静と千尋

うー吉

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静2

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千尋の元へ戻る 着替えが終わってぼっと立っている
ワイシャツに血がにじんできている
歩かせるがいつも以上に足の運びが悪い
「足痛いな 俺のうちまで歩けるか?」
「はい 歩けます」
怪我してない方の手を取る
「すぐやから我慢な」

家について すぐ家のインターホンが鳴る コウ兄たちだ
「鍵開けてあるから入ってきて」という
立ち上がろうとする千尋に
「俺の兄貴が来ただけやから 傷見てもらおうな」
さっきから息おかしい
ドアをゆっくり開けてくれる
「遅くなってごめんね そのままでいいよ
こっちで勝手にするから」
立ち上がろうとした俺をとめる
コウにいと壮志さんがテキパキと準備をして
ソファに座っている 千尋の前に座る
「名前聞いてもいいかな?」
「山崎 千尋です」
「はい 千尋君ね」
「傷見せてもらうね」
「イヤいいです」と手を出そうとしない
「千尋 ちゃんと見てもらお な」
「無理です」顔が下がったまま 千尋の顔が見えない
「千尋なんでなん?」とやさしく聞く
「…‥‥‥俺 お金ないから だから」
「あーそれは気にしないで 今は勤務外だし
セイにお願いされたら なんでもするのが我が家のルールだから 気にしないで」
「俺 コイツの兄で川越 幸之助」
「林 壮志です ワイシャツ外そうか ちょっと血が出すぎだと思うんだ」
壮志さんが千尋の手を取って ワイシャツを取る
手の甲をぐっさりと切ってる
「千尋君 ちょっと移動できるかな?」
息苦しそうな千尋
「はい」と返事はできたがたちあげれない
壮志さんと俺で 千尋をテーブルの椅子に座らせ コウにいが
「縫わないといけないから 麻酔するね セイ ちゃんと支えてあげてよ」
麻酔をして 縫う 二人とも難しい顔をしている
千尋は 目をつむったまま 荒い息を吐いている
「終わったよ 偉かったね」
「セイ 少し寝かせてあげようか」
小上がりの和室に布団を引いた
壮志さんが千尋を抱き上げる くたりとしている
壮志さんが「コウ」と一言言うと コウにいは点滴の用意を始める
体温計をわきにいれて しばし待つ 体温を見て二人の顔が曇る
「だいぶしんどいと思うんだけど 千尋君はどんな感じかな」コウにいが聞いている間に
壮志さんが怪我のない方の手に点滴の針を刺す
「他に痛いとことか しんどいところから ないかな どう?」
「千尋 俺たちの事信用して 大丈夫悪いようにはせーへんから
なぁ 1人で我慢せんといて あんな傷今日だけとかちゃうやろ
俺じゃ頼りにならんか 千尋の事助けたいと思ってるんや アカンか」
千尋が起き上がろうとするのを止める
「どうした」
「帰ります」
また起き上がろうとする
「これ以上迷惑かけるわけには行きません 
あいつが来る前に家に帰らないと また…」
「殴られる?」
千尋がビックと揺れる 
「服めくるね ごめんね」とコウにいが聞く
二人は絶句する
腹には殴られた跡が何個もあって 体全体には切り傷が古い傷や新しい傷が数えきれないぐらいある
肌全体が青や紫に変色していて 肋骨のところがひどい
「少し我慢してね」軽く押すと「いッ」と千尋が声をあげた
「ごめんね 痛かったね よく我慢してたね 千尋は偉いね」
「もう我慢しなくていいからな」

千尋が落ち着かない ごそごそと体を揺らしている
「なあ千尋 どうした 気持ち悪いんか?」
「ちょっと気になることがあるんだが さわってもいいか」と壮志さんがいう
「セイタオル持ってきて 」とコウにいが言う
やさしい口調だが 目がかなり怒っている
タオルを渡す 千尋の腰の下にタオルを引く
 
千尋のズボンを脱がす 上半身よりひどい状態がでてきた
内ももには 何個もたばこの火傷の跡 棒のような火傷もある 足の甲には
杭を打たれたような跡 少し変形した膝 
「ごめんな 千尋 つらいな いたいな」
手で顔を隠してる
パンツを下ろすと 
根本を紐でくくられ 先に栓をつけられている 陰茎があった
コウ兄が 陰茎に刺さっている栓を抜いてやる
「あーっ」千尋の体に力が入る
額には汗がにじみ出てる 根元の紐を切る
千尋の陰茎から ダラダラといろんなものが流れる
だんだんタオルが真っ赤に染まっていく かなりの痛みがあるのだろう
シーツを握りしめてる指の先が真っ白になってる
体をさすってやるが正解がわからない
千尋は「ごめんなさい 迷惑かけて ごめんなさい」と泣き続けていた

泣き疲れたのか 千尋も眠ってしまった
熱が上がっているので 呼吸が少し苦しそうだ

ちょっと行ってくるよ 壮志さんが立ち上がる
足らない物買ってくるよ 俺の頭を撫でる
「そんなに心配するな 大丈夫だから」って笑って出て行った
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