暗殺者は愛される

うー吉

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ロクが司令部の食堂へ来ていた
はじめてだぁ とキョロキョロとしている
「ロクは来た事がないの?」
「元帥とならここには来ないよな」
テオと行くのは もっと人数が少なくて静かで ゆったりしている 
ここは忙しそうだ
「ロクがいつも行ってる食堂は 幹部用の食堂だ 
ここは一般用 俺たちみたいなのが食べるところ」
「あー腹減った ロクは何食べる?」
「うーん」
「俺は・・・」
ロクが体の調子がいい日は 軍の訓練にも参加するようになってた 
同じぐらいの年代の子と過ごすことは大事だよ 
とみんながテオを説得してくれて 決して無理をしない事を約束して 参加している
訓練の日は昼は一緒に食べようとテオとの約束だが 
「今日は会議が入ってしまって 昼は一緒に食べれないんだ すまん
お昼で帰るか?執務室にいたらいいんだけど」
今日の朝言われた それなら行ってみたいと思っていたところがある
「じゃあサンドイッチでも作りましょうか?」
「クリスに聞いてみるか・・」
「俺 みんなと食べるよ みんなと食堂で食べる」
「えっ」テオの大きな声が出た
「みんな 食堂へ行くんだ 訓練中にいい匂いしてくるし
俺もみんなと食べてみたい」
「えっ ああ そうかそうだな・・・・・そうするか」
「うん そうする 」とロクは席をたった

「ロク ここ」と手を挙げて合図してくれる
昼食のトレーを持ってキョロキョロしてたら 声をかけてくれた仲間
「今日さぁ キツかったよなぁ」
「だってヒュー大佐だしなぁ あの人簡単に言うけど メニュー鬼なんだよなあ」

みんないろんな事喋って食事を楽しんでる
こんな食事も楽しい

ふと後ろの女性グループの会話が聞こえてきた
『なんかさぁ 全然くれないのよね』
『飽きたんじゃない』
『やっぱりそう思う?そうかな』
『他に好きな子ができたとか あなたに気持ちがないからできないの だからしないだけよ』
『えええ そんなぁ』
「ロク聞いてる?」
「えっ ごめん何?」
「メシ進んでないけど 気分悪い?」
「大丈夫 大丈夫」
急いで食事を続ける でも
“あなたに気持ちがないからしない”
俺 テオとない
もう テオ気持ちがないのかなぁ・・・


「そうだ お前たちがいた」
ヒューとルイを見た時なんで思いつかなかったのかと後悔した
「いいんじゃないですか?若い兵士と食事ぐらい そんなに目くじら立てなくても」
「坊主だっていろんな奴と接するのはいいと思うぞ」
わかってる わかってるんだ
「テオ様 もうパートナーにもなったのに 余裕ないんですか」
「坊主に言えば 他の男に言い寄られたらいやだから 食堂なんかに行くなって」
「ちがう そういう事じゃない」
「無理すんなって あとで様子見てきてやるよ」ヒューがニヤニヤしてる
「・・・・会議に行ってくる」
「ご苦労様です」と二人に見送られた

クソっ 言えたら言ってる
余裕なんかできるものか 目をはなすとすぐに無茶をしてけがをする奴を
どうやったら安心できるのか
「元帥閣下 ロク君は?一緒じゃないんですか?」
「今日は 訓練日だからここじゃない」
「そうなんですね・・・」
会議に行くだけで 何人の人に聞かれてる
何人に残念って顔されてる
こんな人たらしのパートナーがいても 余裕がある奴がいたらあって見たいものだと思う
「でも 結局かっこ悪いから 理解ある男のふりをしているんだろ?」
フェルが言う
「昔から お前はそうゆうところあるよな」
クリスは笑ってる
「うるさい」
「どうだ 久しぶりにウチにでも来ないか お前もロクも少し離れてもいいだろ」

「テオ フェルのところへ行ったの?」
「お城から早便が来てね きょうはお二人のところへ行くみたいよ」
「そうなんだ」
今日は訓練だったから 朝会ったきりだったし 食堂であんな事聞いた後だし テオに聞いてみようと思ってたのに 
「どうしたの?テオ様に用事でもあったの?」
「ちがう なんでもないよ ミア手伝うよ」と腕まくりをして ミアと食事の用意をした

夜遅く ベットが軋む
「・・・・テオ?」
「ああ すまんな起こしたな」
「おかえり」テオに腕を伸ばす
「ただいま」とおでこにキスしてとテオは俺を抱きしめてくれる 
俺はテオのそばだから安心して眠る事ができる 
「・・・テオ・・」
もっとキスして欲しくて 名前を呼んだのに
「もう 遅いから おやすみ」と頭を撫でられた
なんかちょっと違うのに と思った
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