ち上がろうとしたが目眩が襲ってそのたびに怪物達の姿を思い浮かべてしまい、足がもつれてしまい倒れそうになったが、私を抱き抱える細い手がそこにはあった。
「……今日は休め、与一には私から言っておくから」
「……はい」
ロキが少女を抱くと同時に少女の部屋のベッドに寝かせた。
「眠れないかも知れないから、暫くの間はセツをここに来る様に言っておく」
と言うと、少女の目の前からロキは消えた。
「ありがとうございます……」
そう消え入りそうな声で少女はそう言うと、泣き出してしまった。
ロキが与一の部屋に戻ると与一はベッドの縁に座っていた。
「……涎舐めとるなよ」
「そこまで変態ちゃうわ」
ロキは胸の隙間からハンカチを取り出すと、魔法で湿らせてそこをハンカチを操作して拭き取った。
「いつから起きてたんだ?少女の泣き顔を見る趣味の悪い男なこって」
「……んーな事……あの子が地面でバタバタしてる時からやけど、そこで俺が起きとったらそれまた問題になるやろ」
「はぁ……今回はユウラビにキツく言っておく必要がありそうだな」
「何かごめんなぁ?」
「やめろ、お前が謝ったらこのやり場のないストレスはどこで発散しろって言うんだ」
「謝らへんだら俺で発散するつもりやったん!?」
ロキは無言で与一の前から消え去った。
その日以降しばらくの間、ユウラビはロキから何か呪いを掛けられたらしいが、それを聞いたものは残らず叩きのめされた為、何の呪いが掛けられたかは結局分からずじまいなのであった。
そして、その後以降与一はある一定の集団から距離を置かれる様になってしまい、それが元で与一が少年少女達と全力で戦うことになるのだが、それはまだ先のお話なのであった。
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