暗殺者は愛される

うー吉

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閑話(ルイ編2)

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朝 事務官に呼び止められる
元帥閣下が執務室におられます
ロクがテオ様の家で暮らすようになってから
あんなにいつも ギリギリに来られて さっさと帰る なんとも真面目(?)な生活をされていたのに 
なぜ
ロクが入院したとか それなら休むよな 
わからん 
「で それをなぜ私に?」
「できましたら ご自宅に帰っていただきますように 進言していただけませんか」
「いつも仕事しない人が してくれてるんだろ いいんじゃないの?」
「だから 困るんです いつもしない人が 中途半端に口出しをしてきて 説明したり調べたりしないといけなかったり 以前はどうなってたみたいなこと言い出されて 前に進まないし 事務方の仕事増やすだけで 挙句に機嫌が死ぬほど悪かったら はっきり言って 邪魔でしかないんです」フッーと鼻息荒く説明された
「なんかごめんね 元帥が迷惑かけて」
「ロクくん具合悪いんですか?」
「うん」
「早くここに来て欲しいです 事務仕事もなかなかなのですが 元帥閣下を動かすのがお上手で 助かってたんですよね 正直 ルイ様はお会いになりますか」
「ああ 今日あたり行こうかなとは思ってる」
「では いつでも 第一執務室はロクくんを待っているとお伝え願えませんか?」
「ああ わかりました」
「よろしくお願いしますね」
「ハイハイ」
「帰っていただく事も忘れないでくださいね」
「ハイ」
事務官が機嫌良く戻っていった
「なんで俺がここにいるのかは 疑問に思わないのね」ハァとため息をついた
こっちの都合は全く考えない上司に呼び戻された 
「えっ まだこっちの整理全然なんだけど」
いざなぎの後始末といざなぎ国の復興 
民衆の生活の復興 難民として近隣国に散っていた人の帰国
生活の立て直し などなど 戦いは短かったけど そのあとの方が大変
なところに一時帰国命令 
「今ここを離れろと あのおっさん何考えてやがる」と文句を言いながらも
命令に従って帰ってきたら 最悪最低 機嫌が悪すぎる上司が座っていた
「ただいま戻りました」
「ああ」
「あの なぜ私は呼ばれたのでしょうか」素直な気持ちを伝える
「・・・・・頼みたいことがあって」
「はい 何でしょうか」
「・・・」
「何をすればよろしいのでしょうか」
「・・・・・ロクの様子を見てきてほしい」
「はい すいません ちょっとよく聞こえなかったのですが」
「だから 私の家に行って ロクの様子を見てきてほしいんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ご自分でいかれてはいかがですか」
「行けるのであれば行っている」
わが国の事務官は優秀だなと思う どんなに上司が大声出しても
自分たちの仕事の手を止めることなく 仕事を進めている
優秀である
「理由をお聞きしても?」
ボロボロだったロク君が随分回復してきて 言葉は少し不自由なくらいで
だいぶ普通の生活が送れるようになってきたらしい
が どうも 監禁生活の後遺症で テオ様を怖がってしまうようだ
「閣下だけが怖がられるのですか?」
ギンっと睨まれた テオ様だけの様だ
「アランさんやミアさんに聞けばいいじゃないですか」
「聞いても返答がない」
怒らせた?
「宰相とかトクとかダイとかヒューもいるでしょ 俺じゃなくても」
「あいつらに頼むのはイヤだ」
「えーっと 近くにたぶんお願いすれば聞いてくれるであろう人たちがいながら
一日かけて帰ってこなければいけなく 後始末に追われて自分の睡眠時間もままならない
私を 閣下のあくまでもわがままでプライベートのお願いを聞くために帰還させたいうことで
よろしいのですか」
「お前に休暇をやろうと思ってな」
「休暇ですか ちなみに日にちは 」
「昨日から明日までだな」
こんな上司もう嫌だ

テオ様の屋敷の前にいる
様子を見てこいと上司に言われたのもあるが 単純に私がロクに会いたいというのもあって
屋敷の前に立つ
「こんにちわ」とアランさんに声をかけたけど なんだか不機嫌
「何か御用でしょうか 主人はしばらくこちらには戻らず 司令部にいると思いますが」
「いや ロクに用事がありまして」
「主人に頼まれて ロクの様子を聞いて来いとでもことずかって来られたのなら
申し訳ありませんが ロクを会わすわけにはまいりません」
「そこで何をしている」宰相声がする
「ルイお前は いざなぎにいるはずだが 上司が休暇でもくれたか」
テオ様 全てがバレバレです
「アラン ロクが寝てしまった 部屋を用意してくれるか」
「はい」とアランさんは屋敷へ戻って行った
「お前も手伝え」とクリス様が馬の手綱を渡してきた
そして 両手で大事そうにロク君を抱えなおした
屋敷に入り 「こちらです」とアランさんが案内したのは 使用人の部屋 それも一番下の部屋
窓もない暗い部屋 ベットと小さな机しかない そのベットにロク君は寝かされた
ミアさんが 「申し訳ありません 出来れば出て行っていただけませんか ロクやっと眠れたので」
ロク君の顔は 少し顔色が悪く クマがひどい
「わかりました すいませんがよろしくお願いします」とクリス様がミアさんに頭をさげた

「旦那様が帰ってこられなくなって 寂しいのでしょう 
でも 自分が拒否をしてしまったからと ずっと自分を責めて 
ダイジロウさんが気が付いてくれなかったら 私たちはロクを失うところでした」
「ロクは今声が出ません 理由はストレスだろうと ダイジロウ様はおっしゃってます
ここにいることがロクのストレスになるなら 私たちと田舎へ連れて帰ることも
考えております 旦那様達には任せておけませんので」
「すいません ウチのアホな元帥のせいで」クソ元帥一回〆てやる
「でも 心配してるんです ほんとに俺をいざなぎからわざわざ呼んで
様子を見てきてほしいとか 仕事もあまり手についてないし 
なにより前 ロクが此処に来る前みたいに 誰も寄せつけない 冷たい人にもどってました
せっかく 幸せそうに笑えるようになったのに 
だから このままではだめなんです」
「じゃあどうすれば」
「じゃあこうしましよう」とクリス様がニヤッと笑った


司令部に帰る
「えらく早いな でどうだった」
「はい 私が屋敷に行ったときには 宰相と馬で出かけた後でして
会うことは出来なくて アランさんとミアさんに聞いたのですが 変わらずすごしている
宰相がよく訪ねてきてくれるので 嬉しそうだと言ってました」
「なんだと・・・もういい いざなぎへ帰れ」
「はっ」あとは頼みましたよ クリス様




ヒューが後から
クリス様とテオ様が喧嘩して大変だった と聞いた
いざなぎにもどってまた忙しい日々を送っている
ルイ中将お荷物が届いております と
差出人はロクくんだ
開けてみる 果実のジャムと少し厚手のマフラーは入っていた
手紙がはいっており 
ーーークリスから聞きました 心配かけてごめんなさい ゆっくりだけど言葉も出るようになったよ
ルイが帰ってくる頃にはもっと元気になるからね 
いざなぎはそろそろ寒くなるので ミアと選んだマフラーと
ウチのみんなで作ったジャムを入れておきます 紅茶に少しいれるとおいしいです
帰ってきたときは いざなぎがどんなふうに変わったか教えてください
楽しみに待ってますーーーー


いざなぎをいい国にして ロクやイブが安心して帰れるような国にしよう
とりあえず やっぱりみんなのところがいいから早く帰れるようにがんばろう
「よーし がんばろう」
「中将 大声は困ります」と怒られた





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