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「おじい」
おじいはベットの上で静かに眠っていた
「あなた ロク君が来てくれましたよ」
「おじい 目を開けて まだ俺おじいに勝ってないよ
おじい もっと強くしてくれるって約束したでしょ なんで寝てるの?」
おじいは何も答えてくれなかった
「城から帰ってきて 食事をして 今日あった事話をしていたの
そしたら急に倒れてね そのまま」
おばあちゃんが言う
「おばあちゃん」おばあちゃんの手が冷たい
「ありがとね ロク君 あの人と過ごしてくれて
あの人ね ロク君がたまにお城に来てたでしょ
その時からずっと ロク君の話よくしてたの
おうちに行くようになってからは ずっとロク君の話よ
元気になってくれてよかった 歩けるようになってよかった
庭に出れるようになったよ 少し買い物にも行ったんだ
って 孫が帰ってきてくれたみたいで うれしいって
ありがとうね ロク君 あの人に最後の幸せをくれて ありがとうね」
おばあちゃんは 俺の手を握ってそう言ってくれた
「おじいは強いんだ だからきっと目を覚ます
おじいは おじいは」
涙が止まらなかった
「また来ていい?」とおばあちゃんに聞く
「きっと あの人も喜ぶわ」
「おじい また来るね いつもおじいが来てくれたけど
今度は俺が来るね またね」
と病院を後にした
それから毎日 おじいのところへ行った
ひとりで大丈夫かとテオは何回も聞いたけど
おじいに大丈夫なところ見せたいからって言ったら
「そうか 教官喜ぶな」と行かせてくれた
人の声とか怖くなって 動けなくなる時もあった
でも
「ロク大丈夫 お前ならできるよ」って何回もおじいが言ってくれてた言葉を思い出して
病院へ行った
おばあちゃんとおじいの事しゃべったり 体を拭くお手伝いをしたり
泣き顔は見せない おじいに元気になった俺を見てもらおうと思っていた
「大丈夫か?」ベットに寝かされていた
「あれ 何でベット?」
「帰って来たとたん倒れたってミアが言ってたぞ」
「大丈夫 全然大丈夫」ベットから降りようとしたら
「無理しなくていい 寝ていればいい 食事もここへ運んでもらうように言ったから」
「・・・・・」
テオにため息をつかれた
「教官のことろへ行くなとは言わないから」
「ほんと?」
「ほんと だから あまり無理するなよ」
「わかってる ありがと」
とテオに言った
おじいは だんだん死へ近づいていた
見たことがある 戦場でたくさん見た もうじき死んでしまう人の顔
「ロク 今日までありがとうね 最後は二人にさせてくれる?」
「うん いつも おじい おばあちゃんとのデート楽しみにしてたもんね
俺に必ず邪魔すんなよって言うんだよ 邪魔しないのに」
少し二人で笑う
「ロク 私たちのかわいい孫 元気に強く生きてね
ずっと 空の上でおじいさんと応援してる」
おばあちゃんが 俺の頬をなでてくれて キスをくれる
「ほんとに かわいいロク あなた最後に私たちのところへ来てくれて
ほんとに嬉しかったわ ありがとうねロク 幸せになるのよ」
「まっ まって おばあちゃん」
扉が閉まり ガチャリとガキが閉まった音がした
扉をドンドンと叩く
「おばあちゃんここ開けて お願いここ開けて」
「ロク君ッ どうしたの」
看護師さんが走ってくる
「おばあちゃんがおばあちゃんが」
扉に体当たりする ガラスが割れ 手を入れる
「ロク君 手が切れるから」と看護師が止めるの無視して
扉の鍵を開けて 俺が見たのは
息を引き取ったおじいの手を握り 眠るように死んでいたおばあちゃんの姿だった
おじいはベットの上で静かに眠っていた
「あなた ロク君が来てくれましたよ」
「おじい 目を開けて まだ俺おじいに勝ってないよ
おじい もっと強くしてくれるって約束したでしょ なんで寝てるの?」
おじいは何も答えてくれなかった
「城から帰ってきて 食事をして 今日あった事話をしていたの
そしたら急に倒れてね そのまま」
おばあちゃんが言う
「おばあちゃん」おばあちゃんの手が冷たい
「ありがとね ロク君 あの人と過ごしてくれて
あの人ね ロク君がたまにお城に来てたでしょ
その時からずっと ロク君の話よくしてたの
おうちに行くようになってからは ずっとロク君の話よ
元気になってくれてよかった 歩けるようになってよかった
庭に出れるようになったよ 少し買い物にも行ったんだ
って 孫が帰ってきてくれたみたいで うれしいって
ありがとうね ロク君 あの人に最後の幸せをくれて ありがとうね」
おばあちゃんは 俺の手を握ってそう言ってくれた
「おじいは強いんだ だからきっと目を覚ます
おじいは おじいは」
涙が止まらなかった
「また来ていい?」とおばあちゃんに聞く
「きっと あの人も喜ぶわ」
「おじい また来るね いつもおじいが来てくれたけど
今度は俺が来るね またね」
と病院を後にした
それから毎日 おじいのところへ行った
ひとりで大丈夫かとテオは何回も聞いたけど
おじいに大丈夫なところ見せたいからって言ったら
「そうか 教官喜ぶな」と行かせてくれた
人の声とか怖くなって 動けなくなる時もあった
でも
「ロク大丈夫 お前ならできるよ」って何回もおじいが言ってくれてた言葉を思い出して
病院へ行った
おばあちゃんとおじいの事しゃべったり 体を拭くお手伝いをしたり
泣き顔は見せない おじいに元気になった俺を見てもらおうと思っていた
「大丈夫か?」ベットに寝かされていた
「あれ 何でベット?」
「帰って来たとたん倒れたってミアが言ってたぞ」
「大丈夫 全然大丈夫」ベットから降りようとしたら
「無理しなくていい 寝ていればいい 食事もここへ運んでもらうように言ったから」
「・・・・・」
テオにため息をつかれた
「教官のことろへ行くなとは言わないから」
「ほんと?」
「ほんと だから あまり無理するなよ」
「わかってる ありがと」
とテオに言った
おじいは だんだん死へ近づいていた
見たことがある 戦場でたくさん見た もうじき死んでしまう人の顔
「ロク 今日までありがとうね 最後は二人にさせてくれる?」
「うん いつも おじい おばあちゃんとのデート楽しみにしてたもんね
俺に必ず邪魔すんなよって言うんだよ 邪魔しないのに」
少し二人で笑う
「ロク 私たちのかわいい孫 元気に強く生きてね
ずっと 空の上でおじいさんと応援してる」
おばあちゃんが 俺の頬をなでてくれて キスをくれる
「ほんとに かわいいロク あなた最後に私たちのところへ来てくれて
ほんとに嬉しかったわ ありがとうねロク 幸せになるのよ」
「まっ まって おばあちゃん」
扉が閉まり ガチャリとガキが閉まった音がした
扉をドンドンと叩く
「おばあちゃんここ開けて お願いここ開けて」
「ロク君ッ どうしたの」
看護師さんが走ってくる
「おばあちゃんがおばあちゃんが」
扉に体当たりする ガラスが割れ 手を入れる
「ロク君 手が切れるから」と看護師が止めるの無視して
扉の鍵を開けて 俺が見たのは
息を引き取ったおじいの手を握り 眠るように死んでいたおばあちゃんの姿だった
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