スラムの子と王子様

うー吉

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第四話 

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「あら 一緒じゃなかったの?」エリの言葉で驚く
「アシル まだなのか?」
「ええ 一緒に帰ってくるとばっかり思ってて」
あたりはだいぶ暗い 生活魔法の使えない アシルは 連絡を取る手段を持っていない
「探してくる」「俺も」とセシリアと一緒に離れを出るが いろんなところでいろんな手伝いをするアシルをどうやって探すか 考えてしまう
「とりあえず 思いつくところへ行ってみる」とセシリアに言うと こちらもそうしてみますと別れた
「雨か」と少し胸騒ぎを覚えて走り出した


「アシル そろそろ帰らないと遅くなるぞ」よく仕事を手伝わしてくれる ナディヤの離れにいる庭師のおじさんに言われる
「はーい おじさん 明日も来ていい?」「ああ いいぞ 気をつけて帰れよ」と言って分かれた
離れから離れ いつもの慣れている道を通って 帰っていた
「君 クロウ様のところの子だよね」と声をかけられた

「クロウ様に届けて欲しいものがあるんだ ついてきて」と言われたので ついて行く
「ここだよ」と連れてこられたのは 小さな小屋 城の端城壁の警備の人が使う小屋だろうか 中に入れらた
小屋の中から 何人かの人が現れる
「なんですか 用事あるんですよね」と言っても返事がない
ニヤニヤ笑っている あーこの顔見た事あるな ちょっと前までよく見ていたなぁ どこにでもあるんだなぁこんな事って 
「お前 クロウ様の慰めものなんだろ」
慰めもの ただの行為の発散のためにいる 立場のある人が世継ぎなどで揉めないように 側室とは違う ただの慰めるもの
「違います 俺は違うし クロウ様はそんな事する人ではありません」
「なんだ そう言えって言われているのか」別の男が言う 「違います 本当です」と言いながら 一歩下がる 「そんな事どうでもいいよな」と言いながら手が伸びてくる 後ろのドアのノブをつかむ
いつの間にか 鍵がかけられてる
ドンドンとドアを叩く 「助けて 助けて」と大声を出す 肩を掴まれ倒され その上に乗られる
「やだ 離して やめて イヤだ」体全体を使って反抗するが 上の男はびくともしない 「うるせーなあ」とバシンバシンと両頬をビンタされる 「やっ」とそれでもできる限りの声を上げる
「ホント うるさい 慰めもののくせに」と手を違う男に抑えられ 口にボロぎれを突っ込まれる
「早くしろよ」とズボンと下着を一気に脱がされる 「やーーーーーっ」と声を上げ 手や足をばたつかせる 足が違う男の当たって男がこける 他の男たちがないやってんだよと笑った 笑われた男が 怒っている「コイツの足が当たったんだよ」とそこにあった棒で俺の足を思い切り殴った 
「がーーー」「ざまあみろ 抵抗するからだよ」
と反対の足も殴られる
「ほらこれ使えよ」と穴の周りに潤滑油を塗られて 指を3本一気に突っ込まれる 「グッ」体が逃げようとするが 「逃げんな」とおさらえつけられ 指をハラハラと動かされる グチャグチャと音だけが部屋に響く 
『 やだ やめて コワイ クロウ助けて いたい』
もういいだろ と男の声がする
『やめて ヤダヤダヤダ イヤだ コワイコワイ』
一気に突かれる
「ガァーーーーーっ」体がゆみなりにそる
逃げんな バシッと頬を張られる
『イタイ ヤダ タタカナイデ』
また突かれる 「お前も気持ちいいだろ」と俺のものをぎゅっと掴まれる 「グァ」そのまま根元を縛られる 「これの方がもっと気持ちいいぞ」気が遠くなる

代わる代わる突かれる 口のボロぎれも取られかわりに男のものを突っ込まれる 
『あーそうだ 俺はこんな事されるための物だったよな クロウ達がやさしくしてくれるから 忘れてたけど 俺は 汚い物だったよな 』涙が流れる
「なんだ 動かなくなったぞ」と男が言うと
「まだ大丈夫だろ」と鉄の棒をもつ フッと魔力をかけた 棒の先端は真っ赤になった その棒を俺の腹に当てる 「ぎゃぁーーーーー」と声と共に「おお締まる締まる」と男の声がして また突かれた

あたりが暗くなり 雨が激しくなる 雷も鳴り出した もう胸騒ぎしかしない
「セシリア アシルがいなくなった力を使いたいと城に使いを頼む」「はい」
どこだ どこにいる アシル無事なのか
離れに 母とナディヤが来た
「アシルが居ないって」
「はい」
「力加減間違えるなよ アシルも傷付けることになるぞ」「分かっています」
「よし 行け」
『 アシル どこにいる 返事をしろ 』視えた
怒りで頭が真っ白になる
「いかん セシリアあいつを止めろ」と母の声の前に 俺は飛んだ アシルのいる小屋に向かって
「クロウ 待て」セシリアの声が遠い

バリバリと小屋を包む音がする
『 ああ 雷落ちたのかなぁ 
もういいや こんな俺じゃクロウやみんなのところへ戻れないし ナイフさぁここに刺すぐらいなら 心臓に刺してくれたら すぐ死ねたのに ああ すぐに死んだらだめなんだね 痛くて苦しんでからなんだ だからこんなに痛くて苦しいのが続くのか もういいんだけど まだ許してもらえないんだ もう疲れた 眠りたい 最後にクロウに会いたいなぁ』

誰だ アシルをこんな目にあわせたやつ
だれだ アシルを泣かせたのは
だれだ だれだ おまえか

「クロウ」俺の声が聞こえていない
アシルの周りにいた男達は クロウが吹き飛ばしてしまった もうこの世のものではないだろ
怒りで 魔力が暴走している 少しでも近づけば攻撃される クロウの魔力に勝てる者はいない
もしこのまま アシルに何かあれば クロウが暴走したままになったら 現に 城壁の一部が崩れている クロウの一撃でだ どうする
グフタスが一歩前に出る
「クロウ アシルが怪我をしている 治療がしたい こちらへ連れてきてくれないか」ともう一歩前へ出ようとした時 雷が落ちる まるで誰も近づくなと言っているようだ 
アシルのお腹にはナイフが刺さっている 血が流れているのが離れていてもわかる このままでは
「セシリア 私が行くから その間にアシルを保護しろ」スティーナ様が言う
「それは 無謀です」
「そんな事言ってる場合ではない このままでは 皆が国が滅びるぞ 後を頼む」
「行くぞ」と言われた時 クロウの魔力が抑えられて行く
アシルが クロウの頬をなぜて気を失ったようだ クロウもアシルを庇うように倒れた 
二人の元へ走った
二人をグフタスの病院へと運ぶ

ふと バリバリとまだ音がしているのが聞こえた
クロウの魔力がイタイ 目を開けると クロウが見えた うれしい最後の最後にお願い聞いてもらえたんだ でも
「クロウやめて イタイ」クロウの力が収まっていく クロウの頬に手を伸ばす 「クロウ ありがと ごめんね」と 声届いてたらいいな 



クロウは魔力の暴走なので 本人が気がつくまでほっとけばいい
問題はアシル かなりの抵抗をしたのだろう ゆびの爪が剥がれていたり 体を抑えられてるところを無理に動かしたんだろう 右側の肩が脱臼していた 
足には大きな打撲痕 骨にヒビが入ってた あと胸部圧迫により肋骨が3本 折れている
屈辱による下半身への暴力により両足の股関節の脱臼 裂傷 
そしてなにより ナイフによる腹部の傷 
ナイフが内臓を傷つけたせいで 出血がなかなか止まらなかった 
意識が戻らない
回復魔法をかけるが 拒否されている
だれの魔法も受け取らない このままでは最悪の事が起こる
アシルはクロウの回復魔法しか受け付けないみたいです
と王妃に説明したら 一度殴ってみるかと本当に殴った 王妃もかなりお怒りの様子だ
クロウ 早く目を覚まさないと アシルに会えなくなるぞ 早くしろ



「いつまで寝ているバカ息子 このままだとアシルが・・・貴様が泣いて後悔することになるぞ」の声と 頭の衝撃で目が覚めた
「アシルは」と飛び起きた
すこし 足元がおぼつかなかったが アシルの元へ連れて行ってもらった
細く熱を持った苦しそうな呼吸 青白い顔
ここへ来た時より 苦しそうで弱々しい 壊れてしまいそうだ
「何をしている 早く アシルに回復魔法をかけんか アシルはお前の魔法を待っている 量を間違えるな焦るな そう上手 アシル クロウはちゃんと帰ってきた 今度はあなたが帰ってくる番よ アシル帰ってきて 私にもう一度あなたにありがとと言わせて 息子を助けてくれてありがとう」と国1番最強と呼ばれているあの母が泣いている
アシルが男たちに襲われているのを見てからの記憶がない 気がつけば病院のベットだった
「魔力が暴走した 自分の力知っているか 力は必要だ しかしすぎる力は恐怖にしかならない 
国の恐怖は取り払うのが王としての務め わかっているな もう一度しっかりやり直せ」
「はい」
「お前の力は 絶大すぎるのだ 今回は 城壁の一部ですんだが これが街だったら 市場だったら
被害が一般の関係のない国民を巻き込んでいたら 私はお前を生かしてはおけない
たのむ 私や母上に悲しい決断をさせるなよ わかったな」父も怒っていた
「はい 申し訳ありませんでした」と膝を折る
「アシルはまだ意識が戻らんのか」「はい」
悲しそうにそうかとだけ返事があった

アシルの側から離れられない
毎日少しの回復魔法をかけてやる 
「アシル 帰ってこい 待っている」



まわりは暗い だれもいないところにいる もうここでいいかな 俺にはお似合いの場所だと思う
体中が痛くて横になっている 動くことができない

いつも 優しい雨が降る いろんな色の雨が降ってきたけど 
どれも綺麗で俺にはもったいない 見ているだけで十分だ 
ある時から 雨が変わった 懐かしい気持ちになる 1番優しい雨だ 少しだけ手に取る 気持ちがいい 
また少し また少しと手に取る 少しだけ体が楽になる また少しまた少し 少しだけ体が楽になる
遠くで声が聞こえ出した ああ懐かしい声 誰だろう 暗い世界に一本の光が届いた ああ綺麗だ あれは 

「ク・・・ロウ」目が覚めた
「ああ そうだよ よかった 良かった 
今 グフタスを呼ぶから待ってね

あの日から 2週間たっていた
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