暗殺者は愛される

うー吉

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「傷残ったね」とクリスが残念そうに言う
「もしかして クリスも顔に傷が~とか思ってる」
「そらね かわいい顔なのにとは思うよね」
今日は クリスの手伝いで城に呼ばれている
ここのところ城のそれもクリスの執務室の書庫の整理の呼ばれている
「機密書類が多いから 誰でもいいってわけじゃないし
それに 仕事が出来る人じゃないと困るしね」と俺を呼んでくれた

でも知ってる テオが今アシエカへ視察に行っていないから 
俺はクリスに預けられているんだ 
先日のパーティーでの俺への言葉を聞いたテオがトクジロウに
「ロクにグラスを投げた女と 噂の元を俺が帰ってくるまでに探しておけ」と言うし 
「元帥閣下が どれだけ身分の高い奴でも 
変な噂話をしている奴は 舌を斬ってもいいと国王に許しをもらったらしい」と噂できいた
二人ならやりかねない ため息が出る

「ため息なんかついて どうしたの」とクリスが言う
「だって 心配しすぎだよ」
「そら心配にはなるよね」と顔をじっと見て
「寝れてないでしょ」と聞いてきた
「・・・うん」正直に答える
「以外に正直に答えたね」
「だって 隠してもバレるし 余計に怒られるし 心配するでしょ だから」と答えると
嬉しそうに笑ってくれて 頭を撫ぜてくれた
「食欲もない?」
「ないわけじゃないんだけど」
「食べたくない?」
「胃が痛くて 食べれない」と正直に答えたら
「なんでもっと早く言わないの」と怒られた
やっぱり怒られた

「もっと早く見せに来い」とソウテツにも怒られた
「だって・・・」
ソウテツがため息を吐く
「何回血を吐いた」
付き添いで一緒に来てくれた クリスの視線が怖い
「そんなにひどくないよ 少し混ざるぐらい」
「あのなぁ だいたい吐く事はよくないし 
それに血が混ざるって本当に良くないんだぞ わかってるのか」
やっぱり怒られた
そのまま入院になった
「みんなに怒られた」とクリスに言う
「当たり前 なんでわかってくれないかなぁ」とクリスが言うけど
「迷惑はかけたくない」
「誰も迷惑だなんて思ってないよ むしろ迷惑かけて欲しいぐらいだよ」
よくわからない
体がぐらりと揺れた クリスが支えてくれる
「ごめん」
「横になろうね」とベットに寝かせてくれる
「クリス まだいてくれる?」と聞いたら
「今日はずっといるから 安心して」とやさしく言ってくれた 
やっと眠れそうな気がする

「やっと眠った」とロクを顔をみて ため息につく 
目の下には濃いクマがあるし 顔色も良くない 熱が上がってきたのかもしれない 
微熱が続いていた事も黙っていた 体がだいぶ弱ってる 

ため息しか出ない



『No.6 ほら 咥えろよ』
『オイ 嫌がるなよ』
『人間じゃないくせに 嫌がるなよ』
ああ またこれだ
イザナギの研究所で 相手にさせられた 
イヤだと言っても 聞いてもらえず
『物のくせに 嫌がるなよ』と無理矢理入れられたりした
「オイ」と廊下を歩いてると肩を掴まれ そのまま 部屋に押し込められた 
倒され 服を破られ ズボンに手をかけられる
「いきなり何をする」と抵抗したら
「物のくせに偉そうに言うなよ」と言われズボンを一気に下された
そしてほぐしてもいない 後ろの穴を一気に突かれる
「アーーーッ」悲鳴をあげる
「うるさい黙れ」と口に着ていた服を突っ込まれ
また突かれる
「ーーーッ」
どれぐらい時間がたったのか わからない
気がついたら 押し込まれた部屋に下半身を出したまま ほって置かれてる 
部屋は男の匂いと血の匂い 身体を起こして 服を整えて部屋を出る
『アイツはモノだから どうでもいいんだよ』と笑って話してる研究者が通り過ぎた
部屋を出た先には きれいに着飾った人たちがいる 
その中心にテオがいる 
「テオ」と呼んでも向いてくれない
綺麗な女の人に囲まれている
「テオ様 あんな゛モノ ”なんかに振り回されておかわいそうに」
「汚い テオ様が汚れてしまうわ」
「人間のふりをするのはやめなさい モノのくせに」
「壊れたら捨てたらいいよ モノなんだから」


「や・・やだ」ロクが魘されてる 涙を流している
「ロク起きて ロク」
目が開いた 「やだ 捨てないで」と手を伸ばしてきた
手を握って言う
「捨てるわけないでしょ 大事な大事な弟だよ 捨てるわけない」
「ク・・・リス」
「ああ いるよ ここにいる」手を強く握ってやる
「捨てないで」と手を握り返してきた力が弱弱しくて涙が出そうになった


「もうこの子はなんでちゃんと言わないの」とミアがきた早々怒っている
「ごめん」
「ほんとにもう」と言いながら身の回りを整えていく
ソウテツが 「いっぱい怒られろ 自分がどれぐらい心配かけてるかわかるだろ」
「これで少しはわかってくれたらいいんですけどね テオにも連絡したからね」
「なんで 」
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