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#8 むらさきかがみ
#8ー5 その代償は
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血を用いた術で消費するのは、使った者の存在で、それは決して回復しない。使えば体は弱り、やがて死に至るそうだ。
しかし、『存在』とはどういう事なのか、未だに分かっていない。分かっているのは、『使えば弱る』事だけ。何故弱るのか、そもそも、どうして弱るのかが分かっていない。
と言うよりかは、血を用いた術に関する記述は、遥か昔、平安の世で掛かれたとされる、著者も不明な一つの書物に書かれていた事以外は、何も無いのだ。
試した人間は無数に居る。しかし、自身で感知できる霊力と異なる、『存在』という何かを消費する術は、誰も成功する事が無かった。
少なくとも、公に行われた実験では。
一週間程経ち、八谷家から連絡が入った俺達は、『解析が終わったにしては少し早いな』と思いながら、八谷家に向かった。どうやら鏡に、何かが書かれていたのが発見されたらしい。
「隠すでもなく小さく書くだけって、まるで小学生だね」
「どういう考えの下の行動なのか、全く分からないな」
「何が書いてあるかにもよりますけどね。まあ、聞いてみてのお楽しみです」
八谷家の中には、既に複数名の退魔師が集まっており、鏡の破片に、何か術が残されていないかを解析しているようだった。道子さんは俺達を笑顔で出迎えてくれた。
「い、一週間振り!ごめんね。急に……」
「大丈夫だよみっちゃん。どうせ予定が入る事も稀だしね」
それを先生が言うのか。この中で唯一まともに収入を得ようとしていない先生が。
道子さんは「じゃ、じゃあ、早速」と言って、一枚の写真を取り出した。どうやら、鏡の破片のが拡大された写真のようだ。俺達はそこに書かれた文を読んで、やはり首を傾げた。
「『廻れ廻れ』?何が?」
「そ、それが分からないんだ。今、他の破片にも残されていないかをチェックしてるんだ」
廻る。一度変わって。また元の状態へ。戻る。何かが。廻る。いつの日か。
俺は何を考えている?何かがおかしい。この文を見た瞬間から……いや、この感覚は初めてじゃない。一週間前、むらさきかがみの破片を見つけた時と同じような感覚だ。何かがおかしい。何か、とても根本的な物が。
ああ、頭が重い。何でだろう。俺はその感覚に身を任せ、体勢を崩す。
「八神さん、危ないですよ」
倒れかかった俺の肩を支えたのは、如月透哉さんだった。俺はその瞬間に、少しだけ正気に戻って、自分の体勢を元に戻した。
「大丈夫ですか?何やら様子が変でしたが」
「立ち眩みかな……大丈夫ですよ」
やはり、頭の中の違和感が消えない。何かがおかしい。その何かが分からない。何がおかしいのか、全く分からない。まるで目の前に透明な彫像が置かれているようだ。
いや、今は止めておこう。今考えても仕方が無い。俺は頭の中を一旦リセットして、現在の問題に臨む。
「で、今回の用件は何ですか?」
「や、八神君の術式なら、鏡に残った思念を読み取れるでしょ?それで、多少何かが分かるかもって思って……」
ギエルがそんな証拠を残しているとは思えないけどな。まあでも、むらさきかがみ本体の思念に触れないようにすれば、何か残されているかを探った上で、残されていた映像を見れるかも知れない。試す価値はあるな。
「分かりました。じゃあ、その文字が書かれていたという破片を貸してください」
「わ、分かった。ちょっと待ってて」
道子さんは退魔師達の方へ歩いて行くと、一つの箱を受け取って戻って来た。箱には、お札が乱雑に貼り付けられている。
「あ、安全性の為だから、箱越しになっちゃうけど……」
「大丈夫な筈です。時間は掛かるでしょうけどね。英祐、補助してくれ」
「分かったよ」
俺は箱に手を触れ、術式を発動する。慎重に、慎重に。一歩間違えば、俺はこの破片に込められた言霊の力に押しつぶされるだろう。
俺は目を閉じて集中する。頭の中に、無数の情報が流れ込み、そして過ぎ去って行く。俺はその情報の濁流の中に、ギエルの姿を探す。間違った物に意識を向ければ終わりだ。集中しろ。冷静に、落ち着いて、慎重に……
俺はほんの一瞬、ギエルの姿が瞼の裏に浮かんだ。俺はその姿に意識を集中させ、破片に残された思念を読み取ろうとする。
それが間違いだった。俺の意識は遠のき、やがて消えた。
目が覚めると、俺は見知らぬ白い空間の中に居た。どこまでも白く、地平線も足場のように見える物も無い、ただ白いだけの空間に、俺は立っている。
「どうやら、成功したようですね」
聞き覚えのある声に、俺は身構える。ギエルの声だ。どこから聞こえている?全ての方向から聞こえたような気がするし、全ての方向に、奴の霊力を感じる。『成功した』という発言から察するに、俺は既に、奴の術中らしい。
ならば何をしても無駄だろう。俺は構えを解き、周囲を見渡す。
「いつもは顔を見せてくれるのに、今日は駄目なのか?冷たいな」
「いつもなら良いのですが、今回は少し特殊な状況でして。私の部下に助けてもらって、一時だけ、私と貴方が、完全に二人きりでお喋りできる場を設けたのですよ」
対話対話って、コイツはいつもそうだな。相手を納得させる事の重要さは理解しているつもりだが、こうも何度も挑戦するのは、全く理解できない。
「話しましょう。貴方の今の状態について」
「前に言っていた、『協会が嘘を吐いている』って奴か?」
「ええ。その通りです。貴方の状態を正常に判断できるのは、私達だけですからね」
低く見られた物だな。俺でも俺の状態が分からないと言うのか。自己管理もできないバカだと思われてるのか?
しかし、俺の体質については、俺も全く分かっていない。ここは何も言うまい。
「八神蒼佑さん。貴方の体質は、何に起因する物だとお考えですか?」
「生まれつき……じゃないな。体は弱ってたのに、霊力で無理矢理動かしてた影響か?」
「惜しいですが、違いますね。我々はその体質を、封印の代償と考えております」
封印?何の?俺が封印した怪異は居るが、この体質には、怪異を封印するより前になっている。何もおかしな所は無い筈だ。
「何の封印だ?」
「貴方自身の」
「はっ。聞く気も失せる妄言だな」
「貴方、自身の体質について、人間離れしていると思った事は?」
俺は一瞬黙ってしまう。それが相手にとっては答えと同義だったらしく、ギエルは続きを話し始める。
「その『人間離れしている』のが、貴方本来の能力なんですよ。それ以外の部分は、封印されているだけです」
「言っておくが、自分に何かの術が行使されているかどうか位は判断できる。怪しい新興宗教の真似事は他所でやるんだな」
「なら試してみよう」
直ぐ後ろからした声に振り向くのと、俺の顔面が鷲掴みにされるのは、ほぼ同時の出来事だった。俺は霊力で身体を強化しようとするが、何故か霊力が上手く操れず、霧散する。
「今、貴方に掛けられた術を解きます。安心してください。少し痛むだけです」
その瞬間、ギエルの掌から俺に、霊力が流れ込んで来た。俺は激痛に苛まれるが、動く事ができない。
何かが変わる。変化する。戻る。廻る。違和感が晴れる。気分が良い。
俺の意識はそこで途切れ、残ったのは、頭をかきまわされるような激痛だけだとなった。
しかし、『存在』とはどういう事なのか、未だに分かっていない。分かっているのは、『使えば弱る』事だけ。何故弱るのか、そもそも、どうして弱るのかが分かっていない。
と言うよりかは、血を用いた術に関する記述は、遥か昔、平安の世で掛かれたとされる、著者も不明な一つの書物に書かれていた事以外は、何も無いのだ。
試した人間は無数に居る。しかし、自身で感知できる霊力と異なる、『存在』という何かを消費する術は、誰も成功する事が無かった。
少なくとも、公に行われた実験では。
一週間程経ち、八谷家から連絡が入った俺達は、『解析が終わったにしては少し早いな』と思いながら、八谷家に向かった。どうやら鏡に、何かが書かれていたのが発見されたらしい。
「隠すでもなく小さく書くだけって、まるで小学生だね」
「どういう考えの下の行動なのか、全く分からないな」
「何が書いてあるかにもよりますけどね。まあ、聞いてみてのお楽しみです」
八谷家の中には、既に複数名の退魔師が集まっており、鏡の破片に、何か術が残されていないかを解析しているようだった。道子さんは俺達を笑顔で出迎えてくれた。
「い、一週間振り!ごめんね。急に……」
「大丈夫だよみっちゃん。どうせ予定が入る事も稀だしね」
それを先生が言うのか。この中で唯一まともに収入を得ようとしていない先生が。
道子さんは「じゃ、じゃあ、早速」と言って、一枚の写真を取り出した。どうやら、鏡の破片のが拡大された写真のようだ。俺達はそこに書かれた文を読んで、やはり首を傾げた。
「『廻れ廻れ』?何が?」
「そ、それが分からないんだ。今、他の破片にも残されていないかをチェックしてるんだ」
廻る。一度変わって。また元の状態へ。戻る。何かが。廻る。いつの日か。
俺は何を考えている?何かがおかしい。この文を見た瞬間から……いや、この感覚は初めてじゃない。一週間前、むらさきかがみの破片を見つけた時と同じような感覚だ。何かがおかしい。何か、とても根本的な物が。
ああ、頭が重い。何でだろう。俺はその感覚に身を任せ、体勢を崩す。
「八神さん、危ないですよ」
倒れかかった俺の肩を支えたのは、如月透哉さんだった。俺はその瞬間に、少しだけ正気に戻って、自分の体勢を元に戻した。
「大丈夫ですか?何やら様子が変でしたが」
「立ち眩みかな……大丈夫ですよ」
やはり、頭の中の違和感が消えない。何かがおかしい。その何かが分からない。何がおかしいのか、全く分からない。まるで目の前に透明な彫像が置かれているようだ。
いや、今は止めておこう。今考えても仕方が無い。俺は頭の中を一旦リセットして、現在の問題に臨む。
「で、今回の用件は何ですか?」
「や、八神君の術式なら、鏡に残った思念を読み取れるでしょ?それで、多少何かが分かるかもって思って……」
ギエルがそんな証拠を残しているとは思えないけどな。まあでも、むらさきかがみ本体の思念に触れないようにすれば、何か残されているかを探った上で、残されていた映像を見れるかも知れない。試す価値はあるな。
「分かりました。じゃあ、その文字が書かれていたという破片を貸してください」
「わ、分かった。ちょっと待ってて」
道子さんは退魔師達の方へ歩いて行くと、一つの箱を受け取って戻って来た。箱には、お札が乱雑に貼り付けられている。
「あ、安全性の為だから、箱越しになっちゃうけど……」
「大丈夫な筈です。時間は掛かるでしょうけどね。英祐、補助してくれ」
「分かったよ」
俺は箱に手を触れ、術式を発動する。慎重に、慎重に。一歩間違えば、俺はこの破片に込められた言霊の力に押しつぶされるだろう。
俺は目を閉じて集中する。頭の中に、無数の情報が流れ込み、そして過ぎ去って行く。俺はその情報の濁流の中に、ギエルの姿を探す。間違った物に意識を向ければ終わりだ。集中しろ。冷静に、落ち着いて、慎重に……
俺はほんの一瞬、ギエルの姿が瞼の裏に浮かんだ。俺はその姿に意識を集中させ、破片に残された思念を読み取ろうとする。
それが間違いだった。俺の意識は遠のき、やがて消えた。
目が覚めると、俺は見知らぬ白い空間の中に居た。どこまでも白く、地平線も足場のように見える物も無い、ただ白いだけの空間に、俺は立っている。
「どうやら、成功したようですね」
聞き覚えのある声に、俺は身構える。ギエルの声だ。どこから聞こえている?全ての方向から聞こえたような気がするし、全ての方向に、奴の霊力を感じる。『成功した』という発言から察するに、俺は既に、奴の術中らしい。
ならば何をしても無駄だろう。俺は構えを解き、周囲を見渡す。
「いつもは顔を見せてくれるのに、今日は駄目なのか?冷たいな」
「いつもなら良いのですが、今回は少し特殊な状況でして。私の部下に助けてもらって、一時だけ、私と貴方が、完全に二人きりでお喋りできる場を設けたのですよ」
対話対話って、コイツはいつもそうだな。相手を納得させる事の重要さは理解しているつもりだが、こうも何度も挑戦するのは、全く理解できない。
「話しましょう。貴方の今の状態について」
「前に言っていた、『協会が嘘を吐いている』って奴か?」
「ええ。その通りです。貴方の状態を正常に判断できるのは、私達だけですからね」
低く見られた物だな。俺でも俺の状態が分からないと言うのか。自己管理もできないバカだと思われてるのか?
しかし、俺の体質については、俺も全く分かっていない。ここは何も言うまい。
「八神蒼佑さん。貴方の体質は、何に起因する物だとお考えですか?」
「生まれつき……じゃないな。体は弱ってたのに、霊力で無理矢理動かしてた影響か?」
「惜しいですが、違いますね。我々はその体質を、封印の代償と考えております」
封印?何の?俺が封印した怪異は居るが、この体質には、怪異を封印するより前になっている。何もおかしな所は無い筈だ。
「何の封印だ?」
「貴方自身の」
「はっ。聞く気も失せる妄言だな」
「貴方、自身の体質について、人間離れしていると思った事は?」
俺は一瞬黙ってしまう。それが相手にとっては答えと同義だったらしく、ギエルは続きを話し始める。
「その『人間離れしている』のが、貴方本来の能力なんですよ。それ以外の部分は、封印されているだけです」
「言っておくが、自分に何かの術が行使されているかどうか位は判断できる。怪しい新興宗教の真似事は他所でやるんだな」
「なら試してみよう」
直ぐ後ろからした声に振り向くのと、俺の顔面が鷲掴みにされるのは、ほぼ同時の出来事だった。俺は霊力で身体を強化しようとするが、何故か霊力が上手く操れず、霧散する。
「今、貴方に掛けられた術を解きます。安心してください。少し痛むだけです」
その瞬間、ギエルの掌から俺に、霊力が流れ込んで来た。俺は激痛に苛まれるが、動く事ができない。
何かが変わる。変化する。戻る。廻る。違和感が晴れる。気分が良い。
俺の意識はそこで途切れ、残ったのは、頭をかきまわされるような激痛だけだとなった。
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