怪しい二人 夢見る文豪と文学少女

暇神

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#2 金剛級昇格試験

#2ー8 解決

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 年の瀬も押し詰まってきた。明日から二泊三日の旅に出る。行き先は、海に面した洞窟風呂のある温泉旅館。何年ぶりだろう?子供の頃、家族旅行で来て気に入り、結婚してから家人を誘って二人で来た。今回は、その後生まれた子も一緒。車で行きにくいので、家人は乗り気ではない様子だが、一度、野外活動クラブの合宿で泊まったことがある我が子は、「あ~あそこ?」と喜んでいる。
 宿泊先の近くにある世界遺産に登録されたところにも行きたい。子供の頃、訪れた時には、「滝なんか見たってつまらない」と思ったものだが、その滝をもう一度見たい。同じく、「何で、家族旅行で神社?」と思った神社も見てみたい。今の瑠紅が、その滝を、そしてその神社を見たら、どんな感想を抱くだろう?そんなところへ家族を連れて行った、今は亡き父親の気持ちが、今の瑠紅なら分かるだろうか?色々と楽しみである。瑠紅の過去と現在、そして未来をつなぐ旅路になればいいと思う。
 なんでそんなこと考えるかというと、来月、異動があるからだ。異動先の発表は、年明けになる。勤務先が受託しているところとの契約が他社に取られ、我らは新年早々追い出しを食らう。他の受託しているところに割り振られるのだが、結構な人数、動くので、希望先に行けるかどうか分からないし、誰と一緒に動かされるかも分からない。続けるかどうかは異動先が決まってから決めるなんて人もいれば、すでに退職の意を伝え、有休消化に入った人もいる。遠方の職場を打診されたため、転職を決めてきた人もいる。なんて潔い。すがすがしささえ感じる。
 で、「人の人生掛かってるんだから、ゲーム感覚で他社のシマをとるんじゃねえ!」と相手をドヤしたいところだが、「大コケしたらいいのに」とポソッとつぶやくくらいしか出来ない瑠紅は、居残りを表明し、ガチャッと当たりが出るのを待っている。その一方で、世の中、どんな仕事があるか、ネットで探してみたりもする。そこで、気づいたのだが……。
 アルファポリスで、自分の投稿チェックをしていると、画面に広告が出るんだけど、それ、転職サイトのものなんだよね。狙ってる?瑠紅のこと。「ふんふん、どれどれ?」とタップして見てはいるが、これ、「物書きはあきらめて、定職に就きなさい」ってこと?それ、真綿で首を絞めるようなものだね?確かに、前月の確定スコア「2」とかだけどね。来月は「15」かな。桃トラのおかげで、スコア7.5倍増し……って、これで、生活できますか?悪いこと言わないから定職、探しなさいって?いや、定職には就いてるけどね。異動が……。横取りされたんだけど、他社に……。コケてしまえ!えいっ!(←闇魔法かけるの図)
 でも、近頃は、面白い仕事があるんだね。Vチューバーのマネージャー、なんてある。漫画家っていうのもあった。そういうの、求人サイトで探すんだ……。
 情報収集が好きな瑠紅は、条件を変え、あれこれ探す。そこで働いている人は、どんな人なのだろうと考えながら。ふふ、何だか、ぴゅー太になったみたい。そうそう、今回、お蔵入りしていたお話をリメイクし、アルファポリスにUPした。フレンチブルドッグのぴゅう太目線で語られる「ぴゅう太の庭」というお話だ。一時期住んでいたことのある宝塚市を舞台に、その頃に見た情景を交えて描いた作品で、恋愛~婚約~新居探しという男女が出会い結婚に至るまでの一連の流れを疑似体験できるものとなっている。カテゴリーが違う気もするが、恋愛でもライト文芸でもないように思うので、ひとまずキャラ文芸に上げてみた。これで、何スコア貰えるだろうか?
 「行け!ぴゅう太!これでスコア取ってこい!」ジロッ!……あ、すいません。何卒、よろしくお願いします(←低姿勢)。
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