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『終章』
しおりを挟む三人の娘達が廃校を訪れてから数ヵ月が経った。
「美奈…、莉奈…、葉菜ちゃん…、どこにいるの…?」
あの日、肝だめしへ出掛けた三人と廃校をさ迷っていた一人が脱出し、それぞれに帰路に着いた。
しばらくは何事も無く過ごしていた四人だったが、ある日突然、美奈と連絡を取り合っていた葉菜が再び姿を消した。
奈々と莉奈は何かあったのかと心配していたが、美奈だけは理由に心当たりがあり、その日の内に「葉菜を向かえに行く」と告げ、姿を消したのだ。
残された奈々と莉奈は、唯一思い当たる場所として廃校を思い出したが、莉奈が頑なに行きたがらず、奈々も行くのを躊躇った。
しかしその翌日、莉奈も学校へ来なくなり、奈々は意を決して一人廃校へ足を向けたのだった。
「三人は絶対ここに居る筈…。あの時も脱出出来たんだし、三人を見つけたらまた…」
一人校舎を歩き、以前調べた場所を探す奈々。
陽はまだ高く、明かりを持たずとも学校内を隈無く見て廻れた。
以前と違い、一人であることに心細くなりながらも、怖さを感じることが無かった為、奈々は足を止めることは無かった。
「これで一応、校舎内は全部よね…。あの時、見なかった所も探したし、そうなるとやっぱり…」
呟きながら屋上へと続く階段を見つめた奈々は、喉を鳴らすと、拳を握り締め一段一段昇り始めた。
屋上の扉はあの時と変わらず、『立入禁止』の札が掛かっていた。
「この先に、美奈と莉奈と葉菜ちゃんが…」
ガチャ
「!!」
そっと扉を開けた奈々だったが、その先に広がっている光景に思わず固まった。
扉の先は、まだ陽も高いというのに真っ暗で、奈々が気を失う前に見た黒い人影が蠢く世界となっていたのだ。
自然と後退った奈々だったが、蠢く人影の中に美奈と莉奈と葉菜の姿を見つけて、気付けば駆け出していた。
「美奈っ、莉奈っ、葉菜ちゃんっ!!」
バタンッ
「え?」
「奈々…」
「ここに、来ちゃ…、駄目…」
「美奈?莉奈?」
「奈々ちゃん…、もう、逃げられないの…」
「葉菜ちゃん?どういう…キャアアア!!」
扉が閉まったことに驚きながらも、三人の言葉に耳を傾けた奈々だったが、葉菜の言葉を皮切りに、人影が一斉に奈々へと襲い掛かった。
叫んでいる間も人影は奈々の衣服を脱がせていき、好きなように身体中を弄ぶのだった。
「どう…、して…」
「これが…、最後の、不思議なんだって…」
「…屋上に『立入禁止』の札がある理由。この学校で、亡くなった者達の溜まり場となっているから…」
「屋上に出ると…、亡くなった者達が、やって来た者を異世界に連れ去り…、神隠しに遭うって…」
「そん、な…」
「噂を、知っても…、体験、しても…、この廃校に囚われる…」
「七不思議は、全部知ると…」
終わり
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