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IFルート おまけ 3 宿泊券の使い道 パターンA
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IFルートCCおまけ3
『宿泊券の使い道A』
*****
或る刻、或る処。
*****
「ふうう。」
美咲の中からこわばりを抜き、布団に横たわる。
「あん、はあ、はあ。」
美咲が俺からコンドームを外し、ティッシュで拭いてくれた。
「はあ、はあ、お疲れ様、あなた、ん、っと、せっかくだから大浴場の方に行ってくるね。」
「ああ、そうだね、せっかく温泉に来たんだし行っておいで。」
「あなたは?」
「ああ、少し疲れたから俺は朝にでもゆっくり入るよ。」
「久しぶりの長距離ドライブだものね、おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
浴衣を纏った美咲が部屋を出て行く。
「…、…。」
「ん?」
美咲が扉を閉めながら何かを言ったようだがよく聞き取れなかった。
家族三人で二泊三日の温泉旅行に来ている。
隠してあった、アノ男から渡された旅行券を美咲に見られたのだ。
金欠の同僚に泣き付かれて買い取ったと誤魔化した。
その後は美咲と美月がうっきうきでスケジュールを組んだ。
もちろん、アノ男は呼んでいない。
初めてのお泊り旅行で朝からはしゃいだ美月は、
夕食を食べながらこくりこくりと半分夢の中へ。
起きた時何を食べたのか覚えてないんだろうな。
美月を布団に寝かせた後は夫婦の時間。
美咲と寄り添ってビールを飲む。
とりとめもなく会社のこと、幼稚園のこと、ママ友のこと、ぽつぽつと話す。
話しが途切れた後は、まあ、夫婦の営み。
久しぶりの2連戦。
酔いと心地よい疲れで限界だ。
ふあぁ、ねむい…。
*****
肌寒さを感じて目を覚ました。
寝惚けて蹴っ飛ばしたのか、布団がずれていた。
身震いをして布団を引き上げる。
いつも美咲がいる左側へ無意識に手を伸ばすと冷たい布団の感触。
美咲の布団は空っぽだ。
まだ、温泉にいるのか。
長風呂だな。
常夜灯の光でぼんやりと壁掛時計が浮かぶ。
4時を周ったところだ。
えっ?
ああっ?
美咲!
慌てて身を起こし、美咲の布団を確認する。
仲居さんが敷いてくれたままだ。
使った形跡は無い。
あれから戻ってきてない?
胸がバクバクする。
もしかして、
起き出して隣の美月の部屋を確かめる。
居ない。
美咲
何かあったのか?
スマホ!
スマホで連絡を
部屋にもどってスマホを探す。
枕元に二つのスマホがあった。
持って行って無いのか?
とにかく自分のスマホを持つ。
ぐっ!
ロック画面にあのアプリの新着通知が着ていた。
アノ野郎!
くそ!
くそ!
美咲!
美咲!
ああ、俺は教えてない!
うっ、うっ、美咲。
美咲。
美咲。
どうしてだ。
どうして…。
…。
*****
「あなた、起きて、あなた!
温泉入るんでしょ、あなた。」
「ああ、入る入るよ。」
「おはよう、あなた。」
「美咲っ!」
「なっなに?」
「い、いや、おはよう。」
「なに、寝惚けたの?
朝食の前にひとっ風呂浴びてらっしゃい。」
「あ、ああ、美咲は?」
「私はもう朝風呂を楽しんできたわ。
あなたぐっすりだったから起こさなかったけど、
戻ってきたらまだ寝てるんだもの。」
「ありがとう、温泉行ってくるよ。
ああ、美月は?」
「まだ寝てるわ、昨日大はしゃぎしてたからもう少し寝させてあげたいわ。」
「そうか、じゃ、行って来る。」
「はい、長湯しちゃ駄目よ。
この旅館の食事おいしいから、朝食たのしみだわ。」
夢では無かった。
布団は使って無かった。
目の下のうっすらとくまが出来てる。
それを隠そうと少し化粧が濃くなってる。
うなじにはキスマークが有った。
夢ならよかった。
*****
『宿泊券の使い道A』
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或る刻、或る処。
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「ふうう。」
美咲の中からこわばりを抜き、布団に横たわる。
「あん、はあ、はあ。」
美咲が俺からコンドームを外し、ティッシュで拭いてくれた。
「はあ、はあ、お疲れ様、あなた、ん、っと、せっかくだから大浴場の方に行ってくるね。」
「ああ、そうだね、せっかく温泉に来たんだし行っておいで。」
「あなたは?」
「ああ、少し疲れたから俺は朝にでもゆっくり入るよ。」
「久しぶりの長距離ドライブだものね、おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
浴衣を纏った美咲が部屋を出て行く。
「…、…。」
「ん?」
美咲が扉を閉めながら何かを言ったようだがよく聞き取れなかった。
家族三人で二泊三日の温泉旅行に来ている。
隠してあった、アノ男から渡された旅行券を美咲に見られたのだ。
金欠の同僚に泣き付かれて買い取ったと誤魔化した。
その後は美咲と美月がうっきうきでスケジュールを組んだ。
もちろん、アノ男は呼んでいない。
初めてのお泊り旅行で朝からはしゃいだ美月は、
夕食を食べながらこくりこくりと半分夢の中へ。
起きた時何を食べたのか覚えてないんだろうな。
美月を布団に寝かせた後は夫婦の時間。
美咲と寄り添ってビールを飲む。
とりとめもなく会社のこと、幼稚園のこと、ママ友のこと、ぽつぽつと話す。
話しが途切れた後は、まあ、夫婦の営み。
久しぶりの2連戦。
酔いと心地よい疲れで限界だ。
ふあぁ、ねむい…。
*****
肌寒さを感じて目を覚ました。
寝惚けて蹴っ飛ばしたのか、布団がずれていた。
身震いをして布団を引き上げる。
いつも美咲がいる左側へ無意識に手を伸ばすと冷たい布団の感触。
美咲の布団は空っぽだ。
まだ、温泉にいるのか。
長風呂だな。
常夜灯の光でぼんやりと壁掛時計が浮かぶ。
4時を周ったところだ。
えっ?
ああっ?
美咲!
慌てて身を起こし、美咲の布団を確認する。
仲居さんが敷いてくれたままだ。
使った形跡は無い。
あれから戻ってきてない?
胸がバクバクする。
もしかして、
起き出して隣の美月の部屋を確かめる。
居ない。
美咲
何かあったのか?
スマホ!
スマホで連絡を
部屋にもどってスマホを探す。
枕元に二つのスマホがあった。
持って行って無いのか?
とにかく自分のスマホを持つ。
ぐっ!
ロック画面にあのアプリの新着通知が着ていた。
アノ野郎!
くそ!
くそ!
美咲!
美咲!
ああ、俺は教えてない!
うっ、うっ、美咲。
美咲。
美咲。
どうしてだ。
どうして…。
…。
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「あなた、起きて、あなた!
温泉入るんでしょ、あなた。」
「ああ、入る入るよ。」
「おはよう、あなた。」
「美咲っ!」
「なっなに?」
「い、いや、おはよう。」
「なに、寝惚けたの?
朝食の前にひとっ風呂浴びてらっしゃい。」
「あ、ああ、美咲は?」
「私はもう朝風呂を楽しんできたわ。
あなたぐっすりだったから起こさなかったけど、
戻ってきたらまだ寝てるんだもの。」
「ありがとう、温泉行ってくるよ。
ああ、美月は?」
「まだ寝てるわ、昨日大はしゃぎしてたからもう少し寝させてあげたいわ。」
「そうか、じゃ、行って来る。」
「はい、長湯しちゃ駄目よ。
この旅館の食事おいしいから、朝食たのしみだわ。」
夢では無かった。
布団は使って無かった。
目の下のうっすらとくまが出来てる。
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夢ならよかった。
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