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静6
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「山崎君 これどうなった」
「山崎君 あの発注分いつ頃になるって聞いてる」
「山崎君 今日の会議の資料って配ってもらったっけ?」
退院して一ヵ月
「無理をしなければ 仕事復帰してもいいよ
ただし 1人暮らしはナシね」
とコウ兄がカルテを見ながら言った
「薬も飲んで 月一回必ずここに来る いい?」
「はい」
「よく頑張ったね 無理をしなかったら 何してもいいよ
疲れたら休む しんどくなったら誰かに助けてもらう
千尋には難しい事だったと思うけど よく頑張ったね」と言われて
千尋が嬉しそうにしていた
「実家からでるのはナシ?」千尋の後ろからコウ兄に聞く
「二人で暮らすってこと?」うーんとちょっと考えてから
「今は あんまり賛成はできないな 今の生活だから維持できてるんだよ
家を出るってことは それぞれの負担が増えるよね 仕事もするでしょ
まだちょっと千尋はしんどいかな と思うよ」
その言葉に千尋の方が シュンとしていた
「次の目標にすればいいよ そうだな 1年後
それぐらいに 二人で暮らせるようにするとかすればいいんじゃない?」
「そうやなそうしょう 次の目標な」と千尋に言ってやる
「わかった」とちょっと拗ねているのがわかった
コウ兄と目を合わせて 少し笑った
「おはようございます 長い間すいません ご迷惑をおかけしました」
会社で頭を下げる 千尋
「おかえり川崎君 待ってたの」と女性陣からの歓迎を受け
復帰明けとは思えない速さで部内を把握していった
「さすがだなぁ」と瀬野が感心している
「ああ ホンマに」同意する
「やっぱ お前に譲るのやめにする」
「えっ」コーヒーを吹きそうになる
「お前にはもったいない やっぱそうする」
「そんなんアカンって お前譲るって言うたやん」
「ダメだ」
「うるさいぞ そこ二人」と係長怒られた
「はーい」と仕事にもどる
「川越さん これ午後からのプレゼンの資料です」と隣の千尋が手渡してくれる
「ありがとう」と資料に付箋が付いてある
『プレゼンがんばれ~』と千尋の字で書いてあった
瀬野悪いが絶対に譲られへん と心の中で思った
千尋が仕事に復帰してからの週末金曜日
定時を少し回ってから会社にもどった
千尋の机は帰り支度がしてあるが カバンがある
5分‥‥10分 戻ってこない イヤな予感しかしない
俺も帰り支度だけをして フロアをでる
電話をする
「…‥‥‥はい」
「今どこにおる」
「非常階段」
「わかった 待ってってな」
フロアの奥の小さな扉を開けると 階段の手すりにもたれるように
お腹を押さえて千尋が座っていた
「千尋」声をかける
少し顔色が悪い おでこをさわると少し熱い微熱だ
「うん」つむっていた目を開けるがすぐにまたつむった
めまいもあるのか
電話をする
「菅原?悪いけど誰でもいいから迎えに来られへんかな
うん そう 千尋がちょっと調子悪いねん お願いします」
と電話を切った
「ごめん」と目をつむったまま千尋が言う
「気にせんでいいかならな」と上着をかけてやった
「山崎君 あの発注分いつ頃になるって聞いてる」
「山崎君 今日の会議の資料って配ってもらったっけ?」
退院して一ヵ月
「無理をしなければ 仕事復帰してもいいよ
ただし 1人暮らしはナシね」
とコウ兄がカルテを見ながら言った
「薬も飲んで 月一回必ずここに来る いい?」
「はい」
「よく頑張ったね 無理をしなかったら 何してもいいよ
疲れたら休む しんどくなったら誰かに助けてもらう
千尋には難しい事だったと思うけど よく頑張ったね」と言われて
千尋が嬉しそうにしていた
「実家からでるのはナシ?」千尋の後ろからコウ兄に聞く
「二人で暮らすってこと?」うーんとちょっと考えてから
「今は あんまり賛成はできないな 今の生活だから維持できてるんだよ
家を出るってことは それぞれの負担が増えるよね 仕事もするでしょ
まだちょっと千尋はしんどいかな と思うよ」
その言葉に千尋の方が シュンとしていた
「次の目標にすればいいよ そうだな 1年後
それぐらいに 二人で暮らせるようにするとかすればいいんじゃない?」
「そうやなそうしょう 次の目標な」と千尋に言ってやる
「わかった」とちょっと拗ねているのがわかった
コウ兄と目を合わせて 少し笑った
「おはようございます 長い間すいません ご迷惑をおかけしました」
会社で頭を下げる 千尋
「おかえり川崎君 待ってたの」と女性陣からの歓迎を受け
復帰明けとは思えない速さで部内を把握していった
「さすがだなぁ」と瀬野が感心している
「ああ ホンマに」同意する
「やっぱ お前に譲るのやめにする」
「えっ」コーヒーを吹きそうになる
「お前にはもったいない やっぱそうする」
「そんなんアカンって お前譲るって言うたやん」
「ダメだ」
「うるさいぞ そこ二人」と係長怒られた
「はーい」と仕事にもどる
「川越さん これ午後からのプレゼンの資料です」と隣の千尋が手渡してくれる
「ありがとう」と資料に付箋が付いてある
『プレゼンがんばれ~』と千尋の字で書いてあった
瀬野悪いが絶対に譲られへん と心の中で思った
千尋が仕事に復帰してからの週末金曜日
定時を少し回ってから会社にもどった
千尋の机は帰り支度がしてあるが カバンがある
5分‥‥10分 戻ってこない イヤな予感しかしない
俺も帰り支度だけをして フロアをでる
電話をする
「…‥‥‥はい」
「今どこにおる」
「非常階段」
「わかった 待ってってな」
フロアの奥の小さな扉を開けると 階段の手すりにもたれるように
お腹を押さえて千尋が座っていた
「千尋」声をかける
少し顔色が悪い おでこをさわると少し熱い微熱だ
「うん」つむっていた目を開けるがすぐにまたつむった
めまいもあるのか
電話をする
「菅原?悪いけど誰でもいいから迎えに来られへんかな
うん そう 千尋がちょっと調子悪いねん お願いします」
と電話を切った
「ごめん」と目をつむったまま千尋が言う
「気にせんでいいかならな」と上着をかけてやった
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