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2章英雄と龍魔王

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 そして、イリスが絶好の機会と思い、ロイスに願い出る。

「……ロイス様……アタマカラを今回の征伐に同行させても宜しいですか」

「この征伐の代表は君だ。人選は君に任せるよ」

「……ありがとうこざいます」

「アタマカラ君……イリスを守ってくれるかい?」

「あっ……もちろん」

「本当だね?」

「はい」

 優しさの裏にある脅迫めいたロイスの問い掛けにアタマカラは少し緊張しながら、了承する。
 
         *
 翌日、一万人程の騎士団がドラグロワの森林へ侵攻を始める。
 剣や片手剣や双刃などの武器を持ち、光沢のある防具を纏い、騎士達は竜車や馬車に揺られ、進む。
 まず、森林の東西南北と千単位で固め、あらかじめ用意した砲撃戦闘機を設置し、外部に逃げようとする龍族の魔獣達を駆除する。
 中央にはアーチャーの武器を持つ騎士を配備し、上空に飛ぶ龍を駆除する。
 万全の征伐態勢が整われ、後は実行の命令を聞くまでだ。
 だが、このような大量の騎士と軍備を揃えても、広大なドラグロワの森林を完全に網羅出来ている訳ではない。
 この森林には龍族以外の魔獣も多く住み、しかも凶暴ということ。
 驕りを捨て、緊急の状況に冷静に対処しなけばならないと騎士は胸に刻む。
 そして、今回の征伐のメインは龍魔王(ドラグロワ)の征伐。
 これは、騎士が数万人いたとしても、倒すことは出来ない程の強力な魔獣。
 そこで、適任なのは七英雄団の四人。一人で、一国を崩壊することが可能と言われる程の、実力者であり、超人達だ。

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