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2章英雄と龍魔王
天使の決意
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※
幼い頃に民衆の集まる中で母が処刑された。
母は涙を流し、美しい笑顔で、この世を去っていった。
あの笑顔は一生記憶から忘れることはないだろう。
こびりつくように消えないのだ。
残された私と父は止まらない涙と、地獄のような絶望を味わった。
耐えようもない苦しみに何度も死を臨んだ。
そして、母の死から一年が経過し、涙が枯れ果て、悲しみは晴れることもなく、また将来の希望を見い出せず、絶望の日々を送っていた。
けれど、悲しみを押し殺してでも、母の命を無駄にしないために、これから父と二人で生きて行こうと決意する。
ところが、地獄はまだ終わりを告げることはなかった。
ある日、父がダンジョンに潜り込み、凶悪な魔獣に殺されたのだ。
唯一の肉親であり、心の拠り所となる存在を再度を失った。
そして、私は感情を失い、一人、絶望の日々を淡々と生き続けていく。
そんなある日、目の前で、友人や先生が凶悪な人間に殺され、私だけ難を逃れ、生き延びることが出来てしてまった。
正直、私もあの時、あの場所で死を迎え、天国にいる父と母に会いたかった。
また、両親と笑って楽しい日々を暮らしたい。
ただ、そんな心の残りがある一方、初めての感情が起きた。
私の胸に雷のような衝撃が貫いてしまった。それは、絶望ではない、興奮のような衝動。
父と母の悲しみがこびりついて離さないのに、その興奮の衝動が心を震わし、侵食してくる。
こんな興奮は許されてはいけないという罪悪感がせめぎ合い、悲しみと興奮が混ざり合って葛藤するのだ。
ただ、あの時、私を助けてくれた白い巨兵はとても勇敢で、強くて、美しい。
あんなに美しい英雄を見たのは初めてだった。
今までに無い、憧れを初めて彼に抱いた。
私もあんな風に美しく、強くなりたいと。
そして、私に目標ができる。
美しくて、強い、英雄になり、父を殺した凶悪な魔獣に復讐すると誓った。
幼い頃に民衆の集まる中で母が処刑された。
母は涙を流し、美しい笑顔で、この世を去っていった。
あの笑顔は一生記憶から忘れることはないだろう。
こびりつくように消えないのだ。
残された私と父は止まらない涙と、地獄のような絶望を味わった。
耐えようもない苦しみに何度も死を臨んだ。
そして、母の死から一年が経過し、涙が枯れ果て、悲しみは晴れることもなく、また将来の希望を見い出せず、絶望の日々を送っていた。
けれど、悲しみを押し殺してでも、母の命を無駄にしないために、これから父と二人で生きて行こうと決意する。
ところが、地獄はまだ終わりを告げることはなかった。
ある日、父がダンジョンに潜り込み、凶悪な魔獣に殺されたのだ。
唯一の肉親であり、心の拠り所となる存在を再度を失った。
そして、私は感情を失い、一人、絶望の日々を淡々と生き続けていく。
そんなある日、目の前で、友人や先生が凶悪な人間に殺され、私だけ難を逃れ、生き延びることが出来てしてまった。
正直、私もあの時、あの場所で死を迎え、天国にいる父と母に会いたかった。
また、両親と笑って楽しい日々を暮らしたい。
ただ、そんな心の残りがある一方、初めての感情が起きた。
私の胸に雷のような衝撃が貫いてしまった。それは、絶望ではない、興奮のような衝動。
父と母の悲しみがこびりついて離さないのに、その興奮の衝動が心を震わし、侵食してくる。
こんな興奮は許されてはいけないという罪悪感がせめぎ合い、悲しみと興奮が混ざり合って葛藤するのだ。
ただ、あの時、私を助けてくれた白い巨兵はとても勇敢で、強くて、美しい。
あんなに美しい英雄を見たのは初めてだった。
今までに無い、憧れを初めて彼に抱いた。
私もあんな風に美しく、強くなりたいと。
そして、私に目標ができる。
美しくて、強い、英雄になり、父を殺した凶悪な魔獣に復讐すると誓った。
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