暗殺者は愛される

うー吉

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「おかえり」
ウチの玄関を開けたら ロクがいた
「どうした 大将は?」
「今日は ルイに用事があったから もう帰るよ」
ひとりでウチまで来れるようになったのか だいぶ元気になってきたな
「ひとりで帰るのか? 送って行こうか?」
「まだ明るいから大丈夫」
「ヒューまたね」と帰って行った

「坊主 どうした?」
夕食を食べながらルイに聞く
「うーん 恋の悩み?」
「こい?」
「そう 恋の悩み」

「ルイ」
「どうしたの?」
「あっあのね・・・あのね」
「落ち着いてロク ゆっくりで大丈夫だよ」

ルイが家でいい?と誘ってくれた
「ヒューは今日は遅いから大丈夫だよ で 何がどうしたの?」
「あのね ルイたちはどうる?」
ブッ飲んでいたコーヒーを吹きそうになったルイ
「ロク なななんの話?」
「・・・だから エッチ」顔が赤くなるのがわかる
「どうって・・・」
「ヒューが誘ってくれるの?それともお願いしますって言うの?
やるって聞かれるの?それとも言うの?」
「ロクどうしたの?」
ロクは食堂で聞いた話を ルイにした
「テオは俺の事 飽きたのかなぁ・・・」
「そうゆう事じゃないと思うよ 
テオ様にかぎってそんな事はないと思うよ パートナーにもなったんだし ね」
「・・・」
「聞いてみたら テオ様に そういうことはちゃんと話したほうかいい
ね 聞いてみなよ」
「でも もし 飽きたって言われたら 俺どうしたらいい
どうしたらいいか わかんないよ」
「大丈夫 絶対それはないから」
「なんで ルイはそんな事が言えるの? テオの事わかるの?なんで?」
「テオ様がロクの事大事にしてるの 横から見ててわかるからだよ」


「ね 恋の悩みでしょ」食後のコーヒーを手渡しながらヒューに話をした
「ウチの大将 ロクの事になるとダメになるぞヤツだぞ」
「そうだよ 知ってる だからだよ」
「大事にしすぎか」
「そうだと思う ロクはテオ様が好きだからエッチもしたい」
「大将は ロクの事好きだから大事にしたい 体の事気にしてるんだろ」
「ロクだいぶ元気になったと思うけど」
「でも あんなに何回も死にそうなところ見たら 怖いよ お前が俺の腹さわれないのと一緒だ」
「・・・気がついてた」
「それに に乗ってくれない」
ルイの顔が赤くなる
「なぁ お願いしますって言えばいいんだったっけ?」
コーヒーを取り上げて ソフィーに押し倒す
「やる?」
「誘ったのお前ね」
「違うよ ヒューだよ」
お互いの口をふさいだ


「アッあのね テオ」
「ん どうした?」
朝食をとった後 仕事へ行く準備をしていると
「あのね・・・・・テオ」
ロクがモジモジしながら やってきた
「どうした?」
「・・・・・・・・・やっぱりいい」
真っ赤な顔のまま部屋を出て行こうとした
「まて 俺に話があるんだろう」ソファーへ座らせて横に座る
ロクがじーっと俺の顔を見ている
「やっぱりいい 何でもない もういい」
ロクは部屋を出て行ってしまった

ルイは聞けばいいって簡単に言うけど 聞けるわけないじゃん
何で言えばいいんだよ 
屋根裏部屋に続く階段の踊り場の出窓に座る
テオが行く姿が見えた テオが俺に気がついて手を振ってくれた
俺は手を振ることができなかった
膝を抱えて 外を眺めている
手をつないで 楽しそうに歩いている人がいる
お互い顔をみて笑って楽しそう
「いいなぁ」窓ガラスにゴチンと頭を預けて外を見続けた


「はぁああああああ」
「やめてもらえませんか そのでっかいため息」
「気になるんなら 本人に聞きゃいいじゃねぇか 迷惑だ」
この国の軍隊を率いる最強と呼ばれる元帥閣下が 一番偉そうな机に伏している
この国の軍隊の幹部を呼び出して
「『もういい』って言われた」と盛大なため息をついている
ヒューと顔を見合わせて ため息をつく
「ロクの話聞かなかったんですか?」
「『やっぱりいい もういい』としか言わなくて 朝も見送りしてくれなくて
出窓からじーっと見てるだけなんだ」
「なんだって 聞けばいいだろ」
「聞けるわけないだろ 
なぁルイお前が代わりに聞いてくれないか?」
「そんな事しません 気になるならご自分で聞いてください」 
「坊主より 面倒だなこいつは」ヒューがルイの耳元でささやく

「テオ様 この前ロクが私に言ってました
“『普通がわからない』と 仲間同士助け合いのが普通だと言われたそうです
でも 俺には『普通』がわからない 仲間 友人 家族 特別な人に
みんなが普通にできること 俺には難しい だって普通がわからないから”と」
「だから大将に聞きたい 確認したい 
でも そんな事聞くのは“普通”じゃないかもってな」
テオが立ちあがる
「二人とも すまん 私は体調不良で早退する」
「明日も休みにした方がいいと思いますよ」とルイが言った
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