6 / 52
No.2 詠嘆
File:3 アメリカ最強格
しおりを挟む
私達は安い車の中で、暗い外の様子を窺っている。観察している物は勿論、『詠嘆』が保管されている家だ。
「今の内に盗むのは?」
「見た所無理そうだ。詳細は分からんが、とんでもない量の効果が重ね掛けされてやがる。『触んな』ってオーラをビシビシ感じるぜ」
これじゃホームセキュリティ要らずだろう。羨ましい。私も結界術が使えない訳じゃないが、使えた所でどうするみたいな身体能力と魔術だしな……ええいできない事はガン無視しろ。場さえ整えられれば何でもできる魔術じゃないか私のは。
「まぁどちらにせよ、ターゲットが来るのを待っってだな」
「若、本当に行けるんですかい?相手はあのアメリカ最強格……」
「だから何だってんだ!『為せば成る』って日本のことわざもあるだろうが!」
「それには全くの同感です」
その声が聞こえた次の瞬間だった。車体に大きく穴が空けられ、爆発した。私達は間一髪で車から脱出したが、それでもやはり、黒スーツのお兄さんが一人、爆発に巻き込まれた。
「場数は踏んでいるようですね」
炎上する車の残骸から、一人の女性が出て来る。彼女こそ、アメリカ最強と謳われる魔術師、ミッシェル・ウェスティンだ。
「これがコミックなら、奴は間違い無くスーパーヒーローだな」
「で、私達は小物のヴィランかな?」
「分かってるなら良いでしょう。投降すれば、命は取りません」
こっちの勝ち筋は、車の中から一斉に飛び出し、状況を整理するより先に攻撃、拘束を済ませ、その後に私の魔術で仕留めるか、正面から戦い、何とか隙を突いて私の魔術を使うかの二択だった。後者は失敗濃厚だから、私達の本命は前者だった。だがそれも、今ので潰された。
だが、諦めるには早い。『後者は失敗濃厚』と言ったが、それも覆してしまえば良い。立体主義の作品も、最初は批判されていたそうだ。だが今では立派な芸術として讃えられている。この世の様々な物は、覆る余地がある!
「君の絵画を奪いに来たんだ。それは無理かな」
「……愚かですね」
「コミックの悪役なんてそんなモンだろ?」
「そして、決まってヒーローに負ける物です」
来る。そう考えた瞬間、私の胸に穴が開いた……と思った。強い衝撃で体は吹き飛ばされたが、予め胸に仕込んでおいた胸当てのお陰で、穴は開かずに済んだ。まあ、もう使い物にはならなくなったけど。
だがとんでもない威力だ。呼吸すら苦しい。痛い。咳が止まらない。視界がぼやけて……
「用意が良いですね」
「そっちは用意が悪いなぁ!」
ジョセフ君は黒服のお兄さん達と共に銃を乱射するが、それも全て金属の壁に防がれる。金属を操る魔術。ここまで厄介とは思わなかった。受け止めた弾丸も壁の中に取り込まれていく。
「用意が……何と言いましたか?」
「クソッ!テメェら!打ち続け……」
「そういうのには辟易しています」
黒服のお兄さん達は、金属の槍……いや触手と呼ぶのが正解だろう……に貫かれた。ジョセフ君は瞬時に防御魔術を展開し、貫通は避けたようだが。
せめて涙さえ止まってくれれば、今の隙に魔術を使用して終わりなのに……私達の唯一のアドバンテージだった、人数さえ消え去った。今あるのは、私とジョセフ君、後は少々の近代兵器だけだ。だがそのジョセフ君も、もう殺される寸前だ。身体強化魔術を使ったのであろうミッシェルは、一瞬でジョセフ君の背後に回り、彼の目元を手で覆った。彼女はそのまま彼の喉元に金属の槍を向ける。
「君は反応が良いだけで魔術師としては見習い程度、あそこの彼女は一般人。それももう動けない……再度言いましょう。投降しなさい。命だけは奪わないでおいてあげます」
「嫌だね」
「そうですか死んでください」
女性は金属の槍で、ジョセフ君の喉を突き刺した。ジョセフ君の喉には大きな風穴が開き、そこから血が漏れ出ていく。やがてジョセフ君の体が動かなくなった頃、ミッシェルは私の背後に周り、私の目を手で覆った。
「アレらと協力関係を築いていた割に、一般人……脅されていたようにも見えない……貴女は一度拘束します。良いですね?」
この人、私と同じ系統の魔術を使う人と戦った経験でもあるんだろうか。大分マイナーな魔術なのに、面白い偶然もある物だ。
「嫌だ……なんて言える立場じゃなさそうだね」
「分かっているようですね。手を後ろに回してください」
私は言われた通り、自分の両手を後ろに回す。すると冷たい物……金属で両手が固定された。
「ねぇ。『魔女の絵画』っていうのを持っているのは、貴女で合っているかな?」
「……答える義務はありません」
それはほぼ肯定なんだけどなぁ。この人、やっぱりちょっとかわいいかも。ああでも、簡単に人を殺すような感じだしな……前言撤回しとこう。性格は生真面目。色も透き通るように綺麗だ。それだけに、残念だなぁ。
「それを集めているのはなんで?」
「ですから、答える義務は……」
今私がやるべきは、多分時間稼ぎだろう。ちょっと煽って乱すかな。私は協会の資料の端に書かれていた事から推測できる、極めて簡単な事を口にする。
「死んだ恋人を生き返らせたいのかな?」
「……口を閉じてください。これは警告です」
言葉に怒りが混じっているな。色も若干赤色が混ざっている。効果アリって所かな。
「死因は何だったかな?」
「口を閉じてください」
「聞いた話だと、魔術師の一団との戦闘に向かったんだっけ?」
「口を……閉じてください」
「それで、恋人を庇って重症……その後、庇った恋人の目の前で拷問されて……」
「黙れ」
そこで、私の背筋は凍るように冷たくなった。冷や汗が吹き出し、悪意と殺意が混ざったような色が、私の視界を染め上げる。だが、まだソフィアは想定外の事態に遭ってはいないようだ。もう一押ししておこう。
「糞尿に涎を垂れ流し血まみれながら……」
「黙れ。まだ死にたくはないでしょう」
あと一押し。私は今日一番の興奮を声に混ぜ、思い切り口に出してみる。
「惨めったらしく死んだらしいねぇ」
突如、私の肩に鋭い痛みと熱が走る。多分穴が開いている。彼女の表情はきっと赤黒く染まっている事だろう。彼女は怒りと憎しみを隠そうとしない声を発しながら、私の肩を抉り続ける。
「黙れ。黙れ黙れ黙れ。貴女の生殺与奪は私が握っている。黙れ。彼を侮辱するな。黙れ」
痛い。痛い。それだけを感じ続けている。ああでも、それは外からの情報だ。私の内側には、絶えず興奮と愉悦が渦巻いている。ああでも、そろそろ時間稼ぎも十分か。
「私は……それでも良いけどさ……」
「黙れ」
「ちゃんと……死亡確認は……しなきゃじゃない……かな……?」
次の瞬間、ミッシェルの手が私の目元から離れ、私の視界が開けた。私は背後のミッシェルを視界に捉えながら、大きく後退する。正直助かった。あと少し遅かったら、私は本当に死んでいたかも知れない。後で彼には、お礼を言うべきだろうな。
「貴様……何故……」
「『答える義理はありません』」
ミッシェルを吹き飛ばした人物……ジョセフ君は余裕そうな笑みに加え、煽る意図たっぷりの声でそう言った。ミッシェルは怒り心頭といった様子で、私達を睨んでいる。
「殺してやる」
「やってみやがれ三流ヒーロー!」「悪いがまだ死ぬ気は無い」
「今の内に盗むのは?」
「見た所無理そうだ。詳細は分からんが、とんでもない量の効果が重ね掛けされてやがる。『触んな』ってオーラをビシビシ感じるぜ」
これじゃホームセキュリティ要らずだろう。羨ましい。私も結界術が使えない訳じゃないが、使えた所でどうするみたいな身体能力と魔術だしな……ええいできない事はガン無視しろ。場さえ整えられれば何でもできる魔術じゃないか私のは。
「まぁどちらにせよ、ターゲットが来るのを待っってだな」
「若、本当に行けるんですかい?相手はあのアメリカ最強格……」
「だから何だってんだ!『為せば成る』って日本のことわざもあるだろうが!」
「それには全くの同感です」
その声が聞こえた次の瞬間だった。車体に大きく穴が空けられ、爆発した。私達は間一髪で車から脱出したが、それでもやはり、黒スーツのお兄さんが一人、爆発に巻き込まれた。
「場数は踏んでいるようですね」
炎上する車の残骸から、一人の女性が出て来る。彼女こそ、アメリカ最強と謳われる魔術師、ミッシェル・ウェスティンだ。
「これがコミックなら、奴は間違い無くスーパーヒーローだな」
「で、私達は小物のヴィランかな?」
「分かってるなら良いでしょう。投降すれば、命は取りません」
こっちの勝ち筋は、車の中から一斉に飛び出し、状況を整理するより先に攻撃、拘束を済ませ、その後に私の魔術で仕留めるか、正面から戦い、何とか隙を突いて私の魔術を使うかの二択だった。後者は失敗濃厚だから、私達の本命は前者だった。だがそれも、今ので潰された。
だが、諦めるには早い。『後者は失敗濃厚』と言ったが、それも覆してしまえば良い。立体主義の作品も、最初は批判されていたそうだ。だが今では立派な芸術として讃えられている。この世の様々な物は、覆る余地がある!
「君の絵画を奪いに来たんだ。それは無理かな」
「……愚かですね」
「コミックの悪役なんてそんなモンだろ?」
「そして、決まってヒーローに負ける物です」
来る。そう考えた瞬間、私の胸に穴が開いた……と思った。強い衝撃で体は吹き飛ばされたが、予め胸に仕込んでおいた胸当てのお陰で、穴は開かずに済んだ。まあ、もう使い物にはならなくなったけど。
だがとんでもない威力だ。呼吸すら苦しい。痛い。咳が止まらない。視界がぼやけて……
「用意が良いですね」
「そっちは用意が悪いなぁ!」
ジョセフ君は黒服のお兄さん達と共に銃を乱射するが、それも全て金属の壁に防がれる。金属を操る魔術。ここまで厄介とは思わなかった。受け止めた弾丸も壁の中に取り込まれていく。
「用意が……何と言いましたか?」
「クソッ!テメェら!打ち続け……」
「そういうのには辟易しています」
黒服のお兄さん達は、金属の槍……いや触手と呼ぶのが正解だろう……に貫かれた。ジョセフ君は瞬時に防御魔術を展開し、貫通は避けたようだが。
せめて涙さえ止まってくれれば、今の隙に魔術を使用して終わりなのに……私達の唯一のアドバンテージだった、人数さえ消え去った。今あるのは、私とジョセフ君、後は少々の近代兵器だけだ。だがそのジョセフ君も、もう殺される寸前だ。身体強化魔術を使ったのであろうミッシェルは、一瞬でジョセフ君の背後に回り、彼の目元を手で覆った。彼女はそのまま彼の喉元に金属の槍を向ける。
「君は反応が良いだけで魔術師としては見習い程度、あそこの彼女は一般人。それももう動けない……再度言いましょう。投降しなさい。命だけは奪わないでおいてあげます」
「嫌だね」
「そうですか死んでください」
女性は金属の槍で、ジョセフ君の喉を突き刺した。ジョセフ君の喉には大きな風穴が開き、そこから血が漏れ出ていく。やがてジョセフ君の体が動かなくなった頃、ミッシェルは私の背後に周り、私の目を手で覆った。
「アレらと協力関係を築いていた割に、一般人……脅されていたようにも見えない……貴女は一度拘束します。良いですね?」
この人、私と同じ系統の魔術を使う人と戦った経験でもあるんだろうか。大分マイナーな魔術なのに、面白い偶然もある物だ。
「嫌だ……なんて言える立場じゃなさそうだね」
「分かっているようですね。手を後ろに回してください」
私は言われた通り、自分の両手を後ろに回す。すると冷たい物……金属で両手が固定された。
「ねぇ。『魔女の絵画』っていうのを持っているのは、貴女で合っているかな?」
「……答える義務はありません」
それはほぼ肯定なんだけどなぁ。この人、やっぱりちょっとかわいいかも。ああでも、簡単に人を殺すような感じだしな……前言撤回しとこう。性格は生真面目。色も透き通るように綺麗だ。それだけに、残念だなぁ。
「それを集めているのはなんで?」
「ですから、答える義務は……」
今私がやるべきは、多分時間稼ぎだろう。ちょっと煽って乱すかな。私は協会の資料の端に書かれていた事から推測できる、極めて簡単な事を口にする。
「死んだ恋人を生き返らせたいのかな?」
「……口を閉じてください。これは警告です」
言葉に怒りが混じっているな。色も若干赤色が混ざっている。効果アリって所かな。
「死因は何だったかな?」
「口を閉じてください」
「聞いた話だと、魔術師の一団との戦闘に向かったんだっけ?」
「口を……閉じてください」
「それで、恋人を庇って重症……その後、庇った恋人の目の前で拷問されて……」
「黙れ」
そこで、私の背筋は凍るように冷たくなった。冷や汗が吹き出し、悪意と殺意が混ざったような色が、私の視界を染め上げる。だが、まだソフィアは想定外の事態に遭ってはいないようだ。もう一押ししておこう。
「糞尿に涎を垂れ流し血まみれながら……」
「黙れ。まだ死にたくはないでしょう」
あと一押し。私は今日一番の興奮を声に混ぜ、思い切り口に出してみる。
「惨めったらしく死んだらしいねぇ」
突如、私の肩に鋭い痛みと熱が走る。多分穴が開いている。彼女の表情はきっと赤黒く染まっている事だろう。彼女は怒りと憎しみを隠そうとしない声を発しながら、私の肩を抉り続ける。
「黙れ。黙れ黙れ黙れ。貴女の生殺与奪は私が握っている。黙れ。彼を侮辱するな。黙れ」
痛い。痛い。それだけを感じ続けている。ああでも、それは外からの情報だ。私の内側には、絶えず興奮と愉悦が渦巻いている。ああでも、そろそろ時間稼ぎも十分か。
「私は……それでも良いけどさ……」
「黙れ」
「ちゃんと……死亡確認は……しなきゃじゃない……かな……?」
次の瞬間、ミッシェルの手が私の目元から離れ、私の視界が開けた。私は背後のミッシェルを視界に捉えながら、大きく後退する。正直助かった。あと少し遅かったら、私は本当に死んでいたかも知れない。後で彼には、お礼を言うべきだろうな。
「貴様……何故……」
「『答える義理はありません』」
ミッシェルを吹き飛ばした人物……ジョセフ君は余裕そうな笑みに加え、煽る意図たっぷりの声でそう言った。ミッシェルは怒り心頭といった様子で、私達を睨んでいる。
「殺してやる」
「やってみやがれ三流ヒーロー!」「悪いがまだ死ぬ気は無い」
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
午後の紅茶にくちづけを
TomonorI
キャラ文芸
"…こんな気持ち、間違ってるって分かってる…。…それでもね、私…あなたの事が好きみたい"
政界の重鎮や大御所芸能人、世界をまたにかける大手企業など各界トップクラスの娘が通う超お嬢様学校──聖白百合女学院。
そこには選ばれた生徒しか入部すら認められない秘密の部活が存在する。
昼休みや放課後、お気に入りの紅茶とお菓子を持ち寄り選ばれし7人の少女がガールズトークに花を咲かせることを目的とする──午後の紅茶部。
いつも通りガールズトークの前に紅茶とお菓子の用意をしている時、一人の少女が突然あるゲームを持ちかける。
『今年中に、自分の好きな人に想いを伝えて結ばれること』
恋愛の"れ"の字も知らない花も恥じらう少女達は遊び半分でのっかるも、徐々に真剣に本気の恋愛に取り組んでいく。
女子高生7人(+男子7人)による百合小説、になる予定。
極力全年齢対象を目標に頑張っていきたいけど、もしかしたら…もしかしたら…。
紅茶も恋愛もストレートでなくても美味しいものよ。
デリバリー・デイジー
SoftCareer
キャラ文芸
ワケ有りデリヘル嬢デイジーさんの奮闘記。
これを読むと君もデリヘルに行きたくなるかも。いや、行くんじゃなくて呼ぶんだったわ……あっ、本作品はR-15ですが、デリヘル嬢は18歳にならないと呼んじゃだめだからね。
※もちろん、内容は百%フィクションですよ!
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
後拾遺七絃灌頂血脉──秋聲黎明の巻──
国香
キャラ文芸
これは小説ではない。物語である。
平安時代。
雅びで勇ましく、美しくおぞましい物語。
宿命の恋。
陰謀、呪い、戦、愛憎。
幻の楽器・七絃琴(古琴)。
秘曲『広陵散』に誓う復讐。
運命によって、何があっても生きなければならない、それが宿命でもある人々。決して死ぬことが許されない男……
平安時代の雅と呪、貴族と武士の、楽器をめぐる物語。
─────────────
『七絃灌頂血脉──琴の琴ものがたり』番外編
麗しい公達・周雅は元服したばかりの十五歳の少年。それでも、すでに琴の名手として名高い。
初めて妹弟子の演奏を耳にしたその日、いつもは鬼のように厳しい師匠が珍しくやさしくて……
不思議な幻想に誘われる周雅の、雅びで切ない琴の説話。
彼の前に現れた不思議な幻は、楚漢戦争の頃?殷の後継国?
本編『七絃灌頂血脉──琴の琴ものがたり』の名琴・秋声をめぐる過去の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる