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第3話 鄙びた寺院で
しおりを挟む「良い眺めですね。無駄が省けました。レオ。フーマよ」
アレンが、クローデルと呼ばれる少女と、一人の老爺を連れてやってきた。二人ともアレンに脅されているのか、クローデルと呼ばれる少女は怯えた様子で、こちらを見ながら、目が何かを訴えてるようだった。矢継ぎ早に、二人を解放しろとユーリたちが騒ぎ立てる。星々を祀る寺院には今、拘束された古の民を守るヴェルニア人たちの懇願の声で溢れている。
「ミリスおめぇ何なんだ!」
「まあまあ。落ち着いてください。私は陛下より重要任務を、ペテロ様を通じて預かっておりますので」
司祭長《ペテロ》はアナンダ教の司祭たちを束ねている。ヴィクトーが、「ペテロだと?」と怪訝そうに眉を顰めた。アナンダ教に従うこと。それは、数多の司祭に従うことであった。結局スレインもヴィクトーも、アナンダ教を守るための駒にすぎない。アレンは、拘束されたヴェルニア人、困惑するアナンダ軍を見渡して、満足そうに腕を組んだ。
「ギム老師、私の言いたいことはわかりますね。古の民、いやこの寺院に隠れてるシャーマンに会わせなさい」
ギム老師と呼ばれたのは、小柄な老爺だった。痩せこけた四肢をヴェルニアの伝統的な衣服で包み、同じく痩せこけた杖を3本目の足にしているようだった。常に目は閉ざされているのかわからないが、老いてくしゃくしゃな顔をしている。目を閉じながら老爺は穏やかに言った。
「……あんたが求めてるもんは、この先にはないぞい」
アレンはムッとして、ギム老師と呼ばれる老爺を見下ろした。
「嘘はいけませんねえ」
そう言うとアレンは短剣を抜き、ギム老師の首筋をゆっくり辿った。ユーリたちに緊張が走る。
「古の民がこの中にいるのは分かってます。でなければそこの輩たちがこんなにも抵抗はしないでしょう」
諦念のため息混じりにギム老師は言う。
「中に入りなさるのか?」
「だめだ!ギム老師!」
ユーリが精一杯の抵抗をして、体を捩り縄を曳く。それを制止するように、アレンは短剣をギム老師の背中に突きつけた。クローデルは、首を横に振り目を逸らしている。
「古の民は、わしの民じゃて。ここにおるクローデルもそれは十分わかっておる」
ギム老師がアレンに促され、ゆったりと皆の前を出て行った。寺院の壁を手で伝い、何やらぶつぶつと唱え始める。ギム老師が両手を壁につけ力を込めると、キラキラと光る波動の中から、ずずずと扉が現れた。それを見てアレンはさらに満足そうに頷く。スレインたちは本来であればアレンに抗議できる立場の人間なのだが、ペテロの名を出された以上、アレンの独行に手を出せないでいた。クソっと吐き捨て、ヴィクトーやサラと共にことの成り行きを傍観するしかなかった。
「おいお前!ギム老師が中に入るなら俺たちもいくぞ!」
「だめですよ。中にはそこの少女と入るつもりですから」
アレンは、この扉さえ開けばもう用済みなんですけどね。と続けた。スレインは、ヴェルニア制圧の目的が、王の命ではなく、アナンダに巣食うお偉いさんの個人的な狙いにあることを疑っている。おそらくアレンが命を受けたペテロが、何か宗教的な理由にかこつけて、制圧の名分の下に、何かを手にしようとしている。ゆえに、ここで下手にシャーマンに与することは制限されるが、そんな理由で人を殺すなど、スレインには虫唾の走るようなことだった。
「ミリス、お前が何を考えてるかは知らねえが、レオも俺もお前の部下じゃねえ。俺たちが従うのは、ペテロの命ではなく王の命だ」
「ご勝手に」
どうやらヴィクトーもスレインと同じ考えのようだ。スレインもヴィクトーも顔を見合わせ、王の命のもとにと頷く。アナンダ教は守るべき信仰であり、そこに人々は暮らしている。アレンは、このアナンダというものに心底酔いしれているのだろう。それは、どのようなものかは分からない。しかしだからこそ、幸福への道を歩くためには、アレンにとっては正義が力であって欲しいのだ。
「ほっほっほ。そなたたちこのギムを差し置いて中に入ろうというつもりか」
ギム老師が緊張した場を抜けるように笑った。何も考えていないようで、ギム老師は何か隠しているようだ。アレンはぞんざいに「私はそうするつもりですよ」と続ける。ギム老師の瞑っていた目がパチリと開く。柔和な笑みを蓄えて発する言葉には、覚悟のようなものが滲んでいた。
「それができればの話じゃが。中の皆と話ができるのはわししかおらんぞい。ましてや、あの話をするなら、わししか取り継ぐこともできんが、それでも良いのじゃな?」
「ギムじい、行っちゃダメ!私が代わりに」
声を振り絞り、クローデルがことの成り行きを止めようとする。
「クローデル。お前は残りなさい」
「そんなのダメだよ」
「大丈夫じゃ」
そう言うと、ギム老師はクローデルの頭をポンと撫でた。大丈夫と言い聞かせ、優しく微笑んでいる。クローデルは、少し泣きそうになりながら、何度かうんうんと首を縦に振っていた。「では来なさい」とアレンはギム老師を名指して、鋭く声を投げかけた。
星々を祀る寺院。その扉の先に何があるというのか。ギム老師は扉の前に立っていた。何重にも掛けられた封印を解き、ゆっくりと中へ続く扉を開ける。扉の奥は真っ暗で、ギム老師は懐にしまっていた光る石を取り出した。そして、それを暗闇の中へ掲げた。
「古の民よ。ギムじゃ。ちっとばかり話をせぬか?」
寺院の中は真っ暗で、ひんやりとした風が中から吹いてきている、スレインたちは息を殺し、闇の中に潜む気配を探っていた。ギム老師の声だけが、静かに響く。しばらくすると、闇の奥の方から、ずずずと扉が開く音が聞こえてきた。ギム老師は、ほっほっほと笑うと、「わしをまだ忘れなんだな」と喜んでいた。
「ギム老師。お久しぶりです」
扉の向こうから現れた男は、黒いローブに身を包み、目深にフードを被っているため、表情までは伺えない。ギム老師と男の間には、長い年月を共に過ごした友のような空気感があった。ギム老師は、扉に体を預けると、男に向かって話しかけた。
「この人たちは例のあれが欲しいと言ってるんじゃが」
「そうですか。中で話をしましょう」
男はそういうと、スレイン達を見渡し、目の留まったアレンに向けて手招きして、寺院の奥へと消えていった。ギム老師は、振り返り、皆の顔を見ると、一度深くお辞儀をした。そして、再び前を向き、アレンと、アレンが従わせた兵士と共にゆっくりした足取りで奥へと歩き出した。
「お前もあの爺さんもシャーマンなのか?」
「うん。ギム老師はヴェルニアの古の民の長で、とても偉いの。古の民はずっとこの寺院を通して教えを授かってきたんだよ」
「古の民とやらはシャーマンではないのか?」
「古の民の中からシャーマンは生まれるの。だから古の民全てがシャーマンってわけじゃないかな」
「本当は他の人に言うのはいけないことなんだけど、あたしとギム爺はあのミリスって人が尋問したからバレちゃった」
とクローデルは、スレインの問いに対して、答えた。スレインもヴィクトーも、ギム老師とクローデルの関係について聞きたいことがいくつかあったが、それよりも、拘束したヴェルニア人達とクローデルが無駄に抵抗しないように、スレインは、彼らの対応をどうするか考えを巡らせた。幸い、魔法罠は作動していない。これはクローデルがいるためか、ギム老師が寺院の中に入って行ったからなのか。これから何が起こるか分からないのでスレインもヴィクトーも予測の事態に備えた。
「アレンは何を手に入れようとしているんだ?」
「この寺院には昔からシャーマンたちが守ってきている書物があるの。それをあの人は欲しがってるみたい」
「書物?」
「シャーマンたちの書?言うのがちょっと難しいけど。でも、アナンダの人は、それ見てもわかんないと思うよ」
クローデルは、少し悲しげな顔をする。この子も何か隠してるなとスレインは感じたが、それ以上詮索するのはやめておいた。
「煮え切らねえなあ」
ギム老師とアレンがいない間、色々と思い巡らすも、スレイン達は、寺院の入り口付近で待機するしかなかった。クローデルの話では、どうやらここにあるのは古文書らしく、それは、ヴェルニアの古代文字で書かれたものだそうだ。その言語は、スレイン達が使っているものとは違い、解読には時間がかかるという。
「このヴェルニアにもヴェルニアを守る精霊がいるからね、私たちシャーマンはその声を聞いて、ヴェルニアの人たちと一緒に暮らしてきたんだ」
ヴェルニアの話についても、スレインはクローデルに探りを入れたが、クローデルはヴェルニアとそこに住まう精霊がどのように作用しあっているか、シャーマンのこの街での役割などといったものしか話さず、シャーマンを擁する古の民については何も情報は得られなかった。スレインは、こんな状況じゃなければなと少女に言った。まあ、古の民の中からシャーマンは生まれるという情報は良い収穫だったと自分に言い聞かせた。
「俺たちはできるだけヴェルニア人たちを守りたいと思ってる」
「そうだね。あの人とちがって、あなたは大丈夫って精霊の声が言ってるよ」
「何の話だ」
こんな状況じゃなければな。とスレインはやはりそう思った。言いたくないが、彼女らは異教徒達なのだ。彼女らには彼女らなりの教義があるだろう。もちろんアナンダにもアナンダの教義がある。だから、本来どちらも冒す必要はないのだが、お互いの主張がある限り、激しく敵対する必要もあるかもしれない。今まで通りアナンダの黙認の中で自治されていけば良い話だが、それはもう過ぎたことだ。一度助けようとした身だ。こんなところにいてほしくなかった。少女が悲しい顔をすると、あまり良い気分ではない。そう思っていた時だった。スレインは、一瞬だけだが、寺院の中から大きな魔力を感じ、身構えた。「何?」とサラも動揺しているようだ。ギム老師が戻ってきたのかと思ったが、彼はまだ寺院の中に入ったままだ。
「えっ!?うんうん」
「どうした?」
「大変!この遺跡の精霊が怒ってるみたい」
「どう言う意味だ!?」
「勝手に荒らして許さない。みんな生き埋めにするって。あの人が書を手に入れちゃったら、このお寺とその一帯壊れちゃうよ」
「何だと!?」
古の民達かは分からないが、既に寺院の深部で、戦闘を行っているようであった。暗闇越しに激しい衝撃音が聞こえてくる。ヴェルニアの武装民も何事かと騒ぎ出した。クローデルは、両手を握りしめながら、祈るように「ギムじい」と呟いた。スレインは、クローデルの肩に手をかけ、安心させようとした。クローデルは、顔を上げ、スレインの目をじっと見つめた。
「かなり危険だよ。もうみんな逃げたほうがいいと思う。今ここにいるヴェルニアの人々の縄を解いて逃がしてくれたら、私あなたたちも守るから」
「気持ちはわかるが、どうやって信用しろと?」
スレインの言葉にクローデルは、唇を噛んで下を向く。彼女の目に涙が浮かんでいるのが見えると、スレインは胸を締め付けられるような気がした。俺たちは今敵対してるんだ。そして精一杯というような悲痛な面持ちでクローデルは、スレインに懇願する。
「駆け引きっていうのかな。よくわかんないや。でもね、これはシャーマンにとって大事な証。精霊石の結晶でできてて……。ほら、こうしたら遺跡の魔法罠がなくなるの。この遺跡が壊れてしまうとき、ううん。ここだけじゃない。この街の遺跡で役に立つものだから。これをあなたに…。受け取ってくれるなら私は、あなたたちに困難が押し寄せたときに、ヴェルニアの精霊の導きを願うよ」
「それは対価に見合うと思うわ。アナンダにとっては良い戦利品よ」
サラが見かねて言う。どうなっても私もヴィクトーもスレインの味方だからと、スレインの肩に手を置いた。
「…分かった」
そう思い至ったスレインを、ヴィクトーがそうだな、という表情で見届けていた。
「よし。ヴェルニア人の縄を解き、俺たちも逃げるぞ」
ヴィクトーがアナンダ軍に指示を出し、ヴェルニア人達の縄を解いた。
「ありがとう。みんなも、ここからすぐに離れて」
クローデルは、スレインの手を握る。スレインは黙って手を握り返した。スレインは、クローデルが差し出した小さな石を受け取り、手の中におさめた。縄を解かれたユーリたちが、クローデルの周りに集まっていた。
「遠くへ逃げるんだぞ」
スレインがそういうと、クローデルは頷いた。そして、ユーリたちと共に、スレイン達に背を向け、寺院を去っていった。クローデル達が去るのを見届けると、スレインは、退避命令を出したヴィクトーに従い、その場から離れた。星々を祀る寺院の入り口付近で待機していたアナンダ軍も、全てヴィクトーの命令に従った。スレインは、一筋縄ではいかない状況を鑑み、眉間に皺を寄せた。
「滅入るな」
アナンダ軍が撤退すると同時に、寺院内から激しい爆音とともに、大量の土砂が噴出した。
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