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第五話 トラウマ克服!?ゴブリン退治 ~チャプター6~
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―――オレが生まれたのは、貧しくも穏やかな小さい村。両親と3人で暮らしていた。
ある日、子供だった頃のオレがひとりで出歩いてるときに誤って村から出てしまい、そこで一匹のゴブリンと遭遇した。
オレは腰を抜かしその場を動けなくなってしまったが、その時ゴブリンに向かって絞り出すようにこう言い放った―――
「ど、どっか行けぇ…」
そうすると、オレを威嚇していたゴブリンが急に大人しくなり本当にどこかへと消えてしまったのだ。
すぐに村へと逃げ帰ったが、その後冷静になって考えてみるとモンスターがオレの言う事を素直に聞いたのが不思議でならなかった。
次の日、今度はわざと村の外まで出歩き、再びゴブリンに遭遇する。
オレはそのゴブリンに対し、踊れだの逆立ちしろだのと命令した。そしてゴブリンはそれらの悉くを実行して見せたのだ。
オレは確信した。オレはゴブリンを自由に操れるのだ、と。
子供だったオレはそのことを自慢したくて、ゴブリンを村まで連れ帰り、村の皆の前でゴブリンを操って見せた。
そうすると、村の人間のオレを見る目が変わった。まるでオレの事も化け物であるかのように。
当時、獣や魔物を操る魔獣使いは、『魔に連なるもの』として忌み嫌われており、オレの住んでいた村では特にその風潮が大きかったのだ。
次第にオレは両親と共に村八分に遭い、やがて村を追い出された。
別の村へ行く途中の森で野宿する事になったが、朝起きたら両親は居なくなっていた。
オレは、置き去りにされたのだ。
オレは森の中をさ迷い続けた。幸いにもモンスターは弱いのしかいなかったし、その程度ならオレが操れたので命の危険はほぼなかった。
だがある日、オレが遭遇してしまったのは闇ギルドのハンター共だ。オレは奴らに捕まり、奴隷として売り飛ばされそうになった。しかし奴らに連行されてる間、オレは操ったモンスター共を隠れてつけさせていた。
そしてオレの身柄が奴隷商に引き渡されるその時にハンター共を襲わせた。奴隷商の方が「なんでもする」と命乞いしてきたのでオレを用心棒として雇わせた。
その後オレは闇ギルドに身を置き、強盗や暗殺に手を染めながら魔獣使いとしての腕を上げていった。
そしてオレは森へと身を移し、ゴブリンどもを隷属し砦を建てさせ女どもを拉致させていった。オレは女を甚振り続け、飽きた女はゴブリンどもの玩具にしてやるか、上玉は奴隷商に売り飛ばすなどしていた。
そんなことを続けながらも、オレの隷属術の腕はとどまることなく上がり続けた。いずれは獣やモンスターだけでなく、人ですら隷属させられるようになるだろう。
そうしてオレは総ての生物を従わせ、その頂点に立つ男になる。
なるはずだった。―――
***
「キサマァ!何をしたァ!」
メルの隷属術がリーナによって解除されていたことに狼狽え始める黒ずくめの男。
その男の背後に迫る人影。
俺は巨大ゴブリンに突き飛ばされ壁に打ち付けられた後、うずくまりながらも黒ずくめの男の隙を伺っていた。
まさかリーナが隷属術を解くまで行くとは思っていなかったが、お陰で奴に大きな隙が生まれ、背後を取ることが出来た。
けど俺は人間の急所なんてそんなによく知らない。このまま闇雲に短剣を突き刺したところで大してダメージを与えることは出来ないだろう。流石に命まで取るつもりは無いが、ダメージが小さすぎてしまっては無意味だ。
だが今の俺には技がある。ミヤムラさんの講習で教えて貰ったあの技なら、一撃で行動不能まで持っていける!
「うおおおぉッ!」
「何ィッ!」
「ユウヤ!」
男の背中を間合いに捉える!そして―――
「シュッと刺してッ!」
「んグッ…!?」
「捻るぅ!」
「かはッ……」
刃を突き刺し、そのまま傷を抉る。
男は吐血し、その場に倒れた。
俺は数歩後ずさりそのまま座り込んだ。
ある日、子供だった頃のオレがひとりで出歩いてるときに誤って村から出てしまい、そこで一匹のゴブリンと遭遇した。
オレは腰を抜かしその場を動けなくなってしまったが、その時ゴブリンに向かって絞り出すようにこう言い放った―――
「ど、どっか行けぇ…」
そうすると、オレを威嚇していたゴブリンが急に大人しくなり本当にどこかへと消えてしまったのだ。
すぐに村へと逃げ帰ったが、その後冷静になって考えてみるとモンスターがオレの言う事を素直に聞いたのが不思議でならなかった。
次の日、今度はわざと村の外まで出歩き、再びゴブリンに遭遇する。
オレはそのゴブリンに対し、踊れだの逆立ちしろだのと命令した。そしてゴブリンはそれらの悉くを実行して見せたのだ。
オレは確信した。オレはゴブリンを自由に操れるのだ、と。
子供だったオレはそのことを自慢したくて、ゴブリンを村まで連れ帰り、村の皆の前でゴブリンを操って見せた。
そうすると、村の人間のオレを見る目が変わった。まるでオレの事も化け物であるかのように。
当時、獣や魔物を操る魔獣使いは、『魔に連なるもの』として忌み嫌われており、オレの住んでいた村では特にその風潮が大きかったのだ。
次第にオレは両親と共に村八分に遭い、やがて村を追い出された。
別の村へ行く途中の森で野宿する事になったが、朝起きたら両親は居なくなっていた。
オレは、置き去りにされたのだ。
オレは森の中をさ迷い続けた。幸いにもモンスターは弱いのしかいなかったし、その程度ならオレが操れたので命の危険はほぼなかった。
だがある日、オレが遭遇してしまったのは闇ギルドのハンター共だ。オレは奴らに捕まり、奴隷として売り飛ばされそうになった。しかし奴らに連行されてる間、オレは操ったモンスター共を隠れてつけさせていた。
そしてオレの身柄が奴隷商に引き渡されるその時にハンター共を襲わせた。奴隷商の方が「なんでもする」と命乞いしてきたのでオレを用心棒として雇わせた。
その後オレは闇ギルドに身を置き、強盗や暗殺に手を染めながら魔獣使いとしての腕を上げていった。
そしてオレは森へと身を移し、ゴブリンどもを隷属し砦を建てさせ女どもを拉致させていった。オレは女を甚振り続け、飽きた女はゴブリンどもの玩具にしてやるか、上玉は奴隷商に売り飛ばすなどしていた。
そんなことを続けながらも、オレの隷属術の腕はとどまることなく上がり続けた。いずれは獣やモンスターだけでなく、人ですら隷属させられるようになるだろう。
そうしてオレは総ての生物を従わせ、その頂点に立つ男になる。
なるはずだった。―――
***
「キサマァ!何をしたァ!」
メルの隷属術がリーナによって解除されていたことに狼狽え始める黒ずくめの男。
その男の背後に迫る人影。
俺は巨大ゴブリンに突き飛ばされ壁に打ち付けられた後、うずくまりながらも黒ずくめの男の隙を伺っていた。
まさかリーナが隷属術を解くまで行くとは思っていなかったが、お陰で奴に大きな隙が生まれ、背後を取ることが出来た。
けど俺は人間の急所なんてそんなによく知らない。このまま闇雲に短剣を突き刺したところで大してダメージを与えることは出来ないだろう。流石に命まで取るつもりは無いが、ダメージが小さすぎてしまっては無意味だ。
だが今の俺には技がある。ミヤムラさんの講習で教えて貰ったあの技なら、一撃で行動不能まで持っていける!
「うおおおぉッ!」
「何ィッ!」
「ユウヤ!」
男の背中を間合いに捉える!そして―――
「シュッと刺してッ!」
「んグッ…!?」
「捻るぅ!」
「かはッ……」
刃を突き刺し、そのまま傷を抉る。
男は吐血し、その場に倒れた。
俺は数歩後ずさりそのまま座り込んだ。
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