暗殺者は愛される

うー吉

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「テオこっちだ」
ダイジロウに呼ばれて 病院へ来た
教官が亡くなった連絡と一緒に 夫人も自殺を図り亡くなった
その最後の場所にいたのが ロクだったと
ロクは警察に事情を聴かれていたが
何も答えず うつむいたままだった 
体が小さく震えているのがわかる
「ロク」と声をかけるが 顔を上げない
着ていた上着をかけてやる
「ロク」座っている椅子の前に座り 無理矢理視界に入る
「ロク 俺がわかるか?」
「テオ」
「そうだ ちょっと疲れたな 家に帰ろうか」
「うん」
「ダメですよ 帰れませんよ 彼からまだ事情聞いてませんから」警察官が入ってきた
「ちょっと待てくれ 事情を聞くだけなら後日でもいいだろ」
「何にもしゃべらないのは なんか都合が悪い事があるんじゃないですか?」
「どういう意味だ」
「この子 別に大臣と何の関係もない子なんですよね それが毎日病室に来て
何をしてたんですか」
「何が言いたい」ギロリと睨む
「たとえば 財産についてとか」
「何だとお前」
俺より先に胸倉をつかんだのは ダイジロウだった
「お前 なんの事情も知らねぇくせに 何訳わかんねぇこと言ってんだ
ロクがどんな気持ちでここに通っていたか 毎日どんなふうに3人で過ごしていたか
知らねぇくせに 何が財産だ 看護婦にでも聞きゃいいだろ
夫人が死ぬ気だってわかって 扉破ったのもガラスに手突っ込んで カギ開けたのも
全部ロクじゃねぇか 自分の腕縫うケガしてんのに それをお前は」
ダイジロウが胸倉をぎゅうううと絞める
「おい 手を離せ ダイ 手を」ダイジロウと警察官の間に入る
「やめて ダイジロウさん」ロクの声がした
「ロク」ダイジロウがパッと手を離す
「ちゃんと話すから ごめんなさい 俺が黙ってたからややこしくなったと思います
すいません」
体の震えが止まってない 顔色も悪い
「悪いが 後日にしてもうぞ」
「そんなこと」
ロクを抱き上げて 部屋からでる
「俺の名前に誓って ロクはお前が考えているようなことはしていない
まだ わけのわからんことを言うなら 彼の兄と一緒に警察署に行くがどうだ」
「お前は?」
「俺か この国で元帥を名乗らせてもらっている者で ちなみにこの子の兄は
この国の宰相だが 後日挨拶に行くので 階級と名前をそこの男に伝えといてくれ」
一緒に病院まで来ていた ルイいた
「後始末しておきますから 閣下は早くロクを連れて帰ってください」
と言ってくれたので 病院を後にした


家に連れて帰り ベットにロクを寝かす
だれかだ連絡をしてくれていたのだろう 部屋も温められている
ロクの好きなショールも用意されていた
ロクのショールをかけてやる
「テオ」と手を伸ばすが 痛みがきついのだろう
顔がいがむ
手を握ってやる まだ血の匂いがする
傷が熱を持っている 
ミアが 氷水とタオルを持ってきてくれた
「すまんが ソウテツかダイジロウに帰りでいいので寄ってもらうように連絡をしてくれ」
「はい 他には?」
「明日の朝まで 連絡をするなとクリスに伝えてくれ それと 
しばらく軍を留守にするがヒューに全権を任せると伝えてくれ」
「はい 承知しました」
「頼んだ」


ソウテツが 夜遅くにやってきた 
「現役の大臣だからな いろいろ大変だよな」
「夫人は?」
「服毒自殺だ 大臣が亡くなったらと決めていたんだろう
看護師に聞いたが あっと言う間だったらしい」
「そうか」
「ロクは?大丈夫か?」
部屋の扉を開ける
「誰?」ロクの声がする
「俺だよ」
「ソウテツ先生 お願いがあるんだけど」
ロクがゆっくりと起き上がる
「おじいとおばあちゃんの側にいたいんだ ダメかな」
ソウテツと顔を見合わす
「無理をするなよ」とソウテツがロクの頭をなでた
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