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次の日の朝 森の向こうに黒い塊が見えた
「俺とルイの部隊のイキのいい奴だけ連れてきた」とヒューは言った
「飛龍のお土産の確認が取れたら軍隊動かすようになってたんだ」
フェルが言う
「向こうにも連絡してあるから ここで待機ね」と聞いたテオが
ヒューとルイ そしてロクを連れて外へ行った
テオが部隊の前に立つ
「国王の合図があれば 進軍する ただし これは侵略ではない解放である」
「困っている事や人がいれば積極的に助けよ 手を惜しむな
何度も言うが これは侵略ではない解放である わが軍の評価を貶める行動をするものがいれば
上官でも構わず切り捨てよ これは 国王からの厳命である みな心しておいてくれ」
トクジロウが テオに言葉をかける
テオが大きくうなずき
「さぁ 作戦開始だ 我々の力を見せつけてやれ」
「オーーーーーッ」と皆がこぶしを上げた
それぞれが部隊を引き連れ 走り出した
俺はテオに付いていく
テオの部隊のジュドウが「将軍まで来ることないでしょ 待っていればいいのに」と笑っていた
「さっさと終わらせたいからな」と馬を走らせながらテオが言う
「ロクも体調は大丈夫?無理してない?」
「大丈夫です」
「なら 早めに終わらせて 休暇をいただきましょう」
では作戦通りにと右手をあげて 部隊を半分引き連れて走って行った
軍隊を動かして 2日後 アシエカの首都に入った
その道すがら 街が必要な物を与えていく
道であったり橋であったり
スパルガリズの軍隊 今は大臣の私兵だが とても紳士的に一般人と接していた
軍を進めれば進めるほど 評判は上がっていく
そしてそのまま 王都へ突入した
あっと言う間に主要箇所は制圧し 王城のみとなった
「何事だ」アシエカの王が言う
「我々は 大臣の私兵である 主の命により この国を制圧する
どうぞこのまま 無駄な血を流すことなく済むように 決断を」とテオが言う
この時点で勝敗は決まっていた 軍が進軍するとともに民衆も動いた
王城には 今までの政治に対する不満を持っていた民衆が押し寄せ 声を上げている
国民の前にアシエカの王はうなだれる
「少しいろいろ急ぎすぎたようだな もう一度よく考えろ この国に何が必要かを
いざなぎの力に惑わされるな あんなもの不幸な人を増やすだけだ この世の中に必要はない
そう思わんか アシエカの王」フェルが言う
「だまれ 貴様がすべて仕組んだことではないか それにまんまと踊らされて
何がこの世に必要ないだ お前たちだって いざなぎの力を使ってるじゃないか
アレがいれば いざなぎの力が証明される アレさえ手に入れば」
「まだ そんなこと言っているのか」テオが声を荒げる
「うるさい 黙れ あれはただの道具だ 人間が力を手にいてるための道具だ
あれは人間なんかじゃない ただの道具なんだよ
あーそうだ イブって言ったっけ あのつぎはぎだらけの犬 あれはもっと道具だな」
ザシュッと音がした
「今度会ったらぶっ殺すって言ってたからな 予定通りだ」
血が噴き出して王が倒れた トクジロウがアシエカの王の首を切った
テオもフェルもクリスもみんな鞘に手をかけていた
血が流れていく 赤い血だ
俺もイブも飛龍も赤い血が流れているのにな 道具にしたのはお前たちだ
俺たちは人間だったのに こんなふうにしたのはお前たちで
俺たちを道具にしたのは お前たちで
俺たちは道具なんかじゃない 人間なのに
道具にされた
「ここすごい事になってますね」とヒューがやってきた 肩に血がべっとりついてる
ルイが「どうしたの怪我したの」と青い顔になってヒューに尋ねた
「ああこれは 飛龍のです 大けがで医療用テントに運びました
今 ダイジロウが治療しています 施設の方も大方始末してます」
体から 力が抜ける
「ロクッ」テオが支えてくれた
「ごめん テオ ごめん」上手く力が入らない
「テントに連れていく」テオが抱き上げてくれる
「ああ 少しやすんでおいで こちらは心配しなくていいから」クリスに言われるけど
「大丈夫だよ 1人でいけるから」
「無理だ 今のロクを一人にできない」と言ってテントの方へ歩き出す
王城の庭の片隅に もうテントが張られている その中の一つに入る
寝台に寝かされる
「飛龍が怪我をしたって 大丈夫かな」「ああ後で様子を聞こう」
「あんなに血がついていた」「ダイジロウが付いてる きっと大丈夫」
「・・・テオ」「ロクは俺の大事 これまでもこれからもずっと それだけは変わらない 俺を信じて」
「ん」「少し休んだら飛龍の様子聞きに行こうな」「ん」と手を握り合った
二日テントの中で過ごした テオは呼ばれたときだけテントからでて すぐに帰ってくる
クリスが様子を見に来てくれた 「テオが・・」と言うと
軍隊はヒューとルイがいるし 今回はジュドウがいるから 心配ないよ
「飛龍は?」クリスの顔が少し暗い顔になる
「ダイジロウが 頑張ってる 傷はたいしたことないみたいだけど 血を流しすぎたみたい」
「そうなんだ」
「国に帰すことを考えてる このままじゃ ダイジロウが持たない 気を張りすぎているんだ
ロクも帰るか?ここがしんどいならそうしたらいいよ」
クリスが優しく言ってくれる
「ううん 帰らない 最後まで片付けてから帰るってイブと約束してるから 帰らない」
「それに 今テオと離れるのは ちょっと怖くて」
「不安?」
「ちょっとだけね 何がてわけでもないんだけど なんとなく離れたくなくて」
正直テントを出るのも 少し怖い
「そうか いろんなことがあったからな もう少ししたらいろいろ片付く そしたらみんなで帰ろうな」
「うん」と返事をした
「俺とルイの部隊のイキのいい奴だけ連れてきた」とヒューは言った
「飛龍のお土産の確認が取れたら軍隊動かすようになってたんだ」
フェルが言う
「向こうにも連絡してあるから ここで待機ね」と聞いたテオが
ヒューとルイ そしてロクを連れて外へ行った
テオが部隊の前に立つ
「国王の合図があれば 進軍する ただし これは侵略ではない解放である」
「困っている事や人がいれば積極的に助けよ 手を惜しむな
何度も言うが これは侵略ではない解放である わが軍の評価を貶める行動をするものがいれば
上官でも構わず切り捨てよ これは 国王からの厳命である みな心しておいてくれ」
トクジロウが テオに言葉をかける
テオが大きくうなずき
「さぁ 作戦開始だ 我々の力を見せつけてやれ」
「オーーーーーッ」と皆がこぶしを上げた
それぞれが部隊を引き連れ 走り出した
俺はテオに付いていく
テオの部隊のジュドウが「将軍まで来ることないでしょ 待っていればいいのに」と笑っていた
「さっさと終わらせたいからな」と馬を走らせながらテオが言う
「ロクも体調は大丈夫?無理してない?」
「大丈夫です」
「なら 早めに終わらせて 休暇をいただきましょう」
では作戦通りにと右手をあげて 部隊を半分引き連れて走って行った
軍隊を動かして 2日後 アシエカの首都に入った
その道すがら 街が必要な物を与えていく
道であったり橋であったり
スパルガリズの軍隊 今は大臣の私兵だが とても紳士的に一般人と接していた
軍を進めれば進めるほど 評判は上がっていく
そしてそのまま 王都へ突入した
あっと言う間に主要箇所は制圧し 王城のみとなった
「何事だ」アシエカの王が言う
「我々は 大臣の私兵である 主の命により この国を制圧する
どうぞこのまま 無駄な血を流すことなく済むように 決断を」とテオが言う
この時点で勝敗は決まっていた 軍が進軍するとともに民衆も動いた
王城には 今までの政治に対する不満を持っていた民衆が押し寄せ 声を上げている
国民の前にアシエカの王はうなだれる
「少しいろいろ急ぎすぎたようだな もう一度よく考えろ この国に何が必要かを
いざなぎの力に惑わされるな あんなもの不幸な人を増やすだけだ この世の中に必要はない
そう思わんか アシエカの王」フェルが言う
「だまれ 貴様がすべて仕組んだことではないか それにまんまと踊らされて
何がこの世に必要ないだ お前たちだって いざなぎの力を使ってるじゃないか
アレがいれば いざなぎの力が証明される アレさえ手に入れば」
「まだ そんなこと言っているのか」テオが声を荒げる
「うるさい 黙れ あれはただの道具だ 人間が力を手にいてるための道具だ
あれは人間なんかじゃない ただの道具なんだよ
あーそうだ イブって言ったっけ あのつぎはぎだらけの犬 あれはもっと道具だな」
ザシュッと音がした
「今度会ったらぶっ殺すって言ってたからな 予定通りだ」
血が噴き出して王が倒れた トクジロウがアシエカの王の首を切った
テオもフェルもクリスもみんな鞘に手をかけていた
血が流れていく 赤い血だ
俺もイブも飛龍も赤い血が流れているのにな 道具にしたのはお前たちだ
俺たちは人間だったのに こんなふうにしたのはお前たちで
俺たちを道具にしたのは お前たちで
俺たちは道具なんかじゃない 人間なのに
道具にされた
「ここすごい事になってますね」とヒューがやってきた 肩に血がべっとりついてる
ルイが「どうしたの怪我したの」と青い顔になってヒューに尋ねた
「ああこれは 飛龍のです 大けがで医療用テントに運びました
今 ダイジロウが治療しています 施設の方も大方始末してます」
体から 力が抜ける
「ロクッ」テオが支えてくれた
「ごめん テオ ごめん」上手く力が入らない
「テントに連れていく」テオが抱き上げてくれる
「ああ 少しやすんでおいで こちらは心配しなくていいから」クリスに言われるけど
「大丈夫だよ 1人でいけるから」
「無理だ 今のロクを一人にできない」と言ってテントの方へ歩き出す
王城の庭の片隅に もうテントが張られている その中の一つに入る
寝台に寝かされる
「飛龍が怪我をしたって 大丈夫かな」「ああ後で様子を聞こう」
「あんなに血がついていた」「ダイジロウが付いてる きっと大丈夫」
「・・・テオ」「ロクは俺の大事 これまでもこれからもずっと それだけは変わらない 俺を信じて」
「ん」「少し休んだら飛龍の様子聞きに行こうな」「ん」と手を握り合った
二日テントの中で過ごした テオは呼ばれたときだけテントからでて すぐに帰ってくる
クリスが様子を見に来てくれた 「テオが・・」と言うと
軍隊はヒューとルイがいるし 今回はジュドウがいるから 心配ないよ
「飛龍は?」クリスの顔が少し暗い顔になる
「ダイジロウが 頑張ってる 傷はたいしたことないみたいだけど 血を流しすぎたみたい」
「そうなんだ」
「国に帰すことを考えてる このままじゃ ダイジロウが持たない 気を張りすぎているんだ
ロクも帰るか?ここがしんどいならそうしたらいいよ」
クリスが優しく言ってくれる
「ううん 帰らない 最後まで片付けてから帰るってイブと約束してるから 帰らない」
「それに 今テオと離れるのは ちょっと怖くて」
「不安?」
「ちょっとだけね 何がてわけでもないんだけど なんとなく離れたくなくて」
正直テントを出るのも 少し怖い
「そうか いろんなことがあったからな もう少ししたらいろいろ片付く そしたらみんなで帰ろうな」
「うん」と返事をした
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