謎色の空と無色の魔女

暇神

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プロローグ たった一つの神話

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 昔々、まだ神が人や動物と共に在った頃。

 そこには一人の魔法使いが居ました。

 彼女はとても寂しがり屋で、不器用で、いつも一人で泣いていました。

 彼女は、皆に自分を見て貰う為、皆に好かれるような、称賛されるような人になる為に、たった一つの特技だった魔法を使って、それを作り出しました。

 彼女はそれを使って、空の青を仕舞いました。

 皆は彼女を『魔女』や『呪い子』と言って蔑みました。

 彼女はわんわん泣きました。悲しくて悲しくて、それでも皆に好かれたくて、二つの心が、自分を引き裂いているような心地でした。

 彼女は、いつか自分に自信が持てるように、いつか皆に好かれる為に、自分の『死』をそれに仕舞いました。

 彼女は、今もどこかで、皆に好かれる魔法を探しています。
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