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2章英雄と龍魔王

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    一瞬、極寒の冷気がこの場に生じ、磁場すらも消滅させ、一気に0度以下にし、全員を絶句と硬直の餌食にする。
 イリスははっと我に返り、アタマカラを信じられないと云った両眼で見つめる。
 何が今起こったの……。
 その驚愕はルークも震撼しながら、感じていた。
 何だ今のは……。
 人間レベルを遥かに超えた魔力と殺気。
 震える。
 この英雄である……僕が震えるだと……。
 そして、アタマカラはイリスは優しい白い両眼を向ける。

「大丈夫だから……必ず勝つ……雲は何回でも現れる」

「アタマカラ……」

 そして、アタマカラは微弱な白い煙りを纏い、白剣を怯えるルークに向けた。
 映えるのは白い巨兵が白煙を漂わせ、青いマントが右方向に激しく揺れる。
 ダイヤモンドに煌めく両眼はとても、恐ろしく、人間とは思えない。

「立て」

 ルークは涙を浮かべ、思わず、後退り逃げようかと一瞬思ったが、ここで逃げたら先程アタマカラに対して嘲笑したものが、ブーメランのように降りかかり、この上無い屈辱が味わい、王国内であらぬ噂が生じると思い立ち、恐怖を押し殺し、立ち向かった。

「さっきまで負けてた奴が生意気なんだよぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 さすが、英雄の超人離れした速度で、剣をアタマカラの懐へ突き刺した。
 と思ったが、笑みを浮かべたアタマカラは煙で、霧散する。
 その時、ルークは背中に最上級の悪寒が生じ、ゆっくりと後ろを振り返った。
 そこにいたのは、白剣を突き付ける白い巨人
 恐怖の白い両眼が煌めき、ルークは驚愕すべき速度とあまりの恐ろしさに心臓がおかしくなり、首を傾げ、気絶して、倒れた。
 
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