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深章
深七章 変態と呼ぶべき天才
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長耳族の研究施設ってどこにあるんだろう。地図も与えられてないし、兵士さんに聞いてみるかな。
「ねぇ兵士さん」
「何だ」
「長耳族の研究施設ってどこかな。魔術の研究かな?してるの」
「フォクアスファクスの事か。案内してやる」
なんかお洒落な名前じゃん。アレンさんの工房もこういう名前にすれば良かったのに。あぁでも、あの人は『恥ずかしいから嫌かな』とか言って断るか。
あ~会いたいな~。涙を呑んで旅立った筈だけど、それでもやっぱり恋しいや。マリアの顔が見たいな~あの控えめになった縦ロールを触りたいな~。アレンさんにもう一回抱き着きたいな~。アレンさんに頭撫でてほしい。
おっと危ない。こういうのを思い出すと前に進む足が重くなる。こういうのは、全部終わったその後、生きていたらにしておこう。
「着いたぞ」
「街から大分離れたね。見つからない訳だよ」
「安全性を考慮してだ。帰る時はこの信号弾を打ち上げろ」
「ありがとう」
成程。燃え移らないように、ここの一帯だけ地面が石で舗装されている。やっぱり危険なんだなココ。ちょっと気を付けておこう。
「それと、二つ警告だ」
「何か?」
「一つ。ここに居る奴は全員変人だ。そして二つ」
「そこに居たら、中で爆発が起きた時に巻き込まれる」
うん。もうちょっとだけ早く言ってほしかったかな。まぁ想定していなかった私が悪いんだけどさ。反応が遅れた私の体は、思い切り爆風に巻き込まれてしまった。
「所長!また爆発してますから!そのアプローチはもう少し慎重にしてください!」
「危険から目を逸らして、心理へ至る事は不可能だろう!」
「森に燃え移ったら僕ら死罪ですからね!?」
「それはそれで良し!」
「どこが!」
うん。破片まで飛んで来なくて良かった。私は服に付いた土埃を払い、立ち上がる。こういう人の扱いは心得ていないけど、まぁどうとでもなるでしょ。
「済みません。少し良いですか?」
「ふむ?ここに客とは……むむっ!?」
「えっと……人間のお嬢さん……ですかね?」
お?この様子……どうやら、私とアイクがこの集落に来てからの事は、ここまで伝わっていないらしい。説明に時間が掛かりそうだけど……いやその前に、私は自分の身の安全を確保した方が良さそうかな。
「見ろラサウ君!モルモットだ!モルモットが来たぞ!」
「まさか本当に……いやまさかそんな……」
「現実を見ろ!魔力がある十六歳の健康的な処女!モルモットとしてこんな素晴らしい個体は……」
まさか人生の中で一度でも、実験動物的な扱いを受けるとは思ってなかった。いやいやそんな事を言っている場合じゃないよね。誤解を解いて話を……
うん?あれは何だろう。魔道具だろうか。族長さんに渡されたのと同じ感じだ。やっぱり人間が作る魔道具とはどこか違う。なんか……雰囲気と言うか作りと言うか……それより決定的な何かが違う気がする。
「うん?どうしたのかなモルモット君。アレが気になるのかい?」
「えぇ……あ!そうじゃなくて……私はモルモットになりに来たんじゃなくて、ここに話を聞きに来たんです!」
「あぁ……そうなのね……」
なんだこの人。あからさまにがっかりしたぞ。こういうのに熱中する人は変な人が多いんだろうか。アレンさんとは性別からして違うけど、なんか似てる。兵士さんが『変人』と言ったのも分かる風情だ。
「所長!失礼でしょ!済みませんウチの人が……で、話とは?」
「はい。お耳に挟んでいると思いますが……」
一通り説明し終わった後、ラサウと呼ばれた男性は、少し考えるような素振りを見せた。
「サフラさんが……成程」
「ご存じではありませんでしたか」
「えぇ。ここは長耳族の中でも、独立した場所ですからね」
「ははっ。どうでも良いと切り捨てられているだけだろう?」
卑屈だな~。明らかにテンション下がってるな~あの人。まぁ、あんなはしゃいでいたのに水を差されたら当然とも言えるかな。私の知った事じゃないけど。
「何か、心当たりはありませんか?」
「ふむ……所長。ここ最近でフォアクスメカカルの試作品を外に出したのは何回でしたっけ?」
「知るか。彼等は私の下から巣立ったのさ……」
これじゃ埒が明かないかな。所長と言う位だし、彼女に協力的になってもらわないと、色々不都合がありかねない。彼女のやる気を出させる方法は……よし!一肌脱ぐか!
「所長さん。お名前は?」
「ヘルカーティ・ラニ。古い言葉で、名前は『森の番人』、苗字は『矢じり』を意味する。ヘルでもラニでも、好きに呼ぶと良いさ」
「ではヘルカーティさん。一つ、取引を致しませんか?」
「何?なるべく早めに……」
「私が貴女方のモルモットになる代わり、私に協力していただけませんか?」
……あれ?『それなら協力しよう!』と即決すると思ってたんだけどな。なんでそんな、とても信じられないような物を見るような表情になっているんだろう。
「……正気か?」
「ええ勿論。どうせ解決できなければ死んでしまうんですから、やらない方が損ですよ。それに、もしここで死んでも、精々が死因が変わるだけでしょう?」
第一、こんな所で死んでやるつもりも無い。厄災とやらを消し飛ばすまで、死んでやるつもりは無い。
「……」
「所長?」「ヘルカーティさん?」
「……良いね」
今、何と……と、聞く事はできない。それ以上に聞きたい事が多過ぎる。なんでそんな表情をしているんだ?なんでそんな、新しい玩具を与えられた子供のような、恍惚とした表情をしているんだ?
「最ッ高だ!君!名前は!?」
「ライラです」
「ライラか!君の名は古い言葉で『槍』を表す!実に良い名前だ!ライラ!もう敬語は止めろ!私達はこれからパートナーだ!」
あぁでも、そんな疑問は一旦置いておこう。きっとその内分かる事だ。私もきっと、同じ表情をしているだろうから。
「これからこの研究所を紹介しよう!当面の君の部屋も用意する!改めてようこそ!フォアクスファクス……古い言葉で、『神の御業たる工房』を!」
「ねぇ兵士さん」
「何だ」
「長耳族の研究施設ってどこかな。魔術の研究かな?してるの」
「フォクアスファクスの事か。案内してやる」
なんかお洒落な名前じゃん。アレンさんの工房もこういう名前にすれば良かったのに。あぁでも、あの人は『恥ずかしいから嫌かな』とか言って断るか。
あ~会いたいな~。涙を呑んで旅立った筈だけど、それでもやっぱり恋しいや。マリアの顔が見たいな~あの控えめになった縦ロールを触りたいな~。アレンさんにもう一回抱き着きたいな~。アレンさんに頭撫でてほしい。
おっと危ない。こういうのを思い出すと前に進む足が重くなる。こういうのは、全部終わったその後、生きていたらにしておこう。
「着いたぞ」
「街から大分離れたね。見つからない訳だよ」
「安全性を考慮してだ。帰る時はこの信号弾を打ち上げろ」
「ありがとう」
成程。燃え移らないように、ここの一帯だけ地面が石で舗装されている。やっぱり危険なんだなココ。ちょっと気を付けておこう。
「それと、二つ警告だ」
「何か?」
「一つ。ここに居る奴は全員変人だ。そして二つ」
「そこに居たら、中で爆発が起きた時に巻き込まれる」
うん。もうちょっとだけ早く言ってほしかったかな。まぁ想定していなかった私が悪いんだけどさ。反応が遅れた私の体は、思い切り爆風に巻き込まれてしまった。
「所長!また爆発してますから!そのアプローチはもう少し慎重にしてください!」
「危険から目を逸らして、心理へ至る事は不可能だろう!」
「森に燃え移ったら僕ら死罪ですからね!?」
「それはそれで良し!」
「どこが!」
うん。破片まで飛んで来なくて良かった。私は服に付いた土埃を払い、立ち上がる。こういう人の扱いは心得ていないけど、まぁどうとでもなるでしょ。
「済みません。少し良いですか?」
「ふむ?ここに客とは……むむっ!?」
「えっと……人間のお嬢さん……ですかね?」
お?この様子……どうやら、私とアイクがこの集落に来てからの事は、ここまで伝わっていないらしい。説明に時間が掛かりそうだけど……いやその前に、私は自分の身の安全を確保した方が良さそうかな。
「見ろラサウ君!モルモットだ!モルモットが来たぞ!」
「まさか本当に……いやまさかそんな……」
「現実を見ろ!魔力がある十六歳の健康的な処女!モルモットとしてこんな素晴らしい個体は……」
まさか人生の中で一度でも、実験動物的な扱いを受けるとは思ってなかった。いやいやそんな事を言っている場合じゃないよね。誤解を解いて話を……
うん?あれは何だろう。魔道具だろうか。族長さんに渡されたのと同じ感じだ。やっぱり人間が作る魔道具とはどこか違う。なんか……雰囲気と言うか作りと言うか……それより決定的な何かが違う気がする。
「うん?どうしたのかなモルモット君。アレが気になるのかい?」
「えぇ……あ!そうじゃなくて……私はモルモットになりに来たんじゃなくて、ここに話を聞きに来たんです!」
「あぁ……そうなのね……」
なんだこの人。あからさまにがっかりしたぞ。こういうのに熱中する人は変な人が多いんだろうか。アレンさんとは性別からして違うけど、なんか似てる。兵士さんが『変人』と言ったのも分かる風情だ。
「所長!失礼でしょ!済みませんウチの人が……で、話とは?」
「はい。お耳に挟んでいると思いますが……」
一通り説明し終わった後、ラサウと呼ばれた男性は、少し考えるような素振りを見せた。
「サフラさんが……成程」
「ご存じではありませんでしたか」
「えぇ。ここは長耳族の中でも、独立した場所ですからね」
「ははっ。どうでも良いと切り捨てられているだけだろう?」
卑屈だな~。明らかにテンション下がってるな~あの人。まぁ、あんなはしゃいでいたのに水を差されたら当然とも言えるかな。私の知った事じゃないけど。
「何か、心当たりはありませんか?」
「ふむ……所長。ここ最近でフォアクスメカカルの試作品を外に出したのは何回でしたっけ?」
「知るか。彼等は私の下から巣立ったのさ……」
これじゃ埒が明かないかな。所長と言う位だし、彼女に協力的になってもらわないと、色々不都合がありかねない。彼女のやる気を出させる方法は……よし!一肌脱ぐか!
「所長さん。お名前は?」
「ヘルカーティ・ラニ。古い言葉で、名前は『森の番人』、苗字は『矢じり』を意味する。ヘルでもラニでも、好きに呼ぶと良いさ」
「ではヘルカーティさん。一つ、取引を致しませんか?」
「何?なるべく早めに……」
「私が貴女方のモルモットになる代わり、私に協力していただけませんか?」
……あれ?『それなら協力しよう!』と即決すると思ってたんだけどな。なんでそんな、とても信じられないような物を見るような表情になっているんだろう。
「……正気か?」
「ええ勿論。どうせ解決できなければ死んでしまうんですから、やらない方が損ですよ。それに、もしここで死んでも、精々が死因が変わるだけでしょう?」
第一、こんな所で死んでやるつもりも無い。厄災とやらを消し飛ばすまで、死んでやるつもりは無い。
「……」
「所長?」「ヘルカーティさん?」
「……良いね」
今、何と……と、聞く事はできない。それ以上に聞きたい事が多過ぎる。なんでそんな表情をしているんだ?なんでそんな、新しい玩具を与えられた子供のような、恍惚とした表情をしているんだ?
「最ッ高だ!君!名前は!?」
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「ライラか!君の名は古い言葉で『槍』を表す!実に良い名前だ!ライラ!もう敬語は止めろ!私達はこれからパートナーだ!」
あぁでも、そんな疑問は一旦置いておこう。きっとその内分かる事だ。私もきっと、同じ表情をしているだろうから。
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