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静3
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ガーゼや包帯 消毒液などなど 壮志さんが買ってきてもので
応急処置する
「病院に入院させるよ
このままじゃ 千尋君死んじゃうよ 家族はいないの?
「何度か お父さんが来るからって言ってた時があった」
千尋が寝ている姿をじっと見る 頬の殴られた後にもバンソコが貼ってある
「なぁ コウ兄
ウチの会社まぁまぁ給料いいやん 千尋は営業事務やけど派遣やけど
それなりにもらってると思うんやけど
アンパン一個やねん
古いアパートに住んでるし 家の中ホンマに何にもないねん
いつも冷蔵庫空っぽやねん
月の内な アンパン一個で過ごす日がいっぱいあってな
何も食べへん日とかあったりとか それにな
あきらかに寝不足でフラフラで仕事来たりとか 倒れそうになったりとかするねんけど
仕事はしっかりしてる 仕事ほんまにようできる子やねん
実際家で何回も倒れてるんと違うかな お腹もすいてたんかもしれへん
兄ちゃん 俺には力がない 千尋ひとり助けたる力がない」
自分が情けない
「千尋君の事 中途半端な気持ちで助けたなら ここで警察を呼ぶ
虐待と強姦になるからね 本当は届けないとダメなのは知ってるよね
セイが本気で助ける気持ちがあるなら 何でも手伝うよ どう?」
兄の顔を真っすぐに見る
「俺 おにぎり握るだけで ドキドキしたのホンマに久しぶりやし
どうやって渡そうとか いつ渡したらええんやろかとか
めっちゃ悩んで 渡す時もドキドキしてた 普通のフリしてたけどな」
コウ兄と壮志さんがニヤニヤしながら聞いている
「電車の時間わからんから 駅で待ってみたり 直帰でいいのにわざわざ会社にもどってみたり
体調の事も足の事も ケガの事も気が付いてた でも俺なんもでけへんかってん」
「しっかりしないと 好きな奴守れないような男は川越家にはいりませんって
さきさんに怒られるよ
助けるのはこれから 力がいるのもこれから」
兄がやさしく喝を入れてくれる
「お前が本気で守る気があるなら 俺たちは手伝うよ
いつでも 我が家は静のお願いは聞くだからね」
「それ 俺の力ちゃうやん」
「でも 使える物は何でも使った方がいいでしょ」
君には使える力があるんだから と
「千尋のためになるんやったら それもアリやな
さきさんに怒られるのはかなわん 本気で行くわ
コウ兄 壮志さん手伝ってくれる?」
「「もちろん」」
「あっ みんなにも連絡してね じゃないと俺たちが嫌味いわれるから お願いね」
とコウ兄が言った
「千尋 やっぱり病院行こ ここでは限界があるってコウ兄達も言うてるし
一回ちゃんと病院行ってみてもらお な」
「でも・・・」
「とりあえず今日は コウ兄達と一緒に病院行って 検査受けてきて
その結果で考えよ 俺は会社へ行って 千尋の事相談してくる
きっと相談に乗ってくれはる」
「でも」
「もう お前の でも は聞かへん それで遠慮してたらお前がおらんようになってしまう
それは絶対にアカンねん だから 体がよくなるまでは 俺の言うこと聞いてもらう
ええな」
「いやそれは」
「ええな」と静に睨まれた千尋ははいと言うしかなかった
車まで抱っこで運ぶ
「壮志さん コウにい 頼むね」
「ああ 終わったら連絡するよ」
「千尋 しんどくなったらちゃんと言うんやで 我慢したらアカンで
病院行く意味ないからな わかったな」
コクリとうなずく 返事もできないぐらい消耗してるのがわかる
会社へ行き 千尋の事を話す かいつまんで話す
今日の検査でどうなるかわからないが たぶんしばらくは仕事には来れない
派遣会社と話し合ってほしい 千尋の今までの働きを無駄にしてほしくないと
課長と係長に話をした
「山崎君がいない間に採用してしまうのは イケない事ですか?」係長が課長に聞く
課長が立ち上がって
「派遣会社の担当の人に連絡して 山崎君ウチで正社員で採用するからって
で 入院するなら保険あった方がいいし 雇用保険も何とかしてあげて
休職扱いにするとか できる」
「何とかします」とどこからか声がする
「部長には僕からちゃんと話するから でも 山崎君が帰ってくるまで人いれないから
みんなでカバーしてね」
と課長は部長に会いに部屋を出て行った
瀬野が寄ってきた
「よかったな」
「ああ 少しでも安心できたらいいんだけど」
「千尋ちゃん 大事にしろよ 譲ってやるんだからな」
「何やそれ」
「狙ってたのは お前だけじゃないってことだよ」
背中をバンバン叩かれた
「今度おごれよ 今日は仕事変わってやるよ」と机にもどって行った
さぁ 次だ
「ごめんねリュウにい 時間空けてもらって」
「いいよ 仕事 それともプライベート」
「うーん どっちもかな」
と千尋の事を全部話をした
「わかった その子が誰に搾取されて 搾取したあとどうなってたか 調べたらいいんだな
そんなんじゃウリもさせられてるなぁ
どうする 売りしてた事もみ消した方がいい 出来るけど」
うーんと考え込む
「それは 千尋に任せる それができることは伝える でも決めるのは千尋」
「それがいいと思う ウリだけですんでそう?薬はだいじょうぶそう?」
「その辺は大丈夫やと思う」
「優希」と静かにリュウ兄が後ろに立っている人を呼んだ
「何人使ってもいいから 大至急で調べてくれるか それと」
「先生にも連絡しておきますね」優希さんが言う
「ああ たのむ」
「優希さん すいません 忙しいのに頼み事して」
「全然 気にしないで」と手を振って部屋を出て行った
「まぁ 何かわかったら連絡するよ」
「お願いします」と頭を下げた
「落ち着いたら紹介しろよ 幸之助たちが知ってて俺たちが知らないのは ちょっと気に入らない」
とリュウ兄が笑ってる
「わかったよ 落ち着いたらね」
「親父達には知らせた?」
「まだ これから会いに行く リュウ兄にお願いした事言うとかんと 話がややこしくなる」
「そうだな」
「じゃあ お願いします」
と頭を下げて リュウ兄の事務所を出た
川越の本宅へ行くために 電車に乗る
連絡しとかなうるさいな と携帯を出す
『今から行くから』とだけ連絡する
応急処置する
「病院に入院させるよ
このままじゃ 千尋君死んじゃうよ 家族はいないの?
「何度か お父さんが来るからって言ってた時があった」
千尋が寝ている姿をじっと見る 頬の殴られた後にもバンソコが貼ってある
「なぁ コウ兄
ウチの会社まぁまぁ給料いいやん 千尋は営業事務やけど派遣やけど
それなりにもらってると思うんやけど
アンパン一個やねん
古いアパートに住んでるし 家の中ホンマに何にもないねん
いつも冷蔵庫空っぽやねん
月の内な アンパン一個で過ごす日がいっぱいあってな
何も食べへん日とかあったりとか それにな
あきらかに寝不足でフラフラで仕事来たりとか 倒れそうになったりとかするねんけど
仕事はしっかりしてる 仕事ほんまにようできる子やねん
実際家で何回も倒れてるんと違うかな お腹もすいてたんかもしれへん
兄ちゃん 俺には力がない 千尋ひとり助けたる力がない」
自分が情けない
「千尋君の事 中途半端な気持ちで助けたなら ここで警察を呼ぶ
虐待と強姦になるからね 本当は届けないとダメなのは知ってるよね
セイが本気で助ける気持ちがあるなら 何でも手伝うよ どう?」
兄の顔を真っすぐに見る
「俺 おにぎり握るだけで ドキドキしたのホンマに久しぶりやし
どうやって渡そうとか いつ渡したらええんやろかとか
めっちゃ悩んで 渡す時もドキドキしてた 普通のフリしてたけどな」
コウ兄と壮志さんがニヤニヤしながら聞いている
「電車の時間わからんから 駅で待ってみたり 直帰でいいのにわざわざ会社にもどってみたり
体調の事も足の事も ケガの事も気が付いてた でも俺なんもでけへんかってん」
「しっかりしないと 好きな奴守れないような男は川越家にはいりませんって
さきさんに怒られるよ
助けるのはこれから 力がいるのもこれから」
兄がやさしく喝を入れてくれる
「お前が本気で守る気があるなら 俺たちは手伝うよ
いつでも 我が家は静のお願いは聞くだからね」
「それ 俺の力ちゃうやん」
「でも 使える物は何でも使った方がいいでしょ」
君には使える力があるんだから と
「千尋のためになるんやったら それもアリやな
さきさんに怒られるのはかなわん 本気で行くわ
コウ兄 壮志さん手伝ってくれる?」
「「もちろん」」
「あっ みんなにも連絡してね じゃないと俺たちが嫌味いわれるから お願いね」
とコウ兄が言った
「千尋 やっぱり病院行こ ここでは限界があるってコウ兄達も言うてるし
一回ちゃんと病院行ってみてもらお な」
「でも・・・」
「とりあえず今日は コウ兄達と一緒に病院行って 検査受けてきて
その結果で考えよ 俺は会社へ行って 千尋の事相談してくる
きっと相談に乗ってくれはる」
「でも」
「もう お前の でも は聞かへん それで遠慮してたらお前がおらんようになってしまう
それは絶対にアカンねん だから 体がよくなるまでは 俺の言うこと聞いてもらう
ええな」
「いやそれは」
「ええな」と静に睨まれた千尋ははいと言うしかなかった
車まで抱っこで運ぶ
「壮志さん コウにい 頼むね」
「ああ 終わったら連絡するよ」
「千尋 しんどくなったらちゃんと言うんやで 我慢したらアカンで
病院行く意味ないからな わかったな」
コクリとうなずく 返事もできないぐらい消耗してるのがわかる
会社へ行き 千尋の事を話す かいつまんで話す
今日の検査でどうなるかわからないが たぶんしばらくは仕事には来れない
派遣会社と話し合ってほしい 千尋の今までの働きを無駄にしてほしくないと
課長と係長に話をした
「山崎君がいない間に採用してしまうのは イケない事ですか?」係長が課長に聞く
課長が立ち上がって
「派遣会社の担当の人に連絡して 山崎君ウチで正社員で採用するからって
で 入院するなら保険あった方がいいし 雇用保険も何とかしてあげて
休職扱いにするとか できる」
「何とかします」とどこからか声がする
「部長には僕からちゃんと話するから でも 山崎君が帰ってくるまで人いれないから
みんなでカバーしてね」
と課長は部長に会いに部屋を出て行った
瀬野が寄ってきた
「よかったな」
「ああ 少しでも安心できたらいいんだけど」
「千尋ちゃん 大事にしろよ 譲ってやるんだからな」
「何やそれ」
「狙ってたのは お前だけじゃないってことだよ」
背中をバンバン叩かれた
「今度おごれよ 今日は仕事変わってやるよ」と机にもどって行った
さぁ 次だ
「ごめんねリュウにい 時間空けてもらって」
「いいよ 仕事 それともプライベート」
「うーん どっちもかな」
と千尋の事を全部話をした
「わかった その子が誰に搾取されて 搾取したあとどうなってたか 調べたらいいんだな
そんなんじゃウリもさせられてるなぁ
どうする 売りしてた事もみ消した方がいい 出来るけど」
うーんと考え込む
「それは 千尋に任せる それができることは伝える でも決めるのは千尋」
「それがいいと思う ウリだけですんでそう?薬はだいじょうぶそう?」
「その辺は大丈夫やと思う」
「優希」と静かにリュウ兄が後ろに立っている人を呼んだ
「何人使ってもいいから 大至急で調べてくれるか それと」
「先生にも連絡しておきますね」優希さんが言う
「ああ たのむ」
「優希さん すいません 忙しいのに頼み事して」
「全然 気にしないで」と手を振って部屋を出て行った
「まぁ 何かわかったら連絡するよ」
「お願いします」と頭を下げた
「落ち着いたら紹介しろよ 幸之助たちが知ってて俺たちが知らないのは ちょっと気に入らない」
とリュウ兄が笑ってる
「わかったよ 落ち着いたらね」
「親父達には知らせた?」
「まだ これから会いに行く リュウ兄にお願いした事言うとかんと 話がややこしくなる」
「そうだな」
「じゃあ お願いします」
と頭を下げて リュウ兄の事務所を出た
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