18 / 23
17 隣人の向居さんと最後の晩餐を…
しおりを挟む
志野くんに食べて欲しくて、作っていたハンバーグは、後は焼くだけで大判形に整えたハンバーグを200℃で温めたオーブンに入れて10分加熱している最中だ。
ハンバーグの表面が焼けてきたらフライパンに移して、コンガリ焼き色が付いて肉汁が溢れてきたら良い感じに出来上がり。
志野くんも、もう直ぐ帰ってくると思うから。
特製のデミグラスソースを弱火で温める。
ハンバーグが、焼ける音と匂いにデミグラスソースの甘い香り中で、本来ならどうしても、お腹が鳴りそうになるのに対して、気持ちが志野くんが帰って来る! に変換されているから余計に落ち着かなくて…
苦しむみたいに悶えていたら。
玄関のチャイムが鳴った。
喜び過ぎて出て行ったら宅配の人でした…とかのオチじゃないよね?
とか、疑心暗鬼状態。
ピンポーン。
『向居さん。俺です』
志野くん?
インターホンのモニターを見るとそこには、志野くんが立っていた。
『スミマセン。少し遅くなりました』
『あははぁ…良かった…』
『はい?』
『あっ!うん。大丈夫だよ』
『大丈夫?』
『えっ…と、取り敢えず玄関あけるから待ってて!』
飛び跳ねるぐらいの嬉しいのに、それを悟られたくなくて、いつもみたいな笑顔を貼り付けて志野くんを出迎えた。
『おかえりなさい』
『ただいま』
『疲れたでしょ?』
『まぁ…そこそこに…』
志野くんは、鼻をクンッとさせる。
『ハンバーグ焼いてるの食べてってよ』
『はい。あっ…そうだこれ言ってたロールケーキです。良かったら食後のデザートに…』
『うん。食べよう!』
最初、志野くんとは、こう言う付かず離れずなこの距離感で居られるなら良いと、思っていたから。
後々、酔って告るとか、恋人がするみたいなキスをするとか…
軽くハグとか…
たまにギュッてしてもらったり。
そこまで変化していくとは、本当に思ってなかった。
今では、この距離が、たまらなくて気持ちの奥の方が、満たされてる気がして割と調子が良い。
ただそんな恋人未満な関係でも、会えないと会いたくなるし。
でも会うと、照れくさくなるのがループする。
真面目な話を振ってみたり。
料理とかお酒の話を切り出す。
嫌われたくない。
そんな気持ちの表れで、好きだけど好きのままじゃいたくない。
ずっと近くに、居て欲しい。
僕だけのワガママって、思っていたけど、今は少し違ってて…
僕が酔った勢いで告った時に言われた。
『一緒にいて、一番楽な人』
その言葉が、しっくりきた。
だから僕には、分かれるとかの選択肢はないって意味で “ 別れないから ” って言ったんだ。
「向居さんのハンバーグ美味いです。食べ応えあるけど、柔らかいしデミグラスソースも、コクがあってご飯に合いますね」
好きな人が、自分の作ったご飯を美味しそうに食べる姿を見るのは、料理に携わる仕事をしている僕にとっては、たまらない瞬間だ。
次は何を作ろうって、考えるのが楽しい。
「あっ、分かった? 今日のデミグラスソースの隠し味はね。ご飯好きの志野が喜ぶかなって、甘味のある白味噌を加えてみたんだ!」
そんな風に努めて明るく振る舞うのは、志野くんが大好きだからだよ……
居なくなったりしたら。
嫌だよ。
ハンバーグの表面が焼けてきたらフライパンに移して、コンガリ焼き色が付いて肉汁が溢れてきたら良い感じに出来上がり。
志野くんも、もう直ぐ帰ってくると思うから。
特製のデミグラスソースを弱火で温める。
ハンバーグが、焼ける音と匂いにデミグラスソースの甘い香り中で、本来ならどうしても、お腹が鳴りそうになるのに対して、気持ちが志野くんが帰って来る! に変換されているから余計に落ち着かなくて…
苦しむみたいに悶えていたら。
玄関のチャイムが鳴った。
喜び過ぎて出て行ったら宅配の人でした…とかのオチじゃないよね?
とか、疑心暗鬼状態。
ピンポーン。
『向居さん。俺です』
志野くん?
インターホンのモニターを見るとそこには、志野くんが立っていた。
『スミマセン。少し遅くなりました』
『あははぁ…良かった…』
『はい?』
『あっ!うん。大丈夫だよ』
『大丈夫?』
『えっ…と、取り敢えず玄関あけるから待ってて!』
飛び跳ねるぐらいの嬉しいのに、それを悟られたくなくて、いつもみたいな笑顔を貼り付けて志野くんを出迎えた。
『おかえりなさい』
『ただいま』
『疲れたでしょ?』
『まぁ…そこそこに…』
志野くんは、鼻をクンッとさせる。
『ハンバーグ焼いてるの食べてってよ』
『はい。あっ…そうだこれ言ってたロールケーキです。良かったら食後のデザートに…』
『うん。食べよう!』
最初、志野くんとは、こう言う付かず離れずなこの距離感で居られるなら良いと、思っていたから。
後々、酔って告るとか、恋人がするみたいなキスをするとか…
軽くハグとか…
たまにギュッてしてもらったり。
そこまで変化していくとは、本当に思ってなかった。
今では、この距離が、たまらなくて気持ちの奥の方が、満たされてる気がして割と調子が良い。
ただそんな恋人未満な関係でも、会えないと会いたくなるし。
でも会うと、照れくさくなるのがループする。
真面目な話を振ってみたり。
料理とかお酒の話を切り出す。
嫌われたくない。
そんな気持ちの表れで、好きだけど好きのままじゃいたくない。
ずっと近くに、居て欲しい。
僕だけのワガママって、思っていたけど、今は少し違ってて…
僕が酔った勢いで告った時に言われた。
『一緒にいて、一番楽な人』
その言葉が、しっくりきた。
だから僕には、分かれるとかの選択肢はないって意味で “ 別れないから ” って言ったんだ。
「向居さんのハンバーグ美味いです。食べ応えあるけど、柔らかいしデミグラスソースも、コクがあってご飯に合いますね」
好きな人が、自分の作ったご飯を美味しそうに食べる姿を見るのは、料理に携わる仕事をしている僕にとっては、たまらない瞬間だ。
次は何を作ろうって、考えるのが楽しい。
「あっ、分かった? 今日のデミグラスソースの隠し味はね。ご飯好きの志野が喜ぶかなって、甘味のある白味噌を加えてみたんだ!」
そんな風に努めて明るく振る舞うのは、志野くんが大好きだからだよ……
居なくなったりしたら。
嫌だよ。
0
あなたにおすすめの小説
イケメンに惚れられた俺の話
モブです(病み期)
BL
歌うことが好きな俺三嶋裕人(みしまゆうと)は、匿名動画投稿サイトでユートとして活躍していた。
こんな俺を芸能事務所のお偉いさんがみつけてくれて俺はさらに活動の幅がひろがった。
そんなある日、最近人気の歌い手である大斗(だいと)とユニットを組んでみないかと社長に言われる。
どんなやつかと思い、会ってみると……
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる