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2章英雄と龍魔王
ドラグロワの森林
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ドラグロワの森林の大洞窟。
その洞窟は暗く、冷たい。
地下内で創り出された、蟻の巣穴のような大迷宮の洞窟。
入口は巨大なブラックホールのような見た目で、一度入ったら、元には戻れないだろうことを示す。
場面は急転し、ドラグロワの最深部を映し出す。
洞窟にあるとは想像が出来ない程のマグマの海が広がっていた。
沸々と煮えたぎる禍々しい赤黒の塊が、相互に飲み込んだり飲み込まれたりし合っている。
そして、互いに衝突し、大きなマグマの波が構築された時、龍魔王の恐ろしい怒りの声が反響する。
マグマの海の中央の円柱の頂上に平伏す四体の龍族の幹部と激怒する龍魔王がいるのだ。
だが、マグマが今度は一斉にマグマの渦となり、天井まで吹き出し、中の様子を窺うことはできない。
「何だと!」
「も、もしわけございません。魔王様……」
「あれほど警戒しろと言ったはずだ! もしものことがあったら、どうする気だ? 責任はとれんのかぁぁぁ!」
「いえ、あの、いえええ」
「あのじゃねぇよ……はっきりしろや!」
「えええ、あのですね」
「何言ってんだよベビ助!」
「あのぉぉぉ……もも……」
「魔王様お待ち下さい。我々幹部にグラード王国の英雄……以下騎士の殲滅を御命令頂ければ、即実行し、あの方の無事が高まります」
「ぁあ? 高まるだと? ワシはできるかできないか言ってるんだ? ウルボロス言葉遣いを良く気つけろ?」
「はっ、申し訳ございません。必ずあの方の無事が約束されるでしょう」
「ふんっ……突っ立てねぇで早く行けよ雑魚」
「はっ」
「ぼくには無理だよぉぉぉぉ……あーんんんん」
「泣いてんじゃねぇーよぉぉぉぉベビ助!」
「え、ええ、すすすいません」
「早く行けぇぇぇぇ!!!!」
その洞窟は暗く、冷たい。
地下内で創り出された、蟻の巣穴のような大迷宮の洞窟。
入口は巨大なブラックホールのような見た目で、一度入ったら、元には戻れないだろうことを示す。
場面は急転し、ドラグロワの最深部を映し出す。
洞窟にあるとは想像が出来ない程のマグマの海が広がっていた。
沸々と煮えたぎる禍々しい赤黒の塊が、相互に飲み込んだり飲み込まれたりし合っている。
そして、互いに衝突し、大きなマグマの波が構築された時、龍魔王の恐ろしい怒りの声が反響する。
マグマの海の中央の円柱の頂上に平伏す四体の龍族の幹部と激怒する龍魔王がいるのだ。
だが、マグマが今度は一斉にマグマの渦となり、天井まで吹き出し、中の様子を窺うことはできない。
「何だと!」
「も、もしわけございません。魔王様……」
「あれほど警戒しろと言ったはずだ! もしものことがあったら、どうする気だ? 責任はとれんのかぁぁぁ!」
「いえ、あの、いえええ」
「あのじゃねぇよ……はっきりしろや!」
「えええ、あのですね」
「何言ってんだよベビ助!」
「あのぉぉぉ……もも……」
「魔王様お待ち下さい。我々幹部にグラード王国の英雄……以下騎士の殲滅を御命令頂ければ、即実行し、あの方の無事が高まります」
「ぁあ? 高まるだと? ワシはできるかできないか言ってるんだ? ウルボロス言葉遣いを良く気つけろ?」
「はっ、申し訳ございません。必ずあの方の無事が約束されるでしょう」
「ふんっ……突っ立てねぇで早く行けよ雑魚」
「はっ」
「ぼくには無理だよぉぉぉぉ……あーんんんん」
「泣いてんじゃねぇーよぉぉぉぉベビ助!」
「え、ええ、すすすいません」
「早く行けぇぇぇぇ!!!!」
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