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第五話 トラウマ克服!?ゴブリン退治 ~チャプター4~
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「いやああああッ!ああああああッ!」
「メルッ!」
両手で頭を押さえもがくメル。
黒ずくめの男の隷属術を受けてしまい、自分の意思を保とうと必死に耐えているが―――
「チッ、我が強いせいでまだ足掻きやがる。だがいずれオレ様に逆らえなくなるぜ、ヒャッハハ!」
「メルッ!」
「ダメ!ユウヤ!」
リーナの制止を振り切りメルに駆け寄る。
「来…な…いで…ぅあああッ!!」
メルは爪を伸ばし、近づこうとする俺を払いのける。爪が俺の頬をかすり、傷口から血が滲み出る。
また、爪を伸ばしてしまったことによって折角のデコレーションが剥がれてしまっていた。
「チッ、野郎は邪魔なんだよ!殺れ!デカブツ!」
「グォォッ!」
巨大ゴブリンが俺に打撃をぶちかましてくる!
「んぐっ!」
打撃自体はファストシールドで直撃を防いだが、勢いが強く俺はそのまま弾き飛ばされ壁に打ち付けられてしまう。
「ぐはッ…」
俺はその場に倒れ込んでしまった。
「ユウヤ!」
リーナが俺の方に駆け寄ろうとするが…
「ああああッ!」
メルが放ったファイアバレットによって妨害されてしまう。
「メ…ル…?」
「残念だったな!コイツはもうオレ様の忠実な下僕だぁ!」
「そんな…メル!」
「無駄だァ!お前の声はもうコイツには届かないぜ!」
メルが完全に男の手に堕ちてしまい、リーナは動揺を隠せないでいた。
「みんなゴメン!遅くなっ……、何よ、これ…。」
「何がどうなっていますの?」
引き付けた雑魚を片づけたノルンとシエルが駆け付けるが、二人は目の前の光景に愕然とする。
「チッ、なんだぁ?あの野郎、冴えないツラしてるクセに女ばかり侍らせやがって。」
「はぁ?何言ってんの。アイツはただの下僕よ。」
「ノルンさん、今はそんなことより……」
二人が自体の把握に努めていると、メルの異変に気付く。
「あの方…もしや魔獣使いでは!?」
「あんた……メルに何したの?」
ノルンが鬼気迫る表情で男に問う。
「ん?…ハハハッ、よく見たらおめぇ、アヴァルーのチンパン姫の方じゃねぇか。」
「チンパン姫!?」
シエルがその名を聞いて驚きながらノルンの方を伺う。
「裏ギルドにこいつを見かけた奴がいてなぁ、チンパンジーみたいにキーキー騒がしいからと、そう呼んでたぜ?」
そう笑いながら男が話していると、顔の真横を風の刃が通過する。
「…アタシの質問に答えなさい。」
「おぉ怖い怖い。チンパンジーでも見りゃわかんだろ?このラミアはもうオレの物なんだよ!」
「ッ!!」
ノルンが今度は男にウィンドスラッシャーを当てに行くが、巨大ゴブリンが間に入り棍棒を振り下ろすと風の刃がかき消されてしまう。
「チッ!メル!」
「おっとぉ、お前らの相手はコイツだぁ!行け、デカブツ!」
巨大ゴブリンがその巨体に似合わぬ素早さでノルンとシエルを攻め立てる。
「くっ!あの魔獣使いを倒さないとメルさんが!」
「リーナお願い!アイツを倒して、メルを!」
「ノーラ…さま…うん!」
失意の底にいたリーナがノーラ姫の言葉で目を覚ます。
(メルを元に戻すには…アイツを倒さないと!)
隷属された動物や魔物を魔獣使いから解放する方法は、魔獣使いが自らの意思で隷属術から解放させるか、術者に大きなダメージを負わせるなどをして気絶させる事だ。
無論、黒ずくめの男は自ら解放させる気などさらさらないので、後者の方法をとる以外ない。
「はぁぁっ!」
男に向かって魔術を放とうとするがメルに間に割って入られてしまう。
「メル!」
「ヒャハハ!オトモダチに傷ぁつけられねぇだろ?」
(どうする?直接叩きに行こうとしてもきっとメルに邪魔されちゃう…)
ならば先にメルを気絶させて止めようと考えてしまうが、そうすることは出来ない。
恐らくメルはまだ意識のどこかで隷属術に抗っているはずだが、メルを気絶させてしまうと抵抗する意識を失ってしまい、完全に隷属術に落ちてしまうのだ。
「やれ!」
「ぁああああッ!」
メルがリーナに向かってファイアバレットを放っていく。リーナはそれを防ぐので精一杯で手も足も出せないでいた。
「おとなしく降参しろ!そうすればオレ様自ら可愛がってやるよ!ハーッハッハァ!」
「くッ……」
「ぅああああッ!ああぁぁああッ!」
悲痛な叫びをあげながら爪を伸ばしたその腕を振り回すメル。
その様子をリーナはただ見る事しか出来ないでいた。
「メルッ!」
両手で頭を押さえもがくメル。
黒ずくめの男の隷属術を受けてしまい、自分の意思を保とうと必死に耐えているが―――
「チッ、我が強いせいでまだ足掻きやがる。だがいずれオレ様に逆らえなくなるぜ、ヒャッハハ!」
「メルッ!」
「ダメ!ユウヤ!」
リーナの制止を振り切りメルに駆け寄る。
「来…な…いで…ぅあああッ!!」
メルは爪を伸ばし、近づこうとする俺を払いのける。爪が俺の頬をかすり、傷口から血が滲み出る。
また、爪を伸ばしてしまったことによって折角のデコレーションが剥がれてしまっていた。
「チッ、野郎は邪魔なんだよ!殺れ!デカブツ!」
「グォォッ!」
巨大ゴブリンが俺に打撃をぶちかましてくる!
「んぐっ!」
打撃自体はファストシールドで直撃を防いだが、勢いが強く俺はそのまま弾き飛ばされ壁に打ち付けられてしまう。
「ぐはッ…」
俺はその場に倒れ込んでしまった。
「ユウヤ!」
リーナが俺の方に駆け寄ろうとするが…
「ああああッ!」
メルが放ったファイアバレットによって妨害されてしまう。
「メ…ル…?」
「残念だったな!コイツはもうオレ様の忠実な下僕だぁ!」
「そんな…メル!」
「無駄だァ!お前の声はもうコイツには届かないぜ!」
メルが完全に男の手に堕ちてしまい、リーナは動揺を隠せないでいた。
「みんなゴメン!遅くなっ……、何よ、これ…。」
「何がどうなっていますの?」
引き付けた雑魚を片づけたノルンとシエルが駆け付けるが、二人は目の前の光景に愕然とする。
「チッ、なんだぁ?あの野郎、冴えないツラしてるクセに女ばかり侍らせやがって。」
「はぁ?何言ってんの。アイツはただの下僕よ。」
「ノルンさん、今はそんなことより……」
二人が自体の把握に努めていると、メルの異変に気付く。
「あの方…もしや魔獣使いでは!?」
「あんた……メルに何したの?」
ノルンが鬼気迫る表情で男に問う。
「ん?…ハハハッ、よく見たらおめぇ、アヴァルーのチンパン姫の方じゃねぇか。」
「チンパン姫!?」
シエルがその名を聞いて驚きながらノルンの方を伺う。
「裏ギルドにこいつを見かけた奴がいてなぁ、チンパンジーみたいにキーキー騒がしいからと、そう呼んでたぜ?」
そう笑いながら男が話していると、顔の真横を風の刃が通過する。
「…アタシの質問に答えなさい。」
「おぉ怖い怖い。チンパンジーでも見りゃわかんだろ?このラミアはもうオレの物なんだよ!」
「ッ!!」
ノルンが今度は男にウィンドスラッシャーを当てに行くが、巨大ゴブリンが間に入り棍棒を振り下ろすと風の刃がかき消されてしまう。
「チッ!メル!」
「おっとぉ、お前らの相手はコイツだぁ!行け、デカブツ!」
巨大ゴブリンがその巨体に似合わぬ素早さでノルンとシエルを攻め立てる。
「くっ!あの魔獣使いを倒さないとメルさんが!」
「リーナお願い!アイツを倒して、メルを!」
「ノーラ…さま…うん!」
失意の底にいたリーナがノーラ姫の言葉で目を覚ます。
(メルを元に戻すには…アイツを倒さないと!)
隷属された動物や魔物を魔獣使いから解放する方法は、魔獣使いが自らの意思で隷属術から解放させるか、術者に大きなダメージを負わせるなどをして気絶させる事だ。
無論、黒ずくめの男は自ら解放させる気などさらさらないので、後者の方法をとる以外ない。
「はぁぁっ!」
男に向かって魔術を放とうとするがメルに間に割って入られてしまう。
「メル!」
「ヒャハハ!オトモダチに傷ぁつけられねぇだろ?」
(どうする?直接叩きに行こうとしてもきっとメルに邪魔されちゃう…)
ならば先にメルを気絶させて止めようと考えてしまうが、そうすることは出来ない。
恐らくメルはまだ意識のどこかで隷属術に抗っているはずだが、メルを気絶させてしまうと抵抗する意識を失ってしまい、完全に隷属術に落ちてしまうのだ。
「やれ!」
「ぁああああッ!」
メルがリーナに向かってファイアバレットを放っていく。リーナはそれを防ぐので精一杯で手も足も出せないでいた。
「おとなしく降参しろ!そうすればオレ様自ら可愛がってやるよ!ハーッハッハァ!」
「くッ……」
「ぅああああッ!ああぁぁああッ!」
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その様子をリーナはただ見る事しか出来ないでいた。
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