静と千尋

うー吉

文字の大きさ
上 下
9 / 19

静5

しおりを挟む
両親の部屋の前に立つ 
あやまるけど なんてあやまる
言いすぎた 悪かった えっどうしよ
「何してる 入るなら入りなさい」部屋の中から声がかかる
「はい」と観念して部屋に入る
正さんとさきさんが 机の前に座っている
「さっきはすいません 言葉が過ぎました」
「静 お前はほんとに若い時の正さんによく似てる」
「えっ」
「カッとなったら 何にも見えなくなる それで父さん何回失敗してるか ね」
と正さんを見る さきさん
「先代は失敗したらわかるからほっておきなさいって
知らん顔していたけど 正さんはそれができないのよね」
クスクスさきさんが笑ってる 正さんの顔が赤い
「頭は冷えたか? お前は 普通の生活してることの方が多い
一時の感情でこの仕事してはいけない 川越の子ならわかるよな」
「はい」
「まずはお前が守らないといけないのは 千尋君だろ
よく考えて行動しなさい」
「はい」
もう一度頭を下げる
「ごめんなさい 父さん 母さん」
「こんな時だけ言うのは 卑怯だと思うんだけど」
さきさんが笑ってくれて ホッとした
「千尋くんの父親の事は 龍之介に任せておきなさい」
「うん」
「あなたは大丈夫?」さきさんが頭を撫でてくれる
「ああ 大丈夫」
「今から帰るのか」
「千尋のところにも寄りたいし 熱が下がらないから 着替え持って行ってやりたいし」
「そうか それなら 車持って行けばいい」
まだマンション駐車場あるだろと正さんが言ってくれる
それならちょっと待ってね とさきさんが台所へ行く
玄関でみんなに見送られる
「千尋くんの前で 怒るなよ」とリュウ兄に笑われ
さきさんが 千尋くんが食べれたらいいんだけど と果物やお菓子を持たせてくれる
「また来るよ」と家を後にした

病院につく
面会の時間はとっくに過ぎているけど
コウ兄が
「千尋くんは精神的なケアが必要な子だからね 千尋くんが嫌だと言わない限り 何時でもきていいように言っとくよ」と言ってくれている
静かに扉をあける
「川越さん?」
「夜ふかしはアカンなぁ」とベットの横の椅子に座る 
今日は少し顔色がいい ごはんも少し食べれたとコウ兄から連絡があった このまま熱が下がればいいけど
「おふくろが果物くれたんや なんか食べるか」
「えっ でも」
「でもなんや」やさしく聞き返す
「食べたいけど そんなに食べれないから」
と少し困った顔をする
「そんな事 気にせんでいい 残ったら俺が食うし 食べれる分だけ食べたらええよ」
何食べたい?ともう一度聞いたら
「りんご」と小さい声が帰ってきた
小さく切ったりんごを口に運んでやる
「美味しいか?」と聞いたら
「美味しい」と答えてくれる
何気ない会話やけど 嬉しかった

「ちゃんと帰って寝て下さいね」
千尋が言う
「なんで ここで寝たらアカン?」
洗濯物を片付けながら 言う
「ダメです ゆっくり休めないでしょ 仕事に差し障ります」
着替えのパジャマを出して 着替えさせて行く  
「大丈夫やって はいちょっと俺に寄りかかってくれる?」
「だから 俺の話聞いてますか?」
「聞いてるよ」ズボンもかえて
「スッキリしたな」と頭を撫でてやる
「だから ここにいたら俺の世話ばっかりで 川越さん休めないでしょ だから家で休んでください」
千尋が大きな声で言う ちょっとビックリした
千尋がそんな声出すと思わんかったから
ベットに体を預け 肩で息をしている
自分でも驚いたようだ
「ごめん 大きな声出させてしもたな」
ハァハァと息が整わない 背中をさすってやる
「千尋が落ち着いて寝たら 帰るな」
「ほんと?」
「ほんま そのかわり休みの前の日は泊まってもいい?」聞いたら
ちょっと顔を赤くして うなずいてくれた
「ありがとうな ほんならおやすみ 明日しんどくなったら 困るからな」
息も落ち着いてので そのままベットに寝かす
「寝るまではいてくれますか?」
と小さな声が聞こえた
嬉しくて 顔がニヤける
「寝るまでそばにおるよ 安心したらええ 俺が守ったるからな」と頭を撫でてやる
目がトロンとしてきて すぐに寝息が聞こえてきた
夢見が悪くあまり寝たがらないから
少し 睡眠薬を入れている
もう少し寝顔見てから 帰ろ
とおでこにキスをする








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

熱中症

こじらせた処女
BL
会社で熱中症になってしまった木野瀬 遼(きのせ りょう)(26)は、同居人で恋人でもある八瀬希一(やせ きいち)(29)に迎えに来てもらおうと電話するが…?

王道にはしたくないので

八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉 幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。 これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?

寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。 ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。 ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。 その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。 そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。 それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。 女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。 BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。 このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう! 男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!? 溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

処理中です...