5 / 14
分かり難いルール
しおりを挟む
翌日。僕らは買う物を買って、足早に次の町へ出発した。
次の町に着く辺りで、例の『降臨祭』が行われる。そこで僕らは、可能であれば女神と接触し、元の世界へ帰る。ちょっとタイミングが出来過ぎているような気がするが、喜ばしい事なので気にしないでおこう。
次に向かうのは、『ドアミラ』という町らしい。交易なんかで栄えている町で、兎に角大きいらしい。今は戦争状態なので、外へ向かう船は出ていないが、少し楽しみだ。
「でもよお、いくら神事っつっても、肝心な部分が抜けてねえか?」
「そうだね。問題は、どうやって女神と接触するかだよね」
「一応メインイベントとして、シスターみたいな感じの人が、神と交信するみたいなのがあるらしいけど、他の人が女神と話した事例は無いらしいよ」
「じゃあどうするって言うのよ」
そうだよなあ。以前、教会で祈りを捧げて、女神と接触できないか試した事があったが、やはりゲームのような世界というだけで、ゲームの世界ではないらしく、女神との接触は叶わなかった。
神事に行った所で、そこは変わらないかも知れない。だが、可能性があるなら試すべきだ。
しかしその一方で、どうすれば良いのかも知らないのも事実。様々な文献や記録を見たが、『それぞれの集落で選ばれた人間が人類の代表として、女神と会う』程度の事しか分からなかった。『異世界から召喚された』という点だけを見れば、僕らも『選ばれた人間』なのかも知れないが、ここで言う物とは別物だろう。異界の人間だし。
「神事に出るシスターに聞けば良いんじゃねえか?」
「シスターは儀式の一環として、誰にも姿を見せず、体を清めるらしい。直接聞くのは無理だし、そもそも僕らの質問に答えてくれるかも怪しい」
「そのシスターの真似をするのはどうかしら?」
「この儀式で大事なのは、『何をやるか』じゃなくて、『誰がやるか』だと思う。『異世界から召喚された人間』って事なら大丈夫かもだけど、正直厳しいんじゃないかな」
本当にどうすれば良いんだろうか。走る方法が分からなければ、レースで勝つ事はできない。この二か月弱で調べた情報も大して役に立たないし、僕らの想像力では何も思い付かない。
その後、僕らは何も思い付かないまま、『ドアミラ』の町まで来てしまった。
「来ちゃったね……」
「何も分からないままね……」
「取り敢えず聞き込みをしましょう。前の町でもしたように」
「ペアも前と同じで良いか?」
「いや、今は急を要する案件じゃない。四人で固まって動こう」
分からない事があれば他人に聞く。それが一番手っ取り早い。僕らは四人で固まり、見知らぬ土地の見知らぬ人に、聞き込みを始めた。
しかし、結果は想像通りの物だった。
「女神様と話す方法?そんなんあったら良いけどなあ」「アンタらももう二十とかでしょ。しっかりしな」「女神なんざ居ねえ……酒さえあれば良い……」
「こんなんどうしろってんだ!」
夕方にもなり、そろそろうんざりして来たらしい大聖が、空に向けて叫んだ。
「大聖、気持ちは分かるけど落ち着いて?」
「まあ、当然は当然か。そんな方法があったら、一瞬で広まる事間違いなしだもんね」
「でもどうするの?この祭り、明日例のイベントがあって、それで終わりでしょう?」
そう。この祭りは明日で終わってしまう。このままでは、僕らは何もできないまま、亜人の国へ出発する事になってしまう。それだけは避けたい。
しかし、どうするか。誰も知らない事を誰かに聞いても、正しい答えが返って来る訳が無い。詰まる所、僕らには何もできない。おお女神様。どうかご慈悲を。
「あの、勇者ご一行様でしょうか?」
そんなこんなで、皆して頭を抱えていた僕らに、良い服を着た男性が話し掛けて来た。
「はいそうですけど」
「では、自己紹介を。私はジーク・ハンター。教会にいらっしゃる、シスターマリアの命に因り、お迎えに上がりました」
女神様。僕は今日から、貴方様を信仰しようと思います。
マジか。こんな良いタイミングで来るか。いや、こんな良いタイミングだからか。
「どうする?行く」
「それ以外ないでしょう。行くに決まってるわ」
「ああ」
「そうだね。ここで地団駄踏んでも変わらないし」
てな訳で、僕らはジークさんに案内されるまま、この町の教会に向かった。
着いた先にあったのは、それはもう御立派な、兎に角でかい建物だった。朝のニュースで見た世界遺産位ありそうだ。見上げる首が痛い。
そんな僕らを置いて、ジークさんは中へと進む。僕らもその後を追い掛けて、教会の中に入る。
中は一層豪華だった。綺麗なステンドグラスが、月明かりに照らされて輝いている。等間隔に置かれた椅子には、一切の乱れが見られない。
「皆さん、こちらです」
「あの、ジークさん。ここまで来てアレですけど、なんでシスターマリアは僕らを呼んだんですか?」
「さあ。あの方のお考えは、私達には測れない物ですから」
おい。それで良いのか。身内にとんでもない不確定要素が居るって事だぞ。怖くないのか。
そんなやり取りをさっと流し、僕らは教会の一番奥、シスターマリアが居るという部屋に辿り着いた。
「私が行けるのはここまでです。シスターマリアはここにいらっしゃるので、お入りください」
ジークさんはそう言って、今来た道を戻って行った。
「じゃ、入るか」
「今更だけどよ、服装このままで良いのか?そこそこ汚れてるけど……」
「駄目だったら駄目って言われるだろうし、大丈夫だよ」
「無駄話してないで、早く入るわよ」
僕らは木製の扉をノックして、相手の挨拶を待った。一拍置いて、扉の向こうから「どうぞ」という声がしたので、僕らは中に入った。
中は、かなり質素な物だった。家具の一つも無い。あるのは小さなベッドと、複数のよく分からない入れ物だった。その部屋の中心に、『彼女』は立っている。
「お初にお目に掛かります。この町のシスター、マリアと申します」
シスターマリアは、ゲームなんかでよく見るような、分かり易いシスターの服装に、若干の装飾を加えたような服を着ていた。
シスターマリアの自己紹介が終わると、諒子が一歩前に出て、シスターマリアに話し掛けた。
「私達の事は知っているようなので、自己紹介は省かせてもらいますが、単刀直入に聞きます。マリアさん。何故私達を呼んだのですか?」
「そんな怖い顔をなさらないでください浅山諒子さん。これから説明いたします」
そう言うと、シスターマリアはベッドに座り、僕らに話し始めた。
「私は二か月前。恐らく、貴方方がこの世界に来た日、天啓を受けたのです」
「天啓?」
「はい。私は幼い頃から、常人には感じ取れない『何か』の声を聞く事ができたのです」
そして、シスターマリアは話を続けた。彼女の話に因ると、あの日、女神は彼女に『異界より来たりし勇者と会え』と言ったらしい。そうしたらどうなるか、その後どうするか等を一切話さず、たったそれだけを。
「私はその言葉を信じ、貴方方を探したのです」
「へえ……」
「凄いわね」
「スピリチュアルって奴か?」
「それを言い出したらこの世界もだよ大聖」
正直、胡散臭い。女神の存在はほぼ確実だが、彼女が言う事に信憑性が無さ過ぎる。顔も知らない人間を呼び付けた上、自分一人が嘘を吐けばどうとでもなるような事を言う。これで信じろと言う方が無理がある。
ここまで来ておいてアレだが、彼女とは関わらない方が良い気もする。なんだか、少し恐ろしい。魔物と遭遇した時とは違う、違和感のような恐ろしさ。
「シスターマリア。申し訳無いですが、僕らはこの辺で失礼します。行くよ。皆」
当然、皆は反対する。ここで帰ろうとするなんて、
「え?どうしたんだよ聡一」
「良いから」
「良い人そうだよ?」
「それでも」
「どうしたの?様子が変よ?」
三人の手を引いて戻ろうとする僕の背中に、シスターマリアが触れた。
「どうして帰ってしまうんですか?まだ少ししかお話してませんのに」
僕はこの時、初めて『背筋が凍る』という感覚を味わった。足音がしないとか、そういう次元じゃない。瞬間移動でも、移動速度が尋常じゃなく早いとかでもない。
彼女は、その場を動いていなかった。
僕らが移動した訳でもなく、ただ、そこに居た。
思い返すと、簡単に思い出せる。その時、僕らは彼女が、『ベッドまで移動した』と認識した。幻とか、そういう事じゃない。実際に、そう『認識』した。そう認識している僕らの目の前で、彼女はその場を動かず、その場で話をしていた。
原理なんて分からない。どうやったとか、どういう魔術かとか、全く分からない。ただ、僕らの認識と、彼女の行動が、ずれていた。
「貴女は……一体……」
「あら?まだ分からない?まあ、ガワは人間だものね」
そう言った彼女は、指を鳴らした。瞬間。僕らは一瞬だけ体の力が抜ける感覚に襲われ、その後、僕らは見知らぬ筈の、白い空間に居た。
見覚えは、無い。だが、謎の既視感がある。
「ここって……前に来た事あったかしら?」
「いや……無い筈だ……」
「何ココ……」
「うん……分からない……」
不意に、後ろから声がする。
「思い出せないのも無理は無いわ。貴方達は不完全な状態で異世界に行ったんですもの」
驚いて後ろを向くと、そこには、言い表しようも無い美女が居た。芸術なんて分からない、素人目にも分かるような程、美しい肉体の美女が居た。例えるなら、『ミロのヴィーナス』のように、これ以上無く完全な『人間』の形だった。
驚きのあまり、振り返った体勢で固まっている僕らに、彼女は自己紹介を始める。
「改めて、自己紹介するわ。私は『繝。繝?ぅ繧「』。この世界の女神よ」
女神。僕らがこの町に来た、一番の目的。聞きたい事はいくつもある。だが、その前に一つ。
「今……なんて発音したんですか?」
「ああ、神としての権能を持たない存在には聞き取れないの。今まで通り、『女神』とでも呼んで頂戴」
僕は「はあ……」と、締まりの無い声を発する。それを見た女神は、クスっと笑ってから、僕らに向けて話し始めた。
「先ず、貴方達の既視感についてかしら……それは、ここからの記憶を見てもらえば分かるわ」
そう言って、女神は僕らに手をかざした。それから一拍置いてから、僕らの頭の中に、かつての記憶がよみがえる。
さっきのは一体なんだ?皆は?ここは?白い。駄目だ。頭が回らない。
ようやく頭のモヤが晴れて来た僕は、周囲の状況を見渡す。兎に角だだっ広い、真っ白な、地平線と空の境界線も分からないような、兎に角白い空間だった。そして、僕と一緒に居た三人も、同じくここに居る。
「皆!」
「う……聡一?」
「大聖、しっかりして!」
「忍……ここは……?」
皆も、今起きたらしい。忍さんを覗く二人は、辺りを見回している。だが、辺りは只々白い空間。何も見つかる筈も無く、僕らは一旦身を寄せ合った。不安を感じると、自然と人は他人を求める。これが普通だ。
だが、ただ近くに寄っただけで、このよく分からない空間に四人だけという、言い表しようも無い不安を拭える訳も無い。誰か居ないかと、再び周りを見回した僕の目に、一つの異物が入り込んだ。
金色。眩い程の黄金。真っ白な背景の中で、その一点だけが存在している。
「皆!アレ見て!」
「何アレ?」
「分からない。だが、ここで蹲っていても変わらん」
「じゃあ、行くしか無いわね」
そうして、僕らは立ち上がった。金色の点に向かって歩き出した。
どれ位歩いただろうか。金色の点は段々と近付き、僕らの目には、それが何かが描画されて行く。人だ。いや、人とは思えない程美しい、まるで芸術品のような完璧さがある、たった一人の女性だった。
「貴女は?」
「私は『繝。繝?ぅ繧「』。貴方達がこれから向かう異世界、『アラティシア』の神よ」
神?今、自分の名前を何と言った?異世界?そんな数え切れない程の疑問が、僕の頭の中を駆け巡る。何も言えずにいる僕らを置いて、女神は淡々と話しを進める。
「貴方達はこれから、貴方達を召喚した人間が住む世界へ向かうのよ。目的は、自ずと分かる筈」
そう言って、女神は手をかざした。僕らは落ちて行く感覚と、もう誰の物かも分からなくなった悲鳴と共に、暗闇へ移動して行った。
今のは何だ?もしかして、僕らがあの世界に向かう前、僕らはここに来ていたのか?なら、何故思い出せない?分からない。
「思い出せたようね」
後ろからした声に振り向くと、女神が立っていた。
「今のは……あの世界に行く前、僕らはここに居たという事ですか?」
「その通りよ。ただ、橋渡しの神のミスで、貴方達はここの事を思い出せずに居たの」
おいおいまた見知らぬ神が出て来たぞ。どうやら、神は複数人居るらしい。だが、ここを思い出せない事に、何か問題があるのだろうか。
「良い質問ね」
僕はその言葉を聞いた直後、驚きを隠せない表情のまま、女神を見た。今、僕は声に出していただろうか。
「神を舐めるんじゃないわよ。人の子の思考位、簡単に読めるわよ」
「じゃあ、今僕らが聞きたい事も分かるんですか?」
僕がそう聞くと、女神はにっこりと笑って、皆を集めた。全員が状況を理解してから、女神は話し始めた。
「じゃあ先程、聡一が言った質問ね。ここを思い出せないままでいる事の問題は、貴方達には特に無いわ。ただ、私達が楽ってだけね」
マジか。それだけか。いや、まあそれだけで良かったけども。
「二つ目は、『元の世界に帰れるか』だったかしら?残念だけど、今は無理ね。貴方達には、その役割がある」
それを聞いた僕の頭の中には、大した驚きも感情も浮かばなかった。いや、この状況が、未だ飲み込めていないだけかも知れない。
『勇者が亜人王を倒す』。神話にも載っていたこの構図には、何か意味があるんだろうか。
「三つ目は、今聡一と大聖が考えた事ね。『勇者と亜人王の構図に意味はあるのか』。かつてはあったけど、今はもう形骸化しているわ。別に知らなくても問題無い事よ」
成程。神話の『亜人王と勇者の戦い』には意味があったが、今は無い。今は無いなら、今知らなくても良いのかも知れない。
ただ、ここに来て、一つの疑問が生まれた。
「「何故ここを思い出せなかったか」」
僕の呟きに被せて、女神がそう言う。思考が読めるというのは本当らしい。
「あら。疑り深いわね。そんなんじゃモテないわよ」
「彼女が居る事位お見通しでしょう?」
僕がそう言うと、女神は不敵に微笑んで、話を始めた。
「異世界に行く人間は、何か一つ、元の世界から持って来れるの。それを持っていると、元の世界とこれから行く世界を、直線で結べるの。貴方達に、その『何か一つ』を渡し忘れたから、貴方達はここを思い出せなかったの。それが決まり。それがルール」
正直、全く頭に入らない。『二つの世界を直線で結ぶ』という事に、果たしてどれだけの意味があるのかが分からない。しかし、一つだけ想像できた物があった。
「渡し忘れが原因でここに呼んだなら、それを渡しでくれるかも」
心臓に悪いから止めてほしい。そんな事を考えながら女神を見たが、相変わらず笑っている。恐ろしい存在だよ神様ってのは。
「畏怖の念を抱いてくれるのは助かるわね。まあ、ここに呼んだのはそれが目的だもの。当然渡すわ」
そう言って、女神は再び手をかざした。その瞬間、僕らの目の前に、光の玉が現れた。それは次第に形を作り、段々何かが分かって来る。
「これって……」
「何を渡すかは、私が勝手に選ばせてもらったわ。なるべく便利な物を渡したつもりよ」
僕の光は、僕が向こうの世界で使っていた皿になった。諒子のは、諒子の家にあった刀に。大聖のは、大聖の部屋に砂時計に。忍さんのは、忍さんが使っていた水筒に。
諒子はその刀を見た途端、泣き始めてしまった。僕は諒子の背中を撫でながら、女神の話に耳を傾ける。
「父さん……母さん……」
「それらは、決して傷ついたり汚れたりしないようにしたわ。まあ、ちょっと便利になった程度に思って頂戴」
これがあると管理が楽だとか言っていたし、そういう事だろう。僕がそう考えていると、女神が「察しが良くて助かるわ」と言った。心臓に悪いから止めてくれよ。
そんな事を考えていると、忍さんが女神に質問した。女神はやはり、忍さんの言葉に合わせる。
「「なんで、今のタイミングだったんですか?」」
この女神サマの癖なんだろうか。まあ、僕らが驚くだけだ。もう諦めよう。
「神事には意味があるわ。貴方達があの町に来た日を真ん中にした三日間は、私と人の世の繋がりが強くなる日なの。だから、人の世に居る貴方達と接触できたの」
「人の体を通したのはなんでですか?」
「神の体が直接浮世に描画されるには、膨大なエネルギーが要るの。今の私には、流石に無理があったからね」
忍さんのその質問も終わると、一瞬の沈黙が流れた。女神は僕らを見回し、一つ溜息を吐いてから、僕らに手をかざした。
「もう質問も無いようだし、そろそろアラティシアに帰すわ。亜人王退治、頑張ってね」
何か言おうとしたが、こういう時に限って、何も言えない。言葉が出て来ない。僕らはそのまま、かつて味わった、落ちて行く感覚と共に、暗い空間に移動した。
気付くと、僕らはどこかのベッドに寝かされていた。夢だったのかと一瞬思ったが、僕は直ぐに、そうではない事を思い知った。枕元には、あの空間で渡された皿があった。
「夢じゃ……ない……か」
それを理解すると同時に、僕は目頭が熱くなるのを感じた。女神と接触し、元の世界に戻る。この二か月、それを目標に頑張って来た。その望みが潰えたのだ。あの時間に感じなかった負担が、今、この狭い背中に圧し掛かっている。
いや、気持ちを切り替えよう。今悔やんだってどうしようも無い。それに、まだ望みは消えていない。魔王と話し、元の世界に帰る手段を探す。
正直、それは都合が良いと思う。そんな事がある訳が無い。ただ、そう思いたい。そう思って、希望を絶やさないようにしたい。僕は無理矢理に上を向き、目から零れそうな涙を精一杯堪えた。
「聡一?」
「諒子。起きたんだね」
「ええ。皆も起きたみたいよ」
諒子の向こうのベッドを見ると、大聖と忍さんが、それぞれの目を擦っている。
三人共、枕元にはあの空間で渡された物が置かれていた。それを見つけた皆は、それぞれの物を胸に抱き、お互いの顔を見合った。
「夢じゃない……だよな」
「うん。僕らは今は、地球に帰れない」
「なら、まだ進もう」
「それしか無いわ。次の目的地はどこだったかしら?」
僕らが次に向かうのは、『サージリア』。亜人の国、次の大陸だ。
次の町に着く辺りで、例の『降臨祭』が行われる。そこで僕らは、可能であれば女神と接触し、元の世界へ帰る。ちょっとタイミングが出来過ぎているような気がするが、喜ばしい事なので気にしないでおこう。
次に向かうのは、『ドアミラ』という町らしい。交易なんかで栄えている町で、兎に角大きいらしい。今は戦争状態なので、外へ向かう船は出ていないが、少し楽しみだ。
「でもよお、いくら神事っつっても、肝心な部分が抜けてねえか?」
「そうだね。問題は、どうやって女神と接触するかだよね」
「一応メインイベントとして、シスターみたいな感じの人が、神と交信するみたいなのがあるらしいけど、他の人が女神と話した事例は無いらしいよ」
「じゃあどうするって言うのよ」
そうだよなあ。以前、教会で祈りを捧げて、女神と接触できないか試した事があったが、やはりゲームのような世界というだけで、ゲームの世界ではないらしく、女神との接触は叶わなかった。
神事に行った所で、そこは変わらないかも知れない。だが、可能性があるなら試すべきだ。
しかしその一方で、どうすれば良いのかも知らないのも事実。様々な文献や記録を見たが、『それぞれの集落で選ばれた人間が人類の代表として、女神と会う』程度の事しか分からなかった。『異世界から召喚された』という点だけを見れば、僕らも『選ばれた人間』なのかも知れないが、ここで言う物とは別物だろう。異界の人間だし。
「神事に出るシスターに聞けば良いんじゃねえか?」
「シスターは儀式の一環として、誰にも姿を見せず、体を清めるらしい。直接聞くのは無理だし、そもそも僕らの質問に答えてくれるかも怪しい」
「そのシスターの真似をするのはどうかしら?」
「この儀式で大事なのは、『何をやるか』じゃなくて、『誰がやるか』だと思う。『異世界から召喚された人間』って事なら大丈夫かもだけど、正直厳しいんじゃないかな」
本当にどうすれば良いんだろうか。走る方法が分からなければ、レースで勝つ事はできない。この二か月弱で調べた情報も大して役に立たないし、僕らの想像力では何も思い付かない。
その後、僕らは何も思い付かないまま、『ドアミラ』の町まで来てしまった。
「来ちゃったね……」
「何も分からないままね……」
「取り敢えず聞き込みをしましょう。前の町でもしたように」
「ペアも前と同じで良いか?」
「いや、今は急を要する案件じゃない。四人で固まって動こう」
分からない事があれば他人に聞く。それが一番手っ取り早い。僕らは四人で固まり、見知らぬ土地の見知らぬ人に、聞き込みを始めた。
しかし、結果は想像通りの物だった。
「女神様と話す方法?そんなんあったら良いけどなあ」「アンタらももう二十とかでしょ。しっかりしな」「女神なんざ居ねえ……酒さえあれば良い……」
「こんなんどうしろってんだ!」
夕方にもなり、そろそろうんざりして来たらしい大聖が、空に向けて叫んだ。
「大聖、気持ちは分かるけど落ち着いて?」
「まあ、当然は当然か。そんな方法があったら、一瞬で広まる事間違いなしだもんね」
「でもどうするの?この祭り、明日例のイベントがあって、それで終わりでしょう?」
そう。この祭りは明日で終わってしまう。このままでは、僕らは何もできないまま、亜人の国へ出発する事になってしまう。それだけは避けたい。
しかし、どうするか。誰も知らない事を誰かに聞いても、正しい答えが返って来る訳が無い。詰まる所、僕らには何もできない。おお女神様。どうかご慈悲を。
「あの、勇者ご一行様でしょうか?」
そんなこんなで、皆して頭を抱えていた僕らに、良い服を着た男性が話し掛けて来た。
「はいそうですけど」
「では、自己紹介を。私はジーク・ハンター。教会にいらっしゃる、シスターマリアの命に因り、お迎えに上がりました」
女神様。僕は今日から、貴方様を信仰しようと思います。
マジか。こんな良いタイミングで来るか。いや、こんな良いタイミングだからか。
「どうする?行く」
「それ以外ないでしょう。行くに決まってるわ」
「ああ」
「そうだね。ここで地団駄踏んでも変わらないし」
てな訳で、僕らはジークさんに案内されるまま、この町の教会に向かった。
着いた先にあったのは、それはもう御立派な、兎に角でかい建物だった。朝のニュースで見た世界遺産位ありそうだ。見上げる首が痛い。
そんな僕らを置いて、ジークさんは中へと進む。僕らもその後を追い掛けて、教会の中に入る。
中は一層豪華だった。綺麗なステンドグラスが、月明かりに照らされて輝いている。等間隔に置かれた椅子には、一切の乱れが見られない。
「皆さん、こちらです」
「あの、ジークさん。ここまで来てアレですけど、なんでシスターマリアは僕らを呼んだんですか?」
「さあ。あの方のお考えは、私達には測れない物ですから」
おい。それで良いのか。身内にとんでもない不確定要素が居るって事だぞ。怖くないのか。
そんなやり取りをさっと流し、僕らは教会の一番奥、シスターマリアが居るという部屋に辿り着いた。
「私が行けるのはここまでです。シスターマリアはここにいらっしゃるので、お入りください」
ジークさんはそう言って、今来た道を戻って行った。
「じゃ、入るか」
「今更だけどよ、服装このままで良いのか?そこそこ汚れてるけど……」
「駄目だったら駄目って言われるだろうし、大丈夫だよ」
「無駄話してないで、早く入るわよ」
僕らは木製の扉をノックして、相手の挨拶を待った。一拍置いて、扉の向こうから「どうぞ」という声がしたので、僕らは中に入った。
中は、かなり質素な物だった。家具の一つも無い。あるのは小さなベッドと、複数のよく分からない入れ物だった。その部屋の中心に、『彼女』は立っている。
「お初にお目に掛かります。この町のシスター、マリアと申します」
シスターマリアは、ゲームなんかでよく見るような、分かり易いシスターの服装に、若干の装飾を加えたような服を着ていた。
シスターマリアの自己紹介が終わると、諒子が一歩前に出て、シスターマリアに話し掛けた。
「私達の事は知っているようなので、自己紹介は省かせてもらいますが、単刀直入に聞きます。マリアさん。何故私達を呼んだのですか?」
「そんな怖い顔をなさらないでください浅山諒子さん。これから説明いたします」
そう言うと、シスターマリアはベッドに座り、僕らに話し始めた。
「私は二か月前。恐らく、貴方方がこの世界に来た日、天啓を受けたのです」
「天啓?」
「はい。私は幼い頃から、常人には感じ取れない『何か』の声を聞く事ができたのです」
そして、シスターマリアは話を続けた。彼女の話に因ると、あの日、女神は彼女に『異界より来たりし勇者と会え』と言ったらしい。そうしたらどうなるか、その後どうするか等を一切話さず、たったそれだけを。
「私はその言葉を信じ、貴方方を探したのです」
「へえ……」
「凄いわね」
「スピリチュアルって奴か?」
「それを言い出したらこの世界もだよ大聖」
正直、胡散臭い。女神の存在はほぼ確実だが、彼女が言う事に信憑性が無さ過ぎる。顔も知らない人間を呼び付けた上、自分一人が嘘を吐けばどうとでもなるような事を言う。これで信じろと言う方が無理がある。
ここまで来ておいてアレだが、彼女とは関わらない方が良い気もする。なんだか、少し恐ろしい。魔物と遭遇した時とは違う、違和感のような恐ろしさ。
「シスターマリア。申し訳無いですが、僕らはこの辺で失礼します。行くよ。皆」
当然、皆は反対する。ここで帰ろうとするなんて、
「え?どうしたんだよ聡一」
「良いから」
「良い人そうだよ?」
「それでも」
「どうしたの?様子が変よ?」
三人の手を引いて戻ろうとする僕の背中に、シスターマリアが触れた。
「どうして帰ってしまうんですか?まだ少ししかお話してませんのに」
僕はこの時、初めて『背筋が凍る』という感覚を味わった。足音がしないとか、そういう次元じゃない。瞬間移動でも、移動速度が尋常じゃなく早いとかでもない。
彼女は、その場を動いていなかった。
僕らが移動した訳でもなく、ただ、そこに居た。
思い返すと、簡単に思い出せる。その時、僕らは彼女が、『ベッドまで移動した』と認識した。幻とか、そういう事じゃない。実際に、そう『認識』した。そう認識している僕らの目の前で、彼女はその場を動かず、その場で話をしていた。
原理なんて分からない。どうやったとか、どういう魔術かとか、全く分からない。ただ、僕らの認識と、彼女の行動が、ずれていた。
「貴女は……一体……」
「あら?まだ分からない?まあ、ガワは人間だものね」
そう言った彼女は、指を鳴らした。瞬間。僕らは一瞬だけ体の力が抜ける感覚に襲われ、その後、僕らは見知らぬ筈の、白い空間に居た。
見覚えは、無い。だが、謎の既視感がある。
「ここって……前に来た事あったかしら?」
「いや……無い筈だ……」
「何ココ……」
「うん……分からない……」
不意に、後ろから声がする。
「思い出せないのも無理は無いわ。貴方達は不完全な状態で異世界に行ったんですもの」
驚いて後ろを向くと、そこには、言い表しようも無い美女が居た。芸術なんて分からない、素人目にも分かるような程、美しい肉体の美女が居た。例えるなら、『ミロのヴィーナス』のように、これ以上無く完全な『人間』の形だった。
驚きのあまり、振り返った体勢で固まっている僕らに、彼女は自己紹介を始める。
「改めて、自己紹介するわ。私は『繝。繝?ぅ繧「』。この世界の女神よ」
女神。僕らがこの町に来た、一番の目的。聞きたい事はいくつもある。だが、その前に一つ。
「今……なんて発音したんですか?」
「ああ、神としての権能を持たない存在には聞き取れないの。今まで通り、『女神』とでも呼んで頂戴」
僕は「はあ……」と、締まりの無い声を発する。それを見た女神は、クスっと笑ってから、僕らに向けて話し始めた。
「先ず、貴方達の既視感についてかしら……それは、ここからの記憶を見てもらえば分かるわ」
そう言って、女神は僕らに手をかざした。それから一拍置いてから、僕らの頭の中に、かつての記憶がよみがえる。
さっきのは一体なんだ?皆は?ここは?白い。駄目だ。頭が回らない。
ようやく頭のモヤが晴れて来た僕は、周囲の状況を見渡す。兎に角だだっ広い、真っ白な、地平線と空の境界線も分からないような、兎に角白い空間だった。そして、僕と一緒に居た三人も、同じくここに居る。
「皆!」
「う……聡一?」
「大聖、しっかりして!」
「忍……ここは……?」
皆も、今起きたらしい。忍さんを覗く二人は、辺りを見回している。だが、辺りは只々白い空間。何も見つかる筈も無く、僕らは一旦身を寄せ合った。不安を感じると、自然と人は他人を求める。これが普通だ。
だが、ただ近くに寄っただけで、このよく分からない空間に四人だけという、言い表しようも無い不安を拭える訳も無い。誰か居ないかと、再び周りを見回した僕の目に、一つの異物が入り込んだ。
金色。眩い程の黄金。真っ白な背景の中で、その一点だけが存在している。
「皆!アレ見て!」
「何アレ?」
「分からない。だが、ここで蹲っていても変わらん」
「じゃあ、行くしか無いわね」
そうして、僕らは立ち上がった。金色の点に向かって歩き出した。
どれ位歩いただろうか。金色の点は段々と近付き、僕らの目には、それが何かが描画されて行く。人だ。いや、人とは思えない程美しい、まるで芸術品のような完璧さがある、たった一人の女性だった。
「貴女は?」
「私は『繝。繝?ぅ繧「』。貴方達がこれから向かう異世界、『アラティシア』の神よ」
神?今、自分の名前を何と言った?異世界?そんな数え切れない程の疑問が、僕の頭の中を駆け巡る。何も言えずにいる僕らを置いて、女神は淡々と話しを進める。
「貴方達はこれから、貴方達を召喚した人間が住む世界へ向かうのよ。目的は、自ずと分かる筈」
そう言って、女神は手をかざした。僕らは落ちて行く感覚と、もう誰の物かも分からなくなった悲鳴と共に、暗闇へ移動して行った。
今のは何だ?もしかして、僕らがあの世界に向かう前、僕らはここに来ていたのか?なら、何故思い出せない?分からない。
「思い出せたようね」
後ろからした声に振り向くと、女神が立っていた。
「今のは……あの世界に行く前、僕らはここに居たという事ですか?」
「その通りよ。ただ、橋渡しの神のミスで、貴方達はここの事を思い出せずに居たの」
おいおいまた見知らぬ神が出て来たぞ。どうやら、神は複数人居るらしい。だが、ここを思い出せない事に、何か問題があるのだろうか。
「良い質問ね」
僕はその言葉を聞いた直後、驚きを隠せない表情のまま、女神を見た。今、僕は声に出していただろうか。
「神を舐めるんじゃないわよ。人の子の思考位、簡単に読めるわよ」
「じゃあ、今僕らが聞きたい事も分かるんですか?」
僕がそう聞くと、女神はにっこりと笑って、皆を集めた。全員が状況を理解してから、女神は話し始めた。
「じゃあ先程、聡一が言った質問ね。ここを思い出せないままでいる事の問題は、貴方達には特に無いわ。ただ、私達が楽ってだけね」
マジか。それだけか。いや、まあそれだけで良かったけども。
「二つ目は、『元の世界に帰れるか』だったかしら?残念だけど、今は無理ね。貴方達には、その役割がある」
それを聞いた僕の頭の中には、大した驚きも感情も浮かばなかった。いや、この状況が、未だ飲み込めていないだけかも知れない。
『勇者が亜人王を倒す』。神話にも載っていたこの構図には、何か意味があるんだろうか。
「三つ目は、今聡一と大聖が考えた事ね。『勇者と亜人王の構図に意味はあるのか』。かつてはあったけど、今はもう形骸化しているわ。別に知らなくても問題無い事よ」
成程。神話の『亜人王と勇者の戦い』には意味があったが、今は無い。今は無いなら、今知らなくても良いのかも知れない。
ただ、ここに来て、一つの疑問が生まれた。
「「何故ここを思い出せなかったか」」
僕の呟きに被せて、女神がそう言う。思考が読めるというのは本当らしい。
「あら。疑り深いわね。そんなんじゃモテないわよ」
「彼女が居る事位お見通しでしょう?」
僕がそう言うと、女神は不敵に微笑んで、話を始めた。
「異世界に行く人間は、何か一つ、元の世界から持って来れるの。それを持っていると、元の世界とこれから行く世界を、直線で結べるの。貴方達に、その『何か一つ』を渡し忘れたから、貴方達はここを思い出せなかったの。それが決まり。それがルール」
正直、全く頭に入らない。『二つの世界を直線で結ぶ』という事に、果たしてどれだけの意味があるのかが分からない。しかし、一つだけ想像できた物があった。
「渡し忘れが原因でここに呼んだなら、それを渡しでくれるかも」
心臓に悪いから止めてほしい。そんな事を考えながら女神を見たが、相変わらず笑っている。恐ろしい存在だよ神様ってのは。
「畏怖の念を抱いてくれるのは助かるわね。まあ、ここに呼んだのはそれが目的だもの。当然渡すわ」
そう言って、女神は再び手をかざした。その瞬間、僕らの目の前に、光の玉が現れた。それは次第に形を作り、段々何かが分かって来る。
「これって……」
「何を渡すかは、私が勝手に選ばせてもらったわ。なるべく便利な物を渡したつもりよ」
僕の光は、僕が向こうの世界で使っていた皿になった。諒子のは、諒子の家にあった刀に。大聖のは、大聖の部屋に砂時計に。忍さんのは、忍さんが使っていた水筒に。
諒子はその刀を見た途端、泣き始めてしまった。僕は諒子の背中を撫でながら、女神の話に耳を傾ける。
「父さん……母さん……」
「それらは、決して傷ついたり汚れたりしないようにしたわ。まあ、ちょっと便利になった程度に思って頂戴」
これがあると管理が楽だとか言っていたし、そういう事だろう。僕がそう考えていると、女神が「察しが良くて助かるわ」と言った。心臓に悪いから止めてくれよ。
そんな事を考えていると、忍さんが女神に質問した。女神はやはり、忍さんの言葉に合わせる。
「「なんで、今のタイミングだったんですか?」」
この女神サマの癖なんだろうか。まあ、僕らが驚くだけだ。もう諦めよう。
「神事には意味があるわ。貴方達があの町に来た日を真ん中にした三日間は、私と人の世の繋がりが強くなる日なの。だから、人の世に居る貴方達と接触できたの」
「人の体を通したのはなんでですか?」
「神の体が直接浮世に描画されるには、膨大なエネルギーが要るの。今の私には、流石に無理があったからね」
忍さんのその質問も終わると、一瞬の沈黙が流れた。女神は僕らを見回し、一つ溜息を吐いてから、僕らに手をかざした。
「もう質問も無いようだし、そろそろアラティシアに帰すわ。亜人王退治、頑張ってね」
何か言おうとしたが、こういう時に限って、何も言えない。言葉が出て来ない。僕らはそのまま、かつて味わった、落ちて行く感覚と共に、暗い空間に移動した。
気付くと、僕らはどこかのベッドに寝かされていた。夢だったのかと一瞬思ったが、僕は直ぐに、そうではない事を思い知った。枕元には、あの空間で渡された皿があった。
「夢じゃ……ない……か」
それを理解すると同時に、僕は目頭が熱くなるのを感じた。女神と接触し、元の世界に戻る。この二か月、それを目標に頑張って来た。その望みが潰えたのだ。あの時間に感じなかった負担が、今、この狭い背中に圧し掛かっている。
いや、気持ちを切り替えよう。今悔やんだってどうしようも無い。それに、まだ望みは消えていない。魔王と話し、元の世界に帰る手段を探す。
正直、それは都合が良いと思う。そんな事がある訳が無い。ただ、そう思いたい。そう思って、希望を絶やさないようにしたい。僕は無理矢理に上を向き、目から零れそうな涙を精一杯堪えた。
「聡一?」
「諒子。起きたんだね」
「ええ。皆も起きたみたいよ」
諒子の向こうのベッドを見ると、大聖と忍さんが、それぞれの目を擦っている。
三人共、枕元にはあの空間で渡された物が置かれていた。それを見つけた皆は、それぞれの物を胸に抱き、お互いの顔を見合った。
「夢じゃない……だよな」
「うん。僕らは今は、地球に帰れない」
「なら、まだ進もう」
「それしか無いわ。次の目的地はどこだったかしら?」
僕らが次に向かうのは、『サージリア』。亜人の国、次の大陸だ。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる