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第一話 死のうとしたら異世界に連れてかれた ~チャプター2~
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―――ドサッ
長いことキラキラ空間を飛んでいったのち、林道のような場所に投げ出される。
「いてて…」
勢いがあった割には、着地はベッドから転げ落ちた程度の衝撃だった。
「本当にファンタジー世界に来ちまったのか?」
とりあえず、自分の身なりを確認してみる。
「お、剣だ。」
腰に差してあった剣を早速抜いてみる。オーソドックスなロングソードで、刀身は自分の顔がはっきり映るくらいきれいに磨かれている。
天使がちょっといい武器をくれると言っていたから、それなりにいい素材なのだろう。実際持ってみると片手でも振れるくらい軽い。
防具も確認してみる。
胴体には胸当てが装備されている。見たところ剣と同じような素材なのだろうか、光沢がありとても軽い。
手足には革製の指ぬきグローブにブーツ。ところどころにプレートが仕込んである。これも同じ素材の金属だろう。
まさに冒険者と言えるような装いとなっていた。
「とりあえず進んでみるか。」
林道を歩いていくと木製の看板を見つける。
というか、異世界で言葉は通じるのか?字は読めるのか?
そんなことを考えながら看板を覗いてみる。
― ←ルクスの町 あと3km ―
読めた。普通に日本語に見える。恐らく現地の言語で書かれてはいるが何らかの力で俺に理解できるよう変換されているのだろう。とりあえず言語は心配なさそうだな。
町まで3キロ。40分も歩けばたどり着けるか。
そう思いながら歩を進めようとした時だった。
道脇の植え込みからガサガサと物音がする。
「…なんだ?」
すると植え込みから物影が飛び出してくるッ―――
「ギギャア!」
「うわぁっ!」
異世界第一村人はヒトではなくモンスターでした。
全身緑色、どこ見てるかわからない目つき。これはどう見てもゴブリンです。本当に(ry
(大丈夫だ、落ち着け…)
最初は驚きはしたけど、いよいよこれでファンタジー世界に来たという実感が出てきた。
一呼吸置き、腰の剣をそっと抜く。
「…行くぞおりゃッ!」
両手で握りしめた剣を上段に構え、ゴブリン目掛け思いっきり振り下ろす!
「ギ…ギ…」
―――振り下ろしている間、感覚がスローモーションになる。
この世界に来る前は、特に自炊などしていない。包丁なんかもあまり使ったことはなく、野菜ぐらいしか切った覚えがない。魚や肉をさばくなんて以ての外である。
そんな自分が、モンスターとはいえ初めて生きた肉を切るその感触。俺はそれに背筋が震え上がるほどの嫌悪感を感じずにはいられなかった。
永く感じた時間だったが終わってしまえばあっという間だ。目の前には開きにされたゴブリン。断面からは赤紫色の血が噴き出す。
(ウッ…やべ…)
ドラマの手術シーンすらまともに見れない俺が、そんな光景目の当たりにしたら耐えられるわけがない。吐き気を通り越して目の前がどんどん暗転していく。
(まずい、ここで倒れるとまたモンスターに…)
(…まぁもともと死ぬつもりでいたんだし、気を失っているうちにひと思いに…)
なんてことを考えながらその場で倒れてしまった。
長いことキラキラ空間を飛んでいったのち、林道のような場所に投げ出される。
「いてて…」
勢いがあった割には、着地はベッドから転げ落ちた程度の衝撃だった。
「本当にファンタジー世界に来ちまったのか?」
とりあえず、自分の身なりを確認してみる。
「お、剣だ。」
腰に差してあった剣を早速抜いてみる。オーソドックスなロングソードで、刀身は自分の顔がはっきり映るくらいきれいに磨かれている。
天使がちょっといい武器をくれると言っていたから、それなりにいい素材なのだろう。実際持ってみると片手でも振れるくらい軽い。
防具も確認してみる。
胴体には胸当てが装備されている。見たところ剣と同じような素材なのだろうか、光沢がありとても軽い。
手足には革製の指ぬきグローブにブーツ。ところどころにプレートが仕込んである。これも同じ素材の金属だろう。
まさに冒険者と言えるような装いとなっていた。
「とりあえず進んでみるか。」
林道を歩いていくと木製の看板を見つける。
というか、異世界で言葉は通じるのか?字は読めるのか?
そんなことを考えながら看板を覗いてみる。
― ←ルクスの町 あと3km ―
読めた。普通に日本語に見える。恐らく現地の言語で書かれてはいるが何らかの力で俺に理解できるよう変換されているのだろう。とりあえず言語は心配なさそうだな。
町まで3キロ。40分も歩けばたどり着けるか。
そう思いながら歩を進めようとした時だった。
道脇の植え込みからガサガサと物音がする。
「…なんだ?」
すると植え込みから物影が飛び出してくるッ―――
「ギギャア!」
「うわぁっ!」
異世界第一村人はヒトではなくモンスターでした。
全身緑色、どこ見てるかわからない目つき。これはどう見てもゴブリンです。本当に(ry
(大丈夫だ、落ち着け…)
最初は驚きはしたけど、いよいよこれでファンタジー世界に来たという実感が出てきた。
一呼吸置き、腰の剣をそっと抜く。
「…行くぞおりゃッ!」
両手で握りしめた剣を上段に構え、ゴブリン目掛け思いっきり振り下ろす!
「ギ…ギ…」
―――振り下ろしている間、感覚がスローモーションになる。
この世界に来る前は、特に自炊などしていない。包丁なんかもあまり使ったことはなく、野菜ぐらいしか切った覚えがない。魚や肉をさばくなんて以ての外である。
そんな自分が、モンスターとはいえ初めて生きた肉を切るその感触。俺はそれに背筋が震え上がるほどの嫌悪感を感じずにはいられなかった。
永く感じた時間だったが終わってしまえばあっという間だ。目の前には開きにされたゴブリン。断面からは赤紫色の血が噴き出す。
(ウッ…やべ…)
ドラマの手術シーンすらまともに見れない俺が、そんな光景目の当たりにしたら耐えられるわけがない。吐き気を通り越して目の前がどんどん暗転していく。
(まずい、ここで倒れるとまたモンスターに…)
(…まぁもともと死ぬつもりでいたんだし、気を失っているうちにひと思いに…)
なんてことを考えながらその場で倒れてしまった。
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