暗殺者は愛される

うー吉

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ここに来て 何日たった
暗くて時間の感覚がおかしくなっている

「ずいぶん余裕があるんだな」
鞭で背中を叩かれる
「んっ」
痛みで顔が歪む 右腕を庇えない
両方の手を頭の上で縛られている
右腕の感覚がない もう使い物にならないなぁと考える
また鞭で打たれる
「あっ ん んっ」くちびるを噛む
血が飛び散る 背中の感覚も無くなってきた
「ふんっ」とだれかが鞭を打った
右肩に当たり 「あっ」古傷のせいで薄くなった皮が裂けて血が飛び 今までに以上の痛みが肩に走る
『テオ 助けて』俺は意識を飛ばした

みおぼえのある封筒が紛れていた 
いざなぎの国の書なのはすぐにわかった
宛名がNo.6になっていたから
封書を開ける 

『裏切り者には死を 助けた者には制裁を』
と書かれていた

そのままその紙を水につける
場所が書かれた 地図が浮かぶ
井戸の前で動けなくなった
テオに相談しなきゃ どうしょう
みんなに迷惑がかかる どうしよう
「ロクどうしたの」とミアが聞いてくる
「ミア・・・・腕どうしたの」ミアの腕に包帯が巻かれていた 朝にはなかった
「さっき市場でね 人とすれ違った時何かにさわったみたい 気がついたら血が流れてたの 
あっ でも大した事ないのよ 大丈夫」
血の気が引く
「ミアお願い 俺がいいって言うまで 1人で家から出ないで アランにもそう言って お願い お願いだから」
「どうしたの ロク 私は大丈夫よ心配性が移ったのかしら」と笑うミア
「お願いだから お願い」
「ロク顔が真っ青よ 大丈夫? わかったわ約束する 」
ミアを抱きしめる
 「ごめんねミア 少し出かけてくる」

「いつまで寝てるつもりなんだ」
「ぐぶっ」横腹を蹴られた
口から血が流れる 
肋骨いったな 
「あまり暴れるなよ」と真っ赤に焼けた鉄棒を
胸に押しつけられた
「ーーーーっ」ジュッと言う音と肉が焼ける臭いが立ち込める
「ほんとコイツ 昔から我慢強いよな」
「声だせよ 俺たちに命乞いしろよ」
「元帥閣下に助けを求めろよ」
顔を上げる
「やっと反応したな」誰かが笑ってた

「まだわからないのか」
ロクが行方不明になってから三日
連絡もなければ 何もない きれいに形跡を消して屋敷から消えた
ミアに屋敷から出るなと念押しをして
いざなきの暗殺者の何人かが消えたと連絡があったのは1ヶ月前 警戒していたつもりだったが こんな事になるなら ロクに伝えておけばよかった
いざなぎか暗殺者か どちらも今更ロクの首なんて必要ないだろ 
それにフェルが真綿で首を絞めるようにじわじわと追い込んだ あの国はもう虫の息だ 


この国にいても いいことはないぞ 
周りの国を見てみろ この国よりはるかにいい暮らしをしてるぞと話と少しの金を握らせる
周りの国には もしかしたらどこかであなたの命が狙われるかも
そんな危険な国そのままにしておくのはどうかな と耳元でささやく
みな 心当たりがあるんだろうな協力的だ フェルが言う
トクジロウがよく働くと
『狙われているのでは』 と思わすだけでいいと指示を出していた 
そして 我が国もそうだが 労働力としていざなぎの人々をどんどん受け入れた
元々勤勉な民族である どこの国へ行っても重宝された
いざなぎからの民の流失は止まらず もう国として持たないなと判断されて
ますます 国が衰退していった
「どうするつもりだ 労働力が欲しかったわけではないだろう」フェルに言うと
「あそこには まだ開発されてない黄金が眠ってると言ったら」
「小さい国だが うまくやれば十分大国と渡り合える力がある
それを眠らせてるのはもったいないと思うんだ」
もうすぐ ちゃんと終わらせるよ フェルが言った


その中での出来事だ
暗殺者が移民に紛れてこの国に入り ロクに接触した
警戒させるべきだった












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